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前日譚-ヴィセオ
神官に必須とされる素質は、他でもない。我慢強さだ。
己を慎み、欲に惑わされず、神の教えに従い、魔族から人々を守る。清貧や貞淑といった信仰に加わる際の誓いはつまり、人が守り難いことを戒めるものであり、我慢強く、己を律していかなければならない。
あからさまに向いていない、と判断して、ヴィセオは騎士になる道を選んだ。そもそも我慢などできるなら、田舎の農民の子どもが王都に行こうなどと決意するはずがない。
しかしその決意の源である幼馴染は、こちらのことを覚えてもいなかった。
幼い頃とは違って、神官らしく、誰に対しても穏やかに柔らかく微笑んでいて、人見知りは直ったのかもしれない。白茶の髪に、珊瑚という生き物に似ているらしいオレンジともピンクとも見える瞳の愛らしい色合いが、昔と同じように人を惹きつけているというのに、本人がちっともそれに気づいていない様子なのは、変わらなかったが。
思い返してもイライラする。貴族にも神官にも騎士にも狙われているのに、本人は全然わかっていない。わかっていないからこそ相手の勘所を外し、奇跡的に誰の毒牙にもかかっていないようなものだが、あれではいつどこで誰に何をどうされるか、堪ったものではない。
ラジレは誰にも渡さない。
「あ、ヴィセオ、お前も行きたい?」
「……何の話だ?」
訓練後の湯殿で尋ねられたものの意図を掴みかねて、ヴィセオは戸惑って聞き返した。
「聞いてなかったのか、お前」
「ああ……ちょっと考え事してた。何?」
「だから、ノゾキ」
「……は?」
「おっ前、全然聞いてなかったのかよ」
シフォルサキアの王城は広く、騎士のための一画もあれば、女神ヒュリネを信仰する教団のための区画も存在する。特に教団のための区画は、彼らの信仰に従った生活様式に合わせる必要もあって、部外者はほとんど立ち入らない場所だ。
その教団区画にある井戸の釣瓶が、壊れたらしい。
「で、今は調理場の井戸を借りてるらしいぜ」
女神ヒュリネに従う神官たちは、信仰に加わった際の貞淑の誓いを守るために、肌を覆い隠すような装いをしている。ハイネックの服を着て、ローブで上から覆い、さらにはズボンを穿いてブーツを履く。極めつけに肘まである手袋まではめているから、見える地肌といえば首から上だけだ。
しかしそこまでして隠されると、色気を感じ、隠されたものを見たいと思ってしまうのが人間である。
「洗濯の時間は割り出し済み、誰が来るかわかんないけど、まあ洗濯なんて若い神官がやるだろ?」
「……まあな」
神官たちは、洗濯も自分たちで行う。だから教団区画であれば、井戸も見えないように、城壁には部外者が近づかないように注意されている。
ただ、調理場の井戸であれば、そんなものは一切ない。洗濯となれば、さすがに神官だって手袋を外し、腕まくりだってするかもしれない、というわけだ。
普段綺麗に覆われているから、神官たちの肌は日焼け知らずで艶めかしい。手袋の上から想像する限りでは、騎士のようにごつごつしておらず、ほっそりとした手指のはずだ。
「さすがに大勢で行くとバレるから、何かで選抜しようって話してたんだよ」
騎士と神官は、王都の周りの魔族を定期的に合同で討伐するので、全く関わりがないわけではない。だから騎士なら、神官が怪我をして肌が露わになってしまい、狼狽して真っ赤になっているところを誰しも見たことがある。その恥ずかしがる様子もまた、騎士が色めき立つ一因になってしまうのだが。
「それで、何で選ぶんだ?」
「うわ、全然聞いてなかったくせに結局参加すんのかよお前」
「訓練試合だとヴィセオの一人勝ちだろ? やっぱくじ引き?」
正直なところ、ノゾキ行為自体には、ヴィセオはそこまで興味がない。
しかし、若い神官が洗濯をするというのなら、ラジレが出てくるかもしれない。他の騎士にラジレの肌を見られるのは腹立たしいが、自分が見ずに他の人間が見ることになるのはもっと嫌だ。
そういうわけで、参加しないという手はない。何といっても、ラジレの肌は見てみたいし。
「じゃあまあとにかく、希望者集めてくじ引きだな。自由時間に」
「おー、作っとく」
「助かる、ありがとな」
長々と湯に入っているわけにもいかないので、そこでいったん解散となった。
無論、ヴィセオはノゾキへの参加権を勝ち取った。
「強運野郎……」
「いやでもこの強運に乗っかれば、ノゾキが成功するんじゃ?」
「ヒュリネ様ヴィセオ様、クレセラちゃんが来てますように!」
