改:どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
8 / 152

8 みんなの安全が第一だ

しおりを挟む
帰宅し、母にラジオを持ってきてもらった。
優たちに状況を説明してきたことを伝える。
「無事でなによりだね。 それとラジオ、電池が古いけど使えると思うよ」
母がスイッチをオンにしてラジオをつける。

『・・といった具合に、建物の外には見たことのない動物があふれています。 くれぐれも外に出ないようにしてください。 繰り返します、今、建物の外では見たことのない動物があふれています。住民の皆さんは建物から出ないようにしてください・・・』

俺は、プチッとラジオを切った。
「え? どうして切るんだい」
母が不安そうな顔で俺を見る。
「いや、どうせ聞いても無駄だろうから・・それにこれで確定した。 やっぱり昨日とは違う世界に変わってしまったんだ」
母はラジオはつけたままにしておこうという。
何か音がないと不安なのかもしれない。
余計に不安になるぞ。
「母さん、ちょっと優たちのところへ行ってくるよ」
俺はそう言って優たちを呼びに行った。

俺の実家に全員集合させる。
俺を見捨てた嫁を実家に招くとは・・ちょっと複雑な気持ちがないわけではない。
母は何も言わない。
とりあえずみんなのレベルは最低限安全が確保できるくらい上げておきたいと考えていた。
それからパーティーとか組めるのか考えていたら案外簡単に設定できた。
・・・
パーティ編成は終わったが、経験値の割り振りとかの設定ができないところをみると、自動的に割り振られるのだろう。

俺は子供たちを見渡して言う。
「早速だが優、俺と一緒に外に出るぞ」
母さんが驚いたような顔をする。
「今、ラジオで外へ出るなって言ってたでしょ。 危ないよ」
「いや、それはわかってるよ、ばあちゃん(子供たちがいるところではばあちゃんと呼ぶ:以後ばあちゃんで統一)。 でも、今のうちに強くなっておかなきゃ、きっと後で取り返しのつかないことになる。 今の状況、多分この中で俺が一番把握できていると思う」
俺ははっきりと言い切った。
ここでいつもなら嫁が何か文句を言ってくるはずだが、状況が状況だ。
思い浮かぶ言葉もないのだろう。

!!
「そうだ! ばあちゃん、これを見てくれ」
俺はそう言って軽く移動をしてみた。
言葉よりも見た方が早い。

!!!

俺の身体能力は考えられないくらい上がっている。
瞬間移動したように感じただろう?
全員声も出ないようだ。
衝撃だろうな。 
だが正解だったようだ。
リアルでこんな動きをする人間をみたことないはずだ。
俺は5歩ほど速く歩いただけだったのだが。

「これでわかっただろ。 レベルを上げるとこうなる。 今までの常識が変わってしまったんだ。 たった1日で」
「マジかよ・・」
「消えたよね?」
「・・・」
優や颯がつぶやくが、嫁たちは言葉が見つからないようだ。

俺はお茶を一口飲んだ。
「とりあえず俺と優で外へ出るよ。 俺がいれば今のところ大体安全だと思う。 俺のスキルに半径500メートルくらいの範囲で敵を把握できるものがある。 だから、周りに何がいるのかわかる。 レベルが上がればみんなそんな能力ができると思うよ」
俺の話をみんな静かに聞いてくれている。
やはりさっき動いたのが良かったようだ。
「それに、すぐにレベル5以上になれると思う。 自分より上のレベルの敵の経験値が入るんだから。 多分、レベル10くらいになると少しは安全だと思う。 なんとなくだけどそう思う」
おそらくワーウルフ以上のレベルになればいいんじゃないか。
そんな風に思う。

ラジオは外へ出るなの繰り返しだ。
魔物を狩らないとジリ貧だぞ。
というか、ステータス画面すらわからないか。
みんな何をしていいのかわからないのだろうな。
とりあえず、低レベルの魔物がいる間に狩れるだけ狩ろうと思う。

「じゃ優、行こう。 じいちゃん、こっちは頼みます」
じいちゃんはゆっくりとうなずいてくれた。
俺は玄関に置いておいた棒を持つ。
優は出刃包丁だ。
じいちゃんは少し耳が遠いが、寡黙かもくな人だと改めて思う。
それが安心感につながるな。

そっと玄関を開けて、外に出てみる。
時間は7時5分になっていた。
もう完全に朝だ。
サイレンも聞こえない。
車が走ってるのが見える。
大丈夫か?
人のことはまぁいい。
さて、索敵してみる。
・・
なるほど、俺から300メートルくらいのところにロンリーウルフが引っ掛かる。
レベルは3。
さっきのパターン通りだと、ワーウルフを中心にゴブリンの部隊で動いているんじゃないかと想像する。

レベル3か。
優たちのレベルでは戦えないな。
しかし、魔物って連続して出てくるんだな。
どうやって発生してるんだ?
そう思いつつも、優に魔物がいることを伝える。
「優、300メートルくらい離れたところにロンリーウルフという魔物がいる。 レベル3だ」
優の顔が少し緊張したような表情になる。
「レベル3・・僕よりも上だ。 勝てないよ」
優が不安そうな顔で俺を見る。
「あ、そうだ、優。 この棒を持ってろ。 包丁は俺が持つよ。 いきなり魔物を刺せといっても、刺せないだろう」
優は少し考えていたようだが素直に交換してきた。
俺は何か変な余裕が出てきた感じがしていた。

「優、レベルが上というけど、俺レベル8だぞ」
俺がニヤッとして言葉を出すと一気に優の顔が明るくなった。
「俺がギリギリまでやって、とどめを優にやってもらおうと思うけど、大丈夫そうか?」
優は返事をせずに引きつったような顔をしている。
そりゃ、そうだよな。
昨日まで普通に中学校へ行っていたんだ。
いきなり魔物を狩るなんてできないだろう。
「優、無理しなくていいからな。 まぁ、俺が倒しても経験値はパーティに入るだろうし……たぶん」

さて、近づいてみるか。
30メートルくらいまで近づくと、ロンリーウルフに気づかれた。
??

そうか、優は忍び足のスキルなんか持ってないからな。
ロンリーウルフが加速しながら近づいてくる。
優を見つけると速攻で襲いかかってきた。
優は固まったままだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

やがて最強に至る弾丸付与術士の成り上がり

彼方
ファンタジー
 2035年の日本では、多数出現したダンジョンを探索する探索者という職業が大きな注目を集めていた。ダンジョンを探索することは大きな危険も伴うが、地球では本来手に入らない希少な資源を入手することができるため、日本を含め世界各国はダンジョン資源の獲得に力を入れていた。  そうした世界の中で平均的な探索者として活動していた加賀優斗は、親友である木場洋輔から突然パーティを追放されてしまう。優斗は絶望し失意の底に沈むが、不治の病に侵された妹を助けるために行動を開始する。  これは、実力も才能もない一人の青年が努力と工夫によって世界最強へと上り詰めるまでの物語。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略

神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。 そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。 これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。

神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~

葵はるか
ファンタジー
「少子化で、八百万の神々の力が衰えるどころか滅亡しそうです! ですので、氷河期世代を救います!」  国会に突如、降臨した絶世の美少女である天照大御神は、氷河期世代を救うために日本中に日本人専用のダンジョンを作りだすことを宣言するのであった。  会社に一方的にクビにされた佐藤和也も、日本中に発生したダンジョンへ生活の糧を得るために潜ることになったのであった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

TB
ファンタジー
岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

処理中です...