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24話 ジュリアス様の推理(リリアンナ)
しおりを挟む「私のお友達がセイラ様に嫌がらせをしていたのです。私のせいですわ 」
ジュリアス様は私は悪くないとおっしゃるけれど、原因は私なのだから、やっぱり私にも責任はある。
「いや、そうじゃなくて、その噂、実際リリアンナ嬢は手を出していないのに、リリアンナ嬢が虐めているって広がってる訳、俺はたぶん知ってるんだ 」
「え? 」
ジュリアス様の言葉が上手く呑み込めません。
どういう事? それよりも、ジュリアス様は私がセイラ様を虐めていないと知っていた様子。
シルル様も疑っていらっしゃったのに、なぜ知っているのかしら?
ああ、今日シルル様からお聞きになったのね。
「俺は色んな女性とお付き合いやおしゃべりをさせてもらってるから、女性同士の噂とか争いなんかの話も、それぞれの立場の言葉が聞かせてもらえるんだ 」
私の疑問に気がついたのか、ジュリアス様が答えてくれる。
「そうなんですね 」
「うん、だから噂の出処とか、色んな女性の話を総合するとだいたい見えてくるんだよね、だからみんなから聞いた話や情報を繋ぎ合わせて、俺はリリアンナ嬢は被害者だと思ってる 」
ジュリアス様は鋭い眼差しで、私の事を探ろうとなさるように見つめてくる。
それが何だか怖くて思わず目線を逸らしてしまうのだけど、噂の出処?
そんな物があるの?
「リリアンナ嬢はそれを知りたい? 」
そう言われて少し戸惑う。
私は誰かを吊るしあげたい訳でも、糾弾したい訳でもない。だから知りたくないと言えば知りたくない。
でも、噂を流した方がいるのなら何故そんなことをしたのか気になる。
「私は・・・自分の事から目をそらしてはいけないと思うのです 」
迷いながらもジュリアス様の問いかけに応えると、ジュリアス様は見通すような眼差しを緩めて柔らかに微笑む。
「やっぱりリリアンナ嬢は強いね、君なら本当のことを知っても大丈夫そうだね 」
「本当のこと?」
一体どういうことだろう? ジュリアス様の言うことが全然分からない。
「どういう事ですか? 」
「うん、これは俺の想像でしかないけど、セイラ嬢はリリアンナ嬢を崇拝する子達からほんの少し嫌がらせを受けてたと思うんだ。それを大きな噂として流したのはセイラ嬢本人だよ 」
「え? どうしてそう思われるのですか? 」
「さっきも言ったでしょ? 俺は色んな子と話をしてる。同じ噂も色んな子から聴いたけど、誰から聞いたのか辿っていくと、全てセイラ嬢に繋がってるんだよ、セイラ嬢も自分が疑われないように上手くやってるつもりみたいだけどね、俺の情報網の方が優れてたって事かな、あ、後セイラ嬢とシルル様の噂もそう匂わせてるのはセイラ嬢だよ 」
ジュリアス様はウインクをしながらおどけたようにお話を締めくくられたけど、内容がよく理解できません。
「セイラ様が自分で噂を流してたってことですか?でも、虐められてたのなら誰かに相談とかして、それが他の方に広がったのでは? 」
「うん、そう思うのが普通だよな、でも、実際嫌がらせをした子の行動よりも噂に尾ひれが付きすぎてる。これは最初から尾ひれを付けて流した奴がいるって考えたんだけど、順番に辿っていくとセイラ嬢に行き着いた。だから、分かったんだ、なるほど、リリアンナ嬢を貶めようとしてるなって 」
え?
ジュリアス様、今サラッと何かとんでもない事を仰ったような・・・
私が思ってもいない話に面食らっていると、ジュリアス様はクスクスと笑う。
「本当に、リリアンナ嬢は可愛らしい。今言った内容は既にシルル様にも話してあるから、リリアンナ嬢は安心してシルル様を好きになってもいいんだよ 」
あ、そう言えば、元々そんなお話をしてたんだったわ・・・
「本当に、私は自分の気持ちを伝えてもシルル様の迷惑にならないでしょうか? 」
それでもやっぱり迷ってしまう。
「むしろ言ってあげた方がシルル様は絶対喜ぶと思うけど? 」
「そうでしょうか・・・」
「うん、シルル様の笑顔が見たいなら絶対素直になるべきだよ 」
そう言うジュリアス様は何だか頼もしいお兄様のように見えて、その笑顔に、今までどうしていいかわからず、浮ついていた心が落ち着くようだった。
「ジュリアス様、ありがとうございます。私、頑張ってみますわ 」
「うん、いまの笑顔をそのままシルル様にぶつけてご覧? きっとシルル様もイチコロだよ 」
ジュリアス様がウインクしながら微笑む。その言葉に、私もなんだかおかしくなってクスクスと笑ってしまう。
「さて、外は真っ暗になっちゃったね、もう誰も残ってないだろうね 」
ジュリアス様が立ち上がったのを見て、大事なことを思い出す。
あ、そう言えば私達、閉じ込められていたのだったわ・・・
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