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これから
教育実習も終わり 僕は2週間ぶりに我が家へ帰って来た
サボテンへも顔をだし 就職活動をしながら教員採用試験を受けた
ハードなスケジュールの毎日で サボテンへ行かれる日も少なくなっていた
(みんなもこんなに大変な毎日を過ごしているんだろうか・・・)
そう思いながら僕は自分の未熟さに憤りを感じていた
僕はそれと同時に榎本が居ないさみしさも加わっていた
僕は毎日榎本のベッドへと潜り込んでいた
「どうして榎本は僕の傍に居てくれないの」
僕の目から熱い涙が流れ 榎本の枕を抱きしめ眠りについていた
僕は久しぶりにソファーに座りながら 録画し撮りためていた スポーツニュースに目を通していた
榎本はシュートを決め 僕のあげた黄色いリストバンドの腕を高々とあげていた
僕は榎本の笑顔に涙を流していた
「何で榎本は遠く離れて笑っているの 帰って来て寝るだけのこの部屋に 何の意味があるの・・・」
僕は画面にそうつぶやき涙をふいていた
榎本からの連絡は少なく 忙しさを物語っていた
榎本は場所を移動しながら いろいろな所で試合が行われていた
(これ日本でもスポーツニュースとかで放送されてんのかなぁ~ 悠にも俺の活躍しってほしいなぁ~)
俺はおもしろい様に身体が動いていた
身体が軽く自分の思った通りにボールが弾み ゴールへと吸い込まれていた
(俺今怖いものなんかねぇ~かも 早く悠の笑顔が見てぇ~)
俺はチームとバスで移動していた
榎本は契約終了まで帰って来られないのか?
僕は怖くて榎本に聞く事が出来なかった
(榎本に会いたい・・・ 忙しいのはわかってる 榎本の活動も知ってる でもあとどれくらい待てばいいの? 怖くてとても聞けない 僕は知らなかった 榎本と会えないって事がこんなに苦しい事を・・・)
僕はまた榎本のベッドに潜り込み
榎本の布団で僕を包み込み 榎本の枕を抱きしめ眠った
そんなある日の事 物音がして僕は飛び起きた
「榎本」
僕は榎本の部屋を飛び出し榎本を探した
だけど榎本の姿はどこにもなく 暗い部屋に僕は膝まつき現実を突き付けられていた
(榎本が帰って来ている訳がない そんな事わかってるはずなのに・・・)
僕は少しの時間座り込み また榎本のベッドへ潜り込んだ
僕は就職活動を頑張った結果 2社から内定をもらっていた
それ以上に嬉しかった事は 教員採用試験に見事合格していた事だった
僕は榎本にすぐ連絡を入れ お母さんやおばさんサボテンへと 合格のお知らせをしていた
僕の周りの人達はみんな喜んでいてくれた
教授の話を良く聞きに行っていた僕は 顔を覚えられていたらしく
卒業論文も その教授はすんなりと僕の卒論を受け取ってくれた
僕は卒業を待つだけとなり サボテンへ行きながら 車の免許を取った
筆記試験は合格したものの 路上運転の難しさに苦戦していた
僕は慎重になり過ぎて どうしてもアクセルを強くは踏めず
試験官にも苦笑いをされてしまうほどだった
お母さんは卒業旅行でもして 榎本の所へ行ってくればと言ってくれた
僕が行けば榎本は喜んでくれるかもしれない
でも僕は榎本の邪魔はしたくなかったし 僕が榎本から離れられなくなってしまいそうで 正直怖かった
だから僕は榎本の帰りをここで待っている事にした
そんな事を思いながら 榎本がどんな暮らし方をイギリスでしているのかは 興味があった
大学の卒業式と共にパーティーが開かれた
僕は部活やサークルへの参加もなく 数人の友達に挨拶をして会場を出た
(みんな凄く盛り上がってたなぁ~ 僕も何かサークルに参加していたら こういう時楽しめたのかなぁ~)
僕はそう思いながらお母さんの待つ家へ
(教育実習以来だなぁ~)
「ただいま」
僕は玄関を開け奥へと進んだ
するとパンパンと大きな音がして クラッカーの紙テープが僕に降りかかった
「おめでとう悠」
「悠君 卒業&就職おめでとう」
「おばさん」
僕はクラッカーにも驚き おばさんが家に居る事にも驚いていた
