ヒロインが迫ってくるのですが俺は悪役令嬢が好きなので迷惑です!

さらさ

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13話 紹介(シルル)

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「ねえ、シルル様、今年は婚約者の方が入学されたのでしょ?もうお会いになったの? 」

入学式の翌日、そう問いかけてきたのはセイラ嬢だ。

「うん、昨日会ったよ 」

「そうなんですね、私にもご紹介して下さいよ 」

セイラ嬢はニコニコと俺に話してくる。そうか、リリアンナの入学からセイラ嬢とリリアンナのバトルが始まるんだよな、って言っても、今のリリアンナは全然悪役令嬢っぽく無い柔らかな可愛らしい印象だから、バトル勃発は無いかな。
 
「いいよ、今日カイ達にも紹介することになってるから一緒に紹介するよ 」

 「ありがとうございます、ご婚約者のリリアンナ様にお会いするの楽しみです! 」

セイラ嬢は本当に嬉しそうだけど、今の時点でセイラ嬢は俺がセイラ嬢には興味無いの知ってるし、単純にリリアンナに出会えるのを楽しみにしている感じだ。
この2人が仲悪くなったりするんだろうか?
まぁ、俺はリリアンナ一筋だからリリアンナがセイラ嬢にヤキモチ妬くなんて無いだろうし、物語とは随分違ってきてるから大丈夫かな。
そんな事を思っていた。


放課後になり、昨日のうちに紹介したい人がいるからまた授業が終わったら迎えに行くと言ってあったので、俺はリリアンナの元へ向かう。
紹介ついでにいつも一緒のメンバー全員談話室に集まっておくよう言ってある。これで1度で済ませられる。

「リリアンナ、迎えに来たよ 」

1年の教室まで行って、リリアンナの姿を見つけると、声をかけた。
すると、俺に気付いた他の生徒たちがざわざわと騒ぎ出す。

1年は俺の事を見るのが初めてなやつがほとんどだから、まあ、この反応は仕方ないか、自信過剰じゃないけど、自分は目立つ存在だっていう自覚はある。
リリアンナが俺に気がついてこっちへ向かってくるのを待ちながら、周りが遠巻きに俺を見てるのを居心地悪く待った。

「シルル様、お待たせ致しました、お迎えありがとうございます 」

リリアンナの眩しい笑顔に居心地の悪さも一気に吹き飛ぶ。

「全然待ってないよ、今日もリリアンナは可愛いね 」

ニッコリ笑って答えると、リリアンナは相変わらず目線を逸らして俯いてしまった。それはいつもの事なんだけど、周りから黄色い悲鳴が飛び交う。
うん、自覚はあるよ、初めて俺を見る子達だから、俺に免疫ないのもわかる。けど騒ぎすぎじゃないかな。

「じゃ、行こうか 」

俺は周りの悲鳴は無視してリリアンナに声を掛けると、談話室へ向かった。


談話室に着くと、声をかけていたメンバーが既に揃っていた。

「みんな、集まってくれてありがとう 」

俺が声をかけて入ると、みんながこちらを見る。
リリアンナは俺の後ろで一礼してから部屋に入った。
みんな興味津々でリリアンナを見ているのがわかる。

「僕の婚約者のリリアンナだよ、僕とは二つ年下で、学園には今年入ったばかりだから、分からないことがあれば教えてやって欲しい 」

「リリアンナ・グラウシスと申します。皆様、どうぞよろしくお願い致します 」

俺の紹介に、リリアンナが俺の半歩後ろで淑女の礼で挨拶をする。

「リリアンナ嬢、分からないことがあったらなんでも聞いてください。俺はジュリアスです。よろしくお願いします 」

ジュリアスが一番にリリアンナの前に出て挨拶に手を差し出した。


「ジュリアス様、よろしくお願い致します」

リリアンナがそれに応えてジュリアスの手に手を僅かに重ねると、ジュリアスがリリアンナの手の甲にキスをした。
その瞬間俺は思わずジュリアスを睨んでしまった。きっと絵で表すなら俺の後ろには雷と龍が描かれてあっただろう。
社交界の挨拶としては淑女の手の甲にキスをするのは普通だけど、俺もしたことないのに!
明らかにヤキモチなんだけど、サラッとやってしまうジュリアスを羨ましく思う反面、やっぱりこいつは油断ならないと睨みをきかせるのだった。

「俺はカイです。よろしくね 」

続けてカイがいつもの笑顔で挨拶をする。
その笑顔に、リリアンナも癒されたのか、緊張の顔が少し緩んだ気がした。

「カイ様、よろしくお願い致します 」

「俺はセフィアスです。シルル様はセフィアとお呼びになりますので、リリアンナ嬢もそう呼んでください 」

「はい、セフィア様、どうぞよろしくお願い致します 」

セフィアの挨拶に、リリアンナもニッコリ笑って答える。

「俺はエルヴィンです。よろしくね  」

「俺はラースだ、よろしく 」

「はい、エルヴィン様、ラース様、よろしくお願い致します 」

二人は武闘派なので、背が高くがっしりとした体格に、リリアンナも圧倒され気味に答える。

「最後ね、私はセイラです。リリアンナ様、よろしくね 」

最後にセイラ嬢がリリアンナに向かって手を差し出した。

「セイラ様、よろしくお願い致します 」

リリアンナも手を差し出して2人は握手をする。
リリアンナはとても謙虚にうつむき加減に首を少し傾げて笑顔を作っているのに対し、セイラ嬢は自信満々の笑みで、リリアンナを見下ろすように微笑んでいる。

・・・これって・・・リリアンナにその気がないのに、2人の争い勃発の予感?



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