悠と榎本

暁エネル

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人気者①

僕と榎本は駅に着き 電車を降り僕はため息をついていた


「悠 どうした・・・」





(悠がため息何でだ もしかして俺にスマホを教えるのが 悠のストレスになってる それともさっきの電車で笑い過ぎたか)





俺は悠の顔を覗き込んだ


「悠 スマホなんだけど・・・」


「うん教室でやろうよ そう言えば昨日お母さんが言ってたよ 榎本スマホケースから選んだって・・・」





(悠が笑ってる 俺のスマホが原因じゃ~ねぇ~のか?)





「あぁ~ 悠と同じのが良かったしなぁ~」






(悠のと同じならいろいろ教えてもらえるし あれから母ちゃんの機嫌も良くなって スマホのやり方教えてくれた 悠の母ちゃんと電話してたみてぇ~だし 悠の母ちゃんのおかげなんだよなぁ~)





「悠 俺ラインは出来る様になったよ」


「えっそうなの」





(じゃ~僕が教える事がないんじゃ~)





「悠はアイコン何にした?」


「僕はストラップのオットセイ 写真撮るの大変だったよ 榎本は?」


「俺はサッカーボール」


「榎本らしいね」


「悠だって・・・」


僕と榎本は笑いながら学校へと向った




僕は学校へ近づくと またため息をついてしまった


「悠 どうした・・・」





(悠がまたため息だ いったい何なんだ・・・)





榎本が僕の顔を覗き込んだ


「あっ榎本ごめん 今日体力測定があるでしょう 僕運動苦手だからさぁ~凄く憂鬱・・・」






(何だ良かったそんな事かぁ~ でも悠にとってはそんな事じゃ~ねぇ~んだろうなぁ~)





「悠 俺は結構 悠は体力あると思うけどなぁ~」


榎本は僕の肩に手を置いて 僕の耳元でそう言った


僕は榎本にそう言われ 顔が熱くなるのがわかった





(何言ってんの榎本 嫌だ・・・)





(ヤベ~悠の顔かわいい)





僕と榎本は教室へ


榎本は僕の机の前に立ちスマホを出した


「悠 ライン交換しよう」


「うん」


僕と榎本はスムーズにラインの交換ができ 僕が教えてあげる事は何もなかった


榎本とスマホの話をしていても これから体力測定があると思うと 僕は憂鬱で仕方がなかった





長谷川先生が教室へと入って来て 委員長が号令をかけみんなが着席をした


「おはようございます 今日はこれから体操着に着替え体力測定をします 体育委員とあと2人お手伝いしてくれる人」


先生は軽く手をあげみんなを見渡した





(ヤベ~悠に言うの忘れてた・・・ 出来れば悠と一緒にしてぇ~)





榎本が立ち上がり振り返った


「悠頼む」


榎本の言葉にクラスのみんなの視線が僕へ


僕は驚き 榎本に何度もうなずいていた


「榎本君 座って下さい」


榎本は先生にうながされ 優しい笑顔を僕に向けて座った





(まだドキドキしてる 僕は何をすればいいだろう・・・)





女子は瀬戸さんの前に座っている 関口さんに決まった


「みなさん静かに前を向いて下さい クラスごと出席番号順に体力測定をしますので 他のクラスの邪魔をしたり 混ざる事のない様にお願いします 先生や体育委員の指示に従って下さい 高橋君と関口さんは体育委員の測定をお願いします では女子は更衣室 男子は教室で着替えてグランドへ集合 このクラスはハンドボール投げからになります 体育館側で待機していて下さい」



女子は先生と更衣室へ


「悠 悪い言うの忘れてた・・・」


榎本はそう言いながら僕の机へ 僕は首を振った


「僕が榎本の記録を付ければいいんだよね」


「あぁ~自分で記録つけちゃいけないんだって だから悠が終わった俺の所へ来てほしい」





(てか俺の傍にずーっと居てほしいんだけどなぁ~)





「うんわかった 榎本は男子の全部つけるんでしょう 大変だよね僕も手伝うよ・・・」


「ありがとう悠 じゃ~俺の番に近づいて来たら頼もうかなぁ~」


「うんいいよ」





(さっきまでは体力測定にため息ついてたけど 悠は今笑顔だスゲーかわいい)







僕と榎本はグランドへ


体育館の方へ歩いて行くと線が引かれ ボールが置いてあった





(どうしよう 凄くドキドキしてきた 僕ちゃんと出来るの?)





