仮面令嬢と変わり者王子の甘い日々

さらさ

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㊻ラルフ様の紹介

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ラルフ様が注目される中、私はご令嬢方から痛い視線をチラチラと投げかけられる。
でも、そんな中でもラルフ様の魅力の方が勝っていて、私を見てもすぐにラルフ様に目を奪われている。 
ラルフ様の魅力に救われたわね・・・

あちこちで私の事をコソコソと話す声が聞こえていたけれど、ラルフ様がいるから大丈夫。気にしない。

そう思ってラルフ様の後ろに控えていると、急に腰を抱き寄せられ、周りから悲鳴と鋭い視線が飛んでくる。

ラルフ様のお姿に惹かれない方はいないと分かっていたけれど、想像以上に私は邪魔者のようね。

ウッドウェル大臣が、私のことを紹介して欲しいと話しかけ、ラルフ様が答える。

「よろしくお願い致します。」

にっこり笑って挨拶をしたいけど、やっぱり笑い方が分からない。 
結局強ばってしまった表情に、周りからひそひそと仮面令嬢の言葉が飛び交う。

その言葉に、恥ずかしくて、ラルフ様が変に思われると思うと余計変な顔になってしまう。

顔があげれなくなって焦る私をラルフ様は優しく抱き寄せて、

「リリアーナは本当に可愛いね。」

とくすくすと笑った。

いつも思うのだけど、今の何処に可愛い要素が・・・

そう思っていると、女性の悲鳴は相変わらずなのだけど、男性の声で、

「やっぱり変わり者王子だな。」
「仮面令嬢が可愛いとかおかしいだろ。」
「着ているドレスも見た事ない。」

という声が混じり始める。

やっぱりラルフ様の印象を私が悪くしてしまっている。
申し訳なさで顔が上げられない。 



そんな時、国王陛下ご到着の声と共に、陛下とコーデリア侯爵様が入ってくる。

ラルフ様を取り囲んでいた皆が一斉に陛下を見る。

「皆よく集まってくれた。今日は見事帝国の進行を斥けた我が軍の実力と勇気に感謝の意を評したい。」

その言葉に、喝采と拍手が起こる。
それを満足そうにしばらく眺める陛下。
そして、おもむろに手を挙げて皆を制すと、ラルフ様を少し見る。

「そして、帝国の企みにいち早く気付き、知恵を出し国防強化を訴えてくれたのがラルフレッドだ。」

その言葉に、みんなの視線がまたラルフ様に集まる。

「え?」
「ラルフレッド王子が?」
「そんな話し聞いた事ないぞ。」

みなが戸惑いと疑いの目を向ける。

「戸惑うのも無理はない。今まで数々の功績を積んでいるラルフレッドだが、それを知っているのはここにいる宰相と、第一皇子と、そこに居るアレクシスのみだ。」

その言葉に皆がさらにざわめく。

「どういう事だ?」
「何故今まで隠してたんだ?」
「本当なのか?」

「信じられないのもわかるが事実だ。ラルフレッドは自分が担ぎあげられるのは好まない。だが、とても優秀な頭脳を持っている。この中の誰も、ラルフレッドを掌握し、政権を握ろうなどと思っても実現できない、無駄足に終わる事だけは言っておく。」

陛下の言葉に、何人かがグッと息を飲むのがわかった。

「何故今まで社交界に姿を表さなかったのです?」

「めんどくさいからだよ。」

その質問にラルフ様が答える。

「な、めんどくさい等と・・・そのような事、王子が言うべきではない!」

ラルフ様の言葉に何人かが反応する。

「皆、落ち着け、ラルフレッドの実力は私が一番よく分かっている。そして、今まで皆の前に出ぬ事を許してきたのも私だ。しかし、私はただ許してきたのではない。ラルフレッドが国の事を思い、民の為に常に尽力してくれているからこそ、ラルフレッドには自由を与えてやっていた。だが、諸外国から狙われるようになった今、ラルフレッドの存在は諸外国への歯止めとなり、盾となってくれるだろう。その意味を承知で、ラルフレッドには表舞台に出てきてもらったのだ。」

陛下の説明に、皆がそんな事急に信じられないと口々に言っている。

周りの反応はラルフ様を疑っている。ラルフ様は大丈夫かしら・・・
心配になってラルフ様の顔を覗き込むと、いつもと変わらない、面倒くさそうな表情で皆を見ていた。

「大丈夫だよ。」

私の心配がわかったのか、ラルフ様は私にほほ笑みかける。
ラルフ様は本当に強い。物理的にも強いのだけど、内面が強いと思う。
ラルフ様の心の強さは見習わなくちゃね・・・

「ラルフレッドもこれからは社交界に顔を出すようになる。皆よろしく頼む。」

陛下はそう言うと、壇上を降りた。

ザワザワと騒がしくラルフ様の噂話が飛び交う中、一人の男性の声が私の耳に入ってくる。

「功績?どんなのがあるんだよ、今更引きこもり王子を表に出す為に泊をつけただけだろ?」

その言葉に声の方を見ると、ダリアン様と取り巻きの方たちの姿がそこにあった。



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