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お泊まり①
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夏休みに入ってから 榎本の連絡は一度もなかった
部活の忙しさで それどころじゃないのかもしれないと思うと 僕から電話をする事は 出来なかった
僕は 夕飯を食べ終え 自分の部屋へ入ろうとした その時 廊下にある電話が鳴った
「はい もしもし 高橋です」
「悠」
受話器から 榎本の声がして 僕は驚いた
「えっ 榎本 久しぶり 元気だった?」
「悠・・・ 俺を助けて・・・ 俺 ヤバいんだよ 悠だけが頼りなんだよ・・・」
「えっ どうしたの?」
(榎本に 何があったの・・・)
「ちょっと母ちゃん・・・ 今 俺が悠と話してるから・・・」
「正臣じゃ~ 説明出来ないでしょう・・・ 貸しなさい・・・」
受話器の向こうで 榎本と榎本のお母さんが もめていた
「悠・・・ ごめん 母ちゃんに変わる」
「うん」
(どうしたんだろう 僕が おばさんと・・・)
「もしもし 悠君 こんばんは 今 大丈夫?」
「はい 大丈夫です」
「突然なんだけど 悠君 明日とあさって 何か用事があったりする?」
俺は 母ちゃんの受話器に向かって 手をこすり合わせ 願っていた
(悠 お願い・・・ 大丈夫だって言って・・・ 悠にしか頼めねぇ~ 何より悠と一緒に過ごしてぇ・・・)
「いいえ 何も 用事は無いです」
「そう 良かった」
俺は母ちゃんの横で ガッツポーズを何度も繰り返した
(ヤッター 良かったー マジ 母ちゃんと悠に感謝だ・・・ 悠と一緒にすごせるとか マジ スゲーよ・・・)
「それじゃ~さ~ 悠君 悪いんだけど 正臣の宿題 手伝ってくれる・・・ 月曜日の練習までに 宿題 終わらせて持って行かないと 練習に参加させてもらえないのよ・・・ それでなんだけど悠君 家へお泊まりしてもらえる 明日とあさって 正臣に明日 悠君迎えに行かせるから 正臣に荷物持たせてね」
(えっ 今 おばさんは何て言った? 泊まりって言ったよね? 僕が榎本の家に泊まるの?)
「悠君?」
「あっ すっすみません」
「ごめんね~ 突然こんなお願いして・・・ 全部 全~部 正臣が悪いのよ 悠君 ごめんね ママに変わってくれる」
「はい ちょっと 待っててください」
僕は 受話器を置いて お母さんを呼んだ
「お母さん 榎本のお母さん」
お母さんは 直ぐに受話器を取った
「もしもし お電話 変わりました 悠が いつもお世話になりまして・・・」
僕は 自分の部屋へと戻った
(宿題って 夏休みの宿題だよね 部活をしながら宿題を 終わらせるって・・・ 僕には 想像できないけど 凄く ハードなんだろうな~ おばさん 泊まりって言ってたけど・・・ 僕が榎本の家へ どうしよう・・・)
楽しそうに笑う お母さんの声が聞こえてきた
電話は その後直ぐに切れた
しばらくすると お母さんが スマホを持って 僕の部屋へとやって来た
「悠・・・ 悠のおかげで お母さんにもお友達が出来たわ」
お母さんは スマホを振りながら 嬉しそうにそう言った
「榎本君・・・ 宿題 何もやってないんですって 榎本君のお母さん なげいていたわ 悠は 部活動やってないから 分からないけど 部活動も大変なんでしょう?」
「うん 僕 放課後の練習 少しのぞいた事があるけど 凄くハードなんだよ・・・ 僕 あんなに走れないよ」
「そう・・・ お手伝いできる事があれば お手伝いしてあげて・・・」
「うん 大丈夫だよ 明日もあさっても 特に用事がある訳でもないし・・・」
お母さんは 嬉しそうに笑っていた
