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忍さんの家
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俺は毎日また偶然にも忍さんと電車で会えないだろうかと
ホームや電車が駅に着くたびにキョロキョロと辺りを見渡していた
(忍さんに会えないと思うと余計忍さんを探してしまう・・・ 偶然忍さんに会えたらスゲー嬉しんだけどなぁ~ あれ以来まったく忍さんに偶然会うなんて事がない 奇跡的な出会いなんだよなぁ~ホント あの時の出会いに感謝しねぇ~となぁ~)
俺はそう思いながらスマホを手に電車に乗っていた
僕は拓巳君が僕の家に来るという事を頭においていた
(困ったどうしよう・・・)
まずは玄関 そんなに靴がある方ではなく軽く掃除をした
トイレの向かい側に洗面所とバスルーム
キッチンはコの字型に囲まれたスペースにあり 階段を2段下りるとリビング
僕はキッチンから低くなったリビングをながめるのが好き
この物件を選んだ1つでもある もう1つは秘密基地みたいなロフト
隠れる様にキッチンの上にあり 小さな窓から朝日や星が見える
ロフトには小さな本棚を置き 僕はそこでお気に入りの本を読むのが大好き
水回りはキレイなものの リビングのソファーには少し大きなぬいぐるみが鎮座していた
それだけにとどまらず 僕がかわいいと思った物がチラホラ置かれていた
(これらを見たら拓巳君はどう思うだろう・・・)
とりあえず僕はスッキリ見える様に少しずつ かわいい物をロフトに上げて置く事にした
(拓巳君ロフトは登らないよね)
僕は毎日少しずつ片付けをしていた
(う~忍さんに会いたい 忍さんの声やかわいい笑顔が見たい でも忍さんの大事な時間を邪魔したくない・・・)
俺はそんな葛藤を続けながら勉強を続け それでも忍さんに連絡を取る事はやめられずラインをする事で我慢をしていた
僕の会社に打ち合わせの為に弘ちゃんが来てくれる
僕が数少ない心を開ける人
弘ちゃんは今大好き人と一緒に暮らしていた
「ねぇ~ねぇ~弘ちゃん」
「何?忍ちゃん」
「来月翔の誕生日だね もうプレゼントは決まっているの?」
「えっ忍ちゃんそれホント?」
「何弘ちゃん知らなかったの?」
「うんぜんぜん知らなかった 俺翔と一緒に住んでるのに翔の事ぜんぜん知らない」
「弘ちゃんこれからたくさん知っていけばいいんじゃない?」
「そうなんだけど どうしよう忍ちゃん翔に何をあげたら喜ぶかなぁ~?」
「翔の欲しい物? そんなの弘ちゃんに決まってるじゃん 弘ちゃんにデッカイリボン付けて出来上がりでしょう 翔は凄く喜ぶと思うよ」
僕はそう言って笑った
「もう忍ちゃん冗談やめてよ・・・」
「あぁ~弘ちゃんは冗談だと思ってる 僕は翔が一番喜ぶ事を言ったのに・・・」
「忍ちゃんごめんでもそれはさすがに恥ずかし・・・」
「そうだね 翔は弘ちゃんが何をあげても喜ぶと思うよ」
そんな事を話ながら仕事をし毎回打ち合わせは終わる
会社での僕はいつも1人で 僕は普通にしているのだけれど
みんなからは見えない分厚い壁を常に感じいた
僕は小柄だし こう言うしゃべり方しか出来ない
僕が第三営業部の部長を任されてから 特にそれは強く感じる様になっていた
そんな僕を弘ちゃんは受け入れてくれて プライベートの話も出来る
僕はそんな弘ちゃんの事をとても大切にしている
家に帰ると僕は殺風景になった部屋のソファーに座った
