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本編
おとぎ話が終わったら劣化コピーはオリジナルになる。②
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聖女か女神もかくやとばかりに称えられる王妃殿下だが、称賛ならば国王陛下も比肩している。
王妃殿下の武勇伝には必ず国王陛下の武勇伝も並ぶのだから。
その国王陛下は今、自らの後継者の伴侶を強権を発動させてまで確保することと、手放して得ることの損益を天秤にかけて交渉しようとしている。あくまでもこの国の最高権力者として。
シルヴァに軽くもたれかかっていた背を伸ばし、居住まいを正して扇を降ろした。
「おそれながら陛下、誰の庇護を受けずとも、私にはその生活が可能なのです」
「侮るわけではないが、貴族令嬢が何の庇護もなく一人身で生活ができるとは思えないが」
「絶え間なく与えられた多岐にわたる十年の課題の数々に感謝しておりますわ。辺境伯領騎士団の新人訓練にも参加させていただけましたのよ」
陛下がちらりと送った目配せに、騎士団長が小さく首を横に振った。把握していなかったのだろう。
これも王妃殿下の武勇伝のひとつだ。最低限の装備で一週間、魔獣も出没する山中で野営するこの訓練にお忍びで参加したと。過去に類をみないほどトラブルのない訓練だったらしい。
禁呪の森の課題と同じ状況だったことは想像に難くない。
え?私は正真正銘のお忍びでしたがなにか。
ただまあ、この四年はどんな生活でもできるスキルを手に入れられるよう教育の方向性を誘導していたので、これについては文句はない。私立派に育ちました。
シルヴァが私の両肩を優しく引いて、ぱふんとお腹に寄りかからせてくれた。ふわりと温かい。
陛下は両の親指を眉間に押し当てて、もう一度深く息を吐きました。
「……もちろん婚約は白紙に戻すし、そうなれば王家からの干渉もない。ただの貴族令嬢であることにすらもう未練はないか」
「高貴なるものの義務を果たさずに、のうのうと特権を享受するほど恥知らずではございませんわ」
びたーんびたーんびたーんびたーんたーんたーん
打ちつける尻尾のリズムに合わせ、床から壁を伝い、天井を幾筋も走る細い稲光。ぱしんぱしんぱしんと火花を小さく散らしている。バルコニーの崩れた手すりがさらにからからと落ちていきます。
誰一人悲鳴ももう漏らさないのはさすがに名にし負う天下の首脳陣故でしょうか。公爵令嬢は静かに気絶したようです。
「―――っ、森の主よ。よしてくれ、あなたの宝をこれ以上傷つける気も手を出す気もない」
「ではそろそろ御前失礼させていただいても?」
許可を待つまでもなく立ち上がれば、シルヴァが腰と膝裏に前足を回して抱き上げてくれる。ふくふくのお腹と前足の長さの関係で微妙にお姫様抱っこにはならないのが惜しい。
「禁呪の森には、食料や物資を定期的に捧げる」
「それは王命でしょうか」
「いや、嘆願だ」
「……ご存知の通り、あそこは只人が踏み入るべきところではありません。わかりやすいところにでも置くのがよいかと」
置き場所に都合がよさそうなところの目印を伝えれば、まだ王妃殿下や公爵閣下たちが声をあげようとするのを、陛下が手を翳しておしとどめた。
「今はのみこめ。すでに見限られてる」
うんうん。引き際は大事ですよね。
シルヴァが大きな翼を艶やかにひらめかせて、ゆっくりと浮かび上がる。
しっかりと両腕を首に巻きつけると、きゅうるるるるると一鳴きして眦をするりと舐めてくれた。
それではみなさまごきげんよう
そう告げた私は、我ながら会心の笑みを浮かべていたと思う。
◇◇◇
「『ねえ、知ってるぅ?それってシュートメの嫁いびりっていうんですってー』って捨て台詞は使えなかったのが心残りといえば心残りよねぇ」
「きゅい?」
禁呪の森の泉のほとりに、これまでこそこそちまちまと揃えてきた旅装一式を身に着けながらシルヴァに語り掛けると、こてりと首を傾げられた。
王妃殿下に教えられた言い回しです。まるで他人事で笑っていたのがおかしかったですね。関係性で言えば、私と王妃殿下は確かにヨメシュウトメとやらでしょうに。
対立したいわけでも敵対したいわけでもないのは本当ですから、あの場はあれが引き際でしょう。
国王陛下は確かに国益を考えてあの場をおさめましたが、あれ以上王妃殿下に鉾が向くのも防ぎたかったのでしょうから。
「さて、私の用意はばっちりよ!シルヴァ、お願いね」
「きゅぅううくるるっ」
歓びを謳うようなシルヴァの鳴き声が、残響をもって禁呪の森に浸透していく。
見上げた空が、その色を一瞬だけ淡く波打つ虹色に変え、また元の青さに戻った。
禁呪の森には、一体の討伐に師団級を必要とする魔獣が闊歩している。
隣接する王城をはじめ、王都にその被害がないのは、魔獣たちを森の外に出さない結界がはられているから。
その結界は、誰がはっているのか誰も知らないし、はられていることに誰も疑問をもたないくらいはるか昔から存在している。
何故おとぎ話レベルにおちているような森の主のお話が、今でも王族に伝えられているのか。
それは確かに結界が存在しているから。
魔獣を閉じ込めているからこその、国の守護獣だから。
「まあ、私が知っていたのはシルヴァが結界をはっていることだけだったけど」
だから国王陛下は、私たちに森から出てほしくなかった。
森の主をひきとめるために、私を庇護下におきたかった。
交渉材料がまるでなかったのが無念だったことでしょう。
だから、貢物をするから出ていかないでくれと。
せっせと貢物を捧げていればいい。
結界のすぐ内側におかれたそれは、魔獣が片づけてくれる。
たった今はりなおされた結界は、シルヴァがこの森から出ても数か月もつはず。
それからゆっくりと、ゆっくりとその強度を落としていったのちに崩壊する。
貢ぐために結界を出入りしていれば、そのうちその強度の変化に誰かが気づくでしょう。
「うふふっ、出ていかないなんて私言ってないですものねぇ」
シルヴァをぎゅうっと抱きしめて
その白銀のすべらかな口元に頬ずりをして
しっかりと抱きしめ返され
そのままくるくるとワルツみたいに回りながら
ゆらりゆらりと上空へ踊りあがって
王国民が誇るあの尊き王妃殿下ならば、崩壊していく結界の代わりを用意できることでしょう。
その溢れる才と力をもって、また新たな武勇伝を紡ぐでしょう。
それにどれほどの代償が必要なのか知りませんけれどもー!
「おきばりになるとよろしいわああ!あはははははっ」
「きゅいきゅいきゅーいっ」
雲が風に流れるように
花びらが風に舞うように
くるりくるりふわりふわりと
シルヴァが私を抱いて飛ぶ
「どこに行こうか。どこでも行けるね」
「くるるるぅ」
「シルヴァ、シルヴァ、大好きなのはシルヴァだけ。シルヴァだけそばにいてくれればいいの」
尻尾がリズミカルに左右にゆれる。
くるるくるると喉の鳴る振動が心地よい。
ああ、なんて空が広いんだろう。
たったひとつ望んだシルヴァとのささやかで静かな生活は、人型になる変身魔法を覚えたシルヴァによって驚愕に彩られることをこの時の私はまだ知らない。
王妃殿下の武勇伝には必ず国王陛下の武勇伝も並ぶのだから。
その国王陛下は今、自らの後継者の伴侶を強権を発動させてまで確保することと、手放して得ることの損益を天秤にかけて交渉しようとしている。あくまでもこの国の最高権力者として。
シルヴァに軽くもたれかかっていた背を伸ばし、居住まいを正して扇を降ろした。
「おそれながら陛下、誰の庇護を受けずとも、私にはその生活が可能なのです」
「侮るわけではないが、貴族令嬢が何の庇護もなく一人身で生活ができるとは思えないが」
「絶え間なく与えられた多岐にわたる十年の課題の数々に感謝しておりますわ。辺境伯領騎士団の新人訓練にも参加させていただけましたのよ」
陛下がちらりと送った目配せに、騎士団長が小さく首を横に振った。把握していなかったのだろう。
これも王妃殿下の武勇伝のひとつだ。最低限の装備で一週間、魔獣も出没する山中で野営するこの訓練にお忍びで参加したと。過去に類をみないほどトラブルのない訓練だったらしい。
禁呪の森の課題と同じ状況だったことは想像に難くない。
え?私は正真正銘のお忍びでしたがなにか。
ただまあ、この四年はどんな生活でもできるスキルを手に入れられるよう教育の方向性を誘導していたので、これについては文句はない。私立派に育ちました。
シルヴァが私の両肩を優しく引いて、ぱふんとお腹に寄りかからせてくれた。ふわりと温かい。
陛下は両の親指を眉間に押し当てて、もう一度深く息を吐きました。
「……もちろん婚約は白紙に戻すし、そうなれば王家からの干渉もない。ただの貴族令嬢であることにすらもう未練はないか」
「高貴なるものの義務を果たさずに、のうのうと特権を享受するほど恥知らずではございませんわ」
びたーんびたーんびたーんびたーんたーんたーん
打ちつける尻尾のリズムに合わせ、床から壁を伝い、天井を幾筋も走る細い稲光。ぱしんぱしんぱしんと火花を小さく散らしている。バルコニーの崩れた手すりがさらにからからと落ちていきます。
誰一人悲鳴ももう漏らさないのはさすがに名にし負う天下の首脳陣故でしょうか。公爵令嬢は静かに気絶したようです。
「―――っ、森の主よ。よしてくれ、あなたの宝をこれ以上傷つける気も手を出す気もない」
