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11.正直は美徳のはず
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酒場の食事でレイの空腹は満たされたそうで、ジーノは特に買い物に回ることもなく家に帰ってきた。レイが気にするので行水の時間をずらし、荷物を片づけてから小さな机で向かい合う。
「で、話って何だ」
沸かした水を入れたコップをレイの前に置いてやり、ジーノのほうから水を向ける。
酒を常備しておくほどジーノに蓄えはなく、薪も買えば安くはないが、自分で枝なり棒なりを拾ってきて作ればただで済む。贅沢はできないし工夫してどうにかといったレベルの生活だが、嫌になれば出ていくだろうと思っていたレイが居座ってから、もう随分だ。
「……あんたは、好きな相手が自分のいない間に他の誰かと仲良く喋っているのを見て、腹が立たないのか?」
「……は?」
何の話だ。いや、ジーノのことだとは思うが。
まっすぐ見つめてくる青い目に困惑しつつ、ジーノは自分の行動とレイの言葉を照らし合わせた。
仲良く、というほど深い仲でもない気はするが、ロクトたちとは確かに、他の冒険者や町の人々に比べれば気安い間柄ではある。しばらくぶりに会ったわけだし、積もる話があって当然だろう。それで話し込んでいたのが、レイとしては気に食わなかった、らしい。
「……ロクトに妬いたのか」
ぷいとそっぽを向かれた。そこで他所を向くのは、一般的に肯定の返事と言っていい。普段まっすぐものを言うレイにしては、少々子どもっぽい振る舞いだった。
ただ、面倒な相手だと思ってもおかしくない行動だというのに、ジーノは自分が柔らかい笑みを浮かべているのを自覚した。
「……お前、本当に俺が好きなんだな」
今の態度に可愛げを感じるというのは、かなり絆されている証拠だろう。
「……そう言ってるだろう」
むすっとした顔で視線だけ向けてきたレイが、拗ねた声で返してくるのさえ微笑ましい。
「悪ぃ、なんか……今、実感した」
「もっと早くわかってくれ」
「おっさんになると頭が固くてな」
ますます顔をしかめたレイに苦笑して、手を伸ばして銀髪を撫でる。いつも大人びているレイが、見た目相応の振る舞いを見せることなど滅多にないから、余計に可愛いと感じるのだろう。
これで断るのはひどい、ということくらい、ジーノにも理解できていた。
「……ジーノ」
髪に触れるジーノの手を取って、レイが眉根を寄せる。返事を保留されている相手に優しくされるのは、確かに辛いかもしれない。
ただ、離したほうがいいだろうかと引こうとしたジーノの手を、レイは掴んだまま離さなかった。かといって何か言葉を発するような素振りもなく、すっと視線を落としてしまう。もちろん苦しめたいわけではない。空いてしまった間を取りなすように、ジーノは自分から口を開いた。
「……正直なとこ、俺の何がいいのかわかんねぇんだけどよ」
「……あんたは他人のために心を砕ける人間だろう」
「そうか?」
「セスカの願いのために魔王のもとまで行って、俺のためにセスカのペンダントを庇ってくれた」
ジーノからすれば結果的にそうなっただけで、積極的にそうしたつもりはない。セスカの願いを叶えたのは、そうしないとペンダントが外せそうになかったからだ。ロクトたちからセスカのペンダントを庇うことになったのは、大切な人を亡くした悲しみをたくさん見てきたから、それを和らげるかもしれないものを取り上げようとする行為を見ていられなかっただけだ。
どちらもセスカのためとか、レイのためだとか、相手のことを深く考えていたわけではない。
「……俺が目を覚ましたとき、俺の知っている場所ではなかったし、俺の知っている人間は誰一人いなかった。どうしていいかわからなかった」
はっとして思わず立ち上がったジーノに、レイは視線を向けなかった。だからこそ、ジーノも言葉が見つからなかった。
レイはいつも悠然と、孤高の男とでも言わんばかりに涼しい顔をしていて、不安や怯えのような、柔らかい部分を見せたことがほとんどない。レイの涙を見たのは、セスカのペンダントを握りしめて、静かに泣いていたあの一度きりだ。
