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お兄ちゃん 第3話
しおりを挟む「か、神楽さん、どうぞ」
障子の先には、着物姿の神楽さんが立っていた。私は、障子を開け、神楽さんを中に案内する。
「……心配で様子を見に来てみたんだが、なんだか顔色が優れないな。何かあったか?」
そんなに顔に出ていたか。神楽さんの洞察力はすごいな。
「……さっき、辻斬りが出たって、それで桜谷さんが向かったと聞いて、心配になってしまって……。」
「なんだ、そんなことか。劉紀に限って、心配は不要だ。あいつは、この取締組最強と言われている男だ。例え百人の辻斬りが襲ってこようとも負けはしないさ。」
「そ、そんなにお強いんですか……?」
「あぁ、彼の強さは尋常じゃない。その上、好戦的だからな。今回も率先して向かった。暴れられる機会は逃したくない奴なのさ。」
そうだったんだ。怪我したりしないか心配だったけど、神楽さんと話している内に、状況がわかり、少し落ち着いてきた。
「桃子、よければこれから一緒に街へ出ないか。俺は今日非番でな。これでも一応腕は立つ方だ、危険はないだろう。」
え!突然デートのお誘いですか!落ちていた気分がどんどん上がってきたぞ。……もしかして、気を遣わせちゃったかな。
「はい!行きたいです。折角のお休みなのに、ありがとうございます。」
「かまわん。俺から言い出したことだ。準備次第、正門前へ集合でいいか。」
「分かりました。お願いします。」
神楽さんも、一見クールで誤解されがちだけど、本当は気が利く優しい方なんだよね……きっと私が桜谷さんのことを心配していたから気分転換に誘ってくれたんだ。ありがたいな。町も色々見てみたいし、折角の機会なので楽しもう。
私は、久慈さんに買ってきて頂いた、お気に入りの着物に着替え、出かける支度をした。
正門前に行くと、神楽さんは既に準備を終え、待っていてくれた。
私と神楽さんは、この辺りで一番の繁華街だという華通りへ向かった。
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