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58話
しおりを挟む葵は唇にキスを何回かしてから顔の至る所にキスをしてきた。鼻や瞼、頬やおでこ、葵は本当にたくさんキスをしてくれて、それがくすぐったくて、嬉しくて、本当に愛しくて癒される。
「…やっぱり、下手…かな?……あんまり嬉しくない…?」
葵はふいに唇を離して聞いてきた。そんなはずはないのに、そんな不安がる葵も愛しかった。
「そんなことないよ。嬉しいよ」
「良かった。もっとしてあげるね?」
「うん、もっとして?」
葵は安心したように笑うとまたキスを続けた。顔中にキスをして最後に唇に触れるだけのキスをするとまた抱き締めてくれて頭を撫でてくれる。葵に包まれると本当に安心する。
「由季、大好きだよ。考えすぎないで?しんどくて、辛いならいつでも話聞いてあげる。私は由季を蔑ろにしたり、引いたりしないよ?だから、由季は安心して……私に頼ってくれれば良いから」
「うん。……ありがとう葵」
何か言いたいけどそれしか出なかった。胸が満たされて幸せを感じていたから。葵はそれでも嬉しそうに言った。
「ううん。由季の力になれて本当に嬉しい」
頭を優しく撫でる葵に私は心底安心した。いつもとは違うこの状況は心地良くて心が和んで満たされる。葵は私の癒しだ。この子のおかげで、心が正常になれそうな気がする。
「葵に触れてると辛くなくなるよ」
思ったことが自然と口に出た。葵が私の中で大きくなって私を満たすから、辛い気持ちが薄れている。だから優香里を考えていた時に葵を思い出したんだ。
「じゃあ、…私の体……触っていいよ?」
「え?」
突然の葵の誘いに少し驚く。そういうつもりで言った訳ではないのに、体を離した葵は私ににっこり笑いかけると、片手を掴んで自分のシャツの隙間から直接体に触らせてきた。急なそれに内心焦るけど葵は私をただ優しく見つめる。
「由季が辛くなくなるなら、私の体…使っていいよ?…好きな所に触って…好きなようにしていいの。私は由季のものだから。由季がしたくないなら、私が触ってもいいけど……由季みたいにはできないから…」
「じゃあ、葵が触ってくれる?私に」
「え?……でも、」
葵が私にしてくれるなんて、まだまだ先になりそうだと思っていたけど、こんなことを言われて嬉しくて、私はその提案に乗ってしまった。
葵は触れてくれることはあるけどいつも本当に恥ずかしがっているから。私は葵の体から手を離して体を寄せるように腰に手を回してキスをした。
「ほら?大丈夫だから。…できる?」
間近で問いかける。少し緊張していそうな葵が心配で聞いてしまった。この子は私のためなら何でもしようとするけど不安や緊張が見え隠れする。葵は少し困ったような顔をした。
「…初めてだから由季みたいには……上手くできないよ?……由季が嫌になるかもしれないし」
「大丈夫だよ。本当に大丈夫」
そんなの関係ない。葵が触れてくれるだけで私は嬉しいけど、葵はまだ不安げだった。
「うん。……でも、どこから触ったら……いいの…かな…?」
「ふふ、そんなのどこでも良いよ?葵がしたいようにすれば良いよ」
必死な私への気持ちが伝わってきて笑ってしまう。さっきは何でもしたいって言っていたのに、たぶん緊張してどうしたら良いのか全部が全部分からなくて困っているんだろう。
「でも、でも……。私、やってあげたいけど…あんまり…分かんない……」
「それでもいいよ。それなら私が教えてあげるから」
可愛い葵に安心させるようにキスをして見つめる。葵らしいし、これが私達らしくもある。
「じゃあ、まずは脱がして?」
「うん」
