44 / 49
㊹社交界へ(ラルフレッド)
しおりを挟む今日は城で開催されるパーティーに参加する。
俺が正式に公の場に出るのは初めてだ。
周りの反応が気にならない訳では無いけど、今更なので俺は気にしない。
だけど、リリアーナは不安だろう。
リリアーナがみんなの前で傷つけられて以降、公の場には出た事が無かったんだから、正直、みんなの反応が怖いだろう。
まして、変人と噂を広げている俺が一緒なんだ。
余計目立つし、注目されるだろう。
リリアーナは、最初は笑わなければと構えてしまって、上手く笑えない事があったけど、今では俺の前では構えることは無い。自然に表情が出せている。
そんな自分に気がついていないようだけど、とても可愛い笑顔に俺も自然と笑顔になる。
リリアーナは今日は着物ドレスを着ている。
社交界に行くと言ったら、この前作ったドレスを着て行きたいと言った。
嬉しかったけど、俺としては奇異の目で見られているリリアーナが更におかしな物を見る目で見られないか心配した。
だけど、リリアーナは俺の作ったものを着て行きたいと言ってくれた。
なので、前回ほど着物っぽくは無いけど、ドレスらしさもあるふんわりした着物ドレスを新たに作った。
リリアーナの薄茶色の髪に合う桃色のドレスだ。
思った通り、リリアーナにとても良く似合っていて可愛い。
このままパーティーには行かず、隠しておきたいくらいだ。
なのに、よっぽど自信が無いのか、リリアーナは俺に恥を描かせてしまうんじゃないかと心配している。
今更、俺が恥なんて思うことは無いのに・・・(そんな事を気にするくらいなら、自分から変人と言われる行動なんて取ったりしないし、今の周りからの評価も喜んで受け入れたりしない。)
リリアーナの事は自慢であって、決して恥だなんて思ったことも無い。
俺がいくら気にしないと言っても気にしてしまう。
兄上の言う通り、リリアーナにはもう少し自信をつけさせてやらないといけないな・・・
そもそも、リリアーナが自信を失うきっかけになったのはダリアンだ。
あいつの鼻をへし折ってやりたいな・・・
なんて、子供みたいな事はダメだな。
そんなことを考えていると、アレクが呼びに来たので、三人で城に向かう。
今日のアレクは黒い衣装なので、俺の白に近いクリーム色の衣装が余計引き立つ。
アレクは謙遜するけど、顔立ちは良いし、身長が高くてガタイも良いから目立つ。
それに、リリアーナの美しさと着物ドレス。
・・・うん、俺たちめっちゃ目立つだろうな・・・
「じゃあ、行くか。」
俺は空間を繋いで、まず城にある俺の部屋に出る。そして、パーティー会場へと向かった。
狙われてるのがわかってるので、敢えて空間移動で城に行く事にしたんだ。
一番安全だからね。
王族専用の会場入口までたどり着くと、リリアーナに振り返る。
「リリアーナ、大丈夫?」
「ええ、」
そう言うリリアーナの顔は緊張で強ばっている。
一度みんなの前で嫌な思いをしているんだ、みんなの反応が怖いだろうな・・・
俺はそっとリリアーナを抱き寄せる。
「リリアーナ、愛してるよ。」
「私もです。」
リリアーナは嬉しそうに俺を見つめてくれる。
「こんな所でノロケですか?」
アレクが俺たちの後ろか突っ込む。
その言葉に、リリアーナが顔を赤らめる。
「リリアーナ嬢、俺もついてますよ。」
アレクがにっこり笑ってリリアーナに自分の存在をアピールする。
「はい、ありがとうございます。」
にっこり笑うリリアーナを見て、二人は満足そうに微笑んだ。
「行こうか。」
「はい。」
俺が差し出た腕にリリアーナが自分の手を絡る。
ここからは俺の社交界デビューだ。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日7時•19時に更新予定です。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる