いつもの毎日をきみと

なつか

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5. あの日から

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 おはよう、諒――

 声が聞こえる。
 明るくて優しい声。それから、香りも。
 澄んだ冬の朝のような、混じりけのない真っ直ぐな香り。
 今でも鮮明に思い出せるのに、もう夢の中でしか会えない、大切な、大切な人。
 傷つけ、壊してしまったのは自分なのに、夢に見るほど会いたくてたまらない。
 もう掴むことのできないその人の香りを捜して、手は虚空を掻いたまま。
 あれからまたずっと、意味をなくした日々をただ繰り返している。



 物心ついたときから、いや、多分生まれた時からずっと、家の中でも外でも“木暮諒”という一個人は何の意味も持たず、与えられた『木暮家の長男』としての役割を果たすためだけに用意された箱の中で生きてきた。
 そんな箱の中でただ過ぎていく毎日に意味を与えてくれたのが維人だった。

『きっと木暮くんの名前は『正直者』って意味だな』

 そう言われたときの衝撃は今でも覚えている。
 何もなかった自分に初めて意味を与えてもらった。
 その日からやっと、“木暮諒”として生きていけるようになった。


 そもそも、「意味なんてない」と思うようになったのは、小学生の時に出された『自分の名前の意味を両親に聞いてみましょう』なんていう、大きなお世話としか言いようのない宿題のせいだった。
 その当時からすでに弟にしか興味を持っていなかった母親に、かすかな希望と期待をもって聞きに行ったのが間違いだった。

『意味? 知らないわよ、そんなもの』

 そう答えた母親に打ち砕かれたのは希望でも期待でもなく、心だったような気がする。
 でも、今となっては仕方がないと思える。だって、その母親は本当母親ではなかった。
 それを知ったのはもうしばらく後のこと。父親が諒を避けるのは、本当の母親が亡くなった原因が自分を産んだせいだからだと、余計なことしか言わない親戚たちの噂話を耳にしたときだった。
 知ってみればなぜそれまで気が付かなかったのかと思える。この色素の薄い髪も、瞳も、“家族”の誰にも似てないのに。

 再婚相手である今の母親はαだったが、諒の本当の母親は父親の番、つまりΩだった。
 たとえ息子であっても、最愛の番を奪った人間を父は愛することはできなかったのだろう。会話をした記憶などほとんどなく、褒められたことどころか、叱られたこともない。何を言っても、何をしても、「木暮の長男として恥じない生き方をしろ」と言われるだけだった。
 そして、そんな亡くした番をいつまでも思い続ける夫のことも、その忘れ形見である息子のことも、今の母親が憎むのは当然だ。
 不機嫌な顔しか見たことのなかった母親は、家は継がず医者になりたいと伝えた時、初めて笑顔を向けてくれた。

 これまで縛られてきた“箱”から出て、自分という存在に意味を持たせる第一歩を踏み出したあの日。
 それは、新しい日々が始まって、今までの日々を自らの手で終わらせてしまった日。

 始まりは、学校に受験の合格報告に行ったことだった。
 家を出た当初は学校ではなくて、維人の家に行くつもりだった。

 好きだと伝えるために。

 大学は別になってしまったけど、これまでのように会いたい。ずっと一緒にいたい。でも、“親友”ではイヤだ。恋人になって欲しい。そう言うつもりだった。
 それなのに怖気づいた足は不要な時間稼ぎのために学校に向かってしまう。そして、そこには見覚えのある女子生徒がいた。
 卒後式に告白され、断ったΩの女子生徒。今日、合格の報告のために学校へ来るかもしれないと、待ち伏せをされていたのだ。
 胃が焼けそうなほどの甘ったるい匂いを纏った彼女は、「どうしてもあなたが好きなの」なんて言いながら迫ってきた。
 ねっとりと身体を這いずり回るような強烈な香りは吐き気がするほどの不快感しかないのに、身体はまるで別人のように勝手に熱を持ち始め、目の前にいるΩが欲しいと訴えてくる。言うことを聞かなくなった身体が本能のまま彼女に手を伸ばそうとしたその時、声が聞こえた。

 諒、大丈夫?――

 いつもの優しい声。
 Ωのフェロモンにあてられ、吐き気を堪えながら登校した諒を慮る優しい声だ。

 ――維人!

