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僕は拓巳君から借りたブルーレイを膝の上に乗せ電車に乗り座っていた
(こんなにたくさん本当にいつ全部見終わるのかなぁ~ それにしても拓巳君って何か一生懸命だったなぁ~ 僕と一緒に居て疲れちゃったかも?)
僕は家に着き拓巳君にラインを送った
するとすぐに既読が付いた
(1時間くらいかかるのかぁ~ 忍さん明日の仕事に影響がないといいなぁ~ それにしても来週も忍さんと何かスゲ~テンション上がる・・・)
俺は忍さんからのかわいいスタンプについ笑ってしまった
僕は早めの夕食を食べて 拓巳君から借りたブルーレイの中から 前に1度テレビで見た事のある物を選びそれを見る事にした
(内容は何となく覚えているんだけど・・・)
僕はソファーに座りブルーレイを見た
火曜日
弘ちゃんが僕の会社へ来て打ち合わせをする日
僕のオフィスはとても広く 3ブロックに分かれていて 僕の席は部屋の一番奥にあった
僕は女子社員に声をかけられ 振り返って弘ちゃんに小さく手を振った
弘ちゃんは僕に向かって頭を下げた
「竹本さんお待ちしていました こちらへどうぞ」
僕はそう言って弘ちゃんと一緒に打ち合わせ室へ
弘ちゃんはすぐに資料を机の上に出した
すると女子社員がお茶を入れて来てくれた
女子社員が部屋から出ると弘ちゃんは話始めた
「忍ちゃん聞いてよこの間の話の続きなんだけどさぁ~ 前嶋さんにまだ翔の事を話せてなくて 今日も出て来る時大変だったんだよ」
「そうだね 翔みずから前嶋さんに話をするタイプではないし 前嶋さんも翔からは聞きづらい そうなると弘ちゃんから聞き出すしかないよね」
僕はそう言って少し笑ってしまった
前嶋さんは弘ちゃんと組む前に僕と一緒に仕事をしていた人
弘ちゃんとは会社の同僚 弘ちゃんと翔を結びつけた張本人
バーでバーテンダーの仕事をしている翔と前嶋さんは幼なじみ
翔はとてもキレイ顔立ちと背も高くまるでモデルさんみたいな人
そんな翔と僕も前嶋さん繋がりで仲良くさせてもらっていた
翔と弘ちゃんは現在恋仲で もうすぐ弘ちゃんは翔と一緒に住む事をこの間聞いたばかり
僕と性格が似ている翔がやっと幸せになるのだと僕は喜んでいた
「忍ちゃん笑い事ではないんだよ 俺前嶋さんには本当に参ってて・・・ ねぇ~忍ちゃん前嶋さんってどこまで知ってるんだと思う?」
弘ちゃんは本当に困り果てた様子だった
「ううんそうだね 前嶋さん初め僕と翔をくっつけたかったみたいだよ」
「えっ忍ちゃんと翔を・・・」
弘ちゃんは驚いた顔を見せた
(言ってはいけなかったかなぁ~ 弘ちゃん知らなかったみたいだし でもあとあと知るよりちゃんと話した方が・・・)
「弘ちゃん誤解しないで聞いてね 僕と翔はそんな気はまるでないから 僕も翔と一緒でさぁ~お互い会った時にわかった事だから・・・ 前嶋さんの思う様にはいかなくて 前嶋さんはやきもきしてたみたいだけど 僕はねぇ~弘ちゃん 翔は弘ちゃんと出会えて本当に良かったと心からそう思うんだよ」
(弘ちゃんは誤解しないですんだかなぁ~)
「ありがとう忍ちゃん でも俺どうしよう前嶋さんにからかわれるの嫌だよ」
「前嶋さんちょっと意地悪なところがあるからね」
「ちょっとどころじゃないよ 俺は毎日前嶋さんと顔を合わせるじゃん・・・」
「そうだね いっその事弘ちゃんが翔に頼んで言ってもらうのは?」
「うんそれも考えたんだけど どっちみち俺がからかわれる事に変わりはない訳なんだよ」
「弘ちゃん僕から前嶋さんに連絡しておこうか?」
「ありがとう忍ちゃん でも俺が話すよ時間がたつほど言いづらくなるから 明日前嶋さんにちゃんと話をするよ 明日さぁ~俺の荷物が翔の家へ運ばれて来るんだ」
