この胸の高鳴りは・・・

暁エネル

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俺の告白

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注文したラーメンがテーブルへ


「凄くいい香りだね 拓巳君の凄い・・・」


俺の前に置かれたラーメンは チャーシューが器からはみ出し並々とチャーシューが乗っていた


「めっちゃうまそうっす」


テーブルにあるお箸を忍さんが取ってくれた


「拓巳君はい」


「ありがとうございます」


「食べよう」


「はいいただきます」


「いただきます」


俺はチャーシューを2枚重ねて口へ


忍さんはレンゲでスープを飲んだ


「熱い」


「忍さん大丈夫ですか?」


忍さんが口元を手で押さえていた


「うん大丈夫 凄く美味しい」


「チャーシューもめっちゃうまいっす」




(そう言えば忍さんラーメン屋あまり入らないって・・・)




「忍さん」


「ううん何?」


「忍さんラーメンってあまり食べないんすか? ラーメン屋はあまり入らないって お昼ご飯とかどうしてるんですか?」


「ラーメンは好き お昼ご飯は僕社員食堂で食べてるよ」




(そうか大きな会社って社員食堂があるんだ・・・)




「ラーメン屋に限らず 僕こうしてお店に入って食べるの苦手」




(えっ苦手? 苦手ってどういう事?)




「忍さんすいません 俺わかんないです」


「あっごめんねそうだよね 僕食べるのが遅いし注文もすぐに出来なくて お店の人に迷惑かなぁ~って・・・」


「えっそれでお店に入らないんですか?」


「うんだってね みんな注文もそうだし凄く早く食べるんだよ 時間がないのはわかるけど 僕が新人の時は凄く大変だった 食べるのも早いしお店に入ったらすぐに注文するし 僕には出来ないよ」


「でも忍さんは営業ですよね 外回りとか・・・」


「そう凄く困る だからなるべく午後に出る様にしてる あっでもこの間午前中にどうしても外回りに行かないとならなくなっちゃってね その時は取引先の人とお昼ご飯食べる予定だったんだけど ダメになっちゃってね凄く困っていたら 偶然弘ちゃんに会った時があってね」


「えっそんな事あるんですか?」


「僕も弘ちゃんもびっくりしたんだよ」


忍さんはラーメンを食べながら嬉しそうに笑っていた


「あっそれでね弘ちゃんと一緒にお店に入ってお昼ご飯を食べたんだ」


俺はラーメンを食べ終わり 忍さんはレンゲでスープを飲んだ


「弘ちゃんにも言われたんだけどさぁ~ お客なんだから堂々と食べたらいいって でもやっぱり僕は1人でお店に入る勇気がなくてね」


俺は黙って忍さんの話を聞いていた




(忍さんらしいって言うか そういう所もめちゃくちゃかわいい 1人でお店に入れないとかヤバッ)





「じゃ~忍さん俺と一緒に入りましょう 忍さんの行きたいお店 俺忍さんと一緒に行きたいです調べますよ俺」


「拓巳君ありがとう それじゃ~今度お願いしようかなぁ~」


「任せて下さい」


忍さんはお箸を置いてお水を飲んだ


お店の中にお客さんが入って来た


「忍さん出られますか?」


「うん大丈夫出よう」


俺と忍さんはラーメン屋を出た


「もう夕方なのにまだ明るいね」


「そうですね 忍さんちょっと歩かないですか」


「うんいいよ」


忍さんはカメのぬいぐるみを袋ごと抱きかかえていた


俺と忍さんは公園の中へ


「凄いね こんなに木があると空気が違うね セミがまだ鳴いてる」


「忍さんは虫とか大丈夫なんですか」


「大きいのは苦手かなぁ~ てんとう虫ぐらいなら・・・」


忍さんは木々を見ながらそう言った


「こういう所なかなかないっすよね」


「そうだね」




(良かった・・・ 忍さんとゆっくり話せそうだ)




「忍さんすわりませんか?」


「うんそうだね」


俺と忍さんは石で出来た丸い形の椅子に腰をおろした


忍さんはカメのぬいぐるみを抱いたまま座っていた




(そうだ今朝の事ちゃんと拓巳君に・・・)




「拓巳君今日はありがとう」


「えっいいえ」




(何の事だ?)