「それにしても 榎本君のお母さんって 気さくな方ね」
「うん とても元気な お母さんだよ」
「そうね お母さんも元気を 貰った感じがするわ」
お母さんの話だと パジャマと着換えだけを 持って行けばいいという事になった
おばさんが居ない時の食事は 榎本が作る事に・・・
前に榎本がオムライスを 僕に作ってくれた事 お母さんは覚えていた
「悠がお友達の家に お泊まりする事があるなんて・・・」
「お母さん?」
「ううん 悠も大きくなったのね・・・ 榎本君のお手伝い しっかりして来てね」
「うん」
「お母さん 明日 いつも通りに仕事に行くから 戸締まりお願いね」
「うん 分かった」
お母さんは 僕の部屋を出て行くと 僕は リュックに荷物を詰め込んだ
(どうしよう・・・ 明日は榎本の家に お泊まりするんだ・・・ 僕は ちゃんと眠れるのかなぁ~)
次の日
僕は いつも通りに起き お母さんは仕事に出たところだった
僕は テレビを付けて朝ご飯を食べた ベランダを見ると 洗濯物が風で揺れていた
「今日は 入れられないな~」
僕は 朝ご飯を食べ終えると 食器を片付け お風呂とトイレとフローリングの床を掃除した
「これで いいかなぁ~」
僕は ドキドキしながら 榎本の事を待っていた
俺は 朝早く目を覚ましてしまった
いつも サッカー部の練習が無い日は 昼過ぎまで寝ている事が 当たり前だったのに
さっきから ベットに座ったり 椅子に座ったりを繰り返していた
(落ち着かねぇ~ 母ちゃんが居なくて良かった・・・ こんなところを 母ちゃんに見られたら 何を言われるか 分からねぇ~ スゲー ドキドキしてる 当たり前だよなぁ~ 悠が今日この部屋に 泊まるんだからなぁ~ 俺 多分 寝れねぇ~なぁ~)
「もう悠は きっと起きてるんだろうなぁ~」
俺は 朝ご飯を食べ 悠の家に向かった
(今日もスゲー暑さだなぁ~ 母ちゃんが言ってた通り この暑さの中 俺の為に悠を歩かせるのは 違うよなぁ~)
俺は 商店街を通り 悠の家へ
(あぁ~ ヤベーめっちゃ ドキドキする・・・ 悠の母ちゃん居んのかなぁ~)
俺は そう思いながら 悠が出て来るのを待った
「悠」
悠は 玄関を開け かわいい顔を覗かせた
「榎本 暑かったよね・・・ ごめんね 来てもらっちゃって・・・」
そう言って 悠は玄関のドアに鍵をかけた
「何言ってんだよ悠・・・ 俺のお願い聞いてもらうんだ 当たり前だろう・・・」
(どうしよう・・・ 凄く ドキドキしてる・・・ 本当に僕は 今日 榎本の家に泊まるんだ)
僕と榎本は マンションを出て歩き出した
「悠・・・ 荷物 貸して・・・」
そう言って榎本は 僕の肩からリュックをはずして 持ち上げた
「榎本 いいよ・・・ 僕が・・・」
「いいって・・・ これくらい・・・」
(ヤベー マジで・・・ どうしよう・・・ 俺 嬉しすぎて どうにかなりそう・・・)
「ありがとう・・・」
(気温のセイでも あるかもしれないけど・・・ 榎本が 傍に居るから余計に 僕の体温が高い気がする・・・)
僕と榎本は 黙ったまま 榎本のマンションに着いた
俺は 玄関のドアを開けた
「悠 入って」
榎本は 僕の背中にそっと手を添えた その時 僕の心臓が大きく動いた
「おっ お邪魔してます」
「悠 俺の部屋 入ってて・・・ 喉 乾いただろう 飲み物 持って来る」
「うん 分かった」
(どうしよう ドキドキが止まらない・・・ それに 榎本のニオイ・・・)
僕は 榎本に言われた通り 榎本の部屋へ
榎本の部屋は すでにエアコンが入っていて涼しく 僕は いつも通りに 丸いテーブルに座った
久しぶりの榎本の部屋は 僕にとっては刺激が強すぎた
(榎本早く・・・ 早く来て榎本・・・)