「そうか いよいよ本格的に翔との生活が始まるんだね」
「うんそうなんだ 翔の家は凄く広くてキレイなんだ 俺は料理も出来ないしゴミ捨てぐらいしか出来ないけど 翔と一緒に居たいんだ」
「弘ちゃんと翔なら何があっても大丈夫 翔とずっとず~っと一緒に居られるよ」
僕は嬉しくて涙が出そうだった
「ねぇ~忍ちゃん話は変わるんだけど・・・ 例の電車の大学生とはどうなったの?」
「あぁ~大学生ね この間の日曜日に待ち合わせしてちょっと話をしたんだよ」
「忍ちゃん大丈夫なの? 何を目的にしてるかわからないよ 忍ちゃんはその・・・」
「嫌だ弘ちゃん相手は大学生だよ何もないよ ただ会って話をしただけ連絡は良く来るけど・・・」
(ブルーレイを借りている事や映画を見に行く事は言わない方がいいみたいだ 弘ちゃんをこれ以上不安にさせたくない)
「忍ちゃん気を付けてね」
「弘ちゃん大丈夫だよ」
そう言って僕は笑った
僕と弘ちゃんは仕事に取り掛かりお昼になり 社員食堂へ行きお昼ご飯を一緒に食べた
拓巳君からの連絡で日曜日の待ち合わせ場所や時間が決まった
(拓巳君はまだ若いからバイト帰りでも動けるんだなぁ~)
僕は見終わったブルーレイを小さな袋に入れていた
日曜日
俺はバイトが終わり次第電車に乗れる様に準備をした
(あぁ~何だろうこれ・・・ 俺忍さんに会ってから毎日忍さんの事を考えてるよなぁ~)
俺はバイトを終え電車に乗った
(今日の忍さんの私服はどんな感じだろう・・・)
僕はブルーレイを持ち待ち合わせ場所へ
(ここでいいんだよね)
僕はもう一度拓巳君からのラインを確認して拓巳君が来るのを待っていた
俺が待ち合わせ場所へ行くとすでに忍さんが着いていた
(今日は長袖Tシャツだ 小さくてかわいいなぁ~忍さん)
俺はゆっくりと歩いて忍さんの所へ
「お待たせしました」
「拓巳君 良かったここで合ってるのかちょっと不安だったんだ」
忍さんは笑顔でそう言った
(ヤバめっちゃかわいい)
「忍さんすぐ映画見ちゃいます? それともちょっとお茶してからにしますか?」
「人気の作品だから混んでるかも 先に行こうよもしいっぱいだったら次の回にしよう」
「そうですね じゃ~行きましょうか」
「映画なんて久しぶり 音が大きくてびっくりしたらごめんね」
忍さんはそう言って笑っていた
(音が大きくてびっくりするんだ 確かに大きな音かも・・・ 忍さんがびっくりする姿見てみたい・・・)
話題作にもかかわらず 空席もちらほら見えた
「良かったですね忍さん以外とすいていて」
「うん 拓巳君の映画館選びが良かったんだね」
「忍さんパンフレットどうします?」
「僕いらない」
「俺も買った事ないです」
俺と忍さんは並んで座り映画が始まった
俺は何度か忍さんの方を見てしまっていた
映画が終わり暗かった映画館が明るくなった
バラバラと立ち上がりみんなが出口へと向かっていた
「今まで暗かったから目がおかしいよね」
「わかります ゆっくり出ましょう」
俺と忍さんは出口に人が少なくなってから立ち上がった
「忍さんお腹すきましたね」
「そうだねどっか入ろうか 拓巳君は何食べたい?」
「そうですね・・・」
俺は辺りを見渡した
「忍さんファミレスでいいですか?」
「えっ拓巳君いいの?」
「俺のバイト先の系列と違うので それにいろんなメニューがありますよね」
「拓巳君がいいなら僕はどこでも・・・」
「それじゃ~行きますか」
僕と拓巳君はファミリーレストランへ
席が案内され座った
「拓巳君ファミリーレストランのオススメとかわかるの?」
「そっすね あっこういう所にほら・・・」
そう言ってメニューに挟まれている写真を見た
「へ~別になってるんだね」
「忍さん何にします?」
僕と拓巳君はメニューを見ていた
「デザートも凄く美味しそうだね」
