愛されたがりのオオカミは、愛したがりのトラに抱かれる。

野中にんぎょ

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君は僕のもの

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 シシの中で何か変化があったのだろうか。彼は急に、「僕も働く」と言い始めた。
「シシ、働いたことあるの?」
「ないよ。でも、誰だって最初は初心者だよ。お隣のワニのお爺さんに日雇いの仕事を紹介してもらったから行ってくる」
 そう言うと、シシは靴紐を結んですっくと立ち上がった。マダラはシシの凛々しい横顔に面食らい「いってらっしゃい」と言うのを忘れてしまった。
部屋に静寂が訪れる。けれど、シシの温みは残っている。誰かの帰って来る部屋に自分が居ることが、なんだか不思議だった。
「あのトラの坊ちゃん、今日ちゃんと行ったか?」
 洗濯しようと通路へ出るとワニが煙草をくゆらしていた。マダラは「シシを気にしてもらってありがとうございます」と深々と頭を下げた。ワニは喉で笑い「急に雄の顔になって、一体どうしたんだろうな、トラの坊ちゃんは」と軽口を叩いた。
「まあ、働いてないより働いてる方がいいわな。二匹で暮らすとなりゃ金銭的にも対等な方がいい。雄同士ならなおさら」
 二匹で暮らす……。その言葉に感じ入っていると、ワニはマダラの肩をぽんと叩き階段を下りて行った。
 夜の仕事の前にシシの夕飯を用意しラップをかけておく。マダラはこの部屋に来て初めて電子レンジの必要性を感じた。シシの帰りを待つうちに尻尾パブの出勤時間が近づき、マダラは後ろ髪を引かれながら部屋を出た。
「ララちゃん!」
 待ち合わせの駅前で黒クマが両手を振る。マダラは手を振り返し黒クマの元へ駆け寄った。「ララちゃん、私服可愛いね」年季の入ったダウンジャケットにいつものデニムなのだが……。マダラは返事に困ってとりあえず微笑んだ。
「何食べる?初めての同伴だから色々調べて来ちゃった」
 黒クマはスクリーンショットをスワイプしながらマダラに笑いかけた。「俺、お兄さんの行きたいところについていきます」その返事に黒クマは「そう来たか」と頭を掻いた。
「ホントにここでよかった?こってりしたもん苦手じゃない?」
 食前酒を口に含みマダラは頭を横に振った。高級感溢れる店内で、パーカーにデニムのマダラは悪目立ちしていた。
「お待たせいたしました。香港風醤油焼きそばでございます」
 牛肉と野菜がたっぷり乗った焼きそばが登場しマダラは瞳を丸くした。作り置きしてきたキャベツと魚肉ソーセージの焼きそばと比べると天と地ほどの差がある。よそってもらった焼きそばを一口食むと、麺から卵の風味がはっきりと感じられた。
シシ、こんな焼きそば食べたらびっくりするだろうなあ。マダラがほどけるように微笑んだものだから、黒クマは「ララちゃん、焼きそば好きなんだ」と再度メニュー表を捲り始めた。
 シシ、もう家に帰ってるかな。焼きそば、食べてるかな。
 どこにいても、何をしていても、マダラの頭の中ではシシが微笑んでいる。いつから俺はこんな風になっちゃったんだろう。マダラは淡い溜息を吐いた。
 尻尾パブから新聞配達のアルバイトをはしごして家に帰ると、玄関にシシのスニーカーが揃えられていた。マダラは急いてしまう気を落ち着けて山を描いた布団に寄って行った。
「おかえり……」
 起こしてしまったのだろうか。寝ぼけ眼のシシが布団の中から手を伸ばしマダラの手を握った。「ただいま」マダラはその手を握り返した。
「初仕事どうだった?」
「ええとね。工事現場でいろんなものを運ぶ仕事だったんだけど……。力には自信があったのに、がっくりきちゃったよ。みんな鉄の柱をひょいひょい運んでいくんだ」
「最初はそんなもんだよ。ひょいひょい運ぶより、安全第一でね」
 二匹はどちらともなく甘い口づけを交わして微笑み合った。互いを唇の温みで労うと、もうそれだけで心が満たされてしまう。シシは布団から起き上がり、枕元に置いてあった紙袋をマダラに差し出した。
「これ、マダラに」
 自分を指差し「俺に?」と尋ねれば、シシははにかんで「開けてみて」とマダラを急かした。紙袋の中身は獣毛ブラシとピンブラシだった。思わぬ贈り物に見入っていると、シシは指先でマダラの膝に触れ「それを使うのは僕だよ」と囁いた。
「仕事から帰ったら尻尾がボサボサになってるのがいつも気になってて。僕がマダラの尻尾を綺麗にしてあげられたらって、ずっと思ってたんだ」