(やっぱりぬいぐるみが欲しい 上にあげるの早かったなぁ~)
いつも帰ると僕はぬいぐるみに寄りかかる
今ぬいぐるみはロフトにある ロフトに上げるのに苦労をしたので 今さらぬいぐるみを下にはおろせない
(拓巳君がここへ遊びに来るまでの辛抱だ)
僕はソファーから立ち上がり スーツを脱ぎ部屋着に着替えキッチンへ
拓巳君が来たら僕の手料理を食べてもらおうと いろいろ作って試している
(拓巳君は料理が出来るからなぁ~ 僕らしい物を作ってあげたいんだけど 拓巳君はお肉料理の方がいいかもしれないなぁ~)
俺はやっと忍さんに会える日を迎えていた
(やっとだやっと忍さんに会える 忍さんの笑顔にやっと会える長かった~)
俺は忍さんに会えなかった期間 どうしてこんなにも忍さんの事を考えてしまうのか
俺なりに考えていた そしてハッキリと自覚した事がわかった
他の友達にこんな感情を持った事は今までになく
忍さんのかわいいしぐさや笑顔に会いたくなる
年上だとか男の人だとかそんなものは関係なく
俺は忍さんに恋をしているのだとハッキリと自覚した
(忍さんに言ったら困らせるかなぁ~ 年上だし社会人だし男の人だし でもこの想いはもう止められない)
俺はそう思いながら忍さんの家へと向かっていた
僕は改札口の真ん中に立っていた
(ここなら下りて来る拓巳君がわかる もうすぐ拓巳君が来る 僕の家を見て拓巳君がどう思うかなぁ~)
俺は駅に着き出口を探した
(みんな出口に向かってるこっちか・・・ あぁ~ヤベ~忍さんが俺を待ってる)
俺が階段を下りると忍さんが小さく手を振っていた
(あっ忍さんだマジかわいい・・・)
俺は改札口を通って忍さんの前へ
「忍さんお久しぶりです」
(こんなに忍さんって小さかった?)
「拓巳君迷わずちゃんとこれた?」
忍さんはそう言ってかわいい顔を俺に見せた
「はい大丈夫でした」
(ヤベ~マジかわいい・・・)
「拓巳君お昼ご飯まだだよね?」
「はいすいませんバイト終わってすぐに電車に乗ったので・・・」
「そうだよね じゃ~僕が作るから食べて・・・」
「えっいいんですか?」
「拓巳君苦手な食べ物とか何かある?」
「いいえ俺はないです」
「そう きっとお母さんが上手に拓巳君を育ててくれたんだね 拓巳君スーパー行ってくれる?」
「はい」
そう言って俺と忍さんは歩き出した
(うわマジか・・・ 忍さんの手料理 忍さんの家も楽しみなのに何作ってくれるんだろう・・・)
俺は嬉しい気持ちを抑える切れず 忍さんの顔を歩きながら何度も見てしまった
忍さんとスーパーへ行き食材をカゴへ
(ここが忍さんがいつも利用しているスーパーか・・・)
忍さんは迷う事なく次々とカゴに入れ会計を済ませた
「忍さんってあまり迷わないんですね」
「えっ?あっごめんね 拓巳君食べたい物とかあった?」
「いいえ買い物している姿を始めて見て 俺は結構どっちにしようか迷うんですけど 忍さんはスピーディーだなぁ~って・・・」
「あっそうだった? あそこのスーパーはどれも新鮮だから あまりそういう事考えた事ないかも・・・」
そう言って忍さんは笑った
俺は飲み物を持っていた
「拓巳君ごめんね持ってもらっちゃって・・・」
「いいえこのくらい」
久しぶりに忍さんの隣を歩く事に 俺はまた忍さんの顔を見てしまっていた
「忍さんずいぶん急な坂ですね」
「うん僕の家この坂の上だよ」
「忍さん毎日この坂を・・・」
「うんでもねながめが凄くいいんだよ」
忍さんはスタスタと急な坂道を登っていた
「拓巳君僕の家ここだよ」
(えっこれ家なの?)