葵はおとなしく私に従って緊張したようにブラウスを優しく脱がしてくれた。しかし、上半身下着だけになる私を見て、葵の方が恥ずかしがって緊張しているようだった。
「葵どうしたの?」
「だって、……由季の体見たら……ドキドキして…」
「なんでよ?葵が脱いだんじゃないのに。可愛いなぁ」
「し、仕方ないじゃん……」
恥ずかしがって動けない葵に小さく笑って私から軽く抱きついた。葵は言えば頑張ってやろうとするから私はそれを手助けしてあげるだけだ。
「葵?首にキスして。いつも私がするみたいに。キスしたら舐めてみて?」
「……うん」
葵は私に従って首に吸い付くようにキスを何度かすると舌で首筋を舐めてきた。慣れていないそれはくすぐったいけどこの子の気持ちが嬉しくて、気持ちが良くて吐息が漏れてしまう。
「はぁ、……んっ、良いよ葵」
「本当?」
「うん、……んっ、そのまま、続けて?」
「うん」
葵は私に従う。舐められると言う行為より、純粋なこの子を操っているこの事実の方が興奮を掻き立てる。私が、私だけが葵を思うがままにできる。本当に愛しい存在だ。
「はぁ、……葵、葵も脱いで?葵をもっと感じたい」
「うん、待って」
葵は舐めるのを止めると興奮したような火照った顔をして服を脱ぎ始めた。私もそれを見て残りの服を脱いでベッドに横になる。葵のおかげで興奮してエッチな気分になってしまった。高まり過ぎて止められない。
「由季…キス…したい」
葵は横になった私の上に四つん這いになって見下ろしてきた。その顔は、その目は、快楽を求めているようで色気を醸し出す。葵はエッチの時は快楽を求めることすら純粋に嫌がらずにする。己の欲のままに欲する葵に私は笑って頷いてから顔を引き寄せてキスをした。
「はぁ、あっ、あおい……んっ」
「んっ、はぁ、あぁ……んん」
深くキスをして葵を貪る。全てをなぞるように舌を這わせて舌を絡める。葵を、もっと感じたくて、もっとしていたくて長く長く口づける。
「はぁ、あぁん…んっんん…ゆ、んっ…き、んん」
「はぁ、んっ、はぁ…なに?」
いやらしい音を立てながらしていたキスを止めると葵は私の上に乗っかるように体制を崩している。目を潤ませて見てくる葵にまた興奮してしまう。葵の裸を見るだけでもムラムラしてしまうのに私を無意識に惑わす葵に私は魅了されたように目が離せない。
「激しいよ…。腰、抜けちゃう。私が触ってあげるのに…」
「ちゃんと触ってもらう予定だから平気だよ。それに葵がしてくれたら、私もしてあげる。もうこんなになってるみたいだからね?」
体制を崩した葵は私の足に股がるようにしているからもう濡れているのが分かる。足が濡れるのが分かるからもう葵も興奮しているんだろう。足を少し動かして葵の敏感な部分を刺激すると葵は腰をびくつかせて反応した。
「あっ!…んっ…だって由季が、……激しくするから…」
「もう感じたの?私のこと舐めてた時から濡れてたの?」
少し意地悪く聞くも葵は違うと否定してくるからまた足で刺激してやる。本当に、恥ずかしがって可愛らしい。
「ほら、素直に答えて?」
「あっんん!……やだ由季…んっ…もうやめて?由季のこと、触れなくなっちゃうから…」
「じゃあ、どうなの?」
「んっんん!…ぬ、濡れてたから……由季の裸見たら……興奮して…舐めてたら…もっと濡れちゃった…」
「ふふ、そっか」
白状した葵に満足して足を動かすのを止める。少し息を荒くする葵はそれだけでいやらしいけど、まずは私にやってもらわないとならない。私はそんな葵の片手を掴んで自分の胸を触らせる。
「じゃあ、まずは、胸から触ってみて?順番に教えてあげるから」
葵は息を荒くしながら嬉しそうに小さく頷いた。
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