悠と榎本

暁エネル

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3学期

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榎本は部活が始まり 会えなくなった日からも 寒い日が続いていた


僕は畳の部屋で コタツに入りながら本を読み ふと外をながめた


こんな寒い中榎本達は 部活をしているんだと思うと 僕は凄いなぁ~と思うばがりだった




今日から 3学期の始まり


僕は久しぶりの制服に 身が引き締まる思いがした


僕が部屋を出ると お母さんが奥から僕のところへ


「悠 いってらっしゃい 忘れ物はない大丈夫」


「お母さん 全部持ったよ大丈夫 いってきます」


僕はマフラーをしっかりと巻いて 玄関を開けた


風は冷たく 息を吸い込むと僕の鼻がツンと痛んだ




生徒はまばらで 僕はグランドに目を向けた




(榎本はここで毎日頑張ってたんだなぁ~)





僕は昇降口で 上履きに履き替え階段を上った


教室に入り席に座ると 副ちゃんの声が聞こえてきた


「高橋君 おはよう」


委員長と副ちゃんが並んで 教室に入って来て 副ちゃんは僕の隣に座った


「委員長 副ちゃん おはよう」


「高橋君はどんな冬休みだった 初詣で行った?」


副ちゃんはそう言って 僕に笑顔を向けてくれた


「えっうん 行ったよ」


「私も委員長と」


そう言いながら副ちゃんは 委員長に視線を向けた


「もう恒例行事みたいな感じだよなぁ~」


「そうだねぇ~ 楽しかったね」





(本当に委員長と副ちゃんは お似合いのカップルだなぁ~)





僕が 委員長と副ちゃんに見とれていると 副ちゃんの笑顔が僕に向けられた


「高橋君は誰と初詣でに行ったの?」


副ちゃんにそう聞かれ 僕は素直に答えてしまった


「僕は榎本に誘われて・・・」


「おはよう」


僕の言葉をさえぎる様に 須藤さんの大きな声が聞こえた


「何の話してたの?」


リーダーと須藤さんが 委員長と副ちゃんのところへ


委員長が振り向き リーダーと須藤さんと話をしていた



副ちゃんは 僕の方へ笑顔を向け 小さな声でこう言った


「榎本君と初詣でに行ったの?」


僕は副ちゃんに首を振った


「2人でじゃ~ないよ・・・ サッカー部の人達と一緒にだよ」





(榎本早く登校して来て・・・ 副ちゃんが怖いよ・・・)





僕は教室のドアをチラチラと見ていた


「高橋君 初詣で楽しかった?」


副ちゃんはまだ 僕の方を向いていた


委員長とリーダーと須藤さんは 楽しそうに話をしている





(どうしよう・・・ 副ちゃんが凄い笑顔だ・・・)





榎本が大塚君と話しながら 教室へと入って来た


「悠 おはよう」





(良かった・・・ 榎本が教室に入って来てくれた)





榎本は自分の席にカバンを置いて 真っ直ぐ僕の方へと歩いて来た


それと同時に大塚君は 委員長の方へ 


僕は榎本に救いを求める様に 榎本の事を見ていた


「榎本君 おはよう」


「副ちゃん おはよう」





(何か悠の様子が・・・ 何か副ちゃんに言われたのか~?)




「今ねぇ~ 高橋君と初詣での話してたんだ」





(あぁ~それで・・・ 悠のこの顔・・・)





「サッカー部で毎年行くんだ・・・ だから俺 悠も一緒にって誘ったんだよ テニス部はそういうのねぇ~の?」


僕は榎本の言葉にうなずいていた


「テニス部は そういう話出た事ないよ~ 私は毎年 委員長と一緒に行ってるよ 小さい頃は委員長の家族とうちの家族で ゾロゾロと行ってたんだけどねぇ~」





チャイムが鳴り みんなが教室に入って来た


榎本のおかげで僕は助かった




榊先生が教室に入って来た


「みんな~おはよう」


先生は 教室を見渡した


「今日の欠席者は居ないなぁ~ 今日はグランドじゃ~なく これから体育館へ移動する みんな廊下へ並んでkれ」


先生の言葉でみんなが動き 僕達は廊下へと並んだ




「高橋」


大塚君の声に僕は振り返った


「ちょっと待て」


「えっ 何?」


大塚君が僕の前に立って 僕の頭に手を乗せた


リーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見て言った


「何? 背比べてしてるの?」


そこへ榎本も加わった


「やっぱ悠 背伸びた? 初詣での時思ったんだけど」


「でも そんな変わんなくない?」


須藤さんの言葉に 大塚君はクルリと回り 僕と背中を付けた


「どっちが高い?」


「悠じゃ~ねぇ~」


榎本の言葉にリーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見比べていた


「そうかも」


「でも少しだよ」


大塚君が僕から離れた


「マジかよ・・・ 高橋それ以上 背伸ばすなよ」




(そんな事言われても・・・)





「隆それは無理じゃねぇ~ 悠はまだこれから伸びると俺は思う」





(まぁ~いい感じに 悠の背は伸びるんじゃねぇ~かなぁ~)





「マジかよ~ 俺 背まで抜かれたら 高橋に何にも勝てねぇ~じゃん」


大塚君の言葉に 僕は黙ってはいられなかった


「大塚君は 僕なんかよりずっと凄いよ・・・ みんなを引っ張っていけるし サッカーもうまいし 優しいし・・・」


僕はただ必死だった




(どうしよう・・・ 言葉がこれ以上続かない)




みんなが体育館へと移動し始め 大塚君は他の人と話をしはじめてしまった



「悠」


「榎本 僕・・・ 大塚君になんて言えば・・・」


「悠は気にし過ぎなんだよ 隆はあぁ~言いたかっただけだ 悠は何も気にしなくていい・・・ 隆は根に持つヤツでもねぇ~し大丈夫だ」


榎本は笑ってそう言ってくれた




(それよりも俺は 外で悠の事を抱きしめた事怒ってないのか スゲー気になってるんだけど・・・ それこそ俺の気にし過ぎなのか 悠と普通に話せてるし大丈夫なのか・・・)



(つづく)

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