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プール③
榎本は 僕から少し離れ 僕は榎本にうなずた
(悠・・・ 頑張れ)
(とにかく 向こうまで・・・)
僕は腕を伸ばし 壁を思いきり蹴った
「高橋 イッケー」
(みんなの声が聞こえる 大丈夫だ・・・)
「悠・・・ いいぞ その調子だ」
(榎本の足が見える 榎本が傍に居てくれる・・・ こんな心強い事はない)
「悠 そろそろ真ん中だ」
(えっもう真ん中 苦しいけど行けるかもしれない・・・)
「高橋 頑張れー」
(みんなの声が・・・ でも キツクなってきた)
「悠 もう少しだ頑張れ」
(腕も足も全部が もう限界だ・・・)
僕は榎本に いつでもしがみつく 準備をしながらも それでも泳いだ
(まだ・・・ まだ泳がないとダメなの・・・もうムリ・・)
「悠 もう 壁が見えるだろう・・・」
(えっ?本当だ みんなの声もこんなにも近い・・・ みんなの足が見える)
僕が腕を回した その時 僕の手が壁に当たった
「高橋 やったなぁ~」
みんなの声と 僕の頭上からなぜか プールの水が降りそそいでいた
榎本は 僕の腕を引っ張り 僕は榎本に持ち上げられ プールのシャワーから脱出する事ができた
「みんなやり過ぎだぞ・・・ 悠 大丈夫か?」
みんなが僕に プールの水をかけていた
僕は榎本に 持ち上げられながら うなずく事しか出来なかった
「高橋スゲー やったなぁ~」
僕は苦しくて みんなの声に答えられなかった
(悠がスゲー苦しそうだ)
「悠・・・ ひとまず上がれ」
俺は悠を さらに持ち上げ プールサイドに座らせた
(苦しいし・・・ 身体中が痛い)
「俺・・・ 悠を休ませに行って来る」
俺は プールから上がった
「正臣 俺も行く」
そう言って 隆もプールから上がって来た
「隆 いいよ俺1人で・・・」
「俺も 少し休むんだ」
俺は 悠の腕を俺の肩に乗せ 悠を持ち上げた
(悠は まだ苦しそうだなぁ~)
俺は隆と 悠を建物の影に座らせ 悠の肩にタオルをかけた
「榎本・・・ ありがとう」
「悠 大丈夫か?」
「うん少し・・・ 休むね」
(息がうまくできない・・・ こんなに疲れるんだ・・・)
「正臣・・・ 俺が高橋見てるから・・・ 正臣も少し泳いで来いよ」
「えっ 俺はいいよ」
「正臣 少しも泳いでねぇ~だろう」
(それはそうだけど 悠が・・・)
悠が 顔を上げた
「高橋だって 正臣がここに居たんじゃ~ ゆっくり休んでられねぇ~だろう」
悠が うなずいた
(悠・・・)
「隆わかった でも何かあったら すぐに呼びに来い」
「正臣・・・ わかったから早く行け」
隆は あきれた様子で 俺を見ていた
「悠じゃ~ 俺 泳いで来るからな」
「うん」
榎本の優しい顔に 僕は少し元気が出た
「やっと 行きやがった」
そう言って 大塚君は僕の隣に座った
「大塚君 ありがとう」
僕はやっと 言葉を出せた
「高橋って・・・ ホント 真面目ちゃんなんだなぁ~」
(えっ?)
