魔王に誘拐された花嫁

さらさ

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⑭魔王様と庭園へ行く

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久しぶりに出る屋外はとてもいいお天気で清々しい気持ちだった。
空気がとても新鮮で美味しい。

「こっちが庭園になっている。ちょうど花が美しい季節だよ。」

魔王様に手招かれて庭園に向かう。

「窓の外から見える庭園が素敵だったから行ってみたかったの。お仕事中にごめんなさい。」

「いいんだ、ちょうど休憩にしようと思ってい
た所だ。」 

魔王様はなんでもない事のように言って私を薔薇園の中にある東屋までエスコートしてくれた。

「本当に綺麗!あっちの薔薇はピンク色で可愛いわ、その向こうの赤いのは少し変わった花びらなのね!香りもとても素敵!」

「気に入ってもらえたみたいでよかった。お茶を用意させたからしばらくここでゆっくりしようか。」

「はい!」

はしゃぐ私を魔王様はとても穏やかな笑顔で見つめていた。

「こんなに素敵なお庭なら毎日お散歩したいわ。
どうして外へ出てはダメなのかしら?」

紅茶を飲みながら尋ねると魔王様は少し困った顔をした。

「アリアには自由にして欲しいんだが、外へ出るのは私と一緒でなければ許可できないんだ。私も毎日アリアと外に出られるよう時間を開けるとしよう。」

「忙しい魔王様の時間を取ってしまうのは申し訳ないですわ。なぜ一人ではダメですの?」

「この城の隣は魔物の森だ。私は国の境界全てに結界を張っているが、完璧ではない。高位の魔物や、魔物の中には寿命を迎えると暴走するものが居て結界を突破してしまうものが居るんだよ。だからここはとても危険なんだ。」

結界って、魔族領って人口は少ないけれど、確かカルナリカの倍はある広大な国のはず。その全ての境界に結界を張っているの??それって常に膨大な魔力を消耗しているはずだけれど、魔王様は平然としている。
そんなことありえるの?

「魔王様、今、国の境全てと言いました?そんなこと出来るんですの?出来たとしても魔王様の魔力が持たないのでは?」

そう尋ねると、魔王様はにこりと笑って少し困った顔になった。

「そうなんだ、私の結界ではさすがに中位までの魔物を押さえるくらいしか出来なくてね、高位の魔物は突破してしまうんだよ。だから尚更危なくてアリアを一人で外に出してあげることは出来ないんだ。」

魔王様は申し訳なさそうに謙遜してそう言うけれど、この森だけに結界を張るのであれば完全なものが出来るだろうに、それをせずあえて国全体を守っている。
それは他の国からの進行や、魔族とは違う竜族からの攻撃や、いろんなもの全てから国民を守る為だろう。
そしてあえて自分は森の近くに住まい森から出てくる高位の魔物に対処しているんだ。町へ行かせない為に。
それは、一人でも国民を犠牲にしたくないという魔王様の優しさの表れなんだと思う。
魔王と言うだけで、魔族と言うだけで、恐怖の対象として捕えられているけれど、本当はすごく優しくて国民思いな王様なのよね、誤解が解ければ人間とが忌み嫌う事も、争うことも必要もなくなると思うのだけど・・・
何とかできないかしら・・・

その後しばらくお茶と庭を楽しんでお散歩は終了した。



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