悠と榎本

暁エネル

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勘違い

僕は玄関を開けた


「悠 ただいま」


「お母さん お帰り」


お母さんは 買い物袋をテーブルに置いた


「悠・・・ 大丈夫だった雨・・・ 凄かったでしょう」


「うん」


僕は たたみかけの洗濯物に 手を伸ばした


「榎本君のお母さんがね~ 榎本君が付いているから大丈夫だって それを聞いてお母さんも 何だか凄く 安心出来たのよ 悠1人じゃないって・・・」


そう言ってお母さんは 笑っていた


「うん 本当にそうなんだ 榎本のおかげで 僕 濡れづにすんだし 洗濯物も 榎本が手伝ってくれて 無事だったよ」


「そう・・・ やっぱり榎本君は 頼りになるわね ところで榎本君 ちゃんとお買い物は出来たの? そっちの方が 榎本のお母さんは心配してたけど」


「うん・・・ お母さん僕ね 初めてスポーツショップに入ったよ 凄くたくさん品物が並んでいてね 僕だったら 選ぶのに 1日中かかちゃうよ」


「まぁ~ そう」


お母さんが 嬉しそうに笑ってくれた


「あっそれからね 榎本とファーストフード店に入って 榎本 3個もハンバーガーを食べたんだ 結構 ボリュームがあってさ~ 僕 1個でお腹いっぱいになったよ」


「そうだったの~ そう言えば 悠とファーストフード店へ行ったのって いつ? だったかしら?」


お母さんは 買い物して来た物を片付け 椅子に座った


「お母さんもね~ 榎本君のお母さんと たくさんお話してきたのよ 榎本君のお母さんって 元気なお母さんね~ お母さんも元気を貰った感じよ 悠の事も何度も かわいいって言っててね」


「榎本が 僕よりも大きいからだよ」


「そうね~ でもお母さん もう少し悠も 背が伸びると思うわよ」


僕はまた 洗濯物に手を伸ばした


「あっそれからね お母さんショッピングモールへ行って・・・ あっ」


「悠・・・ どうしたの?」


僕はショルダーバッグに チョコレートが入っている事を思い出し 急いで自分の部屋へと戻った


僕の小さなショルダーバッグが チョコレートでふくらんでいた




「お母さん これ・・・」


僕はビニール袋に入った チョコレートをお母さんに渡した


「まぁ~ どうしたのこれ?」


「うん 榎本とゲームコーナーに行ったんだ 榎本にも分けたんだけど 取れ過ぎちゃって・・・ あぁ~でも 1回だよ・・・ 1回で凄く取れちゃって 榎本が係の人を呼んで来てくれて・・・」


「楽しかったんでしょう」


僕は お母さんにうなずた


「チョコレート 久しぶりに食べるわね」


お母さんは チョコレートを1つ 口に放り込んだ


お菓子を入れる入れ物に お母さんはチョコレートを入れた でも入れ物のフタが チョコレートで浮いていた



僕は 自分の洗濯物を持って部屋へ


ベッドへ座り 洗濯物をギュッと抱きしめた




(どうしよう・・・ 僕は 榎本に嫌われてしまう)




僕は 不安でいっぱいだった






次の日 僕はいつも通りに 目が覚めた




(はぁ~嫌でも朝は来る・・・ 昨日はあまり良く眠れなかった 何度も目が覚めた様な気がする・・・)




お母さんは すでに仕事に出掛け 僕は朝ごはんを食べた





(はぁ~ 朝からため息しか出ない・・・)




それでも僕は 榎本がいつ来てもいい様に 家の中を掃除した






(あぁ~ヤベー どんな顔して悠の事を見ればいいんだ・・・ 俺 結局 悠の顔見ずに 悠の家出て行っちゃったしなぁ~ ちゃんと悠に謝るべきだったかなぁ~ あぁ~もう俺らしくねぇ~ 悠にちゃんと向き合えよ・・・俺)





俺は 怖い気持ちを抑え 悠のマンションへ




僕が椅子に座っていると 玄関のチャイムが鳴った




(榎本だ)




「悠 おはよう」


榎本の明るい笑顔に 僕は少し戸惑ってしまった


「えっ榎本 おはよう入って」


「お邪魔します」




(なんか・・・ 悠 変じゃ~ねぇ・・・ どうしよう・・・)