「そんな事当たり前だろう・・・ いちいちお礼なんて言わなくてもいいんだよ」
大塚君は 嬉しそうにそう言った
「なぁ~ 高橋」
「ううん」
「1年の時 同じクラスだったのに 俺達あんまり話さなかったなぁ~」
「うんそうだね 同じ班にもならなかったしね」
「高橋って 1人が好きなのかと思ってたんだ 教室で本読んでいる事が多かったし 静かだし」
(そう言えば 1年生の時の休み時間は よく読んでいたなぁ~)
「なぁ~ 高橋」
「ううん」
「高橋と正臣って いつからの知り合いなの?」
突然 大塚君にそんな事を言われて 僕は言葉に詰まった
「あぁ~いや 俺さぁ~ 正臣とはスゲー小さい頃から知ってるけど 高橋みたいなタイプ初めてだから・・・」
「あっ僕は 2年生になってからだよ」
「そうか~ 正臣は高橋の事 前から知ってたみたいだけどなぁ~」
(榎本が僕の事を・・・ 知っていた?)
「1年生の時 正臣に 俺のクラスに頭のいいヤツが居る 代表で入学式に 挨拶したヤツだって言ったら すっ飛んで来たぞ正臣」
そう言って大塚君は笑った
「高橋と正臣って 似てない様で 似ているのかもしれねぇ~なぁ~」
「僕と榎本が?」
「あぁ~俺さぁ~ スゲー練習して練習して 正臣に出来たところを見せると 正臣は いとも簡単にやってのける それが悔しくてなぁ~ 今日の高橋見てたら 正臣と共通するなぁ~って思ってなぁ~」
大塚君は また嬉しそうにそう言った
「僕なんかぜんぜんだよ 榎本に似てないよー さっきだってみんなの声と 榎本が傍についていてくれて やっと泳げたんだ」
「でも やり遂げた」
「それは そうだけど・・・ もう必死だったよ」
僕が困っているのに 大塚君は嬉しそうに笑っていた
日差しが僕の足に当たって ポカポカしていて 僕は気持ち良くなっていた
「高橋?」
(僕のまぶたが・・・)
「こりゃ~まずいなぁ~ 高橋待ってろ 今みんなを呼んで来るから・・・」
大塚君が 走って行ってしまった
「お~い・・・ 正臣・・・ 高橋が大変だぞ」
「えっ 悠が・・・」
隆が大きな声で俺を呼んだ
(悠が大変って・・・ なんだよ・・・)
「高橋は もう限界みたいなんだ」
隆にそう言われ 俺は急いでプールから上がり 悠のもとへと急いだ
悠は タオルをかけて 膝に頭を乗せていた
俺は 悠の肩をゆすった
「悠 大丈夫かぁ~」
僕は必死に目を開けようとしているのに 僕のまぶたは閉じてしまう
(あぁ~こりゃ~限界だなぁ~)
「高橋 どうした?」
海斗も俊もプールから上がって 悠の所へ来てくれた
「あらら~こりゃ~ 完全に寝に入っているじゃん」
「そろそろ 俺らも帰るか」
隆が言ってくれた
「そうだなぁ~ 今ならシャワーもロッカールームもすいてるんじゃん」
「それに明日も部活あるし 早めに切り上げていいんじゃ~ねぇ~」
海斗と俊が 交互に言ってくれた
「悪いなぁ~みんな 結局 悠に付き合う形になって」
「何言ってんだ正臣 俺らクラス違うし 高橋と話せる機会なんてなかったし・・・ 良かったよなぁ~ プールも 気持ち良かったしなぁ~」
「それなぁ~」
海斗も俊も お互い指をさした
「よしじゃ~ 行こうぜ」
隆の言葉にみんなが動く
俺はもう一度 悠を起こした
「悠・・・ 帰るからもう少し頑張れ」
(悠は 目を閉じたままだ シャワーは無理だなぁ~)
俺は 悠の腕を掴み 俺の肩乗せ 悠を持ち上げおんぶした
「正臣 高橋どうする?」
隆が俺の隣に 俺は みんなに聞こえる様に言った
「俺このまま悠を ロッカールームへ連れて行く みんなはシャワー浴びて来てくれ ロッカールームで待ってる」
「わかった 正臣タオル」
「おう サンキュー」
隆が俺に タオルを渡してくれた
俺は悠とロッカールームへ
ロッカールームは 静まり返っていて 俺と悠の2人だけだった
「悠 ロッカー着いたぞ」
(ぐずぐずしてらんねぇ~なぁ~ アイツらが来る前に急がねぇ~と)
俺は 悠をロッカーに寄りかからせて あまり濡れていない 悠の体を一応ふいた
(悠の反応は全くねぇ~)
悠が少し目を開けた
(早くしないとアイツらが来る 悠の大事なとこ アイツらに見られてたまるかよ)
俺は 悠のロッカーから パンツとズボンを素早く出し
悠の海パンを一気に脱がし はかせた
(これでよし~)
「悠・・・ もう座っていいぞ」
俺は悠の身体を支え 悠を座らせTシャツを着せた
(悠って・・・ こんなに かわいかった?)
