私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん

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第三章 地方視察

134. 枯れた湖

 ソウルイーターの騒動も一段落し、私たちは次の街のサウクシアに移動することとなった。
 後始末は領主に押しつけたのだろう。これ以上視察を遅らせるわけにはいかないという素晴らしい理由で。でも、さっさと終わらせたかったんだろうと思う。

 今日の馬車に同乗しているのはエルクトお兄さまとハーステッドお兄さま。

「サウクシアってどういうところですか?」

 ただ黙って揺られるのも嫌だったので、次の街のことを話題に出すと、ハーステッドお兄さまが答えてくれる。

「普通の街だけど、近くに大きな湖があるよ」
「湖ですか?」

 ちょっと見てみたいような気もするけど、湖と一言で言ってもいろいろあるからなぁ……
 どんなところだろうか。

「森の中にある湖だ。一年中花が咲き乱れていて、絵画のようだと話題になっているらしい。貴族はサウクシアに訪れたら必ず湖を見に行くそうだ」
「そうなんですか~」

 わぁーと感傷に浸りかけたとき、エルクトお兄さまの言葉の違和感に気づいた。

「まるで人づてに聞いたかのような言い方なんですけど」
「俺自身は見たことがないからな」

 エルクトお兄さまはさも当然かのように言う。

「えっと……お兄さまは視察は初めてじゃないですよね?」
「これで四回目だ」
「サウクシアに行ったこともありますよね?」
「視察の時は毎回通るからな」
「それで湖に行ったことないんですか!?」

 いくら公務のためとはいえ、ちょっとの観光は許されると思うんだけど。

「行く必要がないだろ」

 何を言ってるんだ的な目で見られているけど、その目をしたいのはこっちだ。

「いや、話題作りとかできるじゃないですか」

 人から聞くのと実際に見るのとは全然違うんだよ。だから人というものは旅行して現物を見に行くんだから。
 それに、貴族の間で流行っているなら社交の時に話題に出せそうな気がする。

「なぜあんな煩わしい連中に俺たちが話題を提供してまで会話しなくてはならないんだ」
「それに、わざわざ話題を作らなくても向こうが勝手に話し出すから必要ないし」

 エルクトお兄さまの言葉にハーステッドお兄さまが援護するように同意する。
 いや、あなたたち貴族のことも嫌いなの?
 ……そういえば、エルクトお兄さまに婚約者がいない理由を聞いたときに『まともなのがいない』って言ってたな。

 身内も気に入らない、貴族も気に入らない、平民はどうでもいいでよく国が統治できるな。何にも思い入れがないからこそ一方に過剰な政治をしたりしないのかもしれないけど。
 でも、だから王位にこだわりがないとかの可能性もあるしなぁ。

「でも、アナが見に行きたいなら行くよ?」
「本当ですか?見たいです!」

 あくまでも視察だからはしゃぎすぎるのはよくないけど、ちょっとの観光ならね。というか、向こうも私が視察の役に立つとは思ってないだろうし。

 湖、楽しみだな~。

◇◇◇

 サウクシアに到着!一日しか経っていないから、前のロニスニルと雰囲気はあまり変わらない。
 領主への挨拶は早々に終わらせて、すぐに湖に向かうことに。
 今から向かわないと帰る頃には夜になってしまうからだとか。

「湖って遠いんですか?」
「距離はあまり離れてないけど、馬車だと途中までしか入れないから、歩くか魔法を使うしかないんだよね」
「なるほど」

 飛行魔法の使えない私は抱っこされるか歩いていくしかないということか。
 ついてきてくれるのはハーステッドお兄さまとエルクトお兄さま。どちらも風魔法が使えるからどちらでもいいな。
 私たちが湖に行くと知ると他の兄姉たちもついてきたがっていたけど、ハーステッドお兄さまが頑なに譲らなかった。

 ロニスニルではルナティーラお姉さまとルーカディルお兄さまが一緒だったんだからこの街では自分とエルクトお兄さまがという理論で。
 まぁ、ただ独り占めしたいというよりは、建前でも理由があるだけいいかもしれない。その理由も暴論というわけではないし。

「じゃあ、ハーステッドお兄さまが連れていってください」
「うん、いいよ」

 エルクトお兄さまは私を荷物のように持ち上げるからね。あんな持ち方は二度とされたくない。

「じゃあ、しっかり捕まってて」
「はい」

 私はハーステッドお兄さまの首に手を回す。お兄さまは私を下から持ち上げてお姫さまだっこしてくれた。

 いざ、湖へ!

ーーーーーーーーーー

 宣伝用かつ次巻以降のストック用に書き始めました。
 現在、次世代ファンタジーカップに『転生王子はあくまでも楽したい』と『天才一家の落ちこぼれに転生しました』をエントリーしていますので、よろしければご覧ください。
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