この胸の高鳴りは・・・

暁エネル

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お泊まり③

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俺と忍さんは朝ご飯を食べ終えた


「凄く美味しかったよ拓巳君」


「またいつでも作りますよ」


「ありがとう拓巳君 コーヒー飲む?」


「あっはい いただきます」


「それじゃ~コーヒーカップ洗うね」


そう言って忍さんは立ち上がった


「あっ忍さん俺が洗います」


俺と忍さんは食べ終わった食器をキッチンへ


俺が洗い 忍さんはコーヒーの準備をした


俺は洗い終わったコーヒーカップを忍さんに渡した


「いい香りですよね」


「うん 拓巳君座ってて持って行くから・・・」


「そうですか じゃ~待ってます」


俺はぬいぐるみとの間を開けてソファーに座った


忍さんが両手にコーヒーカップを持ち俺の前へ


「拓巳君どうぞ・・・」


「ありがとうございます」


そう言って俺は忍さんからコーヒーを受け取り 忍さんは俺の隣へと座った


「忍さん」


「ううん?」


「忍さんはもしかして 急いで俺の貸したブルーレイ見たとかはないですか?」


拓巳君からの質問に僕はドキっとしてしまった


「どうして?」


「すいません忍さん あの時ちょっと忍さんの様子がおかしかったの思い出して・・・」


俺はテレビ下の空間が気になり


忍さんと俺が貸していたブルーレイの話をしていない事も思い出していた


「忍さん?」


忍さんはコーヒーカップをテーブルに置いた


「ごめんね拓巳君 見るには全部見たんだよ 拓巳君に早く返したかったのは事実でね あの時は・・・」


「俺とはもう会わないつもりだった」


俺もそう言ってコーヒーカップをテーブルに置いた


「だって拓巳君は・・・」


そう言って忍さんは顔を上げ 俺は忍さんのくちびるを重ねた


忍さんの柔らかい舌を絡ませ俺は忍さんから離れた


「拓巳君」


「今度は一緒にここで見ましょう俺持って来ます 忍さんと一緒に見て映画の話したいです」


「ありがとう拓巳君」


「忍さんそろそろ出掛けませんか? これ以上忍さんが近くに居ると また俺忍さんを裸にしてしまいそうです」


俺はそう言ってソファーから立ち上がった


「そうだね 天気も良さそうだし・・・ あっ拓巳君洗濯物忘れてた僕干して来る」


そう言って僕は洗面所へ洗濯物をカゴに移した


「忍さん洗濯物ってどこに干すんですか?」




(ベランダってあるのか? 見た感じなさそうなんだけど・・・)




忍さんが洗濯カゴを持ち廊下に出て来て俺の方へ


「拓巳君上に干すんだよ」


そう言って忍さんは人差し指を上へ




(上って?どこだ?)




忍さんはロフトに登った


僕はロフトの布団を整え 一段高くなったキッチン上のスペースへ


小さなステンレスの物干し台を出し 洗濯物を並べて干した




(これでいいかなぁ~)




俺は窓際までさがって忍さんの様子を見ていた




(あそこをあんな風に使うんだ さすが忍さん・・・)




忍さんがロフトからおりてきた


「良かった思い出して・・・」


「あそこに干すんですね」


「うん バスルームに乾燥機能はあるんだけどね」


そう言って忍さんは笑っていた




忍さんはクローゼットを開け 洋服に着替えているうちに 


俺はキッチンへ行きコーヒーカップを片付け 冷蔵庫の中身をチェックした


「拓巳君お待たせそれじゃ~行こうか」


「はい」


俺と忍さんはマンションを出た


「いい天気だね」


忍さんはそう言ってスマホを取り出し アプリの地図を開き俺に見せた


「拓巳君住宅街見たいだよ 公園とか近くにあればいいんだけど・・・」


「ぶらぶら歩くのもいいですよね」


「それじゃ~適当に歩いてみる?」


「はいそうしましょう」


そう言って俺と忍さんは歩き出した


「本当にいい天気だね」


「そうですね」


「拓巳君はいつも敬語だね」


「ダメですか?」


「ううんそうじゃなくて 拓巳君が疲れないかなぁ~ってちょっと思っただけ 僕と2人で居る時はタメ語でもいいと思って・・・」


「それはダメだと思います 別に疲れるとか忍さんが年上だからとかじゃ~なく 俺すぐ甘えが出ると思うんです 忍さんと2人居る時だけにはならず 翔や弘樹さんの前でも忍さんにタメ語で話てしまう 忍さんはそんな俺の事を多分嫌いになりますし それは翔や弘樹さんも同様だと思います 俺にとっての忍さんはいつまでも 雲の上の人でやっと抱きしめる事が出来た その事を忘れたらダメなんです だから敬語でいないとダメだと思うんです すいません忍さん」


「拓巳君がそんな風に思ってたなんて知らなかった」


「すいません忍さん 他人行儀みたいですよね」


「ううん 拓巳君しっかりしてるなぁ~って 雲の上の人は言い過ぎだけど・・・」


「その気持ちは忘れたくないんですが 忍さんのかわいい姿を見ると俺が抑えられなくなって 忍さんをめちゃくちゃにしたくなります 実際してしまっていると思います だからせめて言葉だけでもと・・・ 俺もまだまだ俺の知らない忍さんが居ると思います これからたくさん忍さんの事を知っていきたいです」




(だから拓巳君だけだよ 僕の事をそんな風に見てくれるの・・・)




「僕ももっと拓巳君の事をこれから知っていきたい せめて言葉だけでもって凄いね・・・」


「そんなんじゃないですよ忍さん 俺はただ忍さんに嫌われない様に必死なだけです」


「僕は拓巳君の事を嫌いならないよ」


「でもこれから長い人生を共にしていく訳なので ケンカもすると思います多分します その時はとことん話し合いましょうね 忍さんもう逃げないで下さいね」


「拓巳君 長い人生って・・・」


僕は拓巳君の言葉に驚いて拓巳君を見た


「あっ言葉通りです」




(ヤベ~この話はまだするべきではなかったつい口が滑った・・・)




俺は違う話ではぐらかそうとキョロキョロと辺りを見ていた


「忍さんこの辺迷路みたいですね おもしろい・・・」


拓巳君はそう言って笑っていた




(拓巳君の長い人生って僕も一緒にって事?)




