この胸の高鳴りは・・・

暁エネル

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スパゲッティ専門店

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翔と弘樹さん俺と忍さんとで輪になり話をしていると大きな声が聞こえた


「翔良く来てくれた」


そこに立っていたのは コックコートがはち切れそうな大きな体格の人


大きな声に背も高く大きな身体に 並んでいるみんながこっちを見ていた


「竹本君も一緒か おやお友達かな?」


そう言いながらコックコートを着た人が俺達の方へ


「翔久しぶりだなぁ~」


「春日またスタッフに怒られるぞ」


翔の言葉通り コックコートを着た人が慌てた様子でお店の中から出て来た


「店長勘弁して下さいよ 厨房大変なんすから急に居なくならないで下さいよ・・・」


「あぁ~わかってるすぐ行くから・・・」


「翔あとでな竹本君も・・・」


そう言ってコックコートを着た人はお店の中へと入って行った


「翔前とまたっく一緒だね春日さん」


「相変わらずだ」


翔と弘樹さんはそう言って笑っていた


「翔今の人は?」


忍さんの問いに翔が答えた


「大きいだろう?学生の頃と少しも変わらないんだ」


「店長さんなの?」


「スタッフの人達にはそう呼ばれているが春日の店だ」


「凄く気さくな感じのする人だね」


「そうだなぁ~ 弘樹も言ってたんだが壁みたい物はない 行動力もありおおらかで頼りになる男だ」


「このお店を・・・ 凄いですね」


「拓巳みたいな若者に人気のお店みたいだなぁ~」


「そうですね 建物も変わってますし若者受けしそうですね」


「拓巳君も十分若者だよ」


忍さんは笑ってそう言ってくれた




(本当に大きな人だった 俺と翔をたしてもおつりがくるぐらい 人柄も凄く良さそうな人・・・)




しばらくして俺達が案内された


「大変お待たせをいたしました お席の方へご案内します」


左右に別れたお店の中へ入ると右側の席へ案内された


店内も広くお客さんが美味しそうに食べていた




(ショーケースがあるケーキも食べられるのかぁ~ 外からのは見えなかったなぁ~)




俺は忍さんの後ろをゆっくりと進んだ


一番奥の4人席へ 翔の前に忍さんが座り弘樹さんの前に俺が座った


スタッフの人がすぐにお水とおしぼりを持って来てくれた


「ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい」


そう言ってメニューを置いてくれた


「ありがとう」


翔の言葉にスタッフの人は嬉しそうに笑っていた




(ここの制服もかわいいなぁ~ だけど入って来た時から凄くみんなこっちを見てる みんな翔の事を見てるんだ)




「何食べようかなぁ~ 弘ちゃんおすすめとかある?」


忍さんがメニューを見ながらそう言った


弘樹さんは翔を見ながら忍さんに視線を送っていた


「翔はハズレがないって 本当にどれも美味しいから迷うよ」


「え~余計に選べないよ」


俺と一緒にメニューを見ていた忍さんはそう言った


「翔は何にする?」


「そうだなぁ~いつもシーフードだからなぁ~ 今日は違う物にするかなぁ~?」


「俺もどうしよう」


翔と弘樹さんの言葉に俺も迷っていた




(俺もパスタは好きで良く作る いろいろな種類があって迷うなぁ~)




俺達はメニューとにらめっこをしていた


「忍さんは決まりましたか?」


「拓巳君どうしようどれも美味しそう」


「ホントですよね 忍さんはどれとどれで迷ってます?」


「和風のもどんなのか気になるし お肉のガッツリのもいいよね」


「じゃ~忍さん俺どっちでもいいんで 両方頼みましょう」


「えっいいの拓巳君」


「はい」


「ありがとう拓巳君」


「いいえ」




(忍さんの嬉しそうな顔がまじかで見れた)




俺は翔と弘樹さんに気づかれまいと 頑張って顔に出ない様にしていた


「忍ちゃん決まった?」


「うん拓巳君が悩んでたのにしてくれたから・・・」


「え~どうしようじゃ~俺カルボナーラにする ホワイトソース食べた事まだないから・・・」


「じゃ~俺はトマトソースのにするか」


翔がそう言って手をあげてスタッフの人を呼んでくれた


「カルボナーラと完熟トマトソース忍達は?」


「あっ僕はボロネーゼと拓巳君は和風スパゲティでお願いします」


「かしこまりました メニューをおさげします」


翔と忍さんがメニューを渡してスタッフの人は行ってしまった


「見事にみんなバラバラになったね」


「僕和風のも食べてみたかったし ボロネーゼも気になってて 拓巳君が和風のにしてくれたんだよ」


「俺は何でも良かったんで・・・」


俺の言葉に忍さんが笑顔になった




(めっちゃ忍さんが近い 今までこんなに近くになった事ってないよなぁ~ 前に座る事はあったけど横にしかも近い・・・)