丸い形の曲線が見え家とはとても思えなかった
「拓巳君こっちだよ」
そう言って忍さんは曲線に沿って進み マンションのエントランスが見えた
「忍さんここは?」
「ちょっとおもしろいでしょう デザイナーズマンションって言う見たい」
そう言って忍さんはオートロックを操作していた
「拓巳君どうぞ」
「はい」
自動ドアが開き俺は前へと進んだ
エントランスはそんなに広くなく エレベーターと奥には階段があった
「あっもしかしてさっきの丸い形って階段ですか?」
「うんそうだよ」
俺と忍さんはエレベーターへ
「拓巳君僕の部屋ここだよ」
忍さんはエレベーターを降りて真ん中のドアの前へ
(いよいよ忍さんの部屋だ・・・)
「どうぞ拓巳君」
忍さんが玄関のドアを開けそう言った
「お邪魔します」
俺はそう言って忍さんの家へと踏み込んだ
玄関を入ると両側にドアがあった
廊下を進むと広い空間があった
「あっ拓巳君気を付けて・・・」
忍さんにそう言われ俺は立ち止まった
横を見るとキッチンがあり 低くなっている空間にリビングが俺は下りた
「忍さんここ凄いですね」
(何この空間スゲー 低くなっているのがまたいい えっぜんぜん散らかってないんだけど・・・)
忍さんはキッチンに立ち俺の方を見ていた
「僕ねここからのながめが好きなんだ テレビも見られるし・・・」
「あれ忍さんどこで寝るんです?」
(まさかこのソファーで寝ないよなぁ~)
「拓巳君僕の家のは上があるんだよ」
忍さんは指をさした
俺が上を見るとまた空間がありハシゴがあった
「えっうそっ」
俺はびっくりして後ずさりながら上の方へと視線を向けた
「忍さんロフトあるんですか?」
「うん」
「スゲーロフトって秘密基地みたいですよね」
(う~登りてぇ~いいなぁ~スゲ~いいじゃん忍さんの家 でも家賃が高そうだよなぁ~ 俺も社会人になったらこんな暮らしが出来るのか?)
俺はソファーに座り部屋を見渡した
(これだけ広いとソファーが置けるんだ クローゼットも大きいなぁ~ 忍さん洋服とかいっぱい持ってそうだし 忍さんの家ってモノトーンなんだなぁ~ 何だか落ち着くホントいいなぁ~)
俺は忍さんが暮らしている様子を想像していた
「拓巳君お待たせ出来たよ」
「あっすいません忍さん手伝いもしないで・・・」
「えっいいよ 拓巳君ごめんね受け取ってくれる?」
俺は忍さんからサラダを受け取り テーブルに乗せ
忍さんから渡された物を次々と受け取りテーブルへ
「うわ~美味しそう」
忍さんはお箸とお茶を持ち下りて来た
俺は部屋の奥に座り忍さんと向かい合って座った
「拓巳君食べよう」
「はいいただきます かつ丼って家でも作れるんですね」
「うん簡単なんだよ」
俺はお箸でかつ丼を口へと運んだ
「うまっ この味店で食べるのと一緒だ・・・」
「拓巳君はお肉の方がいいと思って・・・」
「めっちゃうまいです」
「良かった」
忍さんはお茶を飲んでそう言った
「忍さん凄いですねこの家・・・」
「うん なかなか無いよね」
「俺デザイナーズマンション自体初めて見ました」
「僕が借りた時は新築でね 僕はどこでも良かったんだけど 坂の上でながめも良くてね 僕背が低いからキッチンやロフトから見る景色が凄く気に入ってね」
「わかりますスゲ~わかります 俺も好きです」
忍さんは嬉しそうに笑っていた
俺は美味しさのあまりどんぶりを持ちかき込んでいた
「忍さん 凄く美味しかったです」
拓巳君はそう言ってどんぶりを置いた
「拓巳君たりた?」
「はい十分です 凄く美味しかったです」
「良かった」
忍さんはそう言ってどんぶりを持った
(あぁ~ホントにいいなぁ~忍さんの家・・・ 散らかってるとはどういう?)
「忍さんぜんぜん散らかってないですよね」
「見られたくない物は上にあげたから・・・」
「見られたくない物なんかないと思います むしろ俺忍さんの全部が見たいです 俺忍さんが好きですから・・・」
「ありがとう拓巳君」
そう言って忍さんは笑顔を見せた
(あれ俺今忍さんに告ったんだけど・・・ あれ?)