「お前らは俺を何だと思ってんだよ……」
翌日、倍率はかなりのものだったが、運よく当たりくじを引き当てた四人で連れ立って、さもこちらに用事がありますという体で城壁の中を歩いていく。
王城はぐるりと壁で囲まれているのだが、壁と言いつつ一つの建物でもある。平時は騎士が交代で見張りに立ち、非常時には砦として城を守るものだからだ。
そして調理場の井戸は、その城壁と王城の間の土地にあるため、城壁から観察することが可能なのである。
「おっ、見えた、もう出てきてるぞ」
「えっ、どこどこ」
わっと窓に群がって、四人で井戸を見下ろす。神官のほうは、七、八人くらいだろうか、洗濯物が山と積まれた籠とたらいを持って歩いている。
「おいおいおいレベル高い当たりじゃねぇ!?」
「ちょっとわかりづらいけど……トーキュ、ユエリナ、ピリア、シャンムナート、かな……?」
「あとは……エラーゼ、クガン、ラジレ、ササイラ、だな」
神官全員の顔と名前が一致しているわけではないが、可愛いとか優しいとか親切だとか、討伐任務の中で話題に上がりやすい神官の名前は、騎士の中でもよく知られている。カワイ子ちゃんの情報はみんな知りたいわけだ。
「俺のエラーゼちゃん……!」
「お前クレセラちゃんがとか言ってなかったか……?」
小声で囁き交わしつつ、少しよたよたと歩いている神官たちを見守る。
あれくらいの洗濯物でも、神官には重たいものなのだろうか。ラジレもふらふらしているように見える。
そうして騎士たちに覗かれているとは知らないであろう神官たちが、ようやく井戸まで辿りついて、たらいを置き、籠を置いて、手袋を外した。
「おおおおおっ!」
露わになった肌はみな日に焼けたこともなさそうで、腕まくりをして袖をリボンか何かで括っているおかげで、二の腕も少し見えている。ほっそりとした指が釣瓶に伸びて、水桶を掴み、そっと井戸に投げ下ろす。
「やっぱ神官同士だったら、さすがに気にしないんだな」
「そりゃそうだろ、共同生活できなくなる」
交代で水を張ると、濡れるのを躊躇する様子もなく、それぞれがたらいの中のものを洗い始めた。洗濯しながら会話もしているのだろう、時折笑顔も見えて、声は聞こえないが楽しそうなのは伝わってくる。
「もう俺が神官になるしか」
「そういうこと言うやつ一番向いてないだろ」
屈託なく笑っているラジレの顔は、久しぶりに見た気がする。普段はヴィセオと目を合わせようとしないし、おそらく、意図的に避けられているのだ。そのくせ、たまにラジレが騎士団の区画を通りかかると、こちらを見ているような視線を感じるのだから、どうしたいのかわからない。
ラジレの聖法の腕は高く、周囲にも実力を認められているのか、神官が集まると中心のほうにいることが多い。だからヴィセオも実力をつけなければ、他の騎士と区別してもらえないのかもしれない。そう思って、今は訓練や座学に精を出してはいるが、あの瞳がこちらを向いてくれるのはいつになるのか、それもわからない。
「んー、シャンムナートもエロいけど、やっぱり男だとラジレが可愛いよな」
今すぐその肌に触れたい、その肌を自分だけのものにしたい、などと思っていたら聞き捨てならない言葉が聞こえてきて、ヴィセオはそちらにすっと目を向けた。
「わかる、目の色可愛いのもあるけど、中身も普通に可愛いし」
「俺はシャンムナート派だなー、普通にしててもエロいし」
話題に上がっているシャンムナートは、蜂蜜色の髪と菫色の瞳を持った、なぜか立っているだけでも妙な色気のある神官だ。ラジレと仲がいいのか、よく二人で並んでいる。
じゃなくて。
「ヴィセオはどっち派?」
「……ラジレ」
本人は気づいていないのに、こうして人気があるから厄介だ。
「意外、お前エロいほうが好きそうなのに」
「実は可愛い系がタイプだったか……」
「うるせー」
可愛い系は関係なく、ヴィセオはラジレに会うために騎士になったので、どっちが好みと言われても当然ラジレであるだけだ。
「あ、そろそろ終わり?」
「そうだな、お前たちの不審な行動理由を報告してもらおうか」
ばっと四人で振り返ると、指導教官の騎士が腕を組んで立っていた。
「げ」
「やべ」
「逃げ……」
「られると思うなよ!」
四人でバラバラに逃げたのに、教官に捕まってみっちり説教を喰らう羽目になった。説教の間、遠目で見たラジレの素肌のことを考えていたら、上の空なのがバレて城壁十周の追加を喰らった。
なお、他の三人もひいひい言いながら走っていたので、神官の素肌について考えていたのはヴィセオだけではないはずだ。