「びっくりした?」
「はい びっくりしました」
「正臣の代わりにはなれないけど 悠君がおいしいって言ってくれた唐揚げ いっぱい作って持って来たから食べてね」
「はい ありがとうございます」
「悠君ちょっとやせちゃった? スーツ姿凄くにあってるあとで写真撮ろう」
おばさんはそう言いながら クラッカーの紙テープを集めていた
おばさんがスマホを取り出し 写真を何枚か撮っていた
「正臣うらやましがるわね 悠君正臣に写真送ったからね」
「榎本君は向こうで大活躍じゃない」
「悠君のお祝いに駆けつけられない 正臣が悪いのよねぇ~悠君」
「榎本君も頑張っているんでしょう」
お母さんとおばさんの会話に 僕はどう答えたら正解なのかがわからず
僕はもくもくと美味しそうな料理をつまんでいた
お母さんとおばさんの話が凄く弾んで 僕も何度か笑ってしまった
「あらもうこんな時間」
おばさんはそう言って帰る支度を始めた
「お母さん 僕もそろそろ」
「あら悠君泊まっていかないの?」
「はい 今日はありがとうございました」
僕はおばさんに頭を下げた
「じゃ~悠君途中まで一緒に行こう 片付けしなくてごめんね」
「そんな事いいのよ 気を付けて帰ってね 今日はありがとう」
僕とおばさんは玄関へ
「じゃ~また連絡するね 悠も気を付けてね」
「今日は楽しかった またね」
そう言っておばさんは玄関のドアを閉めた
僕とおばさんはエレベーターへ乗りマンションを出た
「悠君正臣とちゃんと連絡取ってる?」
「はい大丈夫です 連絡は来ています」
「そう それならいいんだけど・・・ 正臣連絡もよこさないでいきなり来るでしょう」
「はい びっくりします」
「ホントやめてもらいたいわ あっ悠君おばさんこっちだから・・・」
「はい 今日は楽しかったです ありがとうございました」
「悠君またね 正臣は悠君が居ないとダメな子だから これからもよろしくね」
そう言っておばさんは小さく手を振り行ってしまった
(おばさんはもしかして 僕と榎本の事を全部知ってる? どうしよう・・・怖くて榎本にも聞けない・・・)
僕は4月1日付で 西中学校の教員になる事が決まり
西中学校を一度見ておきたくて スマホを片手に電車に乗った
西中学校は僕と榎本が通っていた 西高校とそんなに離れてはいなかった
僕は通い慣れた西高校を見上げてた
(少し前まで毎日通ってた 榎本と3年間ここで過ごす予定だったのになぁ~)
僕は西高校を通り過ぎ スマホを見ながら進んで行った
(前もって来て見て良かった 細い道が入り組んでいて スマホを見ながらじゃないと迷ってしまう)
僕は西高校から来てしまったから 細い道しか通る事が出来なかっただけで
大通りから来れば わかりやすい道に西中学校はあった
でも僕は西高校からの あの細く入り組んだ道がとても気に入り
西中学校へはあの道を通って通勤をする事にした
サボテンへ行く最後の日となった
僕はいつもの様に着替えをして カウンターへと入って 幸子さんと交代した
大学生になってから後半は サボテンへ行かれない日も多くなり
それでも マスターと幸子さんは優しく僕に接してくれた
常連客の島田さんも 僕が居るとブレンドの味が違うと 嬉しそうに言ってくれた
「悠君 おもての看板しまって来て」
「はい」
僕はいつもの様に看板をしまった
「悠君 着替えて来て」
「はい」
(そっか ズボンと蝶ネクタイとベストは返すんだ)
僕は着替えを済ませ 出来るだけキレイに一式をたたんだ
僕は帰る支度をしてカウンターへ
「お~い幸子さん下りて来て下さ~い」
マスターは2階に向かって幸子さんを呼んでいた
「は~い」
幸子さんは階段を下りて来た
「幸子さん お借りしていた物をお返しします」
僕はそう言って一式を渡した
「はい確かに・・・ 悠君 私達からも悠君へ渡したい物があってね」
そう言って幸子さんは小さな手提げ袋を僕へ
「ありがとうございます 開けてもいいですか?」
「もちろん」
僕は紙袋から細い箱を取り出して 包み紙を開いた