ジーノがあとから目覚めたから知る由もなかったが、目の前で幼馴染を殺されて魔物にさらわれたあと、次に目を覚ましたときには見知らぬ場所で見知らぬ人間に囲まれていれば、心細く感じて当たり前だ。
「ロクトたちは、親切だったが……俺を持て余しているのはわかった」
そのうちに、自分が魔王の依代になっていたことも朧気ながら思い出されて、ますますロクトたちとの距離感が掴めなくなった。
だからセスカのペンダントを持っていたジーノを問いつめて、顛末が明らかになったら一人でどこへなりとも行こうと思っていた。
「……でも、あんたは、違った」
セスカの頼みを聞き届けてくれたことがわかって、恩義を感じた。もし庇ってくれていなかったら、レイ自身も死んでいたかもしれないことがわかった。
それでいて恩着せがましくするわけでもないし、レイのためにロクトたちに抗議もする。一緒に旅をしてみれば、気が小さくて遠慮がちで、不器用ながらも親切な男だった。
「あんたは信じていいと思ったし、一緒にいたい相手だと思った。好きになってたんだ」
ようやくレイの青い目がジーノに向いた。灯っている光がいつもより弱々しい。
これはレイのほうがずるいだろう、とジーノは心の中で苦笑した。そのままそっと歩み寄ると、座ったままのレイをぎこちなく抱きしめる。レイが硬直しているのがわかるが、抱えた頭を気にせず撫でてやった。
「俺とお前の気持ち、たぶん同じにならんぞ」
「……わからないだろう、そもそも俺とあんたが出会ったのが奇跡だ」
千年前を生きていたレイが、魔王の依代にされたことで時を超えて、ジーノと出会うことになった。それ自体は不幸な出来事のはずだが、ジーノと出会ったことを、レイは奇跡と言ってくれるらしい。
「……そうか」
レイほどの情熱を、きっとジーノは持てない。もう若くはなくて、諦めや保身や、いろいろと覚えてきたことが前提に来てしまう。
その積み重ねがあってさえも、この青年に応えたい感情を、蓋をしてしまい込むのは難しかった。
「……俺は弱ぇし、肝っ玉も小せぇし、お前の思ったようにならなくてイライラすることばっかだぞ、きっと」
「俺が強くなればいい。図太すぎるとセスカに呆れられるくらい気は大きいつもりだ。考え方が違うなら、これからもっと知っていけばいい。他には何をすればいい?」
諦めるかなと思って並べた言葉を、きちんと受け止めた上で綺麗に返してくるレイに目を瞬くしかない。
だめだ、完敗だ。
「……抱かれる覚悟はまだできてねぇから待ってくれ」
瞳に力強さを取り戻したレイに引き寄せられて、膝の上に抱えられる。おっさんを抱えて何が嬉しいのか。そこは美人の姉ちゃんじゃないのか。
女子どもではないから重いのではないかと思うが、背中に手を回してジーノをがっちり捕まえているレイに、気にしている様子はない。
「それ以外は?」
「それ以外?」
「キスもしたいし挿入なしにしてもあんたと肌を重ねたい」
「……素股とか?」
「嫌ならしない。いつかはしたいが」
こういうところで譲歩してくるのが、健気というか何というか、ずるい。
「……挿入なし、なら」
「いいのか」
「つーかもうちんこ触ってくるじゃねぇか、普通に」
「他は触ってないだろう、胸も尻も」
不満げに返されて、文句を言うところなのかとジーノは半眼でレイを見据えた。
「触りてぇのかよ……」
おっさんの胸と尻に何の価値があるのか。何のためにあるのかわからない乳首とふにゃふにゃの肉しかついてない代物が。
「男でも胸で感じるようになるというから開発する必要があるし、いつか入れるためにあんたの尻を慣らしておく必要がある」
「……お前がセスカに呆れられてた理由がよくわかった」
正直なのは美徳だが、ストレートすぎるのもどうかという話だ。セスカもいい性格ではあったが、相手がこれではフォローに回る側だったに違いない。
「嫌か」
「……いいよ。ここでぐだぐだ言ってたらさすがにかっこ悪ぃ」
それも含めてレイなのだから仕方ない。