(ヤベー スゲー ドキドキする・・・ 悠が本当に来た ヤベ~ 悠を抱きしめたくなったら・・・ 悠は 俺の為に来てくれたのに 悠が怒って帰るなんて事になったら それこそシャレにならねぇ~ 落ち着け俺・・・)
俺は 麦茶を入れ 悠の所へ
悠が 胸をおさえて 座っていた
「悠 どうした」
俺は テーブルにトレーを置き 悠の顔を覗き込んだ
榎本が 僕の肩に触れ榎本の顔が 近づいて来て 僕は驚いてしまった
「悠?」
「あっ ごめん・・・ 何でもない 何でも大丈夫だよ ごめん」
(悠の様子がおかしい・・・ 前にもこんな事が・・・)
「悠?」
「榎本 本当に大丈夫だから 宿題 始めよう」
「あぁ~ 分かった」
(悠が そう言うなら・・・ でも さっきゼッテ~ おかしかった 何だったんだ?)
俺は 勉強机に置いてある宿題を取った
(悠・・・ もしかして具合が悪い?)
(どうしよう・・・ ドキドキしている事 榎本にバレてないよね? 榎本が 触れた僕の肩が 熱いよ・・・)
僕は 大きく息を吸い込んで 静かに吐き出した
「えっ 榎本は 宿題 どれからやるの?」
(良かった・・・ 声がちゃんと出た)
「そうだなぁ~ 数学からにする」
「うん 分かった」
僕は 一応 全部の宿題を持って来た 榎本がどの宿題からやるのか 分からなかったし 僕も榎本と一緒に 宿題をしたかったからだ
「悠は 宿題 どこまでやったの?」
「僕・・・ 本を一通り読んで 英語の宿題を少し・・・」
「そっか」
(悠 大丈夫なのか? 何か いつも通りだなぁ~)
(榎本が笑ってる 良かったバレてない)
「それにしても 夏休みの宿題 多くね~ 数学 ワーク1冊とか 鬼だよ鬼」
「そうだね 榎本達は部活もしているから 大変だよねぇ~」
「部活してなくても 夏休みだ 夏休み」
「でも 数学は 答えも付いてるし 親切だよね」
「えっ 答え? 丸い付けもするんだっけ」
「うん 丸付けして 提出だよ」
「そうだっけ・・・ じゃ~さ~ 悠 丸付けして」
「うん いいよ」
僕と榎本 宿題に取り掛かりはじめた
(正直・・・ 僕が榎本に教える事はほとんどない 榎本は 僕が居なくても宿題は出来る人 テスト勉強でも そうだった・・・ 榎本は 目標を定めると それに向かって真っ直ぐに進む それは多分 サッカーにも繋がっているんだろうと僕は思う)
榎本は シャーペンを置いて 後ろに手をついた
「悠 ここ解らねぇ~ それに腹減った・・・」
榎本はそう言って 僕にワークを見せ 僕は 榎本の部屋の時計を見た
時計は 午後2時を過ぎたところだ
「もう こんな時間?」
「悠は 腹減ってないの?」
「うん 僕 朝遅かったから」
「悠も 夏休みは ゆっくりなんだなぁ~」
「うん・・・ お母さんが 仕事に行ってから起きる事が多いよ」
「そっか」
榎本が 優しい笑顔を見せていた
「悠 チャーハンでいい?」
「うん・・・ でも僕は少な目で」
「分かった じゃ~ 向こうに移動だ」
榎本は 直ぐに台所へ行き 食材を切り始めた
僕は ガラス越しに 景色を見ていた 前にも見た景色だけど 遠くまで良く見渡せる
いい香りが 僕の方まで届いてきた
「悠 出来たよ~」
「ありがとう 榎本」
僕は 椅子に座った
「どうぞ」
お皿に 美味しそうに盛られている チャーハン
「いただきます」
「悠の口に合うかなぁ~?」
榎本が 僕を見ている 僕はスプーンに一口乗せた
「榎本・・・ 凄いよ お店屋さんで出て来る チャーハンだよこれ」
僕は驚いた 前に作ってもらった オムライスも 凄く美味しかったのに
(榎本は 凄い・・・)
「悠・・・ 褒めすぎだよ こんなの誰でも作れる」
(ヤッター 俺 完全に悠の胃袋 掴んだか?)