 後方に回りマダラの尻尾を撫でるシシ。彼は玄関の明かりを一つ点けただけの部屋でピンブラシを毛先へ滑らせた。心を込めて触れられているのが伝わって来てくすぐったい。なのに、マダラの胸はずきずきと痛んだ。
 マダラが尻尾パブで働いていることを、シシは知らない。尻尾がボサボサになっているのは尻尾パブでお客さんに好き放題触られているから。そんな仕事で金銭を得ていると知ったらシシは軽蔑するだろうか。
「尻尾、触られるの苦手?」
 ふと、シシが背中越しにマダラの表情を覗き込んだ。「えっ?」間抜けに聞き返すと「尻尾がちょっと緊張してるから」と自分でも気付かないようなことを言われてしまった。
「苦手……と言えば苦手。でも、シシに触られるのはイヤじゃない」
「イヤじゃない?イヤじゃない、だけ?」
 このところ、シシは幼さが抜けて来た。マダラは返答に困って黙り込む。持ち替えた獣毛ブラシで尻尾の表面を撫でるようにされれば、心地よくて咽喉がぐるぐると鳴ってしまった。
「可愛い。喉鳴ってるね」
「ばか、もう、言うなっ」
 口で強がっても喉は鳴り耳は横に寝てしまう。「うるるる……」マダラは恥ずかしさのあまりその場に蹲り、枕に顔を埋めた。
「……僕ね、あれから色々考えたんだ」
 尻尾をブラッシングしながらシシはぽつりと呟いた。「あれから?」「内緒の贈り物のお手伝いをした日のことだよ」枕から顔を上げシシを振り返る。彼は穏やかに微笑んでいた。
「僕には血の繋がった家族がいる。大切にしてもらったと、自覚はしてる。トラは元来子煩悩だけれど、僕の父と母は本能以上に僕を愛してくれた」
 気丈に話しているのに、その声音にはどこか寂しさが漂っていて、マダラは黙って相槌を打った。
「父と母からは色々なことを教えられた。……特に、血統については骨の髄に叩き込むように教えられた。祖先から続くトラの血を守り抜く為に、僕は常に一族の掟を守っていなければならなかった」
 父と母を知らず、けれど包み込むような愛情を知っているマダラには、シシの居た世界が想像すら出来なかった。
「僕は彼らのくれた愛を背負いきれなかった。言われたことを次々こなさなければならなくて、自分はどう生きたいんだろうって思い悩む暇もなくて。でも最近になって、僕はこの血統を守る為に存在しているのだろうか、って疑問を感じるようになった。……誰かからすればそれは幸福なことなんだと思う。でも、僕は、血筋の一部になんかなりたくなかった」
 オオカミの血に紛れたくてオオカミらしく振舞うマダラ。純血種に生まれながらその轍から去ろうとするシシ。二匹は正反対だった。なのに、だから、寄り添えば互いの欠けた部分がぴったりと埋まってしまう。マダラはシシに向き直り、シシはそれを待ち望んでいたかのように微笑んだ。
「マダラはすごいよ。自立している上に、稼いだお金のほとんどを家族の為に使って、マダラ自身は慎ましく暮らしてる。オオカミが家族想いって言うのなら、君こそがオオカミだ」
「いや、あんなの、俺が、勝手に……」
 シシはふるふると頭を振った。そして、マダラの頬に慈しむような口づけを落とした。
「僕、そんなマダラの家族になりたい」
 マダラは息を飲み、視線を伏せた。家族?シシが、俺の――?そうなればどんなにいいかと思っているのは本当だ。なのに、戸惑いが勝った。シシ、お前には、本当の家があるのに、本当の家族がいるのに――。
「……すぐには、応えられないよね。でもね、僕は本気だよ。僕、マダラが安心できるような雄になって、マダラを番にするんだ。番になればずっと一緒にいられる。だって、オオカミの番は生涯一匹だけだもの。……そうでしょう?」
「なんだよ、それ。俺の気持ちは無視?」
「もう決まったことなんだよ。マダラは僕のものだ。だってマダラは僕の口づけに応えてくれた」
 マダラは咄嗟にシシの手を払おうとした。けれど結局、その手を邪険にすることは出来なかった。そんなマダラをシシがくすりと笑う気配。項まで熱くなってきてマダラは眠っている小鳥のように俯いた。
「ブラッシング終わったよ。綺麗になった」
 ツヤツヤになった尻尾を抱き寄せシシを睨めば、シシは笑みを深めてマダラに覆い被さった。「耳もブラッシングしてあげようか?」耳の内側を指先で擽られると同時に尻尾の付け根に反対の手が掠った。
「きゃう!」
 触れられたのはほんの一瞬なのに背筋に太い電流が駆け抜け、マダラは思わず身を竦めた。
「ごめんね、怖かった?耳触られるの、嫌い?」
 尻尾の付け根がずくずくと疼く。見る間に熱くなっていく身体。マダラは肌に汗を浮かべて硬直してしまう。「……マダラ?」明らかに様子のおかしいマダラの表情を覗き込み、シシはハッとしたように瞳を見開いた。