 そうだ、欲しいのはこの香りじゃない。
 欲しいのは維人だけ。
 そう、あの澄んだ冬の朝のような、混じりけのない真っ直ぐな維人の香りだけだ。


 その後、目の前のΩを突き飛ばして必死にその場から逃れ、維人のアパートへと走ったところまでは覚えている。深く沈んでいた意識が戻ったのは維人のベッドから転がり落ちた時だった。
 結局、かっこ悪いところを見せた後に告白なんてできるはずもなく、すごすごと維人の部屋を出た。
 まさかそれっきりになるなんて思いもしなかったんだ。

 翌朝、忘れてきたマフラーを取りに維人の家に行きたいと連絡したが返事がない。直接アパートを訪ねてみたが、それでも反応はなく、出かけているのかと思って帰ってしまった。
 でも、それ以降も全く連絡が取れないし、家にもいない。これまで送ったメッセージに返信がないなんてことは一度もなかったのに。
 あの日、維人は何もなかったと言っていた。維人はβだからフェロモンの影響は受けないし、ラットの状態で会っても問題は起きないはず。
 それなのにその日から急に連絡が取れなくなったとあっては、やっぱり“何もなかった”とも思いきれないわけで。必死にその日のやり取りを思い出す。

 あの日、目が覚めた後に前の夜に何もなかったことを確かめてから、大学合格の報告をして、おめでとうと言ってもらった。
 あとは、珍しく維人がハイネックのインナーを着ていたから「珍しいな」って話したくらい。夜から諒がベッドを占領したから風邪をひかないように着たんだ、なんて言っていたっけ。維人の首の細さが際立ってこういうのもいいな、なんて思わず見惚れた。
 その後はラットになっているところを見られてしまった恥ずかしさもあって、逃げるように帰った。
 だから、話したのは本当にそれだけ。いつもと変わらない、たわいもない会話だ。
 怒らせるポイントも、嫌われるポイントもない、はず。維人の態度だって、いつもと変わらなかった、多分。
 そう頭では思っても、無性に込み上がってくる不安に搔き立てられ、もう一度維人のアパートを訪ねた。
 でも、そこで会ったのは維人ではなかった。
 田所 一。
 維人の幼馴染で、諒が維人といると何かと間に入ってくる邪魔なやつ。それは向こうも“同じ”だったんだろう。その時も、一は諒の顔を見るなり嫌悪感たっぷりの顔で睨みつけてきた。

「なぁ、維人と連絡が取れないんだけど、おまえなんか知ってる?」
「知ってても教えねえよ」
「はあっ?」
「よくここに来れるよな。あぁそっか、おまえは覚えてないんだっけ」
「覚えてない? どういうことだ?!」
「おまえ、ラットになってここに来たんだってな。その時のことだよ」
 まさかそのことを一に知られているとは思わず、諒はグッと息を呑んだ。

 ――覚えてないって、何を……?

 いつの間にか心臓はうるさいほど早く動いている。そんな諒を見ながら一は吐き出すように「はっ」と一笑し、突き刺すような鋭い声を諒に向けた。
「マジで覚えてないんだな。おまえそんとき翌朝にはラット収まってたんだろ? なんで?」
 望まないラットを起こした時は緊急発情抑制剤を打つのが基本的な対処法。でも、あの日諒はそれを持っていなかった。いつもカバンに入れて持って歩いているが、その日は維人の家に行くだけのつもりだったから、手ぶらで家を出てしまっていた。
 それなのに一の言うとおり朝にはラットは収まっていた。
 維人はずっと寝ていたと言っていたが、抑制剤以外でラットを収める方法は一つしかない。
 まさか、と思う心の奥で「やっぱり」という言葉が疼く。
 維人の『何もなかった』という言葉を都合よく丸のみにして、ただ気が付かないふりをしていただけだったんだ。
 思考が真っ黒に染まり始め、息がうまく吸えなくなる。そんな諒にとどめを刺すかの如く、一はあの日の真実を容赦なく振り下ろした。
「わかったか? お前は維人をΩのに使ったんだ。しかも相当めちゃくちゃにな。俺が見つけた時、維人は体中噛み跡だらけで、意識もなかった。あんなひどい状態の維人を放置して、なにも覚えてない? 知らなかった?! ふざけんな!!」
「っ?!」
 意識がなかったなんて、そんなはずがない。だって維人はあの時普通に立って歩いていたし、会話もちゃんとしていた。部屋を出る時も笑って見送ってくれた。
 でも、もしそれが無理をしていたのだとしたら。前の晩に起こったことを隠そうとしていたのだとしたら。

