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旅立ち
飛ぶ湖
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ぽちゃん、ぽちゃんという水音と共に、浮いては落ちる水玉。
「すごい…水が浮いてる…」
サンが放心したように呟いた。
水玉は次第に落ちなくなり。浮いてくる水の大きさが大きくなる。
呆気に取られてみているうちに、大きな湖のほとんどが、水玉となって浮き上がってきた。大小様々な大きさの水玉がゆらゆらと夕日に照らされながら揺れている姿は異様な迫力を持っていた。
よくみると、大きな水玉の中には魚が閉じ込められているものもあった。魚たちは戸惑った様子だが、特に変わった様子はなかった、
しかし、
「あのお魚、くるしそう」
ジェマが湖の底を指さして、泣きそうな声をあげた。
確かに、水が浅くなった湖の底では、水玉に入れなかった魚がピクピクと苦しそうにしていた。
「理が言ってたのはこのことだったんだ…」
助けなきゃ、でもどうやって?
シンは手がかりを探そうと、目を凝らして広い湖の底を観察した。すると、湖の奥で何かがオレンジ色にキラッと光っているのが目に入った。
「あれ…」
「シン、あそこ、変な感じがする。」
セルの方を見ると同じ方向を指さしていた。やはりそこに行くしかなさそうだ。
「みんなは危ないから、ここで待ってて。すぐに戻るね。」
シンは軽く屈伸をしてから、勢いよく駆け出…そうとして、何かにぐいと引っ張られて尻餅をついた。振り返ると、大きなドラゴンの姿になっていたサラがシンの服をくわえて引っ張っていた。
「まあ待て、サラが連れてってやった方が早いし、いざという時も戻ってこれる。」
「わぁぁ!」
サラはそのまま、ひょいと背中にシンを放り投げた。
「え、いいなぁ俺も乗りたい!」
「僕も!」
「ジェマも!」
「ええっ、じゃあ私も…!」
結局、全員でわぁわぁと騒ぎながら、空になった湖の真ん中に向かう。
「すげぇな、あれ。どうやって浮いてんだろう。」
「本当に…真下で見るとすごいな…」
レナードの感想に、シンも同意する。二人が異様な光景に目を奪われている一方で、ジェマとセルは魚たちを見ながら、苦しそうな顔をしていた。
「置いてけぼりのさかな、苦しそう…」
「あ…ごめんねジェマ、セルも。早く助けてあげないとね…」
サラのおかげで、湖の真ん中に数十秒でたどり着いた。
降りたって、真ん中のオレンジ色の光に近づく。そこには深い湖の底で、1本だけ生えていた植物があった。
「だから光ってたんだ…」シンは呟いた。
光っていたのは、普段なら届かないはずの夕日の光を、葉の雫がきらきらと受け止めていたからだった。先端に蕾のような膨らみがあり、重そうに首を傾げていた。
この空間の異様さを覆い隠す、穏やかな光の輝きに、つい、見惚れてしまう。
「でも、シン…」
だか、セルが何か言いかけた時、ふっと雫の光が消えた。日が完全に山の向こうへ沈んだようだ。
暗くなった途端、先程の穏やかさはなくなり、何故か、当たりが急に暗く寒くなったような気がした。
「ひゃ、冷たい!」
「どうしたの?サン…わっ!なんか降ってきた!」
頭の上に、ポタリと落ちてきた何かの感触に、恐る恐る上を見上げると、予想通り、真上の水玉がポツリポツリとと落ちてきた。
「これってもしかして…」
「やばい、一番深いところで…」
「サラに捕まれ!離れるな!」
だんだん大きな水玉が落ちてくるなか、みんなで手を繋いでサラに飛び乗るが、サラが飛び立つま間もなく、すぐに、どぽんと大きな水玉が落ちてきて飲み込まれてしまった。
シンは離れないように繋いだ手をしっかりと握りしめて、ぎゅっと目をつぶる。なるべく早くうき上がれるように力を抜こうとするが、力を抜いたところにさらに、一際大きい水玉が落ちて来たようで、その圧力でシンはむせてしまった。
まずい!と思うが、咳は止められず、吐いた分の息を吸い込もうとして、水を飲んでしまう。
「くらい…くるしい…」
遠のきそうな意識の中で、幻聴も聞こえてきたシンは焦った。
本当にまずい…でも、ここで死ぬわけにはいかない…!
シンは意識を必死に繋ぎ止めて、踏ん張ろうとするが、咳だけは、どうしても止められなかった。
肺に入りかけた水を追い出すように、何度も、咳が出てしまう。
って、あれ?
「苦しく無い?」
訝しみながら、最後の咳でまた少し水を吐いた後、口の中に入ってきたのは、やっぱり空気だった。 地面やサラの上に乗っている感覚もないのに、なぜ空気があるのか…よくわからないまま、シンは固く閉じていた目をゆっくり開けた。
そこは水ではなく大きな空気の玉の中だった。
手を繋いだままのレナード、サン、セルは一生懸命、目をつぶって息を我慢していた。当然、シン達がしがみついているサラも…玉の中でキョトンとした顔で座っていたジェマ以外はみんな。
「…ジェマ?」
「シン、ゴホゴホはだいじょうぶ?」
「ゴホゴホは…多分もう大丈夫…。」
二人の声に、反応した他のみんなも首を傾げながら目を開け始める。
「え、水の中じゃないの…?」
「あれ?息ができる…?」
そして、空気の玉は戸惑いを隠せない一行を包んだまま、ゆっくりと上昇する。
上についた後、あたりはすっかり闇を纏い始めていた。
「すごい…水が浮いてる…」
サンが放心したように呟いた。
水玉は次第に落ちなくなり。浮いてくる水の大きさが大きくなる。
呆気に取られてみているうちに、大きな湖のほとんどが、水玉となって浮き上がってきた。大小様々な大きさの水玉がゆらゆらと夕日に照らされながら揺れている姿は異様な迫力を持っていた。
よくみると、大きな水玉の中には魚が閉じ込められているものもあった。魚たちは戸惑った様子だが、特に変わった様子はなかった、
しかし、
「あのお魚、くるしそう」
ジェマが湖の底を指さして、泣きそうな声をあげた。
確かに、水が浅くなった湖の底では、水玉に入れなかった魚がピクピクと苦しそうにしていた。
「理が言ってたのはこのことだったんだ…」
助けなきゃ、でもどうやって?