俺は忍さんと向かい合う様に座っていた


「急に電車が止まって 僕はどうしたらいいのかわからくなってたから・・・」




(あぁ~朝の事か・・・)




「当然です 誰だって戸惑います」


「でも拓巳君すぐに電話に出てくれたでしょう」


「それは忍さんから 電車が緊急停止したって連絡をもらってたんで それからの電話だったんで すぐに電車からおりました 忍さんに何あったんだと思って・・・」


「そのあとの拓巳君の行動力が凄くて 拓巳君が僕の所へ来てくれるって言ってくれた時 僕凄く嬉しかった」


忍さんはぬいぐるみに埋もれる様に 顔を下に向けてそう言った





(あぁ~下を向かないで忍さん)




「でも良かったですすぐにタクシーに乗れて 俺も降りた事がなかった駅で もう少し大きな駅でタクシーに乗れば良かったかなぁ~って 危うく忍さんを凄く待たせてしまう所でした」


忍さんは首を振った


「タクシーも予定よりも早く着きましたし・・・」


「そうだったよね 拓巳君からもうすぐ着きますって電話が来て驚いたもん」


「暑かったのでタクシーで水族館まで行かれて結果良かったです」


「水族館もゆっくり見られたね」


「はいイルカショー凄かったですね」


「うんあんなに高くジャンプ出来るんだって感動したよ 水の中をあんなに自由に泳げたら気持ちいいだろうなぁ~って・・・」


「そうですね・・・ ちなみに忍さんって泳げたりするんですか?」


「うん人並みにだけどね でも海では泳いだ事はないよ 海って波があるでしょう怖いよね」


「あっ俺も海では泳いだ事はないです って言うか夏の海って俺行った事がないです 海を見に行った事はあるんですけど」


「えっ誰とかなぁ~?」


そう言って忍さんは笑っていた


「忍さん聞いてもいいですか?」


「ううん何?」


「忍さん俺がまだ忍さんの事をそんなに知らなかったら そのぬいぐるみを諦めていましたか?」


「うんそうだね 多分この子は僕の膝の上には居なかった」


「我慢をしていたって事ですよね」


「うんそうなるのかなぁ~」


「忍さん奇跡や偶然で溢れてますね この間翔や弘樹さんに偶然ショッピングモールで会って俺は友達が出来ました 忍さんの家に偶然行く事が出来て忍さんの事がまた少し知る事が出来た 忍さんは今ぬいぐるみを抱いている これみんな繋がってますよね」


「うん不思議だね」


俺はふと上を向いた


「忍さん見て下さい」


俺は指をさした


雲が夕焼けに照らされて オレンジに染まっていた


「拓巳君キレイだね」


「はい ずっと見てられますね」


俺と忍さんはオレンジ色に染まった雲を見ていた




「忍さんは夏休みお盆とか実家に帰られるんですか?」


「僕実家に帰った事ない」


「えっ帰らないんですか?」


「うん僕の家はちょっと特殊でね」




(忍さん前にもそんな様な事言ってたなぁ~)




「拓巳君は?」


「俺帰ります 地元の友達とかにも会いたいんで・・・」





(そうだよね 拓巳君は普通の家に育ち愛されて育った 僕とは違う・・・)




夕焼けが沈みだんだんと暗くなってきた




(今日俺はちゃんと忍さんに俺の気持ちをわかってもらうそう決めて来た 初っ端出鼻くじかれた形になったけど 忍さんの俺への評価は良かった 聞いてもらうだけでいい素直に言おう 焦らず忍さんに嫌われたら本末転倒だ)