 あの時、維人はいつもは着ないハイネックのインナーを着ていた。

 体中から血の気が引き、指先が冷たくなっていく。言葉は荒く吐き出される息にせき止められ、ただ立ちつくすことしかできない諒の胸ぐらを一は掴んだ。

「維人はおまえには何も言うなって言ったよ。でも、許されたなんて勘違いするな。俺は、おまえを絶対に許さない。二度と維人の前に現れるな」

 ドンっと突き飛ばされその場に倒れたまま、しばらく動けなかった。


 その日の夜、維人から一通だけメッセージが届いた。

『連絡できなくてごめんね。急遽お父さんのところへ行くことになったんだ。もうそっちには戻らない。今までありがとう、夢叶えてね』

 明らかな別れのメッセージだった。
 気がついてすぐに電話をかけたが、返ってきたのは無常な電子音声だけ。
 その時、一が言っていたことは本当なのだと悟った。

 どうしたらいい。
 どうしたら、維人にまた……
 いや、
 もう、どうしようもない。


 それでも、夜は勝手に明けていき、蹲っていても朝は来てしまう。
 何の意味もなくても、容赦なく日々は続いていく。
 そうして掴む先のない手を空に泳がせたまま、気がつけば七年の歳月がたっていた。


 ◆◆◆◆

「ビッチング、ですか?」
「そう。Ω性に転換した元β男性だよ。明日転院してくることになったから」
 大学卒業後、諒は無事に医師免許を取得し、地元にある県立総合病院で働き始めた。まだ研修医の身ではあるが、すでに専攻は産婦人科と決めている。今はちょうど産婦人科での研修期間で、今度特殊事例のハイリスク妊婦が転院してくるからと先輩医師に呼ばれ話を聞いていたところだ。
 今話をしているのは二次性に関する診療を行うバース科に所属する高坂医師。今回の患者が“ビッチング”という特殊事例の患者であることから、バース科と産科共同で経過観察を行うことになったらしい。
 αやβの人がΩ性に転換するビッチング。医学書で読んだことはあったが、実例は極めて少ないはず。この病院は地域で一番大きいから、安全性を考慮して個人病院から転院してくることになったのだろうか。
「それもあるんだけど、実は数年前にもうちの病院で同事例を扱ったことがあるんだよ。まぁそうはいっても前の方が相当レアケースだったけどね」
 当時のカルテを送ったから見ておいて、と言われたところで高坂は呼び出しを受けて診察に戻っていった。
 高坂は国内でも有数の二次性バース研究者で、安全性の高い抑制剤の開発などで成果を上げている。
 医学界界隈では著名人である高坂だが、本人はいたって気さくな人柄で、赤ちゃんが好きだから、なんて産科の方にもよく出入りをしている割と自由人だったりもする。

 実は諒もΩのフェロモンを過剰に感知してしまう体質で高坂の世話になっていた。
 でも、その体質もなぜか今は収まっている。気づいたのはあの日からしばらくしてからだったし、維人にしてしまったことが関係あるのかはわからない。でも、きっとそれは、維人を犠牲にした得た自由なのだと思った。
 だからその全てを維人が願ってくれた夢のために費やすことに決めた。償いにもならないただの自己満足でも、ただ過ぎていくだけの日々をせめて恥じないものにするために。
 それだけが今、諒が持つ唯一の『意味』だから。


 二次性と妊娠出産には深いつながりがある。諒が産婦人科医を目指したのは実の母がΩ男性であったことを知ったからだ。
 Ω男性の妊娠出産はリスクが高い。実の母も妊娠中に意識不明に陥り、諒を出産後そのまま帰らぬ人となったと聞いた。
 実の母のことを知ったとき、「会ってみたかった」と心から思った。きっと、実の母であれば “諒”という名の意味を教えてくれたかもしれない。
 だからこそ、自分と同じような思いをする子供を少しでも減らしたいとこの道を選んだ。
 今回転院してくる患者はビッチングと言う特殊事例で、さらにΩ男性。妊娠出産は超ハイリスクだろう。それでも、その人は子を産むことを決めた。
 必ず子供を抱かせてあげたい。そんな思いからついマウスをクリックする指にも力が入る。
 だが、カチリ、と言う音と共に開いた過去事例のカルテ。その患者名が目に入った途端、息が止まった。

『主治医:高坂 徹。診察券番号:***** 桜庭 維人。一次性:男。二次性:β→Ω。生年月日:1998年5月10日』

 心臓が痛いほど大きな音を立てている。

 ――どういう、ことだ…?