俺は 悠の寝顔に手を伸ばし 顔を近づいた
(誰かの足音が聞こえる・・・ もうかよ・・・)
俺はとっさに 悠から離れた
「高橋・・・ どうだ」
「なんだ隆か」
(危なかったー 見られるとこだった)
隆は 悠の顔を覗き込んだ
「もう ぐっすりだなぁ~」
「あぁ~」
俺は悠を気にしながら 着換えをはじめた
「隆 俊と海斗は?」
「アイツら誰も居ねぇ~からって シャワーの掛け合いしてんだ 遅かったらおいていくって言ってあるから もう 来るだろう・・・ ほら アイツらの声が・・・」
俊と海斗が話しながら ロッカールームへやって来た
「あれ~ 高橋は?」
俺は 座って居る悠を 指さした
「高橋・・・ チッサッ・・・ 座ってんとより小さく見えんなぁ~」
「もう 夢の中だなぁ~」
「本当だ」
「おいお前ら 早く着換えろ」
「わかったよ 正臣 怒んなよ~」
俊と海斗は 悠から離れた
(ヤベ~つい カッとなった)
俺は みんなが着替え終えるのを待っていた
「正臣 行くか」
隆が 声をかけてくれた
「あぁ~」
俺はロッカーを開け 俺の荷物と悠の荷物を取り出した
「隆 悪い サンダル持ってくんねぇ~ 悠のも」
「あぁ~いいよ・・・ おい正臣 大丈夫かよ・・・」
俺は悠を支えるので 精一杯だった
(正直 大変だ・・・ 悠はもう どこにも力が入らない また 俺がおんぶした方がいいだろう・・・)
「あぁ~ 大丈夫だ」
俺は さっきと同じ様に 悠をおぶった
俺達は 出入口に到着した
隆が 俺のサンダルを置いてくれた
「サンキュー 隆」
俺は 悠をおんぶしたまま サンダルをはいた
「隆 悠のサンダルと荷物」
俺は 隆から受け取り 俊と海斗がこう言った
「なんかさぁ~ 俺ら変な癖付いてるよなぁ~」
「変な癖?って なんだよ」
「試合でもねぇ~のに忘れ物がないか みんなのロッカー確認している」
俺と隆は お互い顔を見合わせた
「隆が いつも大きな声で言うから もう 癖付いてよなぁ~」
俊と海斗はあきれ顔で 反対に 俺と隆は笑いがこみ上げて来た
「それ いい癖なんじゃねぇ~」
俺は 笑いながらそう言った
俺達は 外に出た
「じゃ~な」
「正臣・・・ 俺もついて行くかぁ~」
隆が 俺を心配して言ってくれた
「大丈夫だ隆」
「正臣・・・ 高橋 落とすなよ」
「落とさねぇ~よ」
(誰が 落とすか・・・)
「正臣 明日遅刻するなよ」
「あれ 何時だっけ~」
「お前なぁ~」
隆の声が飛ぶ
「冗談だんだよ冗談 じゃ~な」
俺は 悠をおぶったまま 手を振った
「じゃ~なぁ~」
俺達は別れた
(ヤベー 悠が俺の背中に・・・ それにしても ホント 悠は頑張ったなぁ~)
(つづく)
(悠・・・ 頑張れ)
(とにかく 向こうまで・・・)
僕は腕を伸ばし 壁を思いきり蹴った
「高橋 イッケー」
(みんなの声が聞こえる 大丈夫だ・・・)
「悠・・・ いいぞ その調子だ」
(榎本の足が見える 榎本が傍に居てくれる・・・ こんな心強い事はない)
「悠 そろそろ真ん中だ」
(えっもう真ん中 苦しいけど行けるかもしれない・・・)
「高橋 頑張れー」
(みんなの声が・・・ でも キツクなってきた)
「悠 もう少しだ頑張れ」
(腕も足も全部が もう限界だ・・・)
