魔王に誘拐された花嫁

さらさ

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⑮居心地悪いです

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「今日は魔王様と外に行かないの?」

私が書庫で本を読みふけっているとアレン様が話しかけてきた。

「ええ、今日はお忙しいみたいで、アレン様は今日は王城ですの?」

「うん、国の守りって言っても魔王様が結界を張ってくれてるからほとんどすることないんだよね」

「高位の魔物とかは抜けられると仰ってましたけど?」

「魔物も高位になると理性があるからね、魔王様の魔力を感じて近づこうなんて思う奴はそうそう居ないよ」

「そうなんですの?魔王様は絶対魔王様が一緒でなければ外へ出てはいけないと仰っていましたけれど、そんなに危険では無いのですね?」

「まあね、でも、ここは森のすぐ隣だから危険度で言えば一番危ないよ。狂った魔物がたまに出てくるからね」

「やはり危険なのですね、でも魔王様はほとんど毎日お外に連れ出してくださるので本当に感謝してますの」

「そっかー、魔王様、アリア様にはホントに甘々だよねー」

アレン様がニヤニヤしながら言う。

「本当に、何故そこまでして下さるのかしら」

忙しいのに私なんかを常に構ってくださる。

「それはアリア様が可愛くて仕方がないんじゃないの?」

「え?私ですか?可愛いだなんてとんでもないですわ!」

魔人ってお世辞がとても上手なのかしら。

「アリア様は自分の可愛さが分かってないの?」

「え?」

可愛いって何?
確かに小さい時、両親は可愛い可愛いと育ててくれたけれど、物心着いた頃には未来の后妃に相応しくなることばかりを求められていたし、社交界では心の探り合い、上辺だけのお世辞の言い合い。そんな中でいくら美しいとか素敵だと言われても実際信じられるはずがない。
けれど、ここの人達はなんだか違う気がする。

「アリア様の長いプラチナプロブンドの髪も、妖精を思わせるような澄んだ紫の大きな瞳も、透き通るような白い肌も、華奢な身体と立ち居振る舞いが美しさをさらに引き立たせて、とても綺麗だよ。そんでアリア様の笑顔、破壊力半端ないんだけど、自覚ないの?困った顔なんてされると可愛すぎて保護欲そそられるんだけど、俺は魔王様に使える身だからね、立場はわきまえるよ」

「・・・」

「あれ?アリア様?」

アレン様ったら、急に何を言うのかしら、でも、言葉に嘘がないって分かるから顔が恥ずかしくて火照る!

「そんな事言われたのは初めてですわ。恥ずかしいのであまり見ないでください」

両手で頬の火照りを隠していたけど、アレン様が覗き込んで来るので両手で顔全体を隠して見られないようにした。


「感心しませんね、魔王様のいない所でアリア様を口説くなど」

突然ジルベート様の声がした。

「ジル様、俺はアリア様にアリア様の可愛さを教えてただけで口説いてなんかないよ!」

アレン様が顔を真っ赤にして慌てて言い訳をする。

「アリア様があまりに自分の素晴らしさを分かってなかったからさ」

「アレン、そこがアリア様らしくて良いのですよ。無自覚な表情がそそられるのですよ」

いつも冷静なジルベート様が何かおかしなことを言ってません??

「ジルベート様まで何を仰っているんですか!」

「確かに、そうだね」

私の言葉は無視してアレン様が納得したように頷く。

「アリア様、失礼しました。淑女に対し可愛い等と、ですがアリア様は本当に美しくも、お可愛らしくもいらっしゃいます。魔王様が羨ましくなることがごさいますよ」

私もイケメンにそんな事言われるとは思いませんでした。とても申し訳なくて居心地悪くて、恥ずかしいです。

「本当に、私なんかをお誉めくださるなんて申し訳ないですわ・・・私少し外の空気を吸ってきますわね」

私は恥ずかしくて真っ赤になった顔を隠しながら扉へと向かった。
とりあえずこの場から離れたいです。

「外へは出ないでくださいね」

「ええ、分かっていますわ。少し窓から風を浴びてきます」

そう言って居心地の悪い空間から逃れると私はバラ園が見える窓へとやってきて外の空気を感じることにした。



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