「ありがとうございます 似合いますか?」
僕はキレイな青色のネクタイを首元へと当てた
「うん やっぱり悠君は青色が似合うわ ねぇ~マスター」
「そうだねいろいろ迷ったんだけど 幸子さんが決めたので正解だったね」
2人は嬉しそうに笑い合っていた
「悠君が居なくなるとさみしくなるわ・・・」
「幸子さん 悠君は社会に出るのだから 祝ってあげなくちゃ」
「そうですね」
「マスター幸子さん 長い間本当にお世話になりました カウンターに飾られた榎本のパネルが増えるたびに 僕も負けてられないと言う気分になりました 今度は榎本と一緒に来ます」
僕は榎本の新聞記事や写真を見ながらそう言った
「そうだね 榎本君と悠君の活躍を祈ってるよ 最後に今日までのバイト代です」
そう言ってマスターが僕に渡してくれた
「本当に今までありがとうございました」
僕は深々と頭を下げた
「悠君 いつでも待ってからね」
「はい」
僕は元気良く返事をしてサボテンを出た
カランカランとドアの音が鳴っていた
(つづく)
サボテンへも顔をだし 就職活動をしながら教員採用試験を受けた
ハードなスケジュールの毎日で サボテンへ行かれる日も少なくなっていた
(みんなもこんなに大変な毎日を過ごしているんだろうか・・・)
そう思いながら僕は自分の未熟さに憤りを感じていた
僕はそれと同時に榎本が居ないさみしさも加わっていた
僕は毎日榎本のベッドへと潜り込んでいた
「どうして榎本は僕の傍に居てくれないの」
僕の目から熱い涙が流れ 榎本の枕を抱きしめ眠りについていた
僕は久しぶりにソファーに座りながら 録画し撮りためていた スポーツニュースに目を通していた
榎本はシュートを決め 僕のあげた黄色いリストバンドの腕を高々とあげていた
僕は榎本の笑顔に涙を流していた
「何で榎本は遠く離れて笑っているの 帰って来て寝るだけのこの部屋に 何の意味があるの・・・」
僕は画面にそうつぶやき涙をふいていた
榎本からの連絡は少なく 忙しさを物語っていた
榎本は場所を移動しながら いろいろな所で試合が行われていた
(これ日本でもスポーツニュースとかで放送されてんのかなぁ~ 悠にも俺の活躍しってほしいなぁ~)
俺はおもしろい様に身体が動いていた
身体が軽く自分の思った通りにボールが弾み ゴールへと吸い込まれていた
(俺今怖いものなんかねぇ~かも 早く悠の笑顔が見てぇ~)
俺はチームとバスで移動していた
榎本は契約終了まで帰って来られないのか?
僕は怖くて榎本に聞く事が出来なかった
(榎本に会いたい・・・ 忙しいのはわかってる 榎本の活動も知ってる でもあとどれくらい待てばいいの? 怖くてとても聞けない 僕は知らなかった 榎本と会えないって事がこんなに苦しい事を・・・)
僕はまた榎本のベッドに潜り込み
榎本の布団で僕を包み込み 榎本の枕を抱きしめ眠った
そんなある日の事 物音がして僕は飛び起きた
「榎本」
僕は榎本の部屋を飛び出し榎本を探した
だけど榎本の姿はどこにもなく 暗い部屋に僕は膝まつき現実を突き付けられていた
(榎本が帰って来ている訳がない そんな事わかってるはずなのに・・・)
僕は少しの時間座り込み また榎本のベッドへ潜り込んだ
僕は就職活動を頑張った結果 2社から内定をもらっていた
それ以上に嬉しかった事は 教員採用試験に見事合格していた事だった
僕は榎本にすぐ連絡を入れ お母さんやおばさんサボテンへと 合格のお知らせをしていた
僕の周りの人達はみんな喜んでいてくれた
教授の話を良く聞きに行っていた僕は 顔を覚えられていたらしく
卒業論文も その教授はすんなりと僕の卒論を受け取ってくれた
僕は卒業を待つだけとなり サボテンへ行きながら 車の免許を取った
筆記試験は合格したものの 路上運転の難しさに苦戦していた
僕は慎重になり過ぎて どうしてもアクセルを強くは踏めず
試験官にも苦笑いをされてしまうほどだった
お母さんは卒業旅行でもして 榎本の所へ行ってくればと言ってくれた
僕が行けば榎本は喜んでくれるかもしれない