「翔も言ってたんだけど みんなのシェアしてもいいよね」


「あっそうしようよ いっぺんに4種類のパスタが食べられるってそうないよね」


「そうだね」


弘樹さんと忍さんは笑っていた


「あっそうだパスタで思い出した 拓巳君がこの間ペペロンチーノを作ってくれてね 僕辛いの苦手だって言ったら 拓巳君トウガラシをよけて盛り付けをしてくれたんだよ」


「初めに苦手な物があるか聞けば良かったんですけど・・・」


「ううん 凄く美味しかったよ」


「えっホントですか? ありがとうございます」




(ヤッバッ超~嬉しい・・・ 忍さんに褒められたスゲ~嬉しい・・・)






2人のスタッフがパスタを運んで来てくれた


俺達の前に色とりどりのパスタが並んだ


「うわ~凄いね」


「忍さん俺の和風のから食べた方がいいかもしれません」


「そうだね拓巳君 味が濃い物からよりいいかもしれない」


「翔も弘樹さんも食べて下さい」


忍さんは俺の持ち上げたお皿にフォークを絡めた


「ありがとう拓巳君お先にいただきます」


俺はお皿を翔に渡し 弘樹さんはフォークで和風パスタを絡めフォークを置き 


今度は弘樹さんがお皿を持ち翔がフォークでパスタを絡めた


「拓巳君ありがとう拓巳君も食べて」


弘樹さんはそう言って俺にお皿を返してくれた


「はいありがとうございます」


「うん美味しい」


忍さんの言葉に翔と弘樹さんがうなづいた


俺も和風スパゲティを食べた




(パスタが違う美味しい)




「今度は弘ちゃんのカルボナーラかいいなぁ~」


「いいよ忍ちゃん」


弘樹さんはそう言って忍さんにお皿を渡した


俺はお皿を支えた


「拓巳君先に食べて・・・」


「ありがとうございます」


俺はフォークをお皿へ忍さんもカルボナーラを食べた


「それじゃ~弘樹は俺の・・・」


「あっありがとう翔」


弘樹さんはそう言って翔のパスタを貰っていた


「弘ちゃんの凄く濃厚だよ」


忍さんの声に俺が思わず答えた


「パスタにしっかりとホワイトソースが絡んでますね」




(本当に凄く濃厚なソースだ一気に食べてしまいそうな・・・)





お皿は弘樹さんの前に戻り 翔と忍さんのパスタも交換され 


俺も翔のトマトソースを食べたあと 忍さんのボロネーゼを食べた




(トマトソースも凄くいい味だ ボロネーゼも良くソースが絡む パスタに秘密があるのか?)




みんなが一通りパスタを食べ終え 翔がポツリと言った


「弘樹のカルボナーラが俺は良かったかなぁ~」


「あっ翔僕も 僕も弘ちゃんのカルボナーラが凄く美味しかったよ」


「俺もです」


俺はそう言って忍さんを見た


弘樹さんもカルボナーラを一口食べた


「うんそうかもしれない」


「でしょう凄く濃厚だよね」


忍さんが嬉しそうにそう言った




それぞれのパスタを食べすすめ また大きな声が聞こえて来た


「どうだったかなぁ~」


俺達のテーブルにさっきのコックコートの人がやって来た


「凄く美味しかったです」


「そうだろう竹本君 お友達はどうだったかなぁ~」


そう言って忍さんへと顔を向けた


「はいとても美味しかったです」


そして俺の方へと顔を向けた


「本当にどれも美味しかったです」


「そうかそうか やっぱり美味しかったかぁ~」


「で 翔はどうだったんだ?」


そして翔に視線を移した


「変わらずだ」


「そうなんだ 定番メニューは変わらない味 しかしそれだけではお客さんは飽きてしまう 難しい所なんだなぁ~これが・・・」


「これだけお客が入っているなら 満足させられてるんじゃないのか?」


「そうなんだありがたい事になぁ~ あっそうだ竹本君また好きなケーキ持ってってよ」


「ありがとうございます」


「じゃ~な翔また顔を見せてくれて・・・」


「あぁ~春日さんもあまり無理するなよ」


「翔は相変わらず優しいなぁ~」


「そんな事を言っても何も出ないぞ」


「翔は相変わらず面白いなぁ~」


「どっちなんだよ・・・」


翔の言葉に大きな声で笑って会計用紙を持って行った




(凄く翔と仲がいいんだなぁ~ 学生の時の友達だって言ってたっけ・・・ 長い付き合いなんだなぁ~)




俺は翔と店長とのやり取りにそう思っていた




「僕ちょっとトイレに行って来るね」


そう言って忍さんが立ち上がった


「あっ忍ちゃん場所わかる?」


「うん大丈夫」


そう言って忍さんは行ってしまった




(これはチャンスなのかもしれない 弘樹さんに忍さんの事を聞く・・・)