己を慎み、欲に惑わされず、神の教えに従い、魔族から人々を守る。清貧や貞淑といった信仰に加わる際の誓いはつまり、人が守り難いことを戒めるものであり、我慢強く、己を律していかなければならない。
あからさまに向いていない、と判断して、ヴィセオは騎士になる道を選んだ。そもそも我慢などできるなら、田舎の農民の子どもが王都に行こうなどと決意するはずがない。
しかしその決意の源である幼馴染は、こちらのことを覚えてもいなかった。
幼い頃とは違って、神官らしく、誰に対しても穏やかに柔らかく微笑んでいて、人見知りは直ったのかもしれない。白茶の髪に、珊瑚という生き物に似ているらしいオレンジともピンクとも見える瞳の愛らしい色合いが、昔と同じように人を惹きつけているというのに、本人がちっともそれに気づいていない様子なのは、変わらなかったが。
思い返してもイライラする。貴族にも神官にも騎士にも狙われているのに、本人は全然わかっていない。わかっていないからこそ相手の勘所を外し、奇跡的に誰の毒牙にもかかっていないようなものだが、あれではいつどこで誰に何をどうされるか、堪ったものではない。
ラジレは誰にも渡さない。
「あ、ヴィセオ、お前も行きたい?」
「……何の話だ?」
訓練後の湯殿で尋ねられたものの意図を掴みかねて、ヴィセオは戸惑って聞き返した。
「聞いてなかったのか、お前」
「ああ……ちょっと考え事してた。何?」
「だから、ノゾキ」
「……は?」
「おっ前、全然聞いてなかったのかよ」
シフォルサキアの王城は広く、騎士のための一画もあれば、女神ヒュリネを信仰する教団のための区画も存在する。特に教団のための区画は、彼らの信仰に従った生活様式に合わせる必要もあって、部外者はほとんど立ち入らない場所だ。
その教団区画にある井戸の釣瓶が、壊れたらしい。
「で、今は調理場の井戸を借りてるらしいぜ」
女神ヒュリネに従う神官たちは、信仰に加わった際の貞淑の誓いを守るために、肌を覆い隠すような装いをしている。ハイネックの服を着て、ローブで上から覆い、さらにはズボンを穿いてブーツを履く。極めつけに肘まである手袋まではめているから、見える地肌といえば首から上だけだ。
しかしそこまでして隠されると、色気を感じ、隠されたものを見たいと思ってしまうのが人間である。
「洗濯の時間は割り出し済み、誰が来るかわかんないけど、まあ洗濯なんて若い神官がやるだろ?」
「……まあな」
神官たちは、洗濯も自分たちで行う。だから教団区画であれば、井戸も見えないように、城壁には部外者が近づかないように注意されている。
ただ、調理場の井戸であれば、そんなものは一切ない。洗濯となれば、さすがに神官だって手袋を外し、腕まくりだってするかもしれない、というわけだ。
普段綺麗に覆われているから、神官たちの肌は日焼け知らずで艶めかしい。手袋の上から想像する限りでは、騎士のようにごつごつしておらず、ほっそりとした手指のはずだ。
「さすがに大勢で行くとバレるから、何かで選抜しようって話してたんだよ」
騎士と神官は、王都の周りの魔族を定期的に合同で討伐するので、全く関わりがないわけではない。だから騎士なら、神官が怪我をして肌が露わになってしまい、狼狽して真っ赤になっているところを誰しも見たことがある。その恥ずかしがる様子もまた、騎士が色めき立つ一因になってしまうのだが。
「それで、何で選ぶんだ?」
「うわ、全然聞いてなかったくせに結局参加すんのかよお前」
「訓練試合だとヴィセオの一人勝ちだろ? やっぱくじ引き?」
正直なところ、ノゾキ行為自体には、ヴィセオはそこまで興味がない。
しかし、若い神官が洗濯をするというのなら、ラジレが出てくるかもしれない。他の騎士にラジレの肌を見られるのは腹立たしいが、自分が見ずに他の人間が見ることになるのはもっと嫌だ。
そういうわけで、参加しないという手はない。何といっても、ラジレの肌は見てみたいし。
「じゃあまあとにかく、希望者集めてくじ引きだな。自由時間に」
「おー、作っとく」
「助かる、ありがとな」
長々と湯に入っているわけにもいかないので、そこでいったん解散となった。
無論、ヴィセオはノゾキへの参加権を勝ち取った。
「強運野郎……」
「いやでもこの強運に乗っかれば、ノゾキが成功するんじゃ?」
「ヒュリネ様ヴィセオ様、クレセラちゃんが来てますように!」
「お前らは俺を何だと思ってんだよ……」
翌日、倍率はかなりのものだったが、運よく当たりくじを引き当てた四人で連れ立って、さもこちらに用事がありますという体で城壁の中を歩いていく。