「忍さん甘い物好きなんですか?」
「うん好き 拓巳君は?」
「俺も好きです」
「同じだね」
忍さんはメニューから俺の方を見て笑った
拓巳君がボタンを押して注文をしドリンクバーへ
僕は店内のエアコンがきいている為 あったかい飲み物にした
反対に拓巳君は氷を入れ飲み物をそそいでいた
「忍さん映画どうでした?」
「おもしろかったよ音楽も良かったし やっぱり大きな音にびっくりしちゃったけど」
「えっ俺気が付かなかったですよ」
(何度か忍さんの方を見てたのに・・・ ちょっと悔しいかも・・・)
「あっ拓巳君から借りていたブルーレイ持って来たよ」
僕は小さな袋を拓巳君に渡した
「えっもう見たんですか」
「うん前にテレビでやってたやつから見た」
「えっテレビでやってました?」
「うんでもゆっくり見られたから良かった ありがとう」
「いいえ 俺も帰ったらもう一度見ます」
(忍さんの記憶に残るうちに また忍さんからの感想が聞きたい・・・)
注文した物がテーブルに並んだ
「いただきます」
「いただきます」
「そうだ忍さん」
「ううん?」
「毎週誘ってしまって大丈夫ですか?」
「僕は土曜日も休みだから大丈夫拓巳君はバイト帰りでしょう 拓巳君の方が疲れているんじゃない それに大学のレポートとか大丈夫なのか心配になる」
「えっ俺はぜんぜんですよ むしろ忍さんと居て楽しいです レポートはちゃんと提出してますから大丈夫です」
(忍さんを言い訳には絶対にしたくはない・・・)
「ありがとう拓巳君 やっぱり若いからかなぁ~」
(良かった勉強もちゃんとしているみたいだ)
忍さんは嬉しそうに笑った
「忍さんって兄弟とか居るんですか?」
「僕末っ子だよ」
「えっ忍さんが?末っ子 ぜんぜん見えないですよ俺てっきり1人っ子だと思っていました」
(あっでも末っ子の忍さんもかわいいかも・・・ きっとお兄さんとかにかわいがられていたとか 想像出来るなぁ~)
「拓巳君は?」
「俺は1人っ子です 俺の両親凄く仲が良くて俺が高校生になると 良く2人で旅行へ行ってました」
「きっと拓巳君がしっかりしてるから 安心して旅行へも行けたんじゃない?」
「いや俺が大きくなるのを心待ちにしてて 何年も前から計画立ててた感じです だから俺が家を出る時はそれはもう喜んでいましたよ 忍さん実家暮らしですか?」
「えっ違うよ 前は社宅に住んでいたんだけどね」
「そうですよね 大きな会社はあちこちに社宅があるんですよね 忍さんお兄さん居るんですか?」
「兄と姉の両方3人兄弟の末っ子」
「それじゃ~忍さんかわいがられたんじゃないんですか?」
「僕は兄や姉と歳が離れていて そんなに遊んでもらった記憶はないんだ むしろ1人っ子みたいな感じだったかなぁ~」
忍さんの顔が暗くなり これ以上話を聞いてはいけねいと思った
「忍さんデザート食べません?」
「あっ食べたい その前に僕飲み物取って来るね 拓巳君のも取って来てあげようか?」
「あっじゃ~お願いします」
忍さんは立ち上がりドリンクバーへ
(忍さんはお兄さんやお姉さんとあんまりいい思い出がないのかなぁ~ 歳が離れてるって言ってたから一緒に遊ばなかったとか・・・)
(拓巳君には実家の話はこれ以上出来ない そう言えば翔にしか僕の実家の事を話していない弘ちゃんにも・・・ きっと弘ちゃんは信じてくれないよね僕の実家を・・・)
僕がドリンクを持ってテーブルに戻ると テーブルはキレイに片付けられていた
「あっ忍さんありがとうございます 忍さんどれにしますか?」
メニューを広げて拓巳君が待っていてくれた
僕はドリンクを置いてメニューに目を向けた
「どれも美味しそうだね」
「俺パフェにしようかなぁ~」
「えっ僕迷う」
(どうしようパフェもいいし みつ豆も捨てがたい・・・)
「じゃ~僕みつ豆にするね」