ただ、手加減しろよなと苦笑するジーノに頷いておきながら、遠慮なくキスをかましてきたレイには、待てを覚えさせる必要があるのは確かだろう。
「で、話って何だ」
沸かした水を入れたコップをレイの前に置いてやり、ジーノのほうから水を向ける。
酒を常備しておくほどジーノに蓄えはなく、薪も買えば安くはないが、自分で枝なり棒なりを拾ってきて作ればただで済む。贅沢はできないし工夫してどうにかといったレベルの生活だが、嫌になれば出ていくだろうと思っていたレイが居座ってから、もう随分だ。
「……あんたは、好きな相手が自分のいない間に他の誰かと仲良く喋っているのを見て、腹が立たないのか?」
「……は?」
何の話だ。いや、ジーノのことだとは思うが。
まっすぐ見つめてくる青い目に困惑しつつ、ジーノは自分の行動とレイの言葉を照らし合わせた。
仲良く、というほど深い仲でもない気はするが、ロクトたちとは確かに、他の冒険者や町の人々に比べれば気安い間柄ではある。しばらくぶりに会ったわけだし、積もる話があって当然だろう。それで話し込んでいたのが、レイとしては気に食わなかった、らしい。
「……ロクトに妬いたのか」
ぷいとそっぽを向かれた。そこで他所を向くのは、一般的に肯定の返事と言っていい。普段まっすぐものを言うレイにしては、少々子どもっぽい振る舞いだった。
ただ、面倒な相手だと思ってもおかしくない行動だというのに、ジーノは自分が柔らかい笑みを浮かべているのを自覚した。
「……お前、本当に俺が好きなんだな」
今の態度に可愛げを感じるというのは、かなり絆されている証拠だろう。
「……そう言ってるだろう」
むすっとした顔で視線だけ向けてきたレイが、拗ねた声で返してくるのさえ微笑ましい。
「悪ぃ、なんか……今、実感した」
「もっと早くわかってくれ」
「おっさんになると頭が固くてな」
ますます顔をしかめたレイに苦笑して、手を伸ばして銀髪を撫でる。いつも大人びているレイが、見た目相応の振る舞いを見せることなど滅多にないから、余計に可愛いと感じるのだろう。
これで断るのはひどい、ということくらい、ジーノにも理解できていた。
「……ジーノ」
髪に触れるジーノの手を取って、レイが眉根を寄せる。返事を保留されている相手に優しくされるのは、確かに辛いかもしれない。
ただ、離したほうがいいだろうかと引こうとしたジーノの手を、レイは掴んだまま離さなかった。かといって何か言葉を発するような素振りもなく、すっと視線を落としてしまう。もちろん苦しめたいわけではない。空いてしまった間を取りなすように、ジーノは自分から口を開いた。
「……正直なとこ、俺の何がいいのかわかんねぇんだけどよ」
「……あんたは他人のために心を砕ける人間だろう」
「そうか?」
「セスカの願いのために魔王のもとまで行って、俺のためにセスカのペンダントを庇ってくれた」
ジーノからすれば結果的にそうなっただけで、積極的にそうしたつもりはない。セスカの願いを叶えたのは、そうしないとペンダントが外せそうになかったからだ。ロクトたちからセスカのペンダントを庇うことになったのは、大切な人を亡くした悲しみをたくさん見てきたから、それを和らげるかもしれないものを取り上げようとする行為を見ていられなかっただけだ。
どちらもセスカのためとか、レイのためだとか、相手のことを深く考えていたわけではない。
「……俺が目を覚ましたとき、俺の知っている場所ではなかったし、俺の知っている人間は誰一人いなかった。どうしていいかわからなかった」
はっとして思わず立ち上がったジーノに、レイは視線を向けなかった。だからこそ、ジーノも言葉が見つからなかった。
レイはいつも悠然と、孤高の男とでも言わんばかりに涼しい顔をしていて、不安や怯えのような、柔らかい部分を見せたことがほとんどない。レイの涙を見たのは、セスカのペンダントを握りしめて、静かに泣いていたあの一度きりだ。
ジーノがあとから目覚めたから知る由もなかったが、目の前で幼馴染を殺されて魔物にさらわれたあと、次に目を覚ましたときには見知らぬ場所で見知らぬ人間に囲まれていれば、心細く感じて当たり前だ。
「ロクトたちは、親切だったが……俺を持て余しているのはわかった」