「悠大丈夫? ちょっとボール持ってみん」


「えっこのボール?」


榎本がうなずき 僕はボールを持ってみた





(えっ普通のボールじゃ~ないの?重い)





「榎本これ・・・」


「ちょっと重いだろう・・・」


榎本は僕が持っていたボールを軽々と持ち上げ バスケットボールを回す様に人差し指にボールを乗せ ボールを回していた


クラスのみんなも集まり出した


長谷川先生がバインダーを持ち僕達の所へ


「みんな集まってる? これからハンドボール投げをします 初めは男子から出席番号順に 2回投げて距離をはかります 時間がありません早速はじめます 女子は座って待っている様に 体育委員の瀬戸さんは手伝って下さい」


長谷川先生が生徒にボールを持たせ 榎本はバインダーを持ち瀬戸さんはメジャーをボールが投げられ


榎本は落ちた地点を先生は投げれた所を瀬戸さんへ


瀬戸さんがメジャーを伸ばし榎本が記入した


次々とボールが投げられ僕の番になった





(みんな凄く飛んでた ボールが重いのに・・・)





「悠」


榎本が僕の所へ


「悠 左手が大事なんだ思いっきり反動つけろ」


僕はドキドキしながら榎本の話を聞いた





(えっ左手?何で左手なんだろう・・・)





僕は両手でボールを持ち 投げる瞬間左手を離しボールを投げた





(やっぱりあんまりボールは飛んでいかないや~ ドッチボールだって味方にボールを投げたつもりが 敵チームにボールが行ってしまう事がよくあった・・・)





「悠・・・」


榎本がボールを持って来てくれた


「ありがとう榎本」


「悠 左手を大きく動かして 空気をどかす様に」


僕は榎本にうなずいた





(空気を・・・ 榎本はさっき反動って言ってた)





榎本に言われた通りに左手を大きく動かし投げた





(今度は良さそうだなぁ~さっきより飛んでる 投げる前の悠の顔どう見ても 緊張マックスだったもんなぁ~)





(さっきよりも飛んだ やっぱり榎本は凄い)





僕は榎本のやる様子を見ていた


あと3人になり 僕は榎本と交代した


「悠 2本目良かったなぁ~ うん榎本のおかげ榎本代わるよ」


僕は榎本からバインダーを受け取った


「悠 ありがとう行って来る」


榎本はそう言って腕を回しながら最後の列に並んだ


体力測定のハンドボール投げは榎本の番になり 僕は少しずつ後ろへと下がった





(榎本はこのくらいかなぁ~)





榎本は僕に向かって手をあげ 僕も小さく手をあげた





(榎本のボールが来る)





僕は榎本が投げると同時にまた後ろへと下がった


榎本のボールはどんどんと僕の方へ





(やっぱり榎本は凄い みんなの声も・・・)




瀬戸さんが計測の為僕の所へ


「榎本君こんなに飛ばさなくてもいいんじゃない」


「瀬戸さん 2回目は榎本もっと距離が伸びるかもしれないよ」


「えーマジ勘弁してよ・・・」


瀬戸さんはそう言ってメジャーを手繰り寄せた


瀬戸さんはスタート地点から メジャーで測り行ったり来たりを繰り返していた


僕はボールを転がしはしに寄せた


榎本の2回目のボールは やっぱりさっきよりも飛んでいて


またみんなの驚きの声が聞こえた


瀬戸さんに距離を聞き僕は記入した


「瀬戸さんお疲れ様 次は瀬戸さん達の番だね」


「高橋君も手伝いありがとう 体力測定終わるまでお願いね それにしても榎本君は化け物なの?」


「榎本はスポーツ何でも得意なんだよ 背も高いしね」





(カッコいいよねなんて 瀬戸さんには言えないけど・・・)





「そう~」


瀬戸さんは納得した様にそう言って 僕は瀬戸さんにうなずいた





(悠と何話してんだ 終わったんだから悠から離れろよ)





女子と男子が入れ替わり 僕は瀬戸さんとボールとバインダーを持って先生の所へ 


「悠 あとで・・・」


榎本の言葉に僕はうなずいた



女子のハンドボール投げが始まり


榎本はメジャーを持って忙しそうにしていた





(僕よりもボールが飛んでいる人が居る・・・)





僕は自分が情けなく思えた


女子のハンドボール投げが終わり 榎本はみんなに囲まれて居た





(悠と話たいのに コイツら邪魔だよ・・・)





「悠・・・」


榎本の大きな声が聞こえて 榎本がみんなの中から出て来た


「アイツとさっき何話してたんだ・・・」


「えっあっ瀬戸さんの事 榎本は凄いなぁ~って話・・・」


榎本は僕の前に回り込み小さな声でこう言った


「俺は悠だけにそう言われたい」


僕は榎本を見上げたまま 榎本の優しい笑顔から目が離せなかった





(ヤベ~悠の顔ヤベ~ このまま悠を連れ出してぇ~)





「榎本君 次はあっち」


長谷川先生の声が聞こえ 榎本は慌てた様子で僕に言った


「ヤベ~悠 次は50メートル走だ」


榎本は振り返り 大きな声でみんなに言った


「みんな~次は50メートル走だから 俺について来てくれ」


みんなは榎本のあとをついて来た



(つづく)


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