拓巳君がボタンを押して注文してくれた
「忍さん今度忍さんの家に行ってもいいですか?」
「えっ僕の家遠いよ」
「はい1時間くらいですよね ダメですか?」
「えっあっうんそうだよね 拓巳君の家にお邪魔してるのにダメとか言えないよね 掃除しておかなくちゃ拓巳君の家はスッキリしてたけど 僕の家はごちゃごちゃしているから・・・」
「忍さんの趣味とかですか?」
「えっ趣味? 趣味になるのかなぁ~?」
「えっじゃ~行ってもいいって事ですか?」
「うんでも今日はダメだよ 掃除してないから・・・」
忍さんは困った様に手を振っていた
(忍さんかわいい・・・ しかもヤッター忍さんの家に行ける いったいどんな所に住んでいるんだろう・・・)
デザートが運ばれて忍さんの笑顔が増えた
(忍さんってホントに甘い物が好きなんだなぁ~)
俺と忍さんはデザートを食べ終えた
「拓巳君凄く美味しかったそろそろ出ようか」
そう言って忍さんは立ち上がりテーブルにあった伝票を持って行った
「忍さん俺の分いくらですか?」
「拓巳君ここは僕に花を持たせてよ」
そう言って忍さんは伝票をひらひらとさせ会計を済ませた
俺と忍さんはファミレスを出た
「忍さんすいません」
「いいのいいの 本当は映画も僕が出そうと思ってたんだけどね 拓巳君には先週ごちそうになってるし 僕これでも社会人なんだから・・・」
「えっあれは俺が強引に・・・」
忍さんのちょっと胸を張ったしぐさがかわいくて 俺は言葉を失った
(何だよこれ・・・)
忍さんの笑顔に俺は正直な気持ちを打ち明けた
「忍さん俺 忍さんと一緒に居るとスゲー自分が自分で居られるんです 大学の友達とかはやっぱどっか偽るっていうか 壁みたいな違う自分を演じているみたいな・・・ でも俺忍さんと一緒に居ると俺の好きな自分で居られるんですよ 俺周りにそんな風に接する人は少なくて 忍さんこれからも俺とこうして会ってもらえませんか?」
忍さんは俺の話を聞きながらゆっくりと歩き出した
「拓巳君誰しもが 本当の自分を偽って生きていると僕は思う でも拓巳君がそう言ってくれた事 凄く僕は嬉しいよ拓巳君これからもよろしくね」
「えっいやこちらこそ 俺忍さんに甘えているだけかもしれないっすけど・・・」
「僕なんかで良かったら・・・」
忍さんは恥ずかしのかうつむいた
(ヤベ~うつむいた顔覗き込みてぇ~ でもヤッターこれからも忍さんと・・・)
「あっ俺大事な事忘れてた」
俺は少し大きな声を出し忍さんは顔を上げた
「すいません忍さん 俺テストがあって・・・」
「そうだよね拓巳君学生なんだから単位落としたら大変・・・」
「そうなんです」
「勉強頑張って・・・」
「はい それで2週間ぐらい忍さんと会えなくなるんですが・・・」
「わかった じゃ~その間に部屋をキレイにしておくね」
「ラインはしてもいいですか?」
「僕が拓巳君のストレス解消になるならね」
「ありがとうございます また連絡します」
「うん待ってるね」
(何だよこれさっきから・・・ 俺忍さんともっと一緒に居たいと思ってる このまま別れるのは・・・)
話ながら駅に着いてしまった
「それじゃ~拓巳君勉強頑張ってね」
忍さんが俺の方を向いてそう言った
「忍さんもう少し・・・」
「ごめんね拓巳君」
「あっすいません忍さんも忙しいですよね 俺忍さんにラインします今日は楽しかったです」
「うん僕も」
「あっ着いたら連絡下さい」
「僕買い物するよ遅くなるかも・・・」
「俺もスーパー行きます」
「同じだね」
忍さんはそう言って笑ってくれた
「じゃ~ね拓巳君」
「じゃ~」
俺と忍さんは別々の方向へと歩き出した
(つづく)
(こんなにたくさん本当にいつ全部見終わるのかなぁ~ それにしても拓巳君って何か一生懸命だったなぁ~ 僕と一緒に居て疲れちゃったかも?)