「忍さん聞いて下さい 初めに言っておきます 俺忍さんが好きです」


「拓巳君ありがとう」


忍さんは前と同じ様に俺に笑顔を見せた


「忍さんが思っている好きは 俺の忍さんに向けた好きとは違います」


「俺 来年就活で忍さんとこんなにゆっくり会う事が出来なくなると思うんです」




(ちょっと待っていきなりどうしたの拓巳君)




忍さんは驚いた顔を俺に見せていた


「忍さんからの返事は今は要らないです 忍さんとは俺長い付き合いで居たいんで 今は俺の話を聞いていて下さい 俺は忍さんと出会ってから忍さんの事ばかり考える毎日で 気が付くと忍さん今何してるのかなぁ~とか 仕事頑張ってるのかなぁ~とか 忍さんの事毎日思う自分が居て 忍さん俺ねこんな事始めてなんです 誰かの事を思うなんて事が 大学の友達に相談したりもしました みんな口をそろえて恋だと言っていました 始めて電車の中で忍さんを見かけた時は確かに女性なのかもって思いましたが やっぱり忍さんは男の人で でも忍さんに会うたびに忍さんの事をかわいいと思う自分が居るんです」


「拓巳君は年上の人とあまり話をする機会が 今までそんなになかったからじゃない?」


「それも少しはあるのかもしれません でも忍さんが俺かわいくて仕方ないです 年上の人に失礼なんですけど 会うたびに忍さんがどんどんかわいく見えてきて 今日だって俺・・・」


忍さんは真っ直ぐ俺を見て話を聞いてくれた


「俺翔や弘樹さんに会って驚きました それと同時に確信したんです 忍さんは男だけど俺が好きになってもいいいんだって 偶然翔や弘樹さんに会ったのは 俺にとっての宝と言ってもいいくらいの出会いでした 忍さん全て繋がっていると思いませんか?」





(どうしよう僕このままだったらきっと拓巳君の事を・・・)





「拓巳君はどうしたいの?」


「わかりません でも俺忍さんを思っている時は凄く幸せで もちろん忍さんとこうして会う事もですけど」


「僕も拓巳君と一緒に居ると凄く楽しいよ 僕の事を変な目で見ないし 僕の事を受け入れてくれて凄く嬉しかった でもね」


忍さんはまたそう言ってぬいぐるみに顔をうずめた


「忍さん俺は今のままの関係を続けて行きたいです 忍さんの事ももっと知りたいですし 忍さんと思い出をもっとたくさん増やしたい でも来年は俺就活しないとならなくて こんなに忍さんと会える機会が減る それに俺が耐えられるのか だって忍さん・・・」




(ここで焦っては忍さんを追い詰めるだけだ 忍さんの答えを聞きたい訳じゃないけど安心材料が欲しい)




「僕も就職活動はそれなり大変だったよ だから拓巳君の力に少しはなれると思う 僕の時とは違うかもしれないけど 社会人としてのアドバイスは出来ると思うよ」



「忍さんありがとうございます」


俺は嬉しさのあまり大きな声を出してしまい 忍さんに笑われてしまった


辺りは薄暗くなっていた


「拓巳君帰ろうか」


「はい」


俺と忍さんは駅に向かって歩き出した


「あっ忍さん俺実家に帰るのでバイト休めなくなるんです」


「そうなんだ・・・」


「おみやげ買って来ます だから俺が帰って来たらまたこうして会ってもらえますか?」


「うんわかった」


「ありがとうございます」


俺は忍さんに頭を下げた


「やめてよ拓巳君」


そう言って忍さんは笑っていた





(良かった俺なりに自分の気持ちを忍さんに言えた)





(どうしよう・・・ 僕はどうしたら・・・)




俺と忍さんは駅へ


「忍さんラインします」


「うん気を付けて行って来てね 拓巳君今日はありがとう」


「いいえこちらこそ おみやげ楽しみにしてて下さい」


「じゃ~ね拓巳君」


そう言って忍さんはカメのぬいぐるみを抱えて小さく手を振った




(やっぱ忍さんはかわいい)




(つづく)



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