63 / 63
第三章 地方視察
145.
しおりを挟む
翌日、私たちは本来の地方視察の目的である魔力枯渇事件の調査に乗り出した。私も視察のメンバーとして同行できることに。ちょっとリチャードの目が気になるけど、止めたりはしてこなかった。
私と同行するのはエルクトお兄さま……ではなく、ヴィオレーヌお姉さまとシルヴェルスお兄さま、カイエンとなった。
魔力枯渇事件は各地で発生しているので、それぞれに出向くためにチーム分けをしている。
エルクトお兄さまと一緒になりたかったけど……こうなってしまったものは仕方ない。
どうにか私の力で頑張ってみよう。でも、使えるものは使う。
『神器がいたら教えてよ?』
『はいはい』
ペンダントがめんどくさそうに返事をする。ライはお城に戻ってしまったので、神器のことを相談できるのはペンダントのみだ。
だというのに……不安しか感じない。返事くらいしっかり返してくれてもいいじゃないか。
『僕はあくまでもお前たちに協力してやっているだけだ。本来はお前と金剣の役目だろう?』
『それはそうだけどさ……』
ペンダントの言うとおり、本来なら私と金剣に与えられた使命で、ペンダントは善意で協力してくれているに過ぎない。別にリルディナーツさまの元に戻ったとしても問題ない。
でも、リルディナーツさまにも一緒に行動することを望まれているし、私と仮契約もしているわけだから、もうちょっと。もうちょっとだけ真面目になってくれてもいいと思うんだ。
ライだって、こういう時は私と真面目に話し合ってくれるんだから。
『それがあいつの仕事だからな』
ペンダントの反応は冷たいままだ。こうなったら、リルディナーツさまに頼んで強く言ってもらうしかないか……?
『おい、それはないだろ!』
ペンダントが強く反応する。おっ、これは効果があるみたい。
『だってさぁ……ねぇ?』
私の言葉は聞かないなら、さらに上の存在から言ってもらうしかないじゃないか。お兄さまにでも頼んで、神殿に連れていってもらおう。それか、ライに言伝てを頼むのもいいかもしれない。
黒結晶をリルディナーツさまに渡すことができたということは、ライは何らかの方法でリルディナーツさまと会うことができるということだし。
『わかったわかった。ちゃんとやればいいんだろ?』
『まだテキトーな感じがするなぁ……』
『……ちゃんと教える』
嫌々な感じがするけど、返事はちゃんとするようになってきたので、これくらいにしておこう。
「アナ~、行くよ~!」
「はーい」
シルヴェルスお兄さまに呼ばれて、私は馬車に乗り込んだ。
◇◇◇
しばらく馬車に揺られて、たどり着いたのはとある村。なんか、田舎ののどかな村って感じで、あまり異世界感はない。いや、魔法以外で異世界要素を感じるものが何かあったのかと言われればないんだけど、目の前には日本でもありそうな光景が広がっていたのだ。
強いて言うなら、日本ほどインフラが行き届いてはいないって感じかな。でも、寂れている感じはなくて、空気も澄んでいるから、住めば都と言えそう。少なくとも、私は好きな雰囲気。
村人たちはあちらこちらで仕事をしていて、どこにでもありそうな日常が広がっていた。
こんなところで魔力枯渇事件があったのか。全然そんな気配は感じさせないんだけど。ペンダントも特になにも言ってこないし。
キョロキョロと辺りを観察していると、おじいさんがこちらのほうに歩いてくる。
「お待ちしておりました。村長のグラハムと言います」
おじいさんーーグラハムさんはそう言って頭を下げた。それに習うように、村人たちも頭を下げる。
でも、それは私たちが王族と理解しているからというよりは、村長が頭を下げてるから下げとくかみたいな軽い感じだった。
私は近くのシルヴェルスお兄さまの服をちょいちょいと引っ張る。
それに気づいたシルヴェルスお兄さまが、私に視線を合わせるように屈んでくれた。
「なに?」
「村人たちって私たちが王族なのは知らないんですか?」
村人たちに聞こえないように小さい声で尋ねる。近くにいるヴィオレーヌお姉さまやカイエンには聞こえてると思うけどね。
「そうだね。あまりにも恭しくされると普段の様子が見られないから、公表はしてないよ。兄上たちもそうだと思う」
なるほど。公表はしてないし、姿も変えているけど、馬車で来たりとかはしてるから、お忍びのつもりはないのかも。お忍びで来たら事件のこととか調べにくいだろうしね。ここの村がそうかはわからないけど、こういうところは部外者はあまり歓迎されないものだから。
