悠と榎本

暁エネル

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席替え

俺は 悠の事を気にしつつ 教室へと戻って来た 




(あぁ~モヤモヤする・・・ 悠と話出来ねぇ~かなぁ~ 今日は午後から部活だしなぁ~)




俺はそう思いながら席に着いた



榊先生が教室に入って来て 黒板に何かを書き始めた


「先生何書いてるの?」


須藤さんが先生に聞いていた


「これか~ これから席替えをするんだ だからその条件」


先生の言葉にみんなが騒ぎ出した


先生は振り返り人差し指を口に立て 4組がある後ろを指さした


するとみんなが静かになった


「3学期は短い・・・ だからこのクラスでの思い出をもっと作ってほしい このクラスは他のクラスよりも みんないい感じだからなぁ~ 誰が一緒でもいい班になるだろう・・・ それじゃ~委員長と副ちゃん前に出て来て決めてくれ」


「はい」


僕の隣の副ちゃんは立ち上がり前へ


入れ替わる様に 先生は副ちゃんの席へと座った





「悠」


「はい」


僕は先生に話しかけられ 少しびっくりしていた


「先生さぁ~ 自慢するつもりもないんだけど このクラスは どのクラスよりもまとまりのある いいクラスだと思うんだ 逆にこんなにまとまりのあるクラスは珍しい 大概1人や2人外れる生徒は 普通は居るんだけどなぁ~」


先生は僕を見て 嬉しそうにそう言った


「先生 僕も・・・ 多分みんなも このクラスはいいクラスだと そう思っていると思います」


「そうかぁ~ 悠にそう言われると 先生も嬉しいよ」


先生がまた嬉しそうに笑った


僕と先生が話をしている間に 班の形にみんなが集まっていた





(悠は先生と何を話してるんだ? 俺だって今日まだ そんなに悠と話してねぇ~のに・・・)




俺は悠を呼んだ


「悠こっち」


僕は榎本に手招きされ移動した





(委員長と副ちゃんは前に居るけれど 大塚君に榎本 リーダーと須藤さんが居ていつものメンバーだ・・・)





「班の代表者は前に出て来て」


委員長がみんなに声をかけた




「代表誰にする?」


リーダーが声をあげた


「代表って言ったら楓でしょう」


「だな」


須藤さんと大塚君の言葉に みんながうなずいた


「どの席になっても 文句言わないでよ」


「大丈夫・・・ リーダーに文句言えるヤツなんか居ねぇ~よ」


リーダーの言葉に大塚君が答えた


「ねぇ~それどういう意味」


大塚君とリーダーが言い合いになりそうになって 


須藤さんがリーダーの肩に両手を乗せ リーダーの向きを変え 背中をポンと軽く押した


「楓 いってらっしゃい」


リーダーは一度振り返り そのまま委員長と副ちゃんのもとへ



僕は大塚君とリーダーが ケンカになってしまうんじゃないかと 少しハラハラしていた


でも そう思っていたのは僕だけで 大塚君は普段と変わらず 普通にみんなと話をしていた



代表者のくじ引きで席を決める


黒板には副ちゃんが 班の番号を書いていた


委員長が副ちゃんにくじの番号を 代表者の名前を書いて矢印をした


僕達の班の席は 窓側の後ろの席になった


「決まったな・・・ じゃ~みんな席に戻ってくれ 委員長と副ちゃんもありがとう」


先生はそう言って前へ


「班で話し合って席順を決めてくれ 決まったら副ちゃんに・・・ 副ちゃん また教卓に席順書いて貼って置いてくれ」


「はい」


「じゃ~みんな気を付けて帰るように」


先生はそう言って教室を出て行った





教室ではみんなが移動し 班ごとに集まり話し合いをしていた


「ねぇ~どうする? どう座る?」


口を開いたのはリーダーだった


「委員長と副ちゃんは 並んで座ってもらうのは決まりでしょう」


リーダーの言葉にみんながうなずいた


「えっいいの?」


委員長が嬉しそうそう言った


「誰も文句ないよ・・・ 逆に委員長と副ちゃんを離したら クラスのみんなから何言われるか・・・」


今度は須藤さんが答えた



「問題は高橋君ね」





(えっ何で僕?)





「そうだよねぇ~」


リーダーと須藤さんが考え込んでた


「えっ僕ならどこでもいいよ」


「それはダメ」


「うんダメだね」


またリーダーと須藤さんが答えた


「みんなは何言ってんだよ 悠の隣は俺に決まりだろう」





(悠の隣で 悠の顔をずーっと見ていられるんだ こんな幸せな事ねぇ~よ)





リーダーと須藤さんが榎本を見た

 
「それはダメ・・・ 高橋君がかわいそう」


「席ぐらいは離れたいでしょう」


「正臣 諦めらめろ」


リーダーと須藤さん 大塚君にそう言われ 榎本が何も言えなくなっていた





(何でダメなんだよー 悠の隣は俺に決まってんだろう・・・)





リーダーと須藤さんの意見がまとまり リーダーが話し始めた


「委員長と副ちゃんは 1番後ろの席に並んで座ってもらって 高橋君は委員長の前 高橋君の隣が美咲で 美咲の前が私 私の隣が大塚で大塚の前が榎本・・・ 男子はみんな窓側ね その方が黒板が見えずらいなんて事ないでしょう」