僕は 玄関にツッカエ棒をして チェーンをかけた


「あれ悠 おばさんは?」


「あぁ~お母さん仕事・・・ 榎本 僕の部屋 狭いからこっちでいい?」


僕は榎本と奥へと進んで 扇風機を回した


「今日も 暑いなぁ~」


榎本は 扇風機の前に立っていた


僕は 麦茶をテーブルに置いた


「榎本・・・ 僕 宿題持って来るね」


「あぁ~」





(やっぱ 悠の様子が変だ 昨日の事だよなぁ~ もしかして具合が悪いのか・・・)





僕は 宿題を取りに部屋へ




(大丈夫・・・ ちゃんと榎本と話せてる・・・ 榎本の顔あんまり見られなかったけど・・・)




僕は ため息を1つついて 部屋を出た


僕が 榎本の所へ行くと 榎本は椅子に座らず 僕を待っていた


僕が テーブルに宿題を置くと 榎本は 僕に近づいて来た


「悠・・・ もしかして具合悪いのか・・・」


榎本はそう言って 僕のオデコに手を当てた


「熱は なさそうだなぁ~」


榎本の優しい顔に 僕の心が張り裂けそうで 僕は直ぐに下を向いた





(何で?何で?榎本は・・・ 僕・・・ 普通にしてたのに 何で?)




榎本の優しい言葉に 僕はこらえきれなくなって 僕の目から涙が溢れてきた





(悠が・・・ 泣いてる? えっ何で? どうして? やっぱ昨日の事・・・)





「悠・・・ ごめん 昨日の事だよなぁ~」


僕は榎本の腕を掴んで 首を振った





(何で・・・ 榎本が謝るの・・・ もうダメだ・・・ 僕はきっと榎本に嫌われて 榎本と離れる事になる・・・ もうこうして榎本と話す事も 榎本の優しい笑顔も 見られなくなって・・・ 僕は どうしたら・・・)





「悠・・・」




(あぁ~やっぱ 俺が・・・ 少しも悠の事考えてなかったから・・・ 俺が全部悪いんだ 悠をこんなに泣かせて・・・ 俺は何をやってるんだよ・・・ ダメだこんなの・・・ 悠と向き合うって決めたんだ・・・ 落ち着け俺・・・ 悠の話をまず聞け・・・ 俺の事はそれからだ・・・ それにしても何だか 悠はあの路地の時みたいだなぁ~)





「悠 話して・・・ ゆっくりでいいから・・・」





(悠が落ち着くまで 俺はいつまでも待つよ)





(どうしよう・・・ どうしたらいいの僕は 榎本を嫌いになんか 絶対になれないけど 榎本は・・・ 榎本は・・・ 僕の事を・・・ 凄く怖い 言葉にしたら 全てが終わってしまいそうで・・・)






(やっぱダメだ・・・ もう一度 謝ろう・・・ 謝って済む話じゃ~ねぇ~けど・・・)





「悠ごめん・・・ 俺が悪かった・・・ 本当ごめん」





(えっ榎本が 何で? 謝るの?)




僕は 涙でぐちょぐちょの顔を ゆっくりと上げた


「悠ごめん 俺が昨日した事だろう・・・ 俺 悠の事なんにも考えなかった」


「えっ えの・・・もと・・・」




(どうしよう・・・ 違うのに声が出ない)




「悠」


榎本は 僕のぐちょぐちょの顔を 指でぬぐってくれた




(ヤベ~悠のウルウルした瞳ヤベ~・・・ 悠が 泣いているのに俺は・・・ 俺のセイなのに・・・)




僕は 榎本をギュッと抱きしめた




(もう少しだけ待って榎本・・・ ちゃんと言うから・・・ 榎本は少しも悪くないから)




悠が凄い力で 俺を抱きしめていた




(悠は本当に どうしたんだ・・・ 俺の事 嫌じゃねぇ~のかぁ~? 嫌だったらこんなに俺に ひっつかねぇ~よなぁ~)