お兄さまたち的には、領主の関係者くらいの立場のつもりなのかもしれない。それなら、そのイメージで振る舞えるように頑張ろう。
「訪問理由は領主さまから聞いています。詳しいことは現場に移動しながら」
グラハムさんはそう言って歩きだした。ヴィオレーヌお姉さまとシルヴェルスお兄さまがその後に続いていったので、私も後をついていく。
道中、グラハムさんは事件のことを詳しく話してくれた。
事の発端は二ヶ月ほど前。村人たちが次々と昏倒する事件が発生した。
村人たちはそれまでは健康そのものであったため、何の前触れもなく昏倒したことには村中が混乱した。
医者に見せようにも、そのような存在もいなければお金もない。どうしたものかと思っていると、数日後に昏倒した村人たちが次々と目を覚まし始めたという。
昏倒した村人たちに話を聞くと、急に力が抜けたかと思えば、そのまま意識を失ってしまったのだという。
そのような現象は前例がないため、村長はすぐに領主に報告したとのこと。その後、調査隊が派遣され、魔力枯渇による症状だと断定された。
「調査したところ、他の地域や領地でも同様の現象が報告されており、事件性の可能性があるとして、連名という形で国に報告したと父から伺っています」
グラハムさんの説明をカイエンが補足する。地方視察に同行していることもあり、私たちの視察の目的とかは事前に聞いているんだろうな。
きちんと問題として報告している辺り、伯爵は領主としては悪い人ではなさそう。カイエンにとっていい父親というわけではないみたいだけどね。
「現場はこちらになります。周辺にいた村人の四名が被害に合いました」
現場として案内されたのは、とある畑。もう収穫されてしまっているのか作物らしきものは見当たらないけど、それ以外は日本でも見たような普通の畑だった。
魔力枯渇の現場と言われなければ、特別視しないくらいには普通の場所だ。ペンダントも何も言わないし、痕跡とかも残ってなさそうだな。
「特に何もないね」
シルヴェルスお兄さまも私と同じ感想を抱いたらしい。ヴィオレーヌお姉さまも表情が変わらないけど、同じことを思っているだろう。
まぁ、二ヶ月前のことだし、痕跡らしい痕跡が残っていなくても仕方ない。そもそも、見たらわかるような痕跡が残っているなら、とっくに報告が来ていると思うし。
それなのにわざわざ見に来るということは、現場を見て終わりというわけではないはず。
「では、村の方も見てみましょう」
予想通り、これで終わりじゃなかった。村人たちに話を聞ければ、何か手がかりになるようなものがあるかもしれない。
ペンダントにちゃんとしろと言った手前、まだ諦めるわけにはいかないのだ。
神器が関わっている可能性がゼロではないし。
「村のほうはご自由に見て回ってください」
グラハムさんはそう言って頭を下げると、来た道を戻っていく。家にでも戻ったのかな。
まぁ、決まった場所に案内するわけじゃないから私たちに任せる方がいいのかも。無責任のような気がしなくもないけど、兄姉たちも何も言わないし、自由に見て回れる方が手がかりを得られるかもしれない。
「アナ、一人でどこか行かないでね」
「はーい」
別に一人で行動するつもりはなかったけど……私、信用されてなさすぎじゃない?
『君は前科がたくさんあるからだろ』
『はてさて、何のことやら』
私にはサッパリわかりませんなぁ。
ちょっと侵入者と国庫の宝を取り合ったり、襲撃された場所に引き返したり、魔物が溢れている戦場に顔出ししただけだよ。
そんなちょっとしたトラブルがあったくらいだって。
『ふーん。それなら僕の助けはいらないな。ちょっとしたトラブル程度に神器の力は必要ないだろう?』
『すみません、調子に乗りました』
私は冗談のつもりで言ってたんだけど、ペンダントの声はどう聞いても本気で言っているようにしか聞こえない。
ちょっとくらい冗談に付き合ってくれてもいいじゃん。
『そんな関係になった覚えはないし、なる気もない。そんなことより、さっさと調査しろ』
『わかってるって。ペンダントもちゃんと協力してよ』
『ちゃんとやるって言ってるだろ。何度も言わなくてもいい』
相変わらずの冷たい返答。でも、出かける前のいい加減な感じはしない。それだけで信用できる。
さて、私も頑張りますか!