「あっそうだ拓巳君僕結構拓巳君から借りたブルーレイ見たんだよ」
そう言って忍さんは話を変えた
「あっ拓巳君片付けるね」
忍さんは立ち上がり俺も自分のどんぶりを持ち忍さんに渡した
「ありがとう拓巳君 これ洗っちゃうから待ってて・・・」
「あっ俺洗いますよ」
「大丈夫だよ拓巳君」
そう言って忍さんはお水を出した
(あぁ~びっくりした 拓巳君から好きって言われちゃった・・・)
(やっぱさっきの違う意味でだと思ってるよなぁ~忍さん・・・)
忍さんはキッチンから下りて来た
「拓巳君お待たせ」
忍さんは俺が貸したブルーレイを出した
「続き物はまだこれからなんだけど これはハラハラドキドキしておもしろかったよ」
「あっ俺も好きっす 最後のシーンはスッキリしましたよね」
「そうそう凄い迫力で最後が良かった」
「ですよね」
(凄く楽しい 忍さんと好きな物で話が出来るって・・・)
それから忍さんと俺はブルーレイについていろいろ話た
忍さんと映画の話で盛り上がり時間を忘れていた
「大変拓巳君もうこんな時間」
忍さんの言葉に掛け時計を見て 俺は忍さんに顔を向けた
「拓巳君またおいでよ」
「いいんですか?俺通いますよ」
俺は一気にテンションが上がった
「拓巳君の家とは反対方向だよ」
「それでもいいです俺・・・」
「うんもう少し近かったら良かったね」
「じゃ~俺引っ越します」
「拓巳君嫌だ・・・」
忍さんは無邪気に笑い出した
(あぁ~俺やっぱ忍さんの事好きだ・・・)
「拓巳君忘れ物ない?」
「はい大丈夫です」
「あっ忍さん今度俺と買い物付き合ってもらえますか?」
「えっ僕と?」
「はい」
「いいけど 僕あんまり若者のファッションわからないよ」
「いいんです 忍さんと一緒が」
「わかった 拓巳君駅まで行くね」
そう言って忍さんの家をあとにした
この時はまだあんな凄い出会いをするとは思ってもいなかった
(つづく)
ホームや電車が駅に着くたびにキョロキョロと辺りを見渡していた
(忍さんに会えないと思うと余計忍さんを探してしまう・・・ 偶然忍さんに会えたらスゲー嬉しんだけどなぁ~ あれ以来まったく忍さんに偶然会うなんて事がない 奇跡的な出会いなんだよなぁ~ホント あの時の出会いに感謝しねぇ~となぁ~)
俺はそう思いながらスマホを手に電車に乗っていた
僕は拓巳君が僕の家に来るという事を頭においていた
(困ったどうしよう・・・)
まずは玄関 そんなに靴がある方ではなく軽く掃除をした
トイレの向かい側に洗面所とバスルーム
キッチンはコの字型に囲まれたスペースにあり 階段を2段下りるとリビング
僕はキッチンから低くなったリビングをながめるのが好き
この物件を選んだ1つでもある もう1つは秘密基地みたいなロフト
隠れる様にキッチンの上にあり 小さな窓から朝日や星が見える
ロフトには小さな本棚を置き 僕はそこでお気に入りの本を読むのが大好き
水回りはキレイなものの リビングのソファーには少し大きなぬいぐるみが鎮座していた
それだけにとどまらず 僕がかわいいと思った物がチラホラ置かれていた
(これらを見たら拓巳君はどう思うだろう・・・)
とりあえず僕はスッキリ見える様に少しずつ かわいい物をロフトに上げて置く事にした
(拓巳君ロフトは登らないよね)
僕は毎日少しずつ片付けをしていた
(う~忍さんに会いたい 忍さんの声やかわいい笑顔が見たい でも忍さんの大事な時間を邪魔したくない・・・)