「忍さん この坂って忍さんのマンションと同じですかね」


拓巳君は入り組んだ坂道を指さしていた


「行ってみましょうか おもしろそうです」


家の間の細い坂道を2人で歩いた


「本当に迷路みたいだね」


「おもしろいですね 忍さんあれ電車ですよね」


拓巳君が上に向かって指をさし 僕も同じ方向を見ると電車が通っていた


「凄い拓巳君頭の中に地図が入っていたの?」


「いいえ 何となくこっちの方かなぁ~と・・・」


「僕1人だったら迷子になってたよ」


忍さんは笑いながらそう言った


「そんな事ないですよ 今はほら強い味方スマホがあります」


俺はポケットからスマホを取り出した


「そうだね でも僕あまりスマホを使いこなせてないかなぁ~」


忍さんは自信がなさそうに笑っていた


俺と忍さんは家と家との坂道をおり高架下へ


「高架下って公園になってるんだね 知らなかったよ」


「そうですね 俺ん家の方は駐輪場になってます」


「そうなんだ・・・」


俺と忍さんは誰も居ない公園を見ながら歩いていた


「拓巳君 あそこに見えるドラックストアだよ 行っていい?」


忍さんが指をさしてそう言った


「あっ俺も歯ブラシとか もうそろそろなくなりそうな物もあるので・・・」


「えっ 何がなくなりそうなの?」


忍さんが俺に顔を向けた


「あっ え~っと昨夜使って・・・」




(ズバリ言った方がいいのか?)




(拓巳君は何を・・・)




僕は昨夜と言った拓巳君の様子に恥ずかしくなり下を向いた


「拓巳君ありがとう 僕の為に用意してくれてたの?」




(忍さんがわかってくれた・・・)




「あっだって・・・ どう考えても忍さんのダメージが凄いって言うか・・・ そうじゃなくても忍さんが・・・」


「ありがとう拓巳君」


忍さんは下を向いたままそう言った




(あぁ~もっと違う場所でこういう話をするべきだ こんな青空の下でする話じゃねぇ~)




(そうだよ拓巳君が用意してくれたんだ 僕の身体の事を気遣って・・・)




「すいません忍さん一緒に選んでもらってもいいですか?」


「えっ」


忍さんは俺の方に顔を向けまたすぐに下を向いてうなづいた




(あぁ~忍さんを抱きしめたい 忍さんの小さな身体を包み込んであげたい)




俺はそう思いながら忍さんとドラックストアへと入った


俺はお店のカゴを持った


忍さんは真っ直ぐ歯ブラシ売り場へ


「拓巳君ごめんね マグカップは用意したんだけど・・・」


「いいえ忍さん好みとかあるじゃないですか」


俺は歯ブラシをカゴへ


「あのマグカップって? 忍さんが選んでくれたんですか?」


「あっもしもって思って・・・」


「えっどういう事ですか?」


「ずいぶん前の事・・・ 拓巳君洗剤見てもいい?」




(まだ拓巳君に話をしてなかった うまくごまかせたかなぁ~)




(忍さんはずいぶん前って・・・)




忍さんが洗剤をカゴに入れた


「拓巳君こっち」


俺は忍さんの後ろを歩きその売り場へ




(やっぱスゲ~種類がある忍さんが選んでくれると助かるんだけど・・・)




忍さんはローションをカゴへ


「忍さんはどれがいいと思いますか?」


「こういうのって恥ずかしね」


そう言いながら忍さんが箱を取った


「拓巳君も買った時はドキドキしたよね」


「はい 初めてだったので・・・」


忍さんが箱をカゴへ


「ありがとうございます忍さん」


俺と忍さんは会計を済ませドラックストアを出た




(あぁ~良かった忍さんが選んでくれて・・・ こういう時の忍さんは凄くカッコイイ・・・)




(凄くドキドキしちゃった・・・ 適当に選んでしまったけど大丈夫だったかなぁ~ だってあんな所ずっとなんか居られないよ)




「忍さん今夜は何食べますか?」


「そうだね何かあたたまる物がいいね」


俺と忍さんはスーパーへと向かって歩いていた


「あっ拓巳君僕クリーニングを持って来るのを忘れてた・・・」


「取りに帰りますか?」


「えっいいや明日で預かり伝票も忘れちゃったし・・・」


「そうですか」


「うん明日拓巳君が帰る時で大丈夫」


忍さんは少し笑ってそう言った




(そうだ拓巳君は明日帰ってしまう・・・)




(忍さん・・・)




俺と忍さんはスーパーへ俺はカゴを持ち野菜を見ていた


「忍さんあたたまる物って・・・」


「拓巳君うどんとかどうかなぁ~?」


「いいですねうどん 鍋焼きうどんみたいにいろんな物入れたら・・・」


「鍋焼きうどん」


忍さんがそう言って嬉しそう俺の顔を見ていた


「忍さん好きですか?」


「好き うどんが味にしみていて凄く美味しいよね」


「じゃ~鍋焼きうどんにしますか」


「うん凄く楽しみ・・・」


忍さんの笑顔がとてもかわいく 


俺はあれこれと鍋焼きうどんにのせる物を考えていた



(つづく)


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