「マダラ、どうしたの、フェロモンが……」
 おぼつかない動作で揺れる尻尾、くてんと寝た耳、潤んだ瞳。花の蜜とミルクを濃縮して混ぜ合わせたような香りが辺り一面に広がっていく。……シシの指先がやおらマダラの背筋を伝い、尻尾の付け根をトントンと叩いた。
「な、にゃう、なあぅ~っ……」
 悩ましげな声を切れ切れに上げると、それに応えるように付け根を指先でくすぐられる。「やめろ、シシ、それ、やだあ」頭を振り立てて制止を求めたのに、シシの手はマダラのデニムの前を寛げ、その中へと潜ってしまった。彼の手指はやがて双丘の奥に辿り着き、しとどに濡れたすぼまりへ触れた。
 全身におぞけが走るほど驚いているのに、心の中にはシシの言葉が渦巻いた。「マダラは僕のものだ」。注ぐ側から受ける側へと身体が作り変わっていくのが分かる。心を置き去りにし、肉体はシシの仕種に反応して従順に彼を求め始めた。
「すごい濡れてる。マダラ、君……」
「ちがう、おれはオオカミだ。ネコじゃないっ。おれが、なにか、妙な体質な、だけで……」
 シシの言わんとするところに気が付きマダラは眼差しを鋭くした。シシは熱い息をたっぷりと吐き深呼吸した。待ちわびた獲物を前に、仕留め損ねてはならぬと一呼吸置くように。
「君がそう言うのならきっとそうだ。でも、ごめん、マダラのフェロモン嗅いじゃったから、僕のも出ちゃう……」
 獣人が互いにフェロモンを出せばそれは子作りの合図。純血種のシシとペアリングすれば孕むのは必然的に雑種のマダラになる。番はもちろん恋人がいた経験もなく、アフターピルやスキンは持ってない。このまま交尾にもつれ込めば、シシの子を孕んでしまうかもしれない――。
「だ、大丈夫。俺、オオカミだし、シシの子は孕みにくいはず、種族が違い過ぎる」
 シシはその言葉に唇を噛み、俯いた。「マダラ、トラの交尾を知らないの?」その呟きは、明らかに苛立ちを含んでいた。マダラのフェロモンに誘われてシシのフェロモンが香り立つ。マダラの全身がさざ波を打つように粟立った。
「純血種のフェロモンを浴びたことは?」
 鋭い眼光に射抜かれ、マダラは頭を横に振った。「こうやってフェロモンを交わして交尾をしたことは?」再び頭を横に振れば、シシはきつく瞼を下ろした。その間にも、マダラの全身はかっかと火照り、噴き出した汗が玉になり始める。シシのフェロモンを浴び、マダラの頭の中は彼の子種のことでいっぱいになってしまった。
「はあ、あ、なう、はあ、ン、しし、ししっ、おれっ」
 なーお、なーお。発情の声を上げ始めるマダラを、シシは歪んだ瞳で見つめた。灰色と黒のまだら模様の尻尾がゆるゆると上がって行く。本能のままに腹ばいになり尻を高く上げると、尻尾が勝手に左へ逸れた。腹の奥が何度も切なく引き絞れ、鼓動は際限なく高鳴っていく。両手を胸の下に揃え、マダラはシシを振り返った。
「しし、ししぃ、あーう、なぁう、なあぁ~……」
 熱くて切なくて身を捩らせながら名前を呼べば、シシはマダラの背中に覆い被さり「そんなに甘えた声、出さないで……」と掠れた声で呻いた。
 純血種のフェロモンに中てられたマダラは虚ろな瞳で何度も後ろを振り返った。シシはマダラの項に噛り付き、濡れそぼったすぼまりへ再び手を伸ばした。
「んにゃあ!ん、んう、きゃうっ、ンぁああ~っ!」
 一本ではだめだとすぐに悟ったのだろう。すぼまりの縁を行き来する指は一本から二本、二本から三本へ間を開けずに増えて行き、深く性急にマダラを慰めた。
「ゆび、やだ、しし、なんでっ、ああっ、にゃ、なぁあ~っ!」
「ごめん、ごめんね、僕がもっと雄らしくなったら、いっぱい交尾して、いっぱい赤ちゃん作ろうね。今はこれで我慢して。僕も我慢するから……」
「やあっ!やだっ……!ししのあかちゃんっ、ほしいのに……!やだぁっ!」
 頭を振り立てている内に中から性感が噴き上がり、マダラは呆気なく果てた。それでも熱っぽい靄はマダラを離してくれない。腰をくねらせ両脚を開いたマダラを、シシは再び指で慰め始めた。
「んっ、しし、ちょおだい、ほしいよ、ししぃ」
「だめ、今は、まだ、だめだよ。お願い、我慢できなくなる、マダラ、いい子だから……」
 媚びた声音が互いの咥内へ消えていく。シシのフェロモンに抱かれマダラは空が白むころまで身悶え続けた。「マダラは僕のものだ」。その言葉通り、マダラの身体はもうすでにシシを受け入れていた。


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