榎本が 嬉しそうにそう言った
「悠は いつも昼めしどうしてんの?」
「お母さんが 用意しておいてくれてる時もあれば テーブルに メモと千円札が置いてある事もあって その時はコンビニへ行く」
「そっか 悠は 自分で作らないんだっけ」
「うん 僕ダメ 榎本みたいに出来ない」
榎本は また 嬉しそうに笑った
(悠は 食べるだけでいい・・・ 俺が 悠の為に・・・)
「ごちそうさま 榎本 凄く美味しかったよ」
「そうか 良かった」
榎本と僕は 立ち上がった
「榎本・・・ 僕に食器洗わせて」
「悠 それはダメだ 悠は今日 俺の為に来てもらってる 皿洗いなんかさせたら 俺 母ちゃんに 何言われるか 分かんねぇ~ 悠は ゆっくりしててくれ」
榎本は そう言って 僕の食器を片付けた 僕は 座っている事しかできなかった
「悠・・・ 今日 母ちゃん早く帰って来るってよ 悠が 家に泊まるって決まってから スゲーんだよ母ちゃん」
僕は 何て答えたらいいのか 分からず 榎本は 食器を片付け 僕の方へ
「悠 また 宿題見てくれ」
「うん」
僕と榎本は 部屋へと戻った
(つづく)
部活の忙しさで それどころじゃないのかもしれないと思うと 僕から電話をする事は 出来なかった
僕は 夕飯を食べ終え 自分の部屋へ入ろうとした その時 廊下にある電話が鳴った
「はい もしもし 高橋です」
「悠」
受話器から 榎本の声がして 僕は驚いた
「えっ 榎本 久しぶり 元気だった?」
「悠・・・ 俺を助けて・・・ 俺 ヤバいんだよ 悠だけが頼りなんだよ・・・」
「えっ どうしたの?」
(榎本に 何があったの・・・)
「ちょっと母ちゃん・・・ 今 俺が悠と話してるから・・・」
「正臣じゃ~ 説明出来ないでしょう・・・ 貸しなさい・・・」
受話器の向こうで 榎本と榎本のお母さんが もめていた
「悠・・・ ごめん 母ちゃんに変わる」
「うん」
(どうしたんだろう 僕が おばさんと・・・)
「もしもし 悠君 こんばんは 今 大丈夫?」
「はい 大丈夫です」
「突然なんだけど 悠君 明日とあさって 何か用事があったりする?」
俺は 母ちゃんの受話器に向かって 手をこすり合わせ 願っていた
(悠 お願い・・・ 大丈夫だって言って・・・ 悠にしか頼めねぇ~ 何より悠と一緒に過ごしてぇ・・・)
「いいえ 何も 用事は無いです」
「そう 良かった」
俺は母ちゃんの横で ガッツポーズを何度も繰り返した
(ヤッター 良かったー マジ 母ちゃんと悠に感謝だ・・・ 悠と一緒にすごせるとか マジ スゲーよ・・・)
「それじゃ~さ~ 悠君 悪いんだけど 正臣の宿題 手伝ってくれる・・・ 月曜日の練習までに 宿題 終わらせて持って行かないと 練習に参加させてもらえないのよ・・・ それでなんだけど悠君 家へお泊まりしてもらえる 明日とあさって 正臣に明日 悠君迎えに行かせるから 正臣に荷物持たせてね」
(えっ 今 おばさんは何て言った? 泊まりって言ったよね? 僕が榎本の家に泊まるの?)