「ではそろそろ御前失礼させていただいても?」
許可を待つまでもなく立ち上がれば、シルヴァが腰と膝裏に前足を回して抱き上げてくれる。ふくふくのお腹と前足の長さの関係で微妙にお姫様抱っこにはならないのが惜しい。
「禁呪の森には、食料や物資を定期的に捧げる」
「それは王命でしょうか」
「いや、嘆願だ」
「……ご存知の通り、あそこは只人が踏み入るべきところではありません。わかりやすいところにでも置くのがよいかと」
置き場所に都合がよさそうなところの目印を伝えれば、まだ王妃殿下や公爵閣下たちが声をあげようとするのを、陛下が手を翳しておしとどめた。
「今はのみこめ。すでに見限られてる」
うんうん。引き際は大事ですよね。
シルヴァが大きな翼を艶やかにひらめかせて、ゆっくりと浮かび上がる。
しっかりと両腕を首に巻きつけると、きゅうるるるるると一鳴きして眦をするりと舐めてくれた。
それではみなさまごきげんよう
そう告げた私は、我ながら会心の笑みを浮かべていたと思う。
◇◇◇
「『ねえ、知ってるぅ?それってシュートメの嫁いびりっていうんですってー』って捨て台詞は使えなかったのが心残りといえば心残りよねぇ」
「きゅい?」
禁呪の森の泉のほとりに、これまでこそこそちまちまと揃えてきた旅装一式を身に着けながらシルヴァに語り掛けると、こてりと首を傾げられた。
王妃殿下に教えられた言い回しです。まるで他人事で笑っていたのがおかしかったですね。関係性で言えば、私と王妃殿下は確かにヨメシュウトメとやらでしょうに。
対立したいわけでも敵対したいわけでもないのは本当ですから、あの場はあれが引き際でしょう。
国王陛下は確かに国益を考えてあの場をおさめましたが、あれ以上王妃殿下に鉾が向くのも防ぎたかったのでしょうから。
「さて、私の用意はばっちりよ!シルヴァ、お願いね」
「きゅぅううくるるっ」
歓びを謳うようなシルヴァの鳴き声が、残響をもって禁呪の森に浸透していく。
見上げた空が、その色を一瞬だけ淡く波打つ虹色に変え、また元の青さに戻った。
禁呪の森には、一体の討伐に師団級を必要とする魔獣が闊歩している。
隣接する王城をはじめ、王都にその被害がないのは、魔獣たちを森の外に出さない結界がはられているから。
その結界は、誰がはっているのか誰も知らないし、はられていることに誰も疑問をもたないくらいはるか昔から存在している。
何故おとぎ話レベルにおちているような森の主のお話が、今でも王族に伝えられているのか。
それは確かに結界が存在しているから。
魔獣を閉じ込めているからこその、国の守護獣だから。
「まあ、私が知っていたのはシルヴァが結界をはっていることだけだったけど」
だから国王陛下は、私たちに森から出てほしくなかった。
森の主をひきとめるために、私を庇護下におきたかった。
交渉材料がまるでなかったのが無念だったことでしょう。
だから、貢物をするから出ていかないでくれと。
せっせと貢物を捧げていればいい。
結界のすぐ内側におかれたそれは、魔獣が片づけてくれる。
たった今はりなおされた結界は、シルヴァがこの森から出ても数か月もつはず。
それからゆっくりと、ゆっくりとその強度を落としていったのちに崩壊する。
貢ぐために結界を出入りしていれば、そのうちその強度の変化に誰かが気づくでしょう。
「うふふっ、出ていかないなんて私言ってないですものねぇ」
シルヴァをぎゅうっと抱きしめて
その白銀のすべらかな口元に頬ずりをして
しっかりと抱きしめ返され
そのままくるくるとワルツみたいに回りながら
ゆらりゆらりと上空へ踊りあがって
王国民が誇るあの尊き王妃殿下ならば、崩壊していく結界の代わりを用意できることでしょう。
その溢れる才と力をもって、また新たな武勇伝を紡ぐでしょう。
それにどれほどの代償が必要なのか知りませんけれどもー!
「おきばりになるとよろしいわああ!あはははははっ」
「きゅいきゅいきゅーいっ」
雲が風に流れるように
花びらが風に舞うように
くるりくるりふわりふわりと
シルヴァが私を抱いて飛ぶ
「どこに行こうか。どこでも行けるね」
「くるるるぅ」
「シルヴァ、シルヴァ、大好きなのはシルヴァだけ。シルヴァだけそばにいてくれればいいの」
尻尾がリズミカルに左右にゆれる。
くるるくるると喉の鳴る振動が心地よい。
ああ、なんて空が広いんだろう。
たったひとつ望んだシルヴァとのささやかで静かな生活は、人型になる変身魔法を覚えたシルヴァによって驚愕に彩られることをこの時の私はまだ知らない。
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