僕は家に着き拓巳君にラインを送った
するとすぐに既読が付いた
(1時間くらいかかるのかぁ~ 忍さん明日の仕事に影響がないといいなぁ~ それにしても来週も忍さんと何かスゲ~テンション上がる・・・)
俺は忍さんからのかわいいスタンプについ笑ってしまった
僕は早めの夕食を食べて 拓巳君から借りたブルーレイの中から 前に1度テレビで見た事のある物を選びそれを見る事にした
(内容は何となく覚えているんだけど・・・)
僕はソファーに座りブルーレイを見た
火曜日
弘ちゃんが僕の会社へ来て打ち合わせをする日
僕のオフィスはとても広く 3ブロックに分かれていて 僕の席は部屋の一番奥にあった
僕は女子社員に声をかけられ 振り返って弘ちゃんに小さく手を振った
弘ちゃんは僕に向かって頭を下げた
「竹本さんお待ちしていました こちらへどうぞ」
僕はそう言って弘ちゃんと一緒に打ち合わせ室へ
弘ちゃんはすぐに資料を机の上に出した
すると女子社員がお茶を入れて来てくれた
女子社員が部屋から出ると弘ちゃんは話始めた
「忍ちゃん聞いてよこの間の話の続きなんだけどさぁ~ 前嶋さんにまだ翔の事を話せてなくて 今日も出て来る時大変だったんだよ」
「そうだね 翔みずから前嶋さんに話をするタイプではないし 前嶋さんも翔からは聞きづらい そうなると弘ちゃんから聞き出すしかないよね」
僕はそう言って少し笑ってしまった
前嶋さんは弘ちゃんと組む前に僕と一緒に仕事をしていた人
弘ちゃんとは会社の同僚 弘ちゃんと翔を結びつけた張本人
バーでバーテンダーの仕事をしている翔と前嶋さんは幼なじみ
翔はとてもキレイ顔立ちと背も高くまるでモデルさんみたいな人
そんな翔と僕も前嶋さん繋がりで仲良くさせてもらっていた
翔と弘ちゃんは現在恋仲で もうすぐ弘ちゃんは翔と一緒に住む事をこの間聞いたばかり
僕と性格が似ている翔がやっと幸せになるのだと僕は喜んでいた
「忍ちゃん笑い事ではないんだよ 俺前嶋さんには本当に参ってて・・・ ねぇ~忍ちゃん前嶋さんってどこまで知ってるんだと思う?」
弘ちゃんは本当に困り果てた様子だった
「ううんそうだね 前嶋さん初め僕と翔をくっつけたかったみたいだよ」
「えっ忍ちゃんと翔を・・・」
弘ちゃんは驚いた顔を見せた
(言ってはいけなかったかなぁ~ 弘ちゃん知らなかったみたいだし でもあとあと知るよりちゃんと話した方が・・・)
「弘ちゃん誤解しないで聞いてね 僕と翔はそんな気はまるでないから 僕も翔と一緒でさぁ~お互い会った時にわかった事だから・・・ 前嶋さんの思う様にはいかなくて 前嶋さんはやきもきしてたみたいだけど 僕はねぇ~弘ちゃん 翔は弘ちゃんと出会えて本当に良かったと心からそう思うんだよ」
(弘ちゃんは誤解しないですんだかなぁ~)
「ありがとう忍ちゃん でも俺どうしよう前嶋さんにからかわれるの嫌だよ」
「前嶋さんちょっと意地悪なところがあるからね」
「ちょっとどころじゃないよ 俺は毎日前嶋さんと顔を合わせるじゃん・・・」
「そうだね いっその事弘ちゃんが翔に頼んで言ってもらうのは?」
「うんそれも考えたんだけど どっちみち俺がからかわれる事に変わりはない訳なんだよ」
「弘ちゃん僕から前嶋さんに連絡しておこうか?」
「ありがとう忍ちゃん でも俺が話すよ時間がたつほど言いづらくなるから 明日前嶋さんにちゃんと話をするよ 明日さぁ~俺の荷物が翔の家へ運ばれて来るんだ」
「そうか いよいよ本格的に翔との生活が始まるんだね」
「うんそうなんだ 翔の家は凄く広くてキレイなんだ 俺は料理も出来ないしゴミ捨てぐらいしか出来ないけど 翔と一緒に居たいんだ」
「弘ちゃんと翔なら何があっても大丈夫 翔とずっとず~っと一緒に居られるよ」
僕は嬉しくて涙が出そうだった