「悠君?」
「あっ すっすみません」
「ごめんね~ 突然こんなお願いして・・・ 全部 全~部 正臣が悪いのよ 悠君 ごめんね ママに変わってくれる」
「はい ちょっと 待っててください」
僕は 受話器を置いて お母さんを呼んだ
「お母さん 榎本のお母さん」
お母さんは 直ぐに受話器を取った
「もしもし お電話 変わりました 悠が いつもお世話になりまして・・・」
僕は 自分の部屋へと戻った
(宿題って 夏休みの宿題だよね 部活をしながら宿題を 終わらせるって・・・ 僕には 想像できないけど 凄く ハードなんだろうな~ おばさん 泊まりって言ってたけど・・・ 僕が榎本の家へ どうしよう・・・)
楽しそうに笑う お母さんの声が聞こえてきた
電話は その後直ぐに切れた
しばらくすると お母さんが スマホを持って 僕の部屋へとやって来た
「悠・・・ 悠のおかげで お母さんにもお友達が出来たわ」
お母さんは スマホを振りながら 嬉しそうにそう言った
「榎本君・・・ 宿題 何もやってないんですって 榎本君のお母さん なげいていたわ 悠は 部活動やってないから 分からないけど 部活動も大変なんでしょう?」
「うん 僕 放課後の練習 少しのぞいた事があるけど 凄くハードなんだよ・・・ 僕 あんなに走れないよ」
「そう・・・ お手伝いできる事があれば お手伝いしてあげて・・・」
「うん 大丈夫だよ 明日もあさっても 特に用事がある訳でもないし・・・」
お母さんは 嬉しそうに笑っていた
「それにしても 榎本君のお母さんって 気さくな方ね」
「うん とても元気な お母さんだよ」
「そうね お母さんも元気を 貰った感じがするわ」
お母さんの話だと パジャマと着換えだけを 持って行けばいいという事になった
おばさんが居ない時の食事は 榎本が作る事に・・・
前に榎本がオムライスを 僕に作ってくれた事 お母さんは覚えていた
「悠がお友達の家に お泊まりする事があるなんて・・・」
「お母さん?」
「ううん 悠も大きくなったのね・・・ 榎本君のお手伝い しっかりして来てね」
「うん」
「お母さん 明日 いつも通りに仕事に行くから 戸締まりお願いね」
「うん 分かった」
お母さんは 僕の部屋を出て行くと 僕は リュックに荷物を詰め込んだ
(どうしよう・・・ 明日は榎本の家に お泊まりするんだ・・・ 僕は ちゃんと眠れるのかなぁ~)
次の日
僕は いつも通りに起き お母さんは仕事に出たところだった
僕は テレビを付けて朝ご飯を食べた ベランダを見ると 洗濯物が風で揺れていた
「今日は 入れられないな~」
僕は 朝ご飯を食べ終えると 食器を片付け お風呂とトイレとフローリングの床を掃除した
「これで いいかなぁ~」
僕は ドキドキしながら 榎本の事を待っていた
俺は 朝早く目を覚ましてしまった
いつも サッカー部の練習が無い日は 昼過ぎまで寝ている事が 当たり前だったのに
さっきから ベットに座ったり 椅子に座ったりを繰り返していた