僕は榎本に いつでもしがみつく 準備をしながらも それでも泳いだ
(まだ・・・ まだ泳がないとダメなの・・・もうムリ・・)
「悠 もう 壁が見えるだろう・・・」
(えっ?本当だ みんなの声もこんなにも近い・・・ みんなの足が見える)
僕が腕を回した その時 僕の手が壁に当たった
「高橋 やったなぁ~」
みんなの声と 僕の頭上からなぜか プールの水が降りそそいでいた
榎本は 僕の腕を引っ張り 僕は榎本に持ち上げられ プールのシャワーから脱出する事ができた
「みんなやり過ぎだぞ・・・ 悠 大丈夫か?」
みんなが僕に プールの水をかけていた
僕は榎本に 持ち上げられながら うなずく事しか出来なかった
「高橋スゲー やったなぁ~」
僕は苦しくて みんなの声に答えられなかった
(悠がスゲー苦しそうだ)
「悠・・・ ひとまず上がれ」
俺は悠を さらに持ち上げ プールサイドに座らせた
(苦しいし・・・ 身体中が痛い)
「俺・・・ 悠を休ませに行って来る」
俺は プールから上がった
「正臣 俺も行く」
そう言って 隆もプールから上がって来た
「隆 いいよ俺1人で・・・」
「俺も 少し休むんだ」
俺は 悠の腕を俺の肩に乗せ 悠を持ち上げた
(悠は まだ苦しそうだなぁ~)
俺は隆と 悠を建物の影に座らせ 悠の肩にタオルをかけた
「榎本・・・ ありがとう」
「悠 大丈夫か?」
「うん少し・・・ 休むね」
(息がうまくできない・・・ こんなに疲れるんだ・・・)
「正臣・・・ 俺が高橋見てるから・・・ 正臣も少し泳いで来いよ」
「えっ 俺はいいよ」
「正臣 少しも泳いでねぇ~だろう」
(それはそうだけど 悠が・・・)
悠が 顔を上げた
「高橋だって 正臣がここに居たんじゃ~ ゆっくり休んでられねぇ~だろう」
悠が うなずいた
(悠・・・)
「隆わかった でも何かあったら すぐに呼びに来い」
「正臣・・・ わかったから早く行け」
隆は あきれた様子で 俺を見ていた
「悠じゃ~ 俺 泳いで来るからな」
「うん」
榎本の優しい顔に 僕は少し元気が出た
「やっと 行きやがった」
そう言って 大塚君は僕の隣に座った
「大塚君 ありがとう」
僕はやっと 言葉を出せた
「高橋って・・・ ホント 真面目ちゃんなんだなぁ~」
(えっ?)
「そんな事当たり前だろう・・・ いちいちお礼なんて言わなくてもいいんだよ」
大塚君は 嬉しそうにそう言った
「なぁ~ 高橋」
「ううん」
「1年の時 同じクラスだったのに 俺達あんまり話さなかったなぁ~」
「うんそうだね 同じ班にもならなかったしね」
「高橋って 1人が好きなのかと思ってたんだ 教室で本読んでいる事が多かったし 静かだし」
(そう言えば 1年生の時の休み時間は よく読んでいたなぁ~)
「なぁ~ 高橋」
「ううん」
「高橋と正臣って いつからの知り合いなの?」
突然 大塚君にそんな事を言われて 僕は言葉に詰まった
「あぁ~いや 俺さぁ~ 正臣とはスゲー小さい頃から知ってるけど 高橋みたいなタイプ初めてだから・・・」
「あっ僕は 2年生になってからだよ」
「そうか~ 正臣は高橋の事 前から知ってたみたいだけどなぁ~」
(榎本が僕の事を・・・ 知っていた?)