シンは手がかりを探そうと、目を凝らして広い湖の底を観察した。すると、湖の奥で何かがオレンジ色にキラッと光っているのが目に入った。
「あれ…」
「シン、あそこ、変な感じがする。」
セルの方を見ると同じ方向を指さしていた。やはりそこに行くしかなさそうだ。
「みんなは危ないから、ここで待ってて。すぐに戻るね。」
シンは軽く屈伸をしてから、勢いよく駆け出…そうとして、何かにぐいと引っ張られて尻餅をついた。振り返ると、大きなドラゴンの姿になっていたサラがシンの服をくわえて引っ張っていた。
「まあ待て、サラが連れてってやった方が早いし、いざという時も戻ってこれる。」
「わぁぁ!」
サラはそのまま、ひょいと背中にシンを放り投げた。
「え、いいなぁ俺も乗りたい!」
「僕も!」
「ジェマも!」
「ええっ、じゃあ私も…!」
結局、全員でわぁわぁと騒ぎながら、空になった湖の真ん中に向かう。
「すげぇな、あれ。どうやって浮いてんだろう。」
「本当に…真下で見るとすごいな…」
レナードの感想に、シンも同意する。二人が異様な光景に目を奪われている一方で、ジェマとセルは魚たちを見ながら、苦しそうな顔をしていた。
「置いてけぼりのさかな、苦しそう…」
「あ…ごめんねジェマ、セルも。早く助けてあげないとね…」
サラのおかげで、湖の真ん中に数十秒でたどり着いた。
降りたって、真ん中のオレンジ色の光に近づく。そこには深い湖の底で、1本だけ生えていた植物があった。
「だから光ってたんだ…」シンは呟いた。
光っていたのは、普段なら届かないはずの夕日の光を、葉の雫がきらきらと受け止めていたからだった。先端に蕾のような膨らみがあり、重そうに首を傾げていた。
この空間の異様さを覆い隠す、穏やかな光の輝きに、つい、見惚れてしまう。
「でも、シン…」
だか、セルが何か言いかけた時、ふっと雫の光が消えた。日が完全に山の向こうへ沈んだようだ。
暗くなった途端、先程の穏やかさはなくなり、何故か、当たりが急に暗く寒くなったような気がした。
「ひゃ、冷たい!」
「どうしたの?サン…わっ!なんか降ってきた!」
頭の上に、ポタリと落ちてきた何かの感触に、恐る恐る上を見上げると、予想通り、真上の水玉がポツリポツリとと落ちてきた。
「これってもしかして…」
「やばい、一番深いところで…」
「サラに捕まれ!離れるな!」
だんだん大きな水玉が落ちてくるなか、みんなで手を繋いでサラに飛び乗るが、サラが飛び立つま間もなく、すぐに、どぽんと大きな水玉が落ちてきて飲み込まれてしまった。
シンは離れないように繋いだ手をしっかりと握りしめて、ぎゅっと目をつぶる。なるべく早くうき上がれるように力を抜こうとするが、力を抜いたところにさらに、一際大きい水玉が落ちて来たようで、その圧力でシンはむせてしまった。
まずい!と思うが、咳は止められず、吐いた分の息を吸い込もうとして、水を飲んでしまう。
「くらい…くるしい…」
遠のきそうな意識の中で、幻聴も聞こえてきたシンは焦った。
本当にまずい…でも、ここで死ぬわけにはいかない…!
シンは意識を必死に繋ぎ止めて、踏ん張ろうとするが、咳だけは、どうしても止められなかった。
肺に入りかけた水を追い出すように、何度も、咳が出てしまう。
って、あれ?
「苦しく無い?」
訝しみながら、最後の咳でまた少し水を吐いた後、口の中に入ってきたのは、やっぱり空気だった。 地面やサラの上に乗っている感覚もないのに、なぜ空気があるのか…よくわからないまま、シンは固く閉じていた目をゆっくり開けた。
そこは水ではなく大きな空気の玉の中だった。
手を繋いだままのレナード、サン、セルは一生懸命、目をつぶって息を我慢していた。当然、シン達がしがみついているサラも…玉の中でキョトンとした顔で座っていたジェマ以外はみんな。
「…ジェマ?」
「シン、ゴホゴホはだいじょうぶ?」
「ゴホゴホは…多分もう大丈夫…。」
二人の声に、反応した他のみんなも首を傾げながら目を開け始める。
「え、水の中じゃないの…?」
「あれ?息ができる…?」
そして、空気の玉は戸惑いを隠せない一行を包んだまま、ゆっくりと上昇する。
上についた後、あたりはすっかり闇を纏い始めていた。
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