(落ち着かねぇ~ 母ちゃんが居なくて良かった・・・ こんなところを 母ちゃんに見られたら 何を言われるか 分からねぇ~ スゲー ドキドキしてる 当たり前だよなぁ~ 悠が今日この部屋に 泊まるんだからなぁ~ 俺 多分 寝れねぇ~なぁ~)
「もう悠は きっと起きてるんだろうなぁ~」
俺は 朝ご飯を食べ 悠の家に向かった
(今日もスゲー暑さだなぁ~ 母ちゃんが言ってた通り この暑さの中 俺の為に悠を歩かせるのは 違うよなぁ~)
俺は 商店街を通り 悠の家へ
(あぁ~ ヤベーめっちゃ ドキドキする・・・ 悠の母ちゃん居んのかなぁ~)
俺は そう思いながら 悠が出て来るのを待った
「悠」
悠は 玄関を開け かわいい顔を覗かせた
「榎本 暑かったよね・・・ ごめんね 来てもらっちゃって・・・」
そう言って 悠は玄関のドアに鍵をかけた
「何言ってんだよ悠・・・ 俺のお願い聞いてもらうんだ 当たり前だろう・・・」
(どうしよう・・・ 凄く ドキドキしてる・・・ 本当に僕は 今日 榎本の家に泊まるんだ)
僕と榎本は マンションを出て歩き出した
「悠・・・ 荷物 貸して・・・」
そう言って榎本は 僕の肩からリュックをはずして 持ち上げた
「榎本 いいよ・・・ 僕が・・・」
「いいって・・・ これくらい・・・」
(ヤベー マジで・・・ どうしよう・・・ 俺 嬉しすぎて どうにかなりそう・・・)
「ありがとう・・・」
(気温のセイでも あるかもしれないけど・・・ 榎本が 傍に居るから余計に 僕の体温が高い気がする・・・)
僕と榎本は 黙ったまま 榎本のマンションに着いた
俺は 玄関のドアを開けた
「悠 入って」
榎本は 僕の背中にそっと手を添えた その時 僕の心臓が大きく動いた
「おっ お邪魔してます」
「悠 俺の部屋 入ってて・・・ 喉 乾いただろう 飲み物 持って来る」
「うん 分かった」
(どうしよう ドキドキが止まらない・・・ それに 榎本のニオイ・・・)
僕は 榎本に言われた通り 榎本の部屋へ
榎本の部屋は すでにエアコンが入っていて涼しく 僕は いつも通りに 丸いテーブルに座った
久しぶりの榎本の部屋は 僕にとっては刺激が強すぎた
(榎本早く・・・ 早く来て榎本・・・)
(ヤベー スゲー ドキドキする・・・ 悠が本当に来た ヤベ~ 悠を抱きしめたくなったら・・・ 悠は 俺の為に来てくれたのに 悠が怒って帰るなんて事になったら それこそシャレにならねぇ~ 落ち着け俺・・・)
俺は 麦茶を入れ 悠の所へ
悠が 胸をおさえて 座っていた
「悠 どうした」
俺は テーブルにトレーを置き 悠の顔を覗き込んだ
榎本が 僕の肩に触れ榎本の顔が 近づいて来て 僕は驚いてしまった
「悠?」
「あっ ごめん・・・ 何でもない 何でも大丈夫だよ ごめん」
(悠の様子がおかしい・・・ 前にもこんな事が・・・)
「悠?」
「榎本 本当に大丈夫だから 宿題 始めよう」
「あぁ~ 分かった」
(悠が そう言うなら・・・ でも さっきゼッテ~ おかしかった 何だったんだ?)
俺は 勉強机に置いてある宿題を取った
(悠・・・ もしかして具合が悪い?)
