悠と榎本

暁エネル

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僕の不安

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僕が大塚君と階段を下りると 榎本はリーダーと須藤さんと 楽しそうに話をしていた


みんなと一緒に 僕は昇降口を出て校門へ


僕は少しドキドキしていた 


榎本と2人で帰る事はあっても みんなと一緒に帰るのは これが初めてだったからだ


リーダーと須藤さんに 榎本がまた挟まれて


榎本は振り返りながら 僕の名前を呼び そのたびにリーダーと須藤さんに 向きを変えられていた


それを見るたび 僕と大塚君は笑った





「それじゃ~ね 私達こっちだから・・」


「榎本 あまり高橋君に依存しないでよ」


「それを言うのは ちょっともう遅いんじゃねぇ~のか なぁ~正臣」


なぜか 大塚君がそう答え 榎本は大塚君の顔と須藤さんの顔を見ていた


すると 大塚君と須藤さんが笑い出し つられてみんなも笑っていた


「じゃねぇ~」


「うん また明日」


僕と榎本と大塚君は リーダーと須藤さんに手を振ってわかれた




「じゃ~ また明日」


少し歩くと大塚君もそう言って 走って行ってしまった




「やっと悠と2人きりだー」


榎本は嬉しそうに 背伸びをしながら両手を上げた


「アイツら 俺ん家まだついて来そうな 勢いだったからなぁ~」


「そうだね ちょっとおもしろかったよ」





(まぁ~いっか・・・ 悠のこの笑顔が見られたから・・・)






「悠 コンビニ行くだろう~」


「うん」


「俺 腹減った~」


僕と榎本がコンビニへ入ると 冷たい空気が身体を包み込んだ


「スゲー 涼しい」


「うん 汗が一気に引くねぇ~」


「えっ 悠 汗かいてるの?」


榎本は僕を覗き込んだ


「榎本」


僕はびっくりして 思わず榎本の名前を呼んでいた





(びっくりした~ 榎本の顔が いきなり近づいてくるんだもん)





僕は榎本をよけて 売り場へと進んだ




(悠 なんか変だ・・・ 俺また 何かしたか?・・・ そう言えば 学校でも悠の様子が ちょっと変だった様な・・・)





榎本がお弁当を持って 僕に近づいて来た


「悠 麦茶なら出すよ」


僕はジュースと菓子パンを持っていた


「あっうん ありがとう でも今日は これが飲みたくって・・・」


僕は榎本にジュースを見せた


「そっか」


そう言って榎本は笑った


僕と榎本がコンビニを出ると また容赦なく太陽が照りつけた


コンビニで冷えた身体も すぐに汗が吹き出てしまうしまつ






榎本のマンションに着くと すぐにエレベーターに乗り 榎本は玄関を開けてくれた


「こりゃ~参った 悠 すぐにエアコンつけるから」


外よりも 生暖かい空気に包まれて 榎本は自分の部屋へと行ってしまった


「お邪魔します」


僕が榎本の部屋へ入ると エアコンがつけられ窓を開けていた


「悠 もう少ししたら 空気入れ替わるから もう少し待ってくれ」


「うん 榎本大丈夫だよ 僕の家もそうだから」


「悠 俺 麦茶入れて来る」


「うん」


僕は 榎本の部屋の窓から 外をながめた


高い建物が周りになく 遠くまで見渡せる




(気持ちいいなぁ~)




「悠 お待たせ」


榎本は 麦茶を持って戻って来た


僕が 丸いテーブルに着くと 榎本は窓を閉めた


「悠 食べよう腹減った~」


「うんそうだね いただきます」


榎本は お弁当を口元まで持っていくと 凄い勢いで食べ始めた




「明日から授業かぁ~ なんか夏休み あっという間早かったなぁ~」


「榎本は部活もあったし・・・ それだけ 充実してたってことだよ」


「そうだなぁ~ でも俺はもっと 悠と2人で居る時間が欲しかったかなぁ~」


榎本は 弁当を置きそう言った


僕はジュースに手を伸ばし 一口飲んだ




(僕 なんて言えばいいの・・・ 僕もだよって言ったら 榎本はどんな反応をするの そんなこと僕は 恥ずかしくって言えないけど・・・)