 震える指で、次項へとスクロールを滑らせていく。

『2016年3月14日。AM7:54、自宅より救急搬送。意識障害あり。後頸部、その他複数個所に歯形状の皮下出血が多数認められる』

 その日は、最後に維人に会った日から二日後。
 確か維人のアパートで会ったときに一は、維人は意識がなかったと言っていた。その後維人はどうなったのかとずっと気がかりだったが、それを確認する術すべも、権利も自分にはないと思っていた。いや、本当は恐ろしくて確かめられずにいた。
 それをまさか、こんなところで知る日が来るなんて。
 熱を失い凍り付いた指を必死に動かし、少しずつその“記録”を確かめていく。

『2016年3月15日。意識回復なし。**検査:陰性。***検査:陰性。評価所見:外傷性ショックによる意識障害の可能性は低い』

『2016年3月16日。意識回復なし。二次性検査、Ω。番契約検査、陽性。評価所見:ビッチングによる性転換の可能性』

『2016年3月17日。意識回復。患者主観所見:2016年3月12日にラット状態のα性と性行為有り。避妊無し。発情状態だった可能性大。評価所見:急性的ビッチングに伴う身体変容は“運命の番”を要因とする可能性が高い』

 ――俺と、維人が、運命の番……?

 ビッチングはいくつの条件下で起こる。
 まずは転換者とその相手であるαとの間に強い絆があることが大前提と言われる。
 ――これは多分、俺の維人への執着が相当強かったから成り立ったんだろう。

 それから、転換者本人の二親等以内にΩ性の親族がいること。
 ――確か維人のおばあさんがΩ性だったと言っていたような……。

 ラット状態のαに性交中にうなじを噛まれること。
 ――正直記憶にはないが、カルテを見る限りやってる、な。

 あとは、長期間αの精を体内に取り込み、強いフェロモンでマーキングをされること。
 ――体の関係を持ったのはあの時だけだけど、マーキングは……。

 αが番でないΩを自分のものだと主張するためにフェロモンの匂いを付けるマーキング。
 維人が自分にとって特別な存在であると認めるのにそんなに時間はかからなかったから、自覚してから多分丸っと二年くらい、実は維人を抱きしめがてら毎日のようにマーキングをしていた。
 それは、もちろん他のαを維人に近づけないため。βである維人に邪な感情を抱くαはきっとそうはいないだろうと思ったが、維人は親しみやすく、いつの間にやら友達が増えているような人だった。
 それに、何より維人はすっごくかわいい。柔らかくて艶のある黒髪に、小さな顔のほとんどを占めているんじゃないかと思うほどの大きな瞳。長い睫毛は瞬きで風が起こせるんじゃないかってくらいばっさばさ。真っ赤な唇はプルプルのうるうるで……、何回奪ってしまおうか思い余ったことか。
 それなのに、本人がそのことを無自覚なのがまた心配の種で、気休めでもいいからと毎日こそこそとマーキングを――たまには直接的な威嚇も――していた。残念ながら本当に一番邪魔な一はβだからフェロモンが効かなかったけど。


 偶然にも満たしていたビッチングの条件。
 そして“運命”という強い繋がり。
 そんな偶然と必然が絡み合い、通常十数年かかると言われるビッチングが起きた。
 きっと、維人には青天の霹靂だっただろう。
 でも、

 ――ごめん維人、俺は嬉しくてたまらない。

 諒だけが感じていた維人の『香り』。
 それは遺伝子レベルに存在した維人のΩ性を、フェロモンに異常に敏感な体質だった諒が本能的に感じ取っていたのものだったのだろう。
 ずっと疎ましくて仕方なかったあの体質は、維人が運命であることを知らせるためにあったのかもしれない。
 そう思うと、堪らなく嬉しい。
 歓喜に打ち鳴る心臓が発した熱は、凍り付いた指先をいつの間にか溶かしていた。

 でも、衝撃的な維人の“記録”はそれだけでは終わらなかった。

『2016年3月26日。妊娠検査:陽性』

 発情期のΩがαと避妊せずに性交した場合、妊娠確率はほぼ100%だと言われる。
 それは、諒と維人の間でも例外ではなかった。

 また怯え始めた心臓の音で痛む頭を必死に動かし、その先を読み進めていく。
 そしてほぼ一年間の記録はついにクライマックスを迎える。

『2016年11月10日。緊急帝王切開により女児を出産。母子ともに異常所見なし』
 ……
 ……
『2016年11月20日。退院許可』

 その文字を見た途端、走り出していた。
 院内は走らないで! なんて看護師長の声を無視し、息を切らせたまま見つけた背中に叫んだ。

「高坂先生!!!!」
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