「ねぇ~忍ちゃん話は変わるんだけど・・・ 例の電車の大学生とはどうなったの?」
「あぁ~大学生ね この間の日曜日に待ち合わせしてちょっと話をしたんだよ」
「忍ちゃん大丈夫なの? 何を目的にしてるかわからないよ 忍ちゃんはその・・・」
「嫌だ弘ちゃん相手は大学生だよ何もないよ ただ会って話をしただけ連絡は良く来るけど・・・」
(ブルーレイを借りている事や映画を見に行く事は言わない方がいいみたいだ 弘ちゃんをこれ以上不安にさせたくない)
「忍ちゃん気を付けてね」
「弘ちゃん大丈夫だよ」
そう言って僕は笑った
僕と弘ちゃんは仕事に取り掛かりお昼になり 社員食堂へ行きお昼ご飯を一緒に食べた
拓巳君からの連絡で日曜日の待ち合わせ場所や時間が決まった
(拓巳君はまだ若いからバイト帰りでも動けるんだなぁ~)
僕は見終わったブルーレイを小さな袋に入れていた
日曜日
俺はバイトが終わり次第電車に乗れる様に準備をした
(あぁ~何だろうこれ・・・ 俺忍さんに会ってから毎日忍さんの事を考えてるよなぁ~)
俺はバイトを終え電車に乗った
(今日の忍さんの私服はどんな感じだろう・・・)
僕はブルーレイを持ち待ち合わせ場所へ
(ここでいいんだよね)
僕はもう一度拓巳君からのラインを確認して拓巳君が来るのを待っていた
俺が待ち合わせ場所へ行くとすでに忍さんが着いていた
(今日は長袖Tシャツだ 小さくてかわいいなぁ~忍さん)
俺はゆっくりと歩いて忍さんの所へ
「お待たせしました」
「拓巳君 良かったここで合ってるのかちょっと不安だったんだ」
忍さんは笑顔でそう言った
(ヤバめっちゃかわいい)
「忍さんすぐ映画見ちゃいます? それともちょっとお茶してからにしますか?」
「人気の作品だから混んでるかも 先に行こうよもしいっぱいだったら次の回にしよう」
「そうですね じゃ~行きましょうか」
「映画なんて久しぶり 音が大きくてびっくりしたらごめんね」
忍さんはそう言って笑っていた
(音が大きくてびっくりするんだ 確かに大きな音かも・・・ 忍さんがびっくりする姿見てみたい・・・)
話題作にもかかわらず 空席もちらほら見えた
「良かったですね忍さん以外とすいていて」
「うん 拓巳君の映画館選びが良かったんだね」
「忍さんパンフレットどうします?」
「僕いらない」
「俺も買った事ないです」
俺と忍さんは並んで座り映画が始まった
俺は何度か忍さんの方を見てしまっていた
映画が終わり暗かった映画館が明るくなった
バラバラと立ち上がりみんなが出口へと向かっていた
「今まで暗かったから目がおかしいよね」
「わかります ゆっくり出ましょう」
俺と忍さんは出口に人が少なくなってから立ち上がった
「忍さんお腹すきましたね」
「そうだねどっか入ろうか 拓巳君は何食べたい?」
「そうですね・・・」
俺は辺りを見渡した
「忍さんファミレスでいいですか?」
「えっ拓巳君いいの?」
「俺のバイト先の系列と違うので それにいろんなメニューがありますよね」
「拓巳君がいいなら僕はどこでも・・・」
「それじゃ~行きますか」
僕と拓巳君はファミリーレストランへ
席が案内され座った
「拓巳君ファミリーレストランのオススメとかわかるの?」
「そっすね あっこういう所にほら・・・」
そう言ってメニューに挟まれている写真を見た
「へ~別になってるんだね」
「忍さん何にします?」
僕と拓巳君はメニューを見ていた
「デザートも凄く美味しそうだね」
「忍さん甘い物好きなんですか?」
「うん好き 拓巳君は?」
「俺も好きです」
「同じだね」
忍さんはメニューから俺の方を見て笑った
拓巳君がボタンを押して注文をしドリンクバーへ
僕は店内のエアコンがきいている為 あったかい飲み物にした
反対に拓巳君は氷を入れ飲み物をそそいでいた
「忍さん映画どうでした?」