そのうちに、自分が魔王の依代になっていたことも朧気ながら思い出されて、ますますロクトたちとの距離感が掴めなくなった。
だからセスカのペンダントを持っていたジーノを問いつめて、顛末が明らかになったら一人でどこへなりとも行こうと思っていた。
「……でも、あんたは、違った」
セスカの頼みを聞き届けてくれたことがわかって、恩義を感じた。もし庇ってくれていなかったら、レイ自身も死んでいたかもしれないことがわかった。
それでいて恩着せがましくするわけでもないし、レイのためにロクトたちに抗議もする。一緒に旅をしてみれば、気が小さくて遠慮がちで、不器用ながらも親切な男だった。
「あんたは信じていいと思ったし、一緒にいたい相手だと思った。好きになってたんだ」
ようやくレイの青い目がジーノに向いた。灯っている光がいつもより弱々しい。
これはレイのほうがずるいだろう、とジーノは心の中で苦笑した。そのままそっと歩み寄ると、座ったままのレイをぎこちなく抱きしめる。レイが硬直しているのがわかるが、抱えた頭を気にせず撫でてやった。
「俺とお前の気持ち、たぶん同じにならんぞ」
「……わからないだろう、そもそも俺とあんたが出会ったのが奇跡だ」
千年前を生きていたレイが、魔王の依代にされたことで時を超えて、ジーノと出会うことになった。それ自体は不幸な出来事のはずだが、ジーノと出会ったことを、レイは奇跡と言ってくれるらしい。
「……そうか」
レイほどの情熱を、きっとジーノは持てない。もう若くはなくて、諦めや保身や、いろいろと覚えてきたことが前提に来てしまう。
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「俺が強くなればいい。図太すぎるとセスカに呆れられるくらい気は大きいつもりだ。考え方が違うなら、これからもっと知っていけばいい。他には何をすればいい?」
諦めるかなと思って並べた言葉を、きちんと受け止めた上で綺麗に返してくるレイに目を瞬くしかない。
だめだ、完敗だ。
「……抱かれる覚悟はまだできてねぇから待ってくれ」
瞳に力強さを取り戻したレイに引き寄せられて、膝の上に抱えられる。おっさんを抱えて何が嬉しいのか。そこは美人の姉ちゃんじゃないのか。
女子どもではないから重いのではないかと思うが、背中に手を回してジーノをがっちり捕まえているレイに、気にしている様子はない。
「それ以外は?」
「それ以外?」
「キスもしたいし挿入なしにしてもあんたと肌を重ねたい」
「……素股とか?」
「嫌ならしない。いつかはしたいが」
こういうところで譲歩してくるのが、健気というか何というか、ずるい。
「……挿入なし、なら」
「いいのか」
「つーかもうちんこ触ってくるじゃねぇか、普通に」
「他は触ってないだろう、胸も尻も」
不満げに返されて、文句を言うところなのかとジーノは半眼でレイを見据えた。
「触りてぇのかよ……」
おっさんの胸と尻に何の価値があるのか。何のためにあるのかわからない乳首とふにゃふにゃの肉しかついてない代物が。
「男でも胸で感じるようになるというから開発する必要があるし、いつか入れるためにあんたの尻を慣らしておく必要がある」
「……お前がセスカに呆れられてた理由がよくわかった」
正直なのは美徳だが、ストレートすぎるのもどうかという話だ。セスカもいい性格ではあったが、相手がこれではフォローに回る側だったに違いない。
「嫌か」
「……いいよ。ここでぐだぐだ言ってたらさすがにかっこ悪ぃ」
それも含めてレイなのだから仕方ない。
ただ、手加減しろよなと苦笑するジーノに頷いておきながら、遠慮なくキスをかましてきたレイには、待てを覚えさせる必要があるのは確かだろう。
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🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
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