「1年生の時 正臣に 俺のクラスに頭のいいヤツが居る 代表で入学式に 挨拶したヤツだって言ったら すっ飛んで来たぞ正臣」
そう言って大塚君は笑った
「高橋と正臣って 似てない様で 似ているのかもしれねぇ~なぁ~」
「僕と榎本が?」
「あぁ~俺さぁ~ スゲー練習して練習して 正臣に出来たところを見せると 正臣は いとも簡単にやってのける それが悔しくてなぁ~ 今日の高橋見てたら 正臣と共通するなぁ~って思ってなぁ~」
大塚君は また嬉しそうにそう言った
「僕なんかぜんぜんだよ 榎本に似てないよー さっきだってみんなの声と 榎本が傍についていてくれて やっと泳げたんだ」
「でも やり遂げた」
「それは そうだけど・・・ もう必死だったよ」
僕が困っているのに 大塚君は嬉しそうに笑っていた
日差しが僕の足に当たって ポカポカしていて 僕は気持ち良くなっていた
「高橋?」
(僕のまぶたが・・・)
「こりゃ~まずいなぁ~ 高橋待ってろ 今みんなを呼んで来るから・・・」
大塚君が 走って行ってしまった
「お~い・・・ 正臣・・・ 高橋が大変だぞ」
「えっ 悠が・・・」
隆が大きな声で俺を呼んだ
(悠が大変って・・・ なんだよ・・・)
「高橋は もう限界みたいなんだ」
隆にそう言われ 俺は急いでプールから上がり 悠のもとへと急いだ
悠は タオルをかけて 膝に頭を乗せていた
俺は 悠の肩をゆすった
「悠 大丈夫かぁ~」
僕は必死に目を開けようとしているのに 僕のまぶたは閉じてしまう
(あぁ~こりゃ~限界だなぁ~)
「高橋 どうした?」
海斗も俊もプールから上がって 悠の所へ来てくれた
「あらら~こりゃ~ 完全に寝に入っているじゃん」
「そろそろ 俺らも帰るか」
隆が言ってくれた
「そうだなぁ~ 今ならシャワーもロッカールームもすいてるんじゃん」
「それに明日も部活あるし 早めに切り上げていいんじゃ~ねぇ~」
海斗と俊が 交互に言ってくれた
「悪いなぁ~みんな 結局 悠に付き合う形になって」
「何言ってんだ正臣 俺らクラス違うし 高橋と話せる機会なんてなかったし・・・ 良かったよなぁ~ プールも 気持ち良かったしなぁ~」
「それなぁ~」
海斗も俊も お互い指をさした
「よしじゃ~ 行こうぜ」
隆の言葉にみんなが動く
俺はもう一度 悠を起こした
「悠・・・ 帰るからもう少し頑張れ」
(悠は 目を閉じたままだ シャワーは無理だなぁ~)
俺は 悠の腕を掴み 俺の肩乗せ 悠を持ち上げおんぶした
「正臣 高橋どうする?」
隆が俺の隣に 俺は みんなに聞こえる様に言った
「俺このまま悠を ロッカールームへ連れて行く みんなはシャワー浴びて来てくれ ロッカールームで待ってる」
「わかった 正臣タオル」
「おう サンキュー」
隆が俺に タオルを渡してくれた
俺は悠とロッカールームへ
ロッカールームは 静まり返っていて 俺と悠の2人だけだった
「悠 ロッカー着いたぞ」
(ぐずぐずしてらんねぇ~なぁ~ アイツらが来る前に急がねぇ~と)
俺は 悠をロッカーに寄りかからせて あまり濡れていない 悠の体を一応ふいた
(悠の反応は全くねぇ~)
悠が少し目を開けた
(早くしないとアイツらが来る 悠の大事なとこ アイツらに見られてたまるかよ)
俺は 悠のロッカーから パンツとズボンを素早く出し
悠の海パンを一気に脱がし はかせた
(これでよし~)
「悠・・・ もう座っていいぞ」
俺は悠の身体を支え 悠を座らせTシャツを着せた
(悠って・・・ こんなに かわいかった?)