榎本は僕を 引き離そうとはしなかった


僕の事をちゃんと 待っていてくれた


僕は ゆっくりと榎本から離れた


「はぁ~」




(もう大丈夫・・・ だいぶ落ち着いて来た 榎本に話そう)


 

僕は大きなため息をついて 榎本に話しはじめた



「榎本・・・ 僕の事を嫌いに・・・嫌いにならないで」


僕はまた 下を向いてしまった


「えっちょっと・・・ ちょっと待って悠・・・ 話しがって言うか~俺が? 俺が悠の事 嫌いになるって何で? いったいどっから出てきた?」




(おいおい・・・ なんだなんだ どこをどうすれば俺が 悠の事を嫌いになる? どっからおかしくなった?)





「悠ごめん・・・ 俺・・・ 悠が言ってる事がわかんねぇ~ 悠ワリー 俺にわかる様に話してくんねぇ~かぁ~」


僕は 榎本にそう言われても 顔を上げる事ができなかった


「だっで・・・ 僕は 榎本 ひつこく 抱きついた~」




(言ってしまった・・・ もうダメだ・・・ 榎本は僕の前から居なくなる・・・ もう涙も出ない・・・)





(悠は何を言ってるんだ・・・ 抱きついたって いつ? あっあれかぁ~ 悠が目を覚まし 俺が悠から離れた・・・ あの時の事かぁ~ あれは俺の方がヤバかったんだけど・・・ 悠に密着しすぎてて悠のニオイが いっぱいの部屋で・・・ 俺 頑張って悠から離れたんだけど・・・ そしたら悠が・・・ スゲーかわいい事してくれたから 俺 嬉しくてず~っと 悠と抱き合っていたいって思った・・・ でも 悠の母ちゃんがいつ 帰って来るかわかんなかったし・・・ そう言えば 俺が帰る時 悠の様子がおかしかった あの時 ちゃんと悠の話を聞いていれば 悠は こんなに泣く事はなかったんじゃねぇ~のか・・・ 俺は 俺の事ばっかで 少しも悠の事を 見てなかった 悠は たくさん悩んだよなぁ~ ホント俺 何やってんだ・・・) 





「はぁ~」


僕は また ため息をついた 


俺はまた 悠の顔を両手で包み込んだ



「悠 良く聞いて・・・ 昨日は 俺が危なかったんだ・・・ 悠を悠の事を めちゃくちゃするところだった だってさぁ~ 俺が離れたら 悠が俺に 抱きついてきたんだ そんなかわいい事をする悠を 何で俺が嫌いになる」


榎本の優しい顔が そこにあった


「榎本」




(めちゃくちゃにするって なんだろう?)




「悠・・・ 俺 昨日はこのままずっと 悠とベッドに居たいって思ってた それと同時に 今 悠の母ちゃんが帰って来たら どうしようって思った・・・ だってあんなところを 悠の母ちゃんが見たら 腰抜かすだろう 悠が 俺から離れてくれて 助かったのは俺なんだ・・・ 正直 ホントに危なかった 俺が悠を 離せなくなるところだったんだ・・・」 





(榎本は・・・ 僕の事を嫌いになってなかった)





「悠 俺ね・・・ 悠に言われた言葉 スゲー嬉しかったんだ・・・ だから俺も 悠に言うよ」





(僕 昨日何か言ったけぇ~?)




「悠・・・ 俺は悠の事 絶対に嫌いにならない・・・ 悠が俺の事で 悩む事なんて何もないんだ・・・ 俺は 悠が好き それはどんな事があっても変わらない・・・ 悠 忘れないで・・・ 俺は 悠の傍に1番近くに居たいって いつも思ってる」


「榎本・・・ なんかそれ プロポーズされてるみたい・・・」


榎本の顔が近づいて 僕の唇と重なり 榎本の舌がスルスルと僕の舌を絡めた





(悠・・・ 俺はずっと 悠にラブコールを送っていたんだ・・・ まだ 悠に話す勇気がねぇ~けど いつか 悠に話したい)




榎本の唇が ゆっくりと僕から離れた





(榎本とのキスが ちょっと恥ずかしい・・・)





(ヤベ~雰囲気に任せて 悠を押し倒しちまいそうになったヤベ~・・・ でも これでやっといつもの悠だ)



(つづく)


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