(ヤベ~ 悠が困っている かわいい)






「運動会 楽しみだなぁ~」


榎本は お弁当を食べ終わり 麦茶を飲みながらそう言った


「僕 運動苦手だから・・・」


「悠・・・ 運動会はみんなでするんだ・・・ 悠の苦手は 俺がカバーする・・・ それに 先生も言ってたけど 今のクラスでの運動会 俺もスゲー楽しみ・・・ うちのクラスもしかすると いいところまで行くんじゃ~ねぇかなぁ~」


榎本は 嬉しそうに話をしていた


僕も 菓子パンを食べ終わり ジュースを飲んだ




「隆は 文句なく足が速いし・・・ リーダーと須藤も 速そうだよなぁ~ 委員長と副ちゃんは どうだろうなぁ~」


僕は 副ちゃんの事を思い出した


「榎本・・・」


「どうした?」





(榎本に話さなきゃ・・・ でも 榎本を困らせたら・・・ 僕の勘違いかもしれないし・・・ どうしよう)





「悠?」


「榎本あのね 僕の勘違いかもしれないんだけど・・・ 副ちゃんが・・・ 副ちゃんがさぁ~・・・ もしかすると 僕と榎本の事を・・・」


僕が戸惑っていると 榎本の言葉が・・・


「女の勘って・・・ ヤツか~?」


僕は 顔を上げた


「副ちゃんってさぁ~ 普段おっとりしてるし・・・ 見た目もスゲー 癒される感じがあるんだけど・・・ そういう所は 鋭いのかもしれねぇ~なぁ~」


「どうしよう 榎本」





(悠が変だったのって・・・ 副ちゃんの事だったのかぁ~ 俺の事じゃ~なかった 良かったぁ~)





「悠・・・ 俺は 副ちゃんと席は遠いし・・・ あんま 俺には副ちゃん 聞いてこないと思う・・・ でも 悠は 席が副ちゃんの隣だし 副ちゃんも悠には 聞きやすいんだろう・・・ 俺達の事 気になるんだろうしなぁ~」


「榎本 どうしょう 僕どうしたら・・・」


「いいんじゃ~ねぇ~かなぁ~ 副ちゃんに俺達の事を話しても・・・」


榎本の意外な言葉に 僕はびっくりした


「えっ榎本」


「副ちゃんはさぁ~ 俺達の事をおもしろ半分に 人に言いふらしたりしないだろう 多分 副ちゃんになら俺 いいと思う・・・ それに 悠が耐えられなくなって 悠が苦しむ姿なんか 俺見たくねぇ~」 



「榎本・・・ でも 副ちゃんに言ったら 副ちゃんは委員長にも話をするよねきっと・・・ 僕 榎本が変な目で見られたり 僕が 軽蔑されたりしたら 僕 耐えられないよ・・・」


僕の目から 涙がこぼれ落ちた





(胸が痛い 苦しい・・・ どうしょう 本当にそんな事になったら・・・ 学校に行けなくなる)





「悠 大丈夫だ・・・ 委員長も副ちゃんも そんなことしないよ~ もし もしも そんなことになったとしても 俺が 悠を守るゼッテ~ 悠には 嫌な思いはさせねぇ~から 悠は 何も怖がらなくていい・・・ 俺が悠の事を 好きな事実は 何も変わらねぇ~ 副ちゃんに聞かれたら 素直に俺達の事を話していいから・・・」


榎本の優しい言葉に 涙がまた溢れ出した


僕は下を向き 涙をふいた


すると榎本が 僕をふわりと抱きしめた





(どうしていつもこうなる? 悠を泣かせる? 俺が悠を好きになる事が そんなにダメなのか? もう悠を泣かせたくないのに・・・ 悠を俺が苦しめてる・・・ 俺はこの先 悠をどこまで守る事ができる? 悠だけに 押し付けるのは違うなぁ~ 俺も副ちゃんと ちゃんと話をしよう・・・ 俺は悠を守る・・・ 悠を誰にも譲れねぇ~)





俺は悠の顔を 両手で包み込み 悠の涙を指でぬぐい くちびるを重ねた



榎本の舌が スルスルと優しく 僕の舌を絡ませた



(つづく)


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