弘樹さんは翔に紙ナフキンを渡した


「ありがとう弘樹」




(凄くさりげなく弘樹さんは翔に渡してた 阿吽の呼吸って言うのかなぁ~ 何か凄いなぁ~俺も忍さんにあんな風に出来たらいいなぁ~)




俺が言い出す前に弘樹さんから聞かれてしまった


「拓巳君」


「はい」


俺は真っ直ぐ弘樹さんを見ていた


「俺は仕事でもプライベートでも 忍ちゃんが大事な存在だから 忍ちゃんに嫌な思いをさせないでほしいただそれだけ・・・」




(えっどうしよう何て言えばいい・・・ 弘樹さんと忍さんは凄く気が合うのは見ていてとても良くわかる 俺が忍さんと関わるなとは言わなかった 嫌な思いって?)




俺の頭がパニックになっていた


忍さんの姿が見えたらしく弘樹さんは立ち上がった


「あっ忍ちゃんケーキ見に行こうよ」


「うん」


そう言って弘樹さんは忍さんとショーケースの前へ


俺は翔に話をした


「翔 弘樹さんは何であんな事を・・・」


「忍の事が心配なんだろう・・・」


「弘樹さんに俺は嫌われたんでしょうか?」


「弘樹は忍と仲がいいからなぁ~」


「嫌な思いって俺忍さんの事・・・」


「忍が傷つかない様にって事だろう 弘樹は拓巳に言いたかった事は・・・」


「はいそれはもう・・・ だからこれから翔にも相談したいと・・・」


「あぁ~待ってる」


「ありがとうございます」




(凄く聞きたい事がたくさんある だけど焦って忍さんを傷つけてしまう事だけは避けたい 弘樹さんにも相談にのってもらった方が本当はいいんだけど・・・ それは難しそうだ・・・)





僕と弘ちゃんはショーケースの前でケーキを見ていた


「弘ちゃんはどれにする?」


「俺今回はいいや でもこの間貰って翔と食べたら凄く美味しかったよ」


「春日さんケーキも作ってるの?」


「違うみたい 知り合いの人が作っていて 場所だけ貸しているって聞いたよ」


「そうなんだ・・・ 迷うねどれにしよう拓巳君はどれがいいのかなぁ~?」


僕はショーケースのケーキを端から順番に見ていた




(拓巳君はどんなケーキがいいんだろう迷うなぁ~ 拓巳君今日買い物出来なかったしなぁ~)




僕はスタッフの人にケーキを入れてもらってテーブルへ


「拓巳君ケーキもらったよ」


俺は忍さんの嬉しそうな顔に何も言えなかった


「弘樹はもらわなかったのか?」


「うん 今日はお腹いっぱいだから・・・」


「そうか それじゃ~行くか」


俺と翔は立ち上がりスタッフの人が声をかけて来た


「お帰りですか?」


「はい ごちそうさまでした」


「またぜひいらしてください」


「はい寄らせていただきます」


翔はスタッフの人にそう言って俺達はお店を出た


忍さんがお腹を触りながらこう言った


「お腹いっぱいだね」


「忍ちゃんはケーキも食べるんだ・・・」


「あぁ~弘ちゃん甘い物は別腹なんだよ」


「それ女子だけでしょう」


「弘ちゃんだって・・・」


そう言いながら忍さんと弘樹さんは笑っていた




(本当に仲良しだなぁ~ 俺も忍さんを笑顔にしたい・・・)





翔の車に乗り込み俺はまた忍さんの隣へ


「本当に美味しかったね並ぶかちはあったよ ケーキまで貰ってきちゃった」


忍さんは嬉しそうにそう言った


「そうだね忍ちゃんまた来ようね」


「うん来よう」


「シートベルトしめたか?」


「うんいいよ翔」


車はゆっくりと走り出した


すっかり日も暮れて車のヘッドライトがまぶしく光っていた


「拓巳君疲れちゃった?」


「いいえ 凄く美味しかったです」


「そうだね また連れて行ってもらおうね」


忍さんの優しい顔に何も言えなかった




車は進み翔が忍さんに聞いていた


「忍 忍の家で降ろせばいいのか?」


「あっうん僕の家で大丈夫拓巳君も・・・」




(えっまた忍さんの家に行けるの俺・・・ 翔は忍さんのマンションを知ってるんだ・・・)




俺は忍さんに顔を向けるのを我慢していた


やがて忍さんのマンションに到着した


「翔今日はありがとう」


そう言って忍さんはシートベルトをはずした


「弘ちゃんはまた会社で待ってるね」


「うん」


「翔弘樹さん今日はありがとうございました」


「あぁ~拓巳も気を付けて帰れよ」


「はい」


そう言って俺と忍さんは車を降りた


翔の車が行ってしまうと 俺は忍さんのマンションを見上げていた



(つづく)


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