(どうしよう・・・ ドキドキしている事 榎本にバレてないよね? 榎本が 触れた僕の肩が 熱いよ・・・)
僕は 大きく息を吸い込んで 静かに吐き出した
「えっ 榎本は 宿題 どれからやるの?」
(良かった・・・ 声がちゃんと出た)
「そうだなぁ~ 数学からにする」
「うん 分かった」
僕は 一応 全部の宿題を持って来た 榎本がどの宿題からやるのか 分からなかったし 僕も榎本と一緒に 宿題をしたかったからだ
「悠は 宿題 どこまでやったの?」
「僕・・・ 本を一通り読んで 英語の宿題を少し・・・」
「そっか」
(悠 大丈夫なのか? 何か いつも通りだなぁ~)
(榎本が笑ってる 良かったバレてない)
「それにしても 夏休みの宿題 多くね~ 数学 ワーク1冊とか 鬼だよ鬼」
「そうだね 榎本達は部活もしているから 大変だよねぇ~」
「部活してなくても 夏休みだ 夏休み」
「でも 数学は 答えも付いてるし 親切だよね」
「えっ 答え? 丸い付けもするんだっけ」
「うん 丸付けして 提出だよ」
「そうだっけ・・・ じゃ~さ~ 悠 丸付けして」
「うん いいよ」
僕と榎本 宿題に取り掛かりはじめた
(正直・・・ 僕が榎本に教える事はほとんどない 榎本は 僕が居なくても宿題は出来る人 テスト勉強でも そうだった・・・ 榎本は 目標を定めると それに向かって真っ直ぐに進む それは多分 サッカーにも繋がっているんだろうと僕は思う)
榎本は シャーペンを置いて 後ろに手をついた
「悠 ここ解らねぇ~ それに腹減った・・・」
榎本はそう言って 僕にワークを見せ 僕は 榎本の部屋の時計を見た
時計は 午後2時を過ぎたところだ
「もう こんな時間?」
「悠は 腹減ってないの?」
「うん 僕 朝遅かったから」
「悠も 夏休みは ゆっくりなんだなぁ~」
「うん・・・ お母さんが 仕事に行ってから起きる事が多いよ」
「そっか」
榎本が 優しい笑顔を見せていた
「悠 チャーハンでいい?」
「うん・・・ でも僕は少な目で」
「分かった じゃ~ 向こうに移動だ」
榎本は 直ぐに台所へ行き 食材を切り始めた
僕は ガラス越しに 景色を見ていた 前にも見た景色だけど 遠くまで良く見渡せる
いい香りが 僕の方まで届いてきた
「悠 出来たよ~」
「ありがとう 榎本」
僕は 椅子に座った
「どうぞ」
お皿に 美味しそうに盛られている チャーハン
「いただきます」
「悠の口に合うかなぁ~?」
榎本が 僕を見ている 僕はスプーンに一口乗せた
「榎本・・・ 凄いよ お店屋さんで出て来る チャーハンだよこれ」
僕は驚いた 前に作ってもらった オムライスも 凄く美味しかったのに
(榎本は 凄い・・・)
「悠・・・ 褒めすぎだよ こんなの誰でも作れる」
(ヤッター 俺 完全に悠の胃袋 掴んだか?)
榎本が 嬉しそうにそう言った
「悠は いつも昼めしどうしてんの?」
「お母さんが 用意しておいてくれてる時もあれば テーブルに メモと千円札が置いてある事もあって その時はコンビニへ行く」
「そっか 悠は 自分で作らないんだっけ」
「うん 僕ダメ 榎本みたいに出来ない」
榎本は また 嬉しそうに笑った
(悠は 食べるだけでいい・・・ 俺が 悠の為に・・・)
「ごちそうさま 榎本 凄く美味しかったよ」
「そうか 良かった」
榎本と僕は 立ち上がった
「榎本・・・ 僕に食器洗わせて」
「悠 それはダメだ 悠は今日 俺の為に来てもらってる 皿洗いなんかさせたら 俺 母ちゃんに 何言われるか 分かんねぇ~ 悠は ゆっくりしててくれ」
榎本は そう言って 僕の食器を片付けた 僕は 座っている事しかできなかった
「悠・・・ 今日 母ちゃん早く帰って来るってよ 悠が 家に泊まるって決まってから スゲーんだよ母ちゃん」
僕は 何て答えたらいいのか 分からず 榎本は 食器を片付け 僕の方へ
「悠 また 宿題見てくれ」
「うん」
僕と榎本は 部屋へと戻った
(つづく)
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