私と同行するのはエルクトお兄さま……ではなく、ヴィオレーヌお姉さまとシルヴェルスお兄さま、カイエンとなった。
魔力枯渇事件は各地で発生しているので、それぞれに出向くためにチーム分けをしている。
エルクトお兄さまと一緒になりたかったけど……こうなってしまったものは仕方ない。
どうにか私の力で頑張ってみよう。でも、使えるものは使う。
『神器がいたら教えてよ?』
『はいはい』
ペンダントがめんどくさそうに返事をする。ライはお城に戻ってしまったので、神器のことを相談できるのはペンダントのみだ。
だというのに……不安しか感じない。返事くらいしっかり返してくれてもいいじゃないか。
『僕はあくまでもお前たちに協力してやっているだけだ。本来はお前と金剣の役目だろう?』
『それはそうだけどさ……』
ペンダントの言うとおり、本来なら私と金剣に与えられた使命で、ペンダントは善意で協力してくれているに過ぎない。別にリルディナーツさまの元に戻ったとしても問題ない。
でも、リルディナーツさまにも一緒に行動することを望まれているし、私と仮契約もしているわけだから、もうちょっと。もうちょっとだけ真面目になってくれてもいいと思うんだ。
ライだって、こういう時は私と真面目に話し合ってくれるんだから。
『それがあいつの仕事だからな』
ペンダントの反応は冷たいままだ。こうなったら、リルディナーツさまに頼んで強く言ってもらうしかないか……?
『おい、それはないだろ!』
ペンダントが強く反応する。おっ、これは効果があるみたい。
『だってさぁ……ねぇ?』
私の言葉は聞かないなら、さらに上の存在から言ってもらうしかないじゃないか。お兄さまにでも頼んで、神殿に連れていってもらおう。それか、ライに言伝てを頼むのもいいかもしれない。
黒結晶をリルディナーツさまに渡すことができたということは、ライは何らかの方法でリルディナーツさまと会うことができるということだし。
『わかったわかった。ちゃんとやればいいんだろ?』
『まだテキトーな感じがするなぁ……』
『……ちゃんと教える』
嫌々な感じがするけど、返事はちゃんとするようになってきたので、これくらいにしておこう。
「アナ~、行くよ~!」
「はーい」
シルヴェルスお兄さまに呼ばれて、私は馬車に乗り込んだ。
◇◇◇
しばらく馬車に揺られて、たどり着いたのはとある村。なんか、田舎ののどかな村って感じで、あまり異世界感はない。いや、魔法以外で異世界要素を感じるものが何かあったのかと言われればないんだけど、目の前には日本でもありそうな光景が広がっていたのだ。
強いて言うなら、日本ほどインフラが行き届いてはいないって感じかな。でも、寂れている感じはなくて、空気も澄んでいるから、住めば都と言えそう。少なくとも、私は好きな雰囲気。
村人たちはあちらこちらで仕事をしていて、どこにでもありそうな日常が広がっていた。
こんなところで魔力枯渇事件があったのか。全然そんな気配は感じさせないんだけど。ペンダントも特になにも言ってこないし。
キョロキョロと辺りを観察していると、おじいさんがこちらのほうに歩いてくる。
「お待ちしておりました。村長のグラハムと言います」
おじいさんーーグラハムさんはそう言って頭を下げた。それに習うように、村人たちも頭を下げる。
でも、それは私たちが王族と理解しているからというよりは、村長が頭を下げてるから下げとくかみたいな軽い感じだった。
私は近くのシルヴェルスお兄さまの服をちょいちょいと引っ張る。
それに気づいたシルヴェルスお兄さまが、私に視線を合わせるように屈んでくれた。
「なに?」
「村人たちって私たちが王族なのは知らないんですか?」
村人たちに聞こえないように小さい声で尋ねる。近くにいるヴィオレーヌお姉さまやカイエンには聞こえてると思うけどね。
「そうだね。あまりにも恭しくされると普段の様子が見られないから、公表はしてないよ。兄上たちもそうだと思う」
なるほど。公表はしてないし、姿も変えているけど、馬車で来たりとかはしてるから、お忍びのつもりはないのかも。お忍びで来たら事件のこととか調べにくいだろうしね。ここの村がそうかはわからないけど、こういうところは部外者はあまり歓迎されないものだから。
お兄さまたち的には、領主の関係者くらいの立場のつもりなのかもしれない。それなら、そのイメージで振る舞えるように頑張ろう。
「訪問理由は領主さまから聞いています。詳しいことは現場に移動しながら」
グラハムさんはそう言って歩きだした。ヴィオレーヌお姉さまとシルヴェルスお兄さまがその後に続いていったので、私も後をついていく。
