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㉜女子会はラルフ様の話題です。
しおりを挟むあれから、ラルフ様の部屋の変わったものをいくつか見せてもらってから、支度をして朝食を頂きに行きました。
朝食の後、国王陛下がラルフ様をお呼びだと仰るので、朝食の時に出会ったセリーヌ様とアンジェリカ様と一緒にお茶をすることになりました。
「リリアーナお姉様が羨ましいです!」
そう言うのはアンジェリカ様。
昨日ラルフ様と出会ってからずっと見つめていましたのもね・・・
「私も一緒に居られるのを光栄に思っています。」
「ラルフレッドお兄様があんなに素敵な方だったなんて・・・!私はお兄様達にずっとラルフレッドお兄様は変わってる、変な奴だから相手にするなって言われてたのよ?昨日ラルフレッドお兄様に会って確信したわ!お兄様達はラルフレッドお兄様がカッコよすぎるから嫉妬しているのよ!」
力説するアンジェリカ様、そうだったの、そんなふうに聞かされていたのなら、嫌いになっても可笑しくないのに、アンジェリカ様はラルフ様の容姿に一目で惹かれてしまったのね。
「華奢で線の細い、何処か儚げなお兄様なのに、昨日リリアーナ様を軽々とお姫様抱っこするお姿はとても勇ましくてかっこ良かったわ!そして、優しくリリアーナ様を見つめてキスをされたのよ!もう、卒倒するかと思ったわ!」
「え?アンジェリカ様、今なんておっしゃいました?」
聞き間違いかしら・・・
「お姫様抱っこされて眠るリリアーナ様にキスをされたのよ!物語の中のようなお姿でしたわ!」
「ラルフ様がキスを?皆さんの前で?・・・恥ずかしい・・・」
ラルフ様!なんて事を!
「おでこによ。口にした訳じゃないわ。」
セリーヌ様が教えてくれる。
良かった、口にされたのかと思った・・・
「ラルフレッドの腕に抱かれてるのが私じゃないのは悔しかったけど、ラルフレッドがにこにこ笑ってるのはリリアーナさんが居るからなのよね・・・ラルフレッドが幸せならそれでいいわ。」
セリーヌ様はちょっと悔しそうに話す。
「それよりも!ラルフレッドが魔法を使えたなんて知らなかったわ!私も多少なりとも魔力はあるから、ラルフレッドにも魔力があっても不思議じゃないんだけど、今まで一度も見せたこと無かったから、使えないと思っていたのよ?それが、昨日のあの魔法は何?あんな強い魔力感じたことないわ!」
セリーヌ様はご自分が知らないことがあった事に少し怒っているようです。
その横でアンジェリカ様が、
「ラルフレッドお兄様、とてもかっこ良かったです!」
と叫んでいる。
「リリアーナさんは知ってたの?」
そう言うセリーヌ様に、私は首を横に振る。
「いいえ、知りませんでした。」
セリーヌ様、ごめんなさい。ラルフ様の事を話す訳にはいかないの・・・
こう言う時、表情で悟られない私は得なのかしら?
「そう、私も知らなかったんだもの、リリアーナさんが知らなくて当然よね。」
セリーヌ様は素直に納得してくれた。
「それにしても、ラルフレッドは何故魔法が使えることを黙っていたのかしら・・・」
考え込むセリーヌ様。
「必要性が無かったからでしょうか?」
「必要性が無かったのならあんな高等治癒術なんて使えるはずないわ。幾度も練習しても使えない物よ?」
そういえばそうね、いくらラルフ様が天才でもいきなりあんなこと出来ないわね・・・
何度も練習したのかしら・・・
「ラルフレッドお兄様に直接聞いてみるのがいいんじゃない?」
「それもそうね、ラルフレッドに聞いてみましょう。」
アンジェリカ様の発言にセリーヌ様も同意して、どうやら聞きに行くことになってしまった。
ラルフ様ごめんなさい。私はどうやって止めれば良かったの?
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