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32.今夜のお供は
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「ただいま」
「おかえりなさい、誠二さん。遅かったですね、もうオレ先に食べちゃいましたよ」
「あー……悪ィ、ちょっと集中してて」
「集中できたなら良かったです」
にこりと花のかんばせが綻んで、俺は罪悪感でいっぱいになった。
(コイツはこんなに俺を第一に考えてくれてるのに、俺はなにやってんだよ……!)
自分自身が情けなくて、また秀一への後ろめたさもあって、どうしてもその澄んだ目を直視することが出来ない。
「じゃあ夕飯の残りあっためますね」
「いや……いい。なんか食欲ねえからこのまま風呂入るわ」
「えっ!? やっぱり風邪が悪化したんじゃ……!」
「あー……そうかもな。まあそういうことで、薬飲んで寝る」
「またお粥作りますか?」
「いいって。明日になったらまた元気出るから」
「……それならいいですけど……」
まだ納得しきれない様子の秀一を置いて、俺はそそくさと風呂場へ向かった。
ぬるいシャワーを浴びていると、徐々に頭のなかがクリアになっていった。
(秀一のオカズは……たぶん俺なんだし、俺があいつをどうこう妄想して勃つのも仕方ない。……なんたって、好きなんだから)
この恋心は決して伝えることは無い。それでも秀一のことを考えればときめいてしまうし、下半身は反応してしまう。だが、それでいいのだ。要するに、本人にそれと伝わらなければ。
(あ、やべ。また勃ってきた……)
さっき抜いたばかりだというのに、ゆるゆるとちんこは半勃ち状態になっていた。
(くっそ、仕方ねえか……)
俺はボディソープを手に取ると、そのぬめりを利用してペニスを扱いていく。万が一声が漏れてしまった時のためにシャワーは流しっぱなしだ。
「……っ、ふ、はぁ……っ」
指で作った輪で扱いていくと、あっという間に完勃ちになる。そのまま先っぽを弄ったり、左手で会陰部を押したりしていると、全身に甘美な痺れが広がっていく。
(……あ、イきそう……っ)
「……ふ、う、~~……っ!」
覚えのある感覚に腰を震わせながら、ラストスパートとばかりに強くブツを扱くと、呆気なく俺は吐精した。
「はー……」
一日に二回も抜くなんて、滅多にないことだ。けれど、身体は軽い疲労を訴えていても思考はスッキりしていた。
(大丈夫。秀一のことは邪な気持ちがあっても表には出さない。……せっかく出来つつある家族の形を壊したくない)
秀一は一途で、それが美点なのだが、きっといつか義理とはいえ兄弟として惚れた腫れたがタブーであることに気付くはず。俺はその時に「そんな事もあったな」と兄貴面できるように振る舞うしかない。
(それでいい。一時でもあんないい奴に思いを寄せられただけで十分なんだから)
俺はさっと後始末をして全身を洗うと、何食わぬ顔で自室のベッドに潜り込んだ。
「おかえりなさい、誠二さん。遅かったですね、もうオレ先に食べちゃいましたよ」
「あー……悪ィ、ちょっと集中してて」
「集中できたなら良かったです」
にこりと花のかんばせが綻んで、俺は罪悪感でいっぱいになった。
(コイツはこんなに俺を第一に考えてくれてるのに、俺はなにやってんだよ……!)
自分自身が情けなくて、また秀一への後ろめたさもあって、どうしてもその澄んだ目を直視することが出来ない。
「じゃあ夕飯の残りあっためますね」
「いや……いい。なんか食欲ねえからこのまま風呂入るわ」
「えっ!? やっぱり風邪が悪化したんじゃ……!」
「あー……そうかもな。まあそういうことで、薬飲んで寝る」
「またお粥作りますか?」
「いいって。明日になったらまた元気出るから」
「……それならいいですけど……」
まだ納得しきれない様子の秀一を置いて、俺はそそくさと風呂場へ向かった。
ぬるいシャワーを浴びていると、徐々に頭のなかがクリアになっていった。
(秀一のオカズは……たぶん俺なんだし、俺があいつをどうこう妄想して勃つのも仕方ない。……なんたって、好きなんだから)
この恋心は決して伝えることは無い。それでも秀一のことを考えればときめいてしまうし、下半身は反応してしまう。だが、それでいいのだ。要するに、本人にそれと伝わらなければ。
(あ、やべ。また勃ってきた……)
さっき抜いたばかりだというのに、ゆるゆるとちんこは半勃ち状態になっていた。
(くっそ、仕方ねえか……)
俺はボディソープを手に取ると、そのぬめりを利用してペニスを扱いていく。万が一声が漏れてしまった時のためにシャワーは流しっぱなしだ。
「……っ、ふ、はぁ……っ」
指で作った輪で扱いていくと、あっという間に完勃ちになる。そのまま先っぽを弄ったり、左手で会陰部を押したりしていると、全身に甘美な痺れが広がっていく。
(……あ、イきそう……っ)
「……ふ、う、~~……っ!」
覚えのある感覚に腰を震わせながら、ラストスパートとばかりに強くブツを扱くと、呆気なく俺は吐精した。
「はー……」
一日に二回も抜くなんて、滅多にないことだ。けれど、身体は軽い疲労を訴えていても思考はスッキりしていた。
(大丈夫。秀一のことは邪な気持ちがあっても表には出さない。……せっかく出来つつある家族の形を壊したくない)
秀一は一途で、それが美点なのだが、きっといつか義理とはいえ兄弟として惚れた腫れたがタブーであることに気付くはず。俺はその時に「そんな事もあったな」と兄貴面できるように振る舞うしかない。
(それでいい。一時でもあんないい奴に思いを寄せられただけで十分なんだから)
俺はさっと後始末をして全身を洗うと、何食わぬ顔で自室のベッドに潜り込んだ。
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