「おもしろかったよ音楽も良かったし やっぱり大きな音にびっくりしちゃったけど」
「えっ俺気が付かなかったですよ」
(何度か忍さんの方を見てたのに・・・ ちょっと悔しいかも・・・)
「あっ拓巳君から借りていたブルーレイ持って来たよ」
僕は小さな袋を拓巳君に渡した
「えっもう見たんですか」
「うん前にテレビでやってたやつから見た」
「えっテレビでやってました?」
「うんでもゆっくり見られたから良かった ありがとう」
「いいえ 俺も帰ったらもう一度見ます」
(忍さんの記憶に残るうちに また忍さんからの感想が聞きたい・・・)
注文した物がテーブルに並んだ
「いただきます」
「いただきます」
「そうだ忍さん」
「ううん?」
「毎週誘ってしまって大丈夫ですか?」
「僕は土曜日も休みだから大丈夫拓巳君はバイト帰りでしょう 拓巳君の方が疲れているんじゃない それに大学のレポートとか大丈夫なのか心配になる」
「えっ俺はぜんぜんですよ むしろ忍さんと居て楽しいです レポートはちゃんと提出してますから大丈夫です」
(忍さんを言い訳には絶対にしたくはない・・・)
「ありがとう拓巳君 やっぱり若いからかなぁ~」
(良かった勉強もちゃんとしているみたいだ)
忍さんは嬉しそうに笑った
「忍さんって兄弟とか居るんですか?」
「僕末っ子だよ」
「えっ忍さんが?末っ子 ぜんぜん見えないですよ俺てっきり1人っ子だと思っていました」
(あっでも末っ子の忍さんもかわいいかも・・・ きっとお兄さんとかにかわいがられていたとか 想像出来るなぁ~)
「拓巳君は?」
「俺は1人っ子です 俺の両親凄く仲が良くて俺が高校生になると 良く2人で旅行へ行ってました」
「きっと拓巳君がしっかりしてるから 安心して旅行へも行けたんじゃない?」
「いや俺が大きくなるのを心待ちにしてて 何年も前から計画立ててた感じです だから俺が家を出る時はそれはもう喜んでいましたよ 忍さん実家暮らしですか?」
「えっ違うよ 前は社宅に住んでいたんだけどね」
「そうですよね 大きな会社はあちこちに社宅があるんですよね 忍さんお兄さん居るんですか?」
「兄と姉の両方3人兄弟の末っ子」
「それじゃ~忍さんかわいがられたんじゃないんですか?」
「僕は兄や姉と歳が離れていて そんなに遊んでもらった記憶はないんだ むしろ1人っ子みたいな感じだったかなぁ~」
忍さんの顔が暗くなり これ以上話を聞いてはいけねいと思った
「忍さんデザート食べません?」
「あっ食べたい その前に僕飲み物取って来るね 拓巳君のも取って来てあげようか?」
「あっじゃ~お願いします」
忍さんは立ち上がりドリンクバーへ
(忍さんはお兄さんやお姉さんとあんまりいい思い出がないのかなぁ~ 歳が離れてるって言ってたから一緒に遊ばなかったとか・・・)
(拓巳君には実家の話はこれ以上出来ない そう言えば翔にしか僕の実家の事を話していない弘ちゃんにも・・・ きっと弘ちゃんは信じてくれないよね僕の実家を・・・)
僕がドリンクを持ってテーブルに戻ると テーブルはキレイに片付けられていた
「あっ忍さんありがとうございます 忍さんどれにしますか?」
メニューを広げて拓巳君が待っていてくれた
僕はドリンクを置いてメニューに目を向けた
「どれも美味しそうだね」
「俺パフェにしようかなぁ~」
「えっ僕迷う」
(どうしようパフェもいいし みつ豆も捨てがたい・・・)
「じゃ~僕みつ豆にするね」
拓巳君がボタンを押して注文してくれた
「忍さん今度忍さんの家に行ってもいいですか?」
「えっ僕の家遠いよ」
「はい1時間くらいですよね ダメですか?」
「えっあっうんそうだよね 拓巳君の家にお邪魔してるのにダメとか言えないよね 掃除しておかなくちゃ拓巳君の家はスッキリしてたけど 僕の家はごちゃごちゃしているから・・・」
