侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ

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71話 クリスの恋人

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そう思っていると、ドアが鳴った。
ギルが返事をすると、扉が開いて入ってきたのは魔族だった。
この国で恋人って言ったら魔族だろうとは思っていたけど、実際に見ると、やっぱりちょっと戸惑う。

・・・って言うか、レイって男??
え? クリスの恋人って言ってなかった? どういう事??

レイは肌の色は違うけど、整った顔立ちで、白銀の髪と赤い瞳が魅惑的なイケメンさんだ。
背もギルより高いんじゃないかな。

「レイ、ごめん、クリスに無理させた。」

レイが入ってくるなりギルが謝る。

「ちょっと動けなくなるかもしれないから来いとは言ったが、意識がなくなるまで使うとは・・・」

レイは嘆息しながらクリスに近づく。
そして、ベッドにうつ伏せになって気を失っているクリスを抱き起こすと、レイがベッドに座って自分の膝の上にクリスを座らせて、片手で背中を支えると、もう片方の手でクリスの顎を持ち上げる。

何をするんだろう・・・と思っていたら、レイがクリスにキスをした!

えええ?? 何? 
なんでキスしてんの??
しかも・・・濃厚なやつ・・・
僕は恥ずかしくて目を逸らしたけど、なんで気を失ってるクリスにキスなんかしてるの?
てか、レイは男でしょ? クリスも女みたいな格好だけど、男だよ?
恋人って・・・クリス・・・マジで??

何が起こっているのか分からなくてギルを見ると、さすがに人のキスシーンを見るのは恥ずかしいのか、目を逸らしている。


「・・・・・・んっ・・・ぅ・・・」

しばらくしてクリスが意識を取り戻したのか、声が聞こえたので見ると、目を閉じたままクリスから求めるようにキスをしている姿が目に映って、慌てて目線を逸らした。

クリス・・・姉の前でなんて姿を見せてくれてるんだ。

「・・・ぅ・・・はっ・・・・・・レイ・・・ありがとう。」

「お前、あれほど無茶するなと言っただろう。」

レイがクリスに話しかけた。
今度は本当に戻ったみたいだ。

「ごめん、でも、ありがとう。」

見ると、クリスがレイの首筋に両腕を回して抱きついている。 

「クリス・・・大丈夫なの? 」

「あ、うん、レイに魔力もらったからもう大丈夫だよ。シアに心配させちゃったね、ごめんね。」

そう言うクリスはまだレイの膝の上で抱きついたままだ。

「・・・さっきのは・・・? 」

僕はクリスとレイの艶かしいキスシーンに真っ赤になりながら尋ねた。
何でいきなりキスシーンを見せられたんだ?

「ああ、姉に見せるものじゃないよね、でも、体液を貰うことで魔力を分けて貰ってるから、魔力を貰う時はこうなの。・・・別の方法もあるけど・・・」

クリスは平然というけど、レイは男だよ? 男だからいいの? 

「前はクリスの事を女だと思ってたから、さほど気にならなかったけど、クリスが男だって知ってしまったら、なんか余計恥ずかしいな・・・」

ギルが照れたように言った。
そうだよね、男同志のキスシーンの方がなんかドキドキするよね。

「なんだ、やっとクリスが男だって気がついたのか。」

レイがギルに向かって話した。

「ああ、俺、ずっと勘違いしてたよ。本当に付き合ってるのか? 」

ギルが確信をつく質問をした。
やっぱり、この人がクリスの好きな人?

「ああ、クリスは俺のだよ、誰にもやらん。」

レイはそう言いながらクリスを抱きしめて優しくクリスを見つめる。
クリスは嬉しそうに微笑んでいる。

「シア、ごめんね、僕の恋人が男でびっくりした? 」

「びっくりするよ! 本当にそうなの? 」

クリスの言葉にすぐ反応するように返すと、クリスはくすくすと笑う。

「うん、レイが僕の大事な人。」

その表情が本当に幸せそうで、クリスにはレイが必要なんだと思った。
今のクリスはとても幸せそうだもん。

「そっか、クリスが幸せそうで良かった。」

僕はようやくレイをクリスの恋人として受け入れることが出来た。


「さて、ギル、少し動けるようになった? いつもは夕食は運んでくるけど、今日はみんなと一緒に食べるでしょ? 」

「ああ、クリスありがとう、随分楽になった。」

ギルは素直にクリスにお礼を言う。
それを見て、クリスもにっこり笑った。

「それじゃあ、王子様達には迎えをやってるから食堂へ行こう。魔王様も紹介しないとね。」

クリスがウインクしながら言うと、ギルがなんか吹き出した気がしたけど、なんだ? 何かあったのかな?

「王子? レティシアの連れは王子なのか? 」

レイがクリスを降ろしながら聞いてきた。

「はい、ベルフォード王国の第二王子と第三王子が僕の連れです。」

「そうか・・・クリス、俺が肩を貸そう。」

レイは僕の言葉に軽く返すと、立ち上がるギルに肩を貸そうとしていたクリスに話しかけて変わると、ギルに肩を貸した。

「レイ・・・すまん。」

「身長が高い俺の方が捕まりやすいだろ。」

そう言うレイに、ギルはククッと笑っている。

「本当は俺がクリスに触れるのが嫌なだけだろ? 」

「・・・そうだ。」

レイは素直に肯定しているな。
クリスは本当に愛されてるみたい。


「そう言えば、クリスは何でお城に住んでるの? 」

食事に向かいながら、ふと最初の疑問を思い出した。
色々あって考えるのを忘れてた。

「うん、それはみんな揃ってからまとめて説明するね。」

クリスの言葉に、僕は頷いた。



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