榎本が 何か言いたそうにしていたけれど 榎本は何も言わずリーダーの話を聞いていた




(隆じゃ~ねぇ~けど・・・ リーダーに文句は言えねぇ~よなぁ~ それにしても隆をはさんで悠かぁ~ 同じ班とはいえ遠い・・・ まぁ~今までに比べたら近くなったんだけど・・・)





「リーダー 俺もリーダーと同じ考えの席順がいいと思ってたよ 窓側って席も良かったけど・・・ 須藤を高橋の隣にしたのも 授業中わかんねぇ~とこ高橋に聞けんじゃん 須藤の成績 正臣みてぇ~に上がるんじゃねぇ~」


「そうかもね 高橋君 美咲の事よろしくね ついでに私も・・・」


大塚君はリーダーから須藤さんに視線をうつし リーダーと一緒に僕を見た


「あっうんよろしく 僕 役にたてる様に頑張るよ」


「高橋はそれ以上頑張らなくてもいいんじゃねぇ~ 逆に須藤がついてこられるのかじゃねぇ~の」


「それはあるかもなぁ~ 悠は教えるのめっちゃうまいから 成績が上がらなかったら 須藤に問題があるって事だよなぁ~」


榎本も加わりみんなが笑っていた





副ちゃんが みんなの席順を書き終え 僕達3組全員で席を移動させた





「先生 明日来たらびっくりするね」


須藤さんが僕の隣で 嬉しそうにそう言いながら席に座った


すると 班のみんなも同じ様に座った




(明日から僕の席は みんなに囲まれた席になるんだ なんだか夢みたいだなぁ~)




大塚君が振り返った


「高橋 明日からまたよろしくな」


「大塚君 こちらこそよろしく」


教室に残って居るのは 僕達の班だけになっていた


「私達も帰ろう」


リーダーの言葉に みんなが動き出した





(悠と話・・・ そうだ送っていけばいいんだ 部活までにはまだ時間がある・・・)





(榎本と久しぶりに会ったのに 今日はほとんど顔を合わすぐらいだった 明日はもっと榎本と話が出来るといいなぁ~)




僕はそう思いながら リーダーと須藤さんと話をしていた




俺は悠を気にしながら みんなと校門まで来た


俺は悠の隣へ みんなに言った


「俺 ちょっと悠と話あるから悠と帰る」


榎本の言葉に 僕は驚いてしまった





(えっ でもちょうど良かった 僕も少し榎本と話がしたかったから・・・)




「そっか じゃ~明日な高橋 正臣 部活遅れるなよ」


大塚君の言葉にみんなが 僕と榎本に手を振ってくれた


「わかってるよ隆」


僕と榎本もみんなに手を振った




副ちゃんが 凄く嬉しそうに見えたのは 間違いではないと思った





(これでやっと悠と2人きりになれる・・・)





僕は少し歩いて榎本に聞いてみた


「榎本・・・ 副ちゃん」


「あぁ~それ俺も気づいた でも副ちゃん何も言ってこねぇ~だろう」


「うん」




(今まで僕は副ちゃんの隣で ハラハラする事があったけど 席替えで副ちゃんは僕の斜め後ろになった 僕が振り向かなければいい事だ・・・)






「あっそうだ 一緒の班にしてくれてありがとう榎本」


「何言ってんだ そんなの当たり前だろう」


「うん僕 それでも嬉しかったから・・・」




(悠はまたそうやって かわいい顔をする)





「あっそうだ 悠 榊先生と何話してたの」


「クラスの事だよ・・・ とてもまとまりのあるいいクラスだって・・・」


「そうだったんだ・・・」




(先生と楽しそうに悠が話てたから 気になってた・・・)





「あっ榎本 話あったんだよね 何?」





(榎本の話って何だろう? 何だかドキドキする)





「あぁ~ 話がある訳じゃ~ないんだ ただ悠と一緒にこうして 歩きたかっただけなんだ」





(悠と一緒に歩くだけで こんなに幸せな気持ちになれる・・・ 今なら聞けるか)





「そっそうなんだ」


僕は自分がドキドキしている事に 恥ずかしくなり下を向いた


「悠 聞いてもいい」


榎本が僕の顔を覗き込んだ


「えっ何?」


「この間 俺 悠のマンションの下で悠の事 その・・・ 抱きしめた事 怒ってる?」


「えっ びっくりしたけど怒ってないよ」


「ホント あぁ~良かった・・・」





(悠は怒ってなかった 本当に良かった・・・)





(榎本はもしかして ずっと気にしていたのかなぁ~)






「あぁ~ 俺が悠の隣の席が良かったなぁ~」


榎本が空に向かってそう言った





(榎本が僕の隣の席だったら 僕は1日中ドキドキしちゃうよ・・・ なんて榎本には言えない)





(もう 僕のマンションの前だ・・・)





「悠 じゃ~また明日」


「うん 榎本 気を付けて帰ってね 部活頑張ってね」


「あぁ~」


榎本はそう言って走って帰って行った


(つづく)

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