俺はそんな葛藤を続けながら勉強を続け それでも忍さんに連絡を取る事はやめられずラインをする事で我慢をしていた
僕の会社に打ち合わせの為に弘ちゃんが来てくれる
僕が数少ない心を開ける人
弘ちゃんは今大好き人と一緒に暮らしていた
「ねぇ~ねぇ~弘ちゃん」
「何?忍ちゃん」
「来月翔の誕生日だね もうプレゼントは決まっているの?」
「えっ忍ちゃんそれホント?」
「何弘ちゃん知らなかったの?」
「うんぜんぜん知らなかった 俺翔と一緒に住んでるのに翔の事ぜんぜん知らない」
「弘ちゃんこれからたくさん知っていけばいいんじゃない?」
「そうなんだけど どうしよう忍ちゃん翔に何をあげたら喜ぶかなぁ~?」
「翔の欲しい物? そんなの弘ちゃんに決まってるじゃん 弘ちゃんにデッカイリボン付けて出来上がりでしょう 翔は凄く喜ぶと思うよ」
僕はそう言って笑った
「もう忍ちゃん冗談やめてよ・・・」
「あぁ~弘ちゃんは冗談だと思ってる 僕は翔が一番喜ぶ事を言ったのに・・・」
「忍ちゃんごめんでもそれはさすがに恥ずかし・・・」
「そうだね 翔は弘ちゃんが何をあげても喜ぶと思うよ」
そんな事を話ながら仕事をし毎回打ち合わせは終わる
会社での僕はいつも1人で 僕は普通にしているのだけれど
みんなからは見えない分厚い壁を常に感じいた
僕は小柄だし こう言うしゃべり方しか出来ない
僕が第三営業部の部長を任されてから 特にそれは強く感じる様になっていた
そんな僕を弘ちゃんは受け入れてくれて プライベートの話も出来る
僕はそんな弘ちゃんの事をとても大切にしている
家に帰ると僕は殺風景になった部屋のソファーに座った
(やっぱりぬいぐるみが欲しい 上にあげるの早かったなぁ~)
いつも帰ると僕はぬいぐるみに寄りかかる
今ぬいぐるみはロフトにある ロフトに上げるのに苦労をしたので 今さらぬいぐるみを下にはおろせない
(拓巳君がここへ遊びに来るまでの辛抱だ)
僕はソファーから立ち上がり スーツを脱ぎ部屋着に着替えキッチンへ
拓巳君が来たら僕の手料理を食べてもらおうと いろいろ作って試している
(拓巳君は料理が出来るからなぁ~ 僕らしい物を作ってあげたいんだけど 拓巳君はお肉料理の方がいいかもしれないなぁ~)
俺はやっと忍さんに会える日を迎えていた
(やっとだやっと忍さんに会える 忍さんの笑顔にやっと会える長かった~)
俺は忍さんに会えなかった期間 どうしてこんなにも忍さんの事を考えてしまうのか
俺なりに考えていた そしてハッキリと自覚した事がわかった
他の友達にこんな感情を持った事は今までになく
忍さんのかわいいしぐさや笑顔に会いたくなる
年上だとか男の人だとかそんなものは関係なく
俺は忍さんに恋をしているのだとハッキリと自覚した
(忍さんに言ったら困らせるかなぁ~ 年上だし社会人だし男の人だし でもこの想いはもう止められない)
俺はそう思いながら忍さんの家へと向かっていた
僕は改札口の真ん中に立っていた
(ここなら下りて来る拓巳君がわかる もうすぐ拓巳君が来る 僕の家を見て拓巳君がどう思うかなぁ~)
俺は駅に着き出口を探した
(みんな出口に向かってるこっちか・・・ あぁ~ヤベ~忍さんが俺を待ってる)
俺が階段を下りると忍さんが小さく手を振っていた
(あっ忍さんだマジかわいい・・・)
俺は改札口を通って忍さんの前へ
「忍さんお久しぶりです」
(こんなに忍さんって小さかった?)