俺は 悠の寝顔に手を伸ばし 顔を近づいた
(誰かの足音が聞こえる・・・ もうかよ・・・)
俺はとっさに 悠から離れた
「高橋・・・ どうだ」
「なんだ隆か」
(危なかったー 見られるとこだった)
隆は 悠の顔を覗き込んだ
「もう ぐっすりだなぁ~」
「あぁ~」
俺は悠を気にしながら 着換えをはじめた
「隆 俊と海斗は?」
「アイツら誰も居ねぇ~からって シャワーの掛け合いしてんだ 遅かったらおいていくって言ってあるから もう 来るだろう・・・ ほら アイツらの声が・・・」
俊と海斗が話しながら ロッカールームへやって来た
「あれ~ 高橋は?」
俺は 座って居る悠を 指さした
「高橋・・・ チッサッ・・・ 座ってんとより小さく見えんなぁ~」
「もう 夢の中だなぁ~」
「本当だ」
「おいお前ら 早く着換えろ」
「わかったよ 正臣 怒んなよ~」
俊と海斗は 悠から離れた
(ヤベ~つい カッとなった)
俺は みんなが着替え終えるのを待っていた
「正臣 行くか」
隆が 声をかけてくれた
「あぁ~」
俺はロッカーを開け 俺の荷物と悠の荷物を取り出した
「隆 悪い サンダル持ってくんねぇ~ 悠のも」
「あぁ~いいよ・・・ おい正臣 大丈夫かよ・・・」
俺は悠を支えるので 精一杯だった
(正直 大変だ・・・ 悠はもう どこにも力が入らない また 俺がおんぶした方がいいだろう・・・)
「あぁ~ 大丈夫だ」
俺は さっきと同じ様に 悠をおぶった
俺達は 出入口に到着した
隆が 俺のサンダルを置いてくれた
「サンキュー 隆」
俺は 悠をおんぶしたまま サンダルをはいた
「隆 悠のサンダルと荷物」
俺は 隆から受け取り 俊と海斗がこう言った
「なんかさぁ~ 俺ら変な癖付いてるよなぁ~」
「変な癖?って なんだよ」
「試合でもねぇ~のに忘れ物がないか みんなのロッカー確認している」
俺と隆は お互い顔を見合わせた
「隆が いつも大きな声で言うから もう 癖付いてよなぁ~」
俊と海斗はあきれ顔で 反対に 俺と隆は笑いがこみ上げて来た
「それ いい癖なんじゃねぇ~」
俺は 笑いながらそう言った
俺達は 外に出た
「じゃ~な」
「正臣・・・ 俺もついて行くかぁ~」
隆が 俺を心配して言ってくれた
「大丈夫だ隆」
「正臣・・・ 高橋 落とすなよ」
「落とさねぇ~よ」
(誰が 落とすか・・・)
「正臣 明日遅刻するなよ」
「あれ 何時だっけ~」
「お前なぁ~」
隆の声が飛ぶ
「冗談だんだよ冗談 じゃ~な」
俺は 悠をおぶったまま 手を振った
「じゃ~なぁ~」
俺達は別れた
(ヤベー 悠が俺の背中に・・・ それにしても ホント 悠は頑張ったなぁ~)
(つづく)
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