道中、グラハムさんは事件のことを詳しく話してくれた。
事の発端は二ヶ月ほど前。村人たちが次々と昏倒する事件が発生した。
村人たちはそれまでは健康そのものであったため、何の前触れもなく昏倒したことには村中が混乱した。
医者に見せようにも、そのような存在もいなければお金もない。どうしたものかと思っていると、数日後に昏倒した村人たちが次々と目を覚まし始めたという。
昏倒した村人たちに話を聞くと、急に力が抜けたかと思えば、そのまま意識を失ってしまったのだという。
そのような現象は前例がないため、村長はすぐに領主に報告したとのこと。その後、調査隊が派遣され、魔力枯渇による症状だと断定された。
「調査したところ、他の地域や領地でも同様の現象が報告されており、事件性の可能性があるとして、連名という形で国に報告したと父から伺っています」
グラハムさんの説明をカイエンが補足する。地方視察に同行していることもあり、私たちの視察の目的とかは事前に聞いているんだろうな。
きちんと問題として報告している辺り、伯爵は領主としては悪い人ではなさそう。カイエンにとっていい父親というわけではないみたいだけどね。
「現場はこちらになります。周辺にいた村人の四名が被害に合いました」
現場として案内されたのは、とある畑。もう収穫されてしまっているのか作物らしきものは見当たらないけど、それ以外は日本でも見たような普通の畑だった。
魔力枯渇の現場と言われなければ、特別視しないくらいには普通の場所だ。ペンダントも何も言わないし、痕跡とかも残ってなさそうだな。
「特に何もないね」
シルヴェルスお兄さまも私と同じ感想を抱いたらしい。ヴィオレーヌお姉さまも表情が変わらないけど、同じことを思っているだろう。
まぁ、二ヶ月前のことだし、痕跡らしい痕跡が残っていなくても仕方ない。そもそも、見たらわかるような痕跡が残っているなら、とっくに報告が来ていると思うし。
それなのにわざわざ見に来るということは、現場を見て終わりというわけではないはず。
「では、村の方も見てみましょう」
予想通り、これで終わりじゃなかった。村人たちに話を聞ければ、何か手がかりになるようなものがあるかもしれない。
ペンダントにちゃんとしろと言った手前、まだ諦めるわけにはいかないのだ。
神器が関わっている可能性がゼロではないし。
「村のほうはご自由に見て回ってください」
グラハムさんはそう言って頭を下げると、来た道を戻っていく。家にでも戻ったのかな。
まぁ、決まった場所に案内するわけじゃないから私たちに任せる方がいいのかも。無責任のような気がしなくもないけど、兄姉たちも何も言わないし、自由に見て回れる方が手がかりを得られるかもしれない。
「アナ、一人でどこか行かないでね」
「はーい」
別に一人で行動するつもりはなかったけど……私、信用されてなさすぎじゃない?
『君は前科がたくさんあるからだろ』
『はてさて、何のことやら』
私にはサッパリわかりませんなぁ。
ちょっと侵入者と国庫の宝を取り合ったり、襲撃された場所に引き返したり、魔物が溢れている戦場に顔出ししただけだよ。
そんなちょっとしたトラブルがあったくらいだって。
『ふーん。それなら僕の助けはいらないな。ちょっとしたトラブル程度に神器の力は必要ないだろう?』
『すみません、調子に乗りました』
私は冗談のつもりで言ってたんだけど、ペンダントの声はどう聞いても本気で言っているようにしか聞こえない。
ちょっとくらい冗談に付き合ってくれてもいいじゃん。
『そんな関係になった覚えはないし、なる気もない。そんなことより、さっさと調査しろ』
『わかってるって。ペンダントもちゃんと協力してよ』
『ちゃんとやるって言ってるだろ。何度も言わなくてもいい』
相変わらずの冷たい返答。でも、出かける前のいい加減な感じはしない。それだけで信用できる。
さて、私も頑張りますか!
77
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(58件)
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
中身は前世が元になっているのと、他の兄弟と比べて教育が高度ではなかったので、頭のほうもあまりよくないです。やればできるのにやらないのがアナスタシアになってます。
ありがとうございます!
退会済ユーザのコメントです
ちゃんと書いてるからするよー。待ってて~。