「忍さんの趣味とかですか?」
「えっ趣味? 趣味になるのかなぁ~?」
「えっじゃ~行ってもいいって事ですか?」
「うんでも今日はダメだよ 掃除してないから・・・」
忍さんは困った様に手を振っていた
(忍さんかわいい・・・ しかもヤッター忍さんの家に行ける いったいどんな所に住んでいるんだろう・・・)
デザートが運ばれて忍さんの笑顔が増えた
(忍さんってホントに甘い物が好きなんだなぁ~)
俺と忍さんはデザートを食べ終えた
「拓巳君凄く美味しかったそろそろ出ようか」
そう言って忍さんは立ち上がりテーブルにあった伝票を持って行った
「忍さん俺の分いくらですか?」
「拓巳君ここは僕に花を持たせてよ」
そう言って忍さんは伝票をひらひらとさせ会計を済ませた
俺と忍さんはファミレスを出た
「忍さんすいません」
「いいのいいの 本当は映画も僕が出そうと思ってたんだけどね 拓巳君には先週ごちそうになってるし 僕これでも社会人なんだから・・・」
「えっあれは俺が強引に・・・」
忍さんのちょっと胸を張ったしぐさがかわいくて 俺は言葉を失った
(何だよこれ・・・)
忍さんの笑顔に俺は正直な気持ちを打ち明けた
「忍さん俺 忍さんと一緒に居るとスゲー自分が自分で居られるんです 大学の友達とかはやっぱどっか偽るっていうか 壁みたいな違う自分を演じているみたいな・・・ でも俺忍さんと一緒に居ると俺の好きな自分で居られるんですよ 俺周りにそんな風に接する人は少なくて 忍さんこれからも俺とこうして会ってもらえませんか?」
忍さんは俺の話を聞きながらゆっくりと歩き出した
「拓巳君誰しもが 本当の自分を偽って生きていると僕は思う でも拓巳君がそう言ってくれた事 凄く僕は嬉しいよ拓巳君これからもよろしくね」
「えっいやこちらこそ 俺忍さんに甘えているだけかもしれないっすけど・・・」
「僕なんかで良かったら・・・」
忍さんは恥ずかしのかうつむいた
(ヤベ~うつむいた顔覗き込みてぇ~ でもヤッターこれからも忍さんと・・・)
「あっ俺大事な事忘れてた」
俺は少し大きな声を出し忍さんは顔を上げた
「すいません忍さん 俺テストがあって・・・」
「そうだよね拓巳君学生なんだから単位落としたら大変・・・」
「そうなんです」
「勉強頑張って・・・」
「はい それで2週間ぐらい忍さんと会えなくなるんですが・・・」
「わかった じゃ~その間に部屋をキレイにしておくね」
「ラインはしてもいいですか?」
「僕が拓巳君のストレス解消になるならね」
「ありがとうございます また連絡します」
「うん待ってるね」
(何だよこれさっきから・・・ 俺忍さんともっと一緒に居たいと思ってる このまま別れるのは・・・)
話ながら駅に着いてしまった
「それじゃ~拓巳君勉強頑張ってね」
忍さんが俺の方を向いてそう言った
「忍さんもう少し・・・」
「ごめんね拓巳君」
「あっすいません忍さんも忙しいですよね 俺忍さんにラインします今日は楽しかったです」
「うん僕も」
「あっ着いたら連絡下さい」
「僕買い物するよ遅くなるかも・・・」
「俺もスーパー行きます」
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忍さんはそう言って笑ってくれた
「じゃ~ね拓巳君」
「じゃ~」
俺と忍さんは別々の方向へと歩き出した
(つづく)
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BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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