王城はぐるりと壁で囲まれているのだが、壁と言いつつ一つの建物でもある。平時は騎士が交代で見張りに立ち、非常時には砦として城を守るものだからだ。
そして調理場の井戸は、その城壁と王城の間の土地にあるため、城壁から観察することが可能なのである。
「おっ、見えた、もう出てきてるぞ」
「えっ、どこどこ」
わっと窓に群がって、四人で井戸を見下ろす。神官のほうは、七、八人くらいだろうか、洗濯物が山と積まれた籠とたらいを持って歩いている。
「おいおいおいレベル高い当たりじゃねぇ!?」
「ちょっとわかりづらいけど……トーキュ、ユエリナ、ピリア、シャンムナート、かな……?」
「あとは……エラーゼ、クガン、ラジレ、ササイラ、だな」
神官全員の顔と名前が一致しているわけではないが、可愛いとか優しいとか親切だとか、討伐任務の中で話題に上がりやすい神官の名前は、騎士の中でもよく知られている。カワイ子ちゃんの情報はみんな知りたいわけだ。
「俺のエラーゼちゃん……!」
「お前クレセラちゃんがとか言ってなかったか……?」
小声で囁き交わしつつ、少しよたよたと歩いている神官たちを見守る。
あれくらいの洗濯物でも、神官には重たいものなのだろうか。ラジレもふらふらしているように見える。
そうして騎士たちに覗かれているとは知らないであろう神官たちが、ようやく井戸まで辿りついて、たらいを置き、籠を置いて、手袋を外した。
「おおおおおっ!」
露わになった肌はみな日に焼けたこともなさそうで、腕まくりをして袖をリボンか何かで括っているおかげで、二の腕も少し見えている。ほっそりとした指が釣瓶に伸びて、水桶を掴み、そっと井戸に投げ下ろす。
「やっぱ神官同士だったら、さすがに気にしないんだな」
「そりゃそうだろ、共同生活できなくなる」
交代で水を張ると、濡れるのを躊躇する様子もなく、それぞれがたらいの中のものを洗い始めた。洗濯しながら会話もしているのだろう、時折笑顔も見えて、声は聞こえないが楽しそうなのは伝わってくる。
「もう俺が神官になるしか」
「そういうこと言うやつ一番向いてないだろ」
屈託なく笑っているラジレの顔は、久しぶりに見た気がする。普段はヴィセオと目を合わせようとしないし、おそらく、意図的に避けられているのだ。そのくせ、たまにラジレが騎士団の区画を通りかかると、こちらを見ているような視線を感じるのだから、どうしたいのかわからない。
ラジレの聖法の腕は高く、周囲にも実力を認められているのか、神官が集まると中心のほうにいることが多い。だからヴィセオも実力をつけなければ、他の騎士と区別してもらえないのかもしれない。そう思って、今は訓練や座学に精を出してはいるが、あの瞳がこちらを向いてくれるのはいつになるのか、それもわからない。
「んー、シャンムナートもエロいけど、やっぱり男だとラジレが可愛いよな」
今すぐその肌に触れたい、その肌を自分だけのものにしたい、などと思っていたら聞き捨てならない言葉が聞こえてきて、ヴィセオはそちらにすっと目を向けた。
「わかる、目の色可愛いのもあるけど、中身も普通に可愛いし」
「俺はシャンムナート派だなー、普通にしててもエロいし」
話題に上がっているシャンムナートは、蜂蜜色の髪と菫色の瞳を持った、なぜか立っているだけでも妙な色気のある神官だ。ラジレと仲がいいのか、よく二人で並んでいる。
じゃなくて。
「ヴィセオはどっち派?」
「……ラジレ」
本人は気づいていないのに、こうして人気があるから厄介だ。
「意外、お前エロいほうが好きそうなのに」
「実は可愛い系がタイプだったか……」
「うるせー」
可愛い系は関係なく、ヴィセオはラジレに会うために騎士になったので、どっちが好みと言われても当然ラジレであるだけだ。
「あ、そろそろ終わり?」
「そうだな、お前たちの不審な行動理由を報告してもらおうか」
ばっと四人で振り返ると、指導教官の騎士が腕を組んで立っていた。
「げ」
「やべ」
「逃げ……」
「られると思うなよ!」
四人でバラバラに逃げたのに、教官に捕まってみっちり説教を喰らう羽目になった。説教の間、遠目で見たラジレの素肌のことを考えていたら、上の空なのがバレて城壁十周の追加を喰らった。
なお、他の三人もひいひい言いながら走っていたので、神官の素肌について考えていたのはヴィセオだけではないはずだ。
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三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。