悠と榎本

暁エネル

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期末テスト①

今日も 太陽が眩しい もうすっかり夏の日差し


僕は 畳の部屋から 外を眺めていた


中間テストが終わってから 榎本は毎日 部活で忙しく 榎本の家にお邪魔をする事は なくなってしまっていた



「お母さん いってきます」


「あっ 悠 お母さん 今日 ちょっと遅くなるかも 夕食までには帰るから 心配しないで」


「うん 分かった いってきます」


「いってらっしゃい」




(今日から 期末テストの1週間前だけど・・・ 榎本は 部活があるかもしれない)




僕は そう思いながら 学校へと向かった





「ねぇ~ いつになったら 悠君 うちに来んのよ・・・」


母ちゃんは 中間テストが終わってから そればっか俺に言う


「母ちゃん・・・ 俺だって 悠を呼びたいよ でもさぁ~ 練習試合とか 部活で忙しいんだよ 俺だって」


「そんなの 正臣の都合でしょう・・・ 母ちゃんは悠君が 来てくれたらそれでいいのよ」


「悠が 1人で母ちゃんの相手なんか 出来る訳がねぇ~じゃん・・・ いってきます」


俺は 母ちゃんにそう言って 玄関のドアを閉めた




(悠のおかげで 自分でもびっくりするくらい 中間テストの結果は良かった・・・ マジ 悠のおかげだ・・・ 母ちゃんじゃ~ねぇ~けど やっぱり 悠とゆっくり話してぇ~ 学校で毎日 悠の顔は見れっけど やっぱ みんなも居るし 距離も感じる・・・)



今日は 俺が来るタイミングで 隆がちょうど来た


「正臣・・・ ちゃんと勉強してんだろうなぁ~ 今日から部活ねぇ~から・・・」


「えっ そうなの? 何で?」


「正臣・・・ 期末テストの1週間前なんだよ・・・ 中間テストが良くても 期末テストが悪かったら 台無しなんだからなぁ~ オフサイドで ゴールが無しになる様なもんだからなぁ~」


「隆 分かりやす・・・ でも大丈夫だ 俺には 悠が居る・・・」


「正臣・・・ 高橋に頼り過ぎじゃ~ねぇ~のか? 高橋だって そんなに 暇じゃ~ねぇ~だろう・・・」


「何・・・ 隆も一緒に勉強する?」


「俺は そんな事を言ってんじゃねぇ~」


隆は怒り 俺は 笑っていた




(今日から部活がねぇ~のか・・・ また 悠は 俺ん家来てくれんのかなぁ~)




隆と教室へ 悠はいつもの様に 委員長と副ちゃんと話をしていた


「あっ 榎本君 大塚君 おはよう」


副ちゃんが 俺と隆に気付いて 挨拶をしてくれた


「委員長 副ちゃん おはよう」


俺は早速 悠の所へ


「悠」


「榎本 おはよう」


俺は 悠の机の横に しゃがみ込んだ



(榎本の顔が近い・・・)



僕は 少しドキドキして 榎本の事を見ていた


「悠 今日・・・ 俺ん家来て・・・」


「うん・・・ 行く」


僕は 小さな声で そう言った




(ヤベー 悠がかわいい)




「何々・・・ 榎本君と内緒話・・・」


そう言って 副ちゃんが僕の方を見ていた


「高橋 気を付けろよ・・・ 正臣はまた高橋に 勉強見てもらう気だぞ・・・」


大塚君も 振り向いて そう言った


「悠 頼むよ・・・ お願い・・・」


俺は 悠に手を合わせた


僕は 3人に見られ どうしたらいいか 分からず 榎本にうなずき 榎本は 嬉しそうに笑っていた




チャイムが鳴り 榊先生が教室に入って来た


今日から 期末テストの1週間前で 職員室の出入りは禁止となり


僕も 放課後の居残りは 出来なくなった




(久しぶりだ 榎本の家に行くのは・・・)




僕は 少しドキドキしながら 先生の話を聞いていた




放課後になり 榎本が急いでいる様子で 僕の所へ来た


「悠 帰ろう」


「隆・・・ 悠と急ぐから・・・」


「あぁ~ 分かった」


僕は 慌ててカバンをかかえ 榎本を追いかけた




(榎本は 何をそんなに急いでいるんだろう・・・)




榎本は 階段の所で 僕を待っていてくれた




(誰も 邪魔されたくねぇ~ 悠との時間を・・・ あとは 母ちゃんだけだ・・・)




「悠 急がせて ごめん・・・」


「えっ いいよ・・・ 大丈夫」


昇降口にもまだ そんなに生徒は居なかった


僕は榎本と校門を出た




(この辺でいいかなぁ~ 母ちゃんが帰って来ると 話出来なくなるし・・・ やっぱ 悠に聞きてぇ~)




「悠 ちょっと 話いいか」


「えっ うん 何?」




(なんだろう・・・ ちょっと 怖い・・・)




「悠・・・ その・・・ 俺がした事 悠は 気持ち悪いとか思わなかった?」




(今さらかもしれねぇ~けど・・・)




榎本は 真っ直ぐ僕の事を見て そう言った


僕は 榎本の目を離せないまま 答えた


「びっ びっくりはしたけど 不思議と嫌だとは 思わなかった」


「悠 それホント?」


僕は 榎本を見てうなずた




(ヤベー マジ聞いて良かった・・・ モヤモヤがぶっ飛んだ)