「拓巳君迷わずちゃんとこれた?」
忍さんはそう言ってかわいい顔を俺に見せた
「はい大丈夫でした」
(ヤベ~マジかわいい・・・)
「拓巳君お昼ご飯まだだよね?」
「はいすいませんバイト終わってすぐに電車に乗ったので・・・」
「そうだよね じゃ~僕が作るから食べて・・・」
「えっいいんですか?」
「拓巳君苦手な食べ物とか何かある?」
「いいえ俺はないです」
「そう きっとお母さんが上手に拓巳君を育ててくれたんだね 拓巳君スーパー行ってくれる?」
「はい」
そう言って俺と忍さんは歩き出した
(うわマジか・・・ 忍さんの手料理 忍さんの家も楽しみなのに何作ってくれるんだろう・・・)
俺は嬉しい気持ちを抑える切れず 忍さんの顔を歩きながら何度も見てしまった
忍さんとスーパーへ行き食材をカゴへ
(ここが忍さんがいつも利用しているスーパーか・・・)
忍さんは迷う事なく次々とカゴに入れ会計を済ませた
「忍さんってあまり迷わないんですね」
「えっ?あっごめんね 拓巳君食べたい物とかあった?」
「いいえ買い物している姿を始めて見て 俺は結構どっちにしようか迷うんですけど 忍さんはスピーディーだなぁ~って・・・」
「あっそうだった? あそこのスーパーはどれも新鮮だから あまりそういう事考えた事ないかも・・・」
そう言って忍さんは笑った
俺は飲み物を持っていた
「拓巳君ごめんね持ってもらっちゃって・・・」
「いいえこのくらい」
久しぶりに忍さんの隣を歩く事に 俺はまた忍さんの顔を見てしまっていた
「忍さんずいぶん急な坂ですね」
「うん僕の家この坂の上だよ」
「忍さん毎日この坂を・・・」
「うんでもねながめが凄くいいんだよ」
忍さんはスタスタと急な坂道を登っていた
「拓巳君僕の家ここだよ」
(えっこれ家なの?)
丸い形の曲線が見え家とはとても思えなかった
「拓巳君こっちだよ」
そう言って忍さんは曲線に沿って進み マンションのエントランスが見えた
「忍さんここは?」
「ちょっとおもしろいでしょう デザイナーズマンションって言う見たい」
そう言って忍さんはオートロックを操作していた
「拓巳君どうぞ」
「はい」
自動ドアが開き俺は前へと進んだ
エントランスはそんなに広くなく エレベーターと奥には階段があった
「あっもしかしてさっきの丸い形って階段ですか?」
「うんそうだよ」
俺と忍さんはエレベーターへ
「拓巳君僕の部屋ここだよ」
忍さんはエレベーターを降りて真ん中のドアの前へ
(いよいよ忍さんの部屋だ・・・)
「どうぞ拓巳君」
忍さんが玄関のドアを開けそう言った
「お邪魔します」
俺はそう言って忍さんの家へと踏み込んだ
玄関を入ると両側にドアがあった
廊下を進むと広い空間があった
「あっ拓巳君気を付けて・・・」
忍さんにそう言われ俺は立ち止まった
横を見るとキッチンがあり 低くなっている空間にリビングが俺は下りた
「忍さんここ凄いですね」
(何この空間スゲー 低くなっているのがまたいい えっぜんぜん散らかってないんだけど・・・)
忍さんはキッチンに立ち俺の方を見ていた
「僕ねここからのながめが好きなんだ テレビも見られるし・・・」
「あれ忍さんどこで寝るんです?」
(まさかこのソファーで寝ないよなぁ~)
「拓巳君僕の家のは上があるんだよ」
忍さんは指をさした
俺が上を見るとまた空間がありハシゴがあった
「えっうそっ」
俺はびっくりして後ずさりながら上の方へと視線を向けた
「忍さんロフトあるんですか?」
「うん」
「スゲーロフトって秘密基地みたいですよね」
(う~登りてぇ~いいなぁ~スゲ~いいじゃん忍さんの家 でも家賃が高そうだよなぁ~ 俺も社会人になったらこんな暮らしが出来るのか?)
