改:どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
125 / 152

125 シルビア、お前って面倒なやつだな

しおりを挟む
俺たちはアニム王のいるところへ向かって移動している。
俺の移動はひたすら走るのだが、ルナは飛んでいた。
背中の羽を広げて、羽ばたくことなく飛行している。
ウルダは俺と一緒に走ってくれていた。
シルビアは相変わらず、ポーン、ポーンと跳ねるように移動している。
それぞれが、軽く移動している感じだ。
周りからは相当な速度で移動してるように見えると思うのだが。

移動しながら、ルナに少し話しかけてみる。
「ルナさん、アニム王と念話してもいいですか?」
「おぉ、よろしく頼む」
ルナはそう言うと何やら嬉しそうだった。
ん?
もしかして、二人はいい仲なのかな?
俺はそんなことを思いつつもアニム王に念話を飛ばしてみる。

『アニム王、テツです』
アニム王からはすぐに返事が来た。
『やぁ、テツ。何かな』
『はい、つい先ほどルナ王と出会い、今アニム王のところへ向かっています』
『・・・・』
え?
アニム王の返事がない。
『あの、アニム王・・』
『わかっているよ、テツ。それで、どれくらいで私のところへ到着できるだろうか』
アニム王が言葉に詰まるなんて珍しいな。

『おそらく、3~4時間……いや、5時間くらいもあれば大丈夫だと思います』
『そうか・・』
シルビアがいるのを忘れていた。
海を渡らなければいけなかったんだ。
シルビアの風魔法では、海の移動が遅くなるだろう。
そう思っていると、海に到着。
それにしても移動中、魔物とは全然出会わないな。
俺がそんなことをふと思うとアニム王が話してきた。
『テツ、また近くまで来たら教えてくれたまえ』
『わかりました』
アニム王との念話は終わった。
俺はルナの方を見て、アニム王にルナのことを伝えたと言った。
ルナは微笑みながらうなずく。
なるほど、やっぱりいい仲なんだな、王同士だし。
俺は勝手にそんな風に思ってみた。

「ルナさん、前に見える水ですが、海といってかなり広い幅があるのです。 シルビアは風魔法で漂うように移動していました。 私は海の上を走れるのでいいのですが、少し移動が遅くなると思います」
俺がそういうとルナたちは平然とした顔で答える。
「心配ないぞ」
ルナは言う。
どうやらウルダも飛べるようだ。
そして、ウルダがシルビアを運ぶという。

「ウ、ウルダ様・・そのようなことをされては・・」
シルビアが恐縮していた。
「しかしな、シルビア。 貴様の移動では速度がなぁ」
ウルダの言葉にシルビアがチラっと俺を見る。
・・・
はい、俺は即座に理解した。
わかりましたよ、シルビアさん。
「ウルダさん、俺がシルビアを背負います」
シルビア・・・お前、アホな上に面倒だな。
心の声です、はい。

「テツ、いいのか? 私なら問題ないのだが・・・」
ウルダは軽く答えてくれる。
「はい、俺もシルビアを背負うくらい、問題ありません」
「そうか・・・では、頼むか」
そういうと、シルビアはホッとしたような感じで俺の方へ来た。
何ホッとしてんだ、シルビア!!

「テツ・・・すまないな」
シルビアはそういうと、俺の背中に身体を預けた。
ったく、すまないじゃないぞ。
面倒な・・
!!!
いや、これは、これで・・ごっつぁんです!!

何と強烈な!
俺の背中にシルビアの胸が当たる。
今までこれほどのプレッシャーが背中にあっただろうか?
ない!!
くぅ・・・。

「シ、シルビア、気にするな!」
俺はそう言いつつも、心では感謝、大感謝をしていた。
「シルビア、お前・・・かなり軽いな」
そういうと、バカ! と言われ、頭を軽く殴られた。
こういうテッパン、最高だ!!
異世界、最高だな、おい!!
神様、ありがとう~!!!
って、危うく違う世界に飛ぶところだった。

さて、俺はシルビアを背負い、気分よく海の上を走っている。
地上と変わらない速度が出ているはずだ。
ルナとウルダはその俺の速度に余裕でついてきている。
しばらく移動していると、海の水平線のところに陸が見え、山のようなものが見えてきた。
もう、陸地が見えたのか?
行きはシルビアの風魔法に頼っていたし、まさか海の上を走れるなんて思ってもいなかったからな。
帰りの移動速度に俺は感心していた。
その時だ。
!!
いきなり目の前の海が盛り上がった。

ザッパーーーーン!

海の中から、白い大きなイカのような足が1本出てきた。
続いて本体の頭の部分だろうか…イカだな。
海から顔を出していた。
こちらを眺めている。

クラーケン:レベル40
おいおい、レベルが高過ぎだろう。
それに、行きはいなかった…って、空を漂っていたからか。
俺はそんなことを思いつつ、そのレベルに驚いたが、焦ることはなかった。
ウルダとの手合わせの効果だろうか。
もしかして麻痺したのか?
レベルは俺より2つも上だが、脅威を感じない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

やがて最強に至る弾丸付与術士の成り上がり

彼方
ファンタジー
 2035年の日本では、多数出現したダンジョンを探索する探索者という職業が大きな注目を集めていた。ダンジョンを探索することは大きな危険も伴うが、地球では本来手に入らない希少な資源を入手することができるため、日本を含め世界各国はダンジョン資源の獲得に力を入れていた。  そうした世界の中で平均的な探索者として活動していた加賀優斗は、親友である木場洋輔から突然パーティを追放されてしまう。優斗は絶望し失意の底に沈むが、不治の病に侵された妹を助けるために行動を開始する。  これは、実力も才能もない一人の青年が努力と工夫によって世界最強へと上り詰めるまでの物語。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略

神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。 そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。 これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。

神々のダンジョン~チートスキル【アイテムボックス】と【鑑定】でアラフォーおっさんは成り上がる~

葵はるか
ファンタジー
「少子化で、八百万の神々の力が衰えるどころか滅亡しそうです! ですので、氷河期世代を救います!」  国会に突如、降臨した絶世の美少女である天照大御神は、氷河期世代を救うために日本中に日本人専用のダンジョンを作りだすことを宣言するのであった。  会社に一方的にクビにされた佐藤和也も、日本中に発生したダンジョンへ生活の糧を得るために潜ることになったのであった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

TB
ファンタジー
岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

処理中です...