(恥ずかしい・・・ 榎本は 何を聞くんだ・・・ そんな事 聞かなくてもいいのに・・・ 僕も 素直に答えなくても・・・)




僕は 恥ずかしくて このまま家に 帰ってしまいたかった


榎本は それから 普通に僕と勉強をしていた


僕は 榎本に聞かれた事を引きずったまま 榎本と勉強をしていた


僕が帰る時に 榎本のお母さんが帰って来た


「悠君・・・ また 絶対に来てね」


「はい お邪魔しました」


「じゃ~俺 悠を送って来るから・・・」


そう言って 榎本は玄関のドアを閉めた




(良かった・・・ 母ちゃんが遅くて・・・)




今日は 商店街を通らず 学校の方を通った


「悠・・・ 期末テストまで 俺の勉強 見てくれ・・・」


「うん」


「悠・・・ 俺 悠が頭 良いから誘ってるんじゃねぇ~から・・・」


「うん」


「隆が 変な事言ってたけどよ・・・ そんなんじゃ~ねぇ~から・・・ 俺はさぁ~」


「榎本・・・ 大丈夫だから それ以上は・・・」


僕は 下を向いた




(さっきといい・・・ 榎本は 僕をどれだけ 恥ずかし思いをさせれば 気が済むんだ 僕が止めなかったら もっときっと言ってた)




(ヤベー また俺 言い過ぎた・・・ 期末テストが終わったら 夏休みだ 悠とたくさん遊ぶ マジ 悠と・・・ それまで我慢だ)





榎本の家の勉強会も あっという間に1週間が過ぎた




「悠 お昼ご飯 何か買って食べて」


お母さんが 千円札を渡してくれた


「うん 分かった」



今日から3日間 9教科の期末テストが始まる


今日と明日は 給食がない3日目は 給食があって その後 普通に授業がある



僕は 部屋へ戻ってしたくをした


「悠 忘れ物ない」


「うん 大丈夫 いってきます」


「いってらっしゃい」


僕は いつもと同じ時間に家を出た




(今日も 暑い・・・)




僕は 教室へ 元の席へと座った


「高橋君 おはよう」


リーダーと須藤さんが 教室に入って来た


「リーダー 須藤さん おはよう」


リーダーが僕の席の隣に座ると 須藤さんがリーダーの前に立った


「やっぱり 高橋君は余裕があるね~」


リーダーにそう言われて 僕は首を振った


「そんな事ないよ~ 範囲が広いし・・・」


「ね~ 高橋君 数学さ~ 連立方程式は絶対に出るよね」


「うん 多分」


「私 基礎問題は やったんだけど 自信ないな~」


リーダーが そう言いと 須藤さんが慌て出した


「楓 それ どこ? どこの話?」


須藤さんが 慌てて 数学の教科書を開いた




俺と隆が 教室に入ると リーダーと須藤が 悠と話をしているのが見えた 


俺は 思わず 大きな声を出してしまった


「悠」


教室に居る みんなが俺を見た


榎本の大きな声に 僕は ちょっとびっくりした


俺は 悠の席の前に立つと 隆も俺の隣に立った


「榎本 大塚君 おはよう」


大塚君が 小さく手をあげてくれた


「何々 何の話?」


榎本が リーダーと僕の顔を 交互に見た


「高橋君にテストに出そうな所 聞いてたの」


「リーダー 俺 今回のテストも スッゲー 自信あるよ」


榎本が 笑顔で僕を見た


「悠に 勉強見てもらったから バッチリだ・・・ 悠 スゲー 教え方うまいんだよ 俺 授業じゃぜんぜん 分かんなかったけど 悠に 教えてもらったら 解けたんだ スゲーだろう」


榎本が そんな事を言ってくれるとは 思わなくて 僕は 恥ずかしくなって 下を向いた


「高橋・・・ 嫌なら 嫌だって 正臣に言わないと 正臣は そういうところ ドンカンだからな 分かねぇ~ぞ・・・」


僕は 大塚君の言葉で 顔を上げた


「そうだよ 高橋君・・・ 悠 悠ってレンコして 迷惑なら 迷惑ってこの際 ハッキリ言った方がいいよ」


今度は リーダーだ




(どうしよう・・・ 僕が ちゃんと言わなくちゃ・・・)




「僕・・・ 嫌じゃないし 迷惑だなんて思った事 1度もないよ・・・ 榎本と一緒に勉強していると 僕の方が 凄く 勉強になるんだよ」


「えー 高橋君が?」


須藤さんが 驚いている


「でもさー 高橋君の成績が下がったら やっぱり榎本のセイって事だねー」


須藤さんが そう言うと


「俺が教わったくらいで 悠の成績が下がる様な そんな頭してねぇ~よ それに ホントに教え方がうまいんだ・・・」


榎本は 僕を見ながら そう言ってくれた




チャイムが鳴り 


榊先生が 教室に入って来た


「さー みんな席に着け 机の中 何も入ってないな」


みんなが 机の中に手を入れて バタバタと叩く


「9時から テスト開始だからな~  みんな しっかり勉強してきていると思う 頭の中の物 全部 出し切れ 解る問題から取り掛かれ 慌てるなよ しっかり問題見ろよ それじゃ~ 健闘を祈る」


先生は そう言い終わると 教室を出て行った


(つづく)

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