俺はソファーに座り部屋を見渡した
(これだけ広いとソファーが置けるんだ クローゼットも大きいなぁ~ 忍さん洋服とかいっぱい持ってそうだし 忍さんの家ってモノトーンなんだなぁ~ 何だか落ち着くホントいいなぁ~)
俺は忍さんが暮らしている様子を想像していた
「拓巳君お待たせ出来たよ」
「あっすいません忍さん手伝いもしないで・・・」
「えっいいよ 拓巳君ごめんね受け取ってくれる?」
俺は忍さんからサラダを受け取り テーブルに乗せ
忍さんから渡された物を次々と受け取りテーブルへ
「うわ~美味しそう」
忍さんはお箸とお茶を持ち下りて来た
俺は部屋の奥に座り忍さんと向かい合って座った
「拓巳君食べよう」
「はいいただきます かつ丼って家でも作れるんですね」
「うん簡単なんだよ」
俺はお箸でかつ丼を口へと運んだ
「うまっ この味店で食べるのと一緒だ・・・」
「拓巳君はお肉の方がいいと思って・・・」
「めっちゃうまいです」
「良かった」
忍さんはお茶を飲んでそう言った
「忍さん凄いですねこの家・・・」
「うん なかなか無いよね」
「俺デザイナーズマンション自体初めて見ました」
「僕が借りた時は新築でね 僕はどこでも良かったんだけど 坂の上でながめも良くてね 僕背が低いからキッチンやロフトから見る景色が凄く気に入ってね」
「わかりますスゲ~わかります 俺も好きです」
忍さんは嬉しそうに笑っていた
俺は美味しさのあまりどんぶりを持ちかき込んでいた
「忍さん 凄く美味しかったです」
拓巳君はそう言ってどんぶりを置いた
「拓巳君たりた?」
「はい十分です 凄く美味しかったです」
「良かった」
忍さんはそう言ってどんぶりを持った
(あぁ~ホントにいいなぁ~忍さんの家・・・ 散らかってるとはどういう?)
「忍さんぜんぜん散らかってないですよね」
「見られたくない物は上にあげたから・・・」
「見られたくない物なんかないと思います むしろ俺忍さんの全部が見たいです 俺忍さんが好きですから・・・」
「ありがとう拓巳君」
そう言って忍さんは笑顔を見せた
(あれ俺今忍さんに告ったんだけど・・・ あれ?)
「あっそうだ拓巳君僕結構拓巳君から借りたブルーレイ見たんだよ」
そう言って忍さんは話を変えた
「あっ拓巳君片付けるね」
忍さんは立ち上がり俺も自分のどんぶりを持ち忍さんに渡した
「ありがとう拓巳君 これ洗っちゃうから待ってて・・・」
「あっ俺洗いますよ」
「大丈夫だよ拓巳君」
そう言って忍さんはお水を出した
(あぁ~びっくりした 拓巳君から好きって言われちゃった・・・)
(やっぱさっきの違う意味でだと思ってるよなぁ~忍さん・・・)
忍さんはキッチンから下りて来た
「拓巳君お待たせ」
忍さんは俺が貸したブルーレイを出した
「続き物はまだこれからなんだけど これはハラハラドキドキしておもしろかったよ」
「あっ俺も好きっす 最後のシーンはスッキリしましたよね」
「そうそう凄い迫力で最後が良かった」
「ですよね」
(凄く楽しい 忍さんと好きな物で話が出来るって・・・)
それから忍さんと俺はブルーレイについていろいろ話た
忍さんと映画の話で盛り上がり時間を忘れていた
「大変拓巳君もうこんな時間」
忍さんの言葉に掛け時計を見て 俺は忍さんに顔を向けた
「拓巳君またおいでよ」
「いいんですか?俺通いますよ」
俺は一気にテンションが上がった
「拓巳君の家とは反対方向だよ」
「それでもいいです俺・・・」
「うんもう少し近かったら良かったね」
「じゃ~俺引っ越します」
「拓巳君嫌だ・・・」
忍さんは無邪気に笑い出した
(あぁ~俺やっぱ忍さんの事好きだ・・・)
「拓巳君忘れ物ない?」
「はい大丈夫です」
「あっ忍さん今度俺と買い物付き合ってもらえますか?」
「えっ僕と?」
「はい」
「いいけど 僕あんまり若者のファッションわからないよ」
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(つづく)
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