でも僕は榎本の邪魔はしたくなかったし 僕が榎本から離れられなくなってしまいそうで 正直怖かった
だから僕は榎本の帰りをここで待っている事にした
そんな事を思いながら 榎本がどんな暮らし方をイギリスでしているのかは 興味があった
大学の卒業式と共にパーティーが開かれた
僕は部活やサークルへの参加もなく 数人の友達に挨拶をして会場を出た
(みんな凄く盛り上がってたなぁ~ 僕も何かサークルに参加していたら こういう時楽しめたのかなぁ~)
僕はそう思いながらお母さんの待つ家へ
(教育実習以来だなぁ~)
「ただいま」
僕は玄関を開け奥へと進んだ
するとパンパンと大きな音がして クラッカーの紙テープが僕に降りかかった
「おめでとう悠」
「悠君 卒業&就職おめでとう」
「おばさん」
僕はクラッカーにも驚き おばさんが家に居る事にも驚いていた
「びっくりした?」
「はい びっくりしました」
「正臣の代わりにはなれないけど 悠君がおいしいって言ってくれた唐揚げ いっぱい作って持って来たから食べてね」
「はい ありがとうございます」
「悠君ちょっとやせちゃった? スーツ姿凄くにあってるあとで写真撮ろう」
おばさんはそう言いながら クラッカーの紙テープを集めていた
おばさんがスマホを取り出し 写真を何枚か撮っていた
「正臣うらやましがるわね 悠君正臣に写真送ったからね」
「榎本君は向こうで大活躍じゃない」
「悠君のお祝いに駆けつけられない 正臣が悪いのよねぇ~悠君」
「榎本君も頑張っているんでしょう」
お母さんとおばさんの会話に 僕はどう答えたら正解なのかがわからず
僕はもくもくと美味しそうな料理をつまんでいた
お母さんとおばさんの話が凄く弾んで 僕も何度か笑ってしまった
「あらもうこんな時間」
おばさんはそう言って帰る支度を始めた
「お母さん 僕もそろそろ」
「あら悠君泊まっていかないの?」
「はい 今日はありがとうございました」
僕はおばさんに頭を下げた
「じゃ~悠君途中まで一緒に行こう 片付けしなくてごめんね」
「そんな事いいのよ 気を付けて帰ってね 今日はありがとう」
僕とおばさんは玄関へ
「じゃ~また連絡するね 悠も気を付けてね」
「今日は楽しかった またね」
そう言っておばさんは玄関のドアを閉めた
僕とおばさんはエレベーターへ乗りマンションを出た
「悠君正臣とちゃんと連絡取ってる?」
「はい大丈夫です 連絡は来ています」
「そう それならいいんだけど・・・ 正臣連絡もよこさないでいきなり来るでしょう」
「はい びっくりします」
「ホントやめてもらいたいわ あっ悠君おばさんこっちだから・・・」
「はい 今日は楽しかったです ありがとうございました」
「悠君またね 正臣は悠君が居ないとダメな子だから これからもよろしくね」
そう言っておばさんは小さく手を振り行ってしまった
(おばさんはもしかして 僕と榎本の事を全部知ってる? どうしよう・・・怖くて榎本にも聞けない・・・)
僕は4月1日付で 西中学校の教員になる事が決まり
西中学校を一度見ておきたくて スマホを片手に電車に乗った
西中学校は僕と榎本が通っていた 西高校とそんなに離れてはいなかった
僕は通い慣れた西高校を見上げてた
(少し前まで毎日通ってた 榎本と3年間ここで過ごす予定だったのになぁ~)
僕は西高校を通り過ぎ スマホを見ながら進んで行った
(前もって来て見て良かった 細い道が入り組んでいて スマホを見ながらじゃないと迷ってしまう)
僕は西高校から来てしまったから 細い道しか通る事が出来なかっただけで
大通りから来れば わかりやすい道に西中学校はあった
でも僕は西高校からの あの細く入り組んだ道がとても気に入り
西中学校へはあの道を通って通勤をする事にした
サボテンへ行く最後の日となった
僕はいつもの様に着替えをして カウンターへと入って 幸子さんと交代した
大学生になってから後半は サボテンへ行かれない日も多くなり
それでも マスターと幸子さんは優しく僕に接してくれた
常連客の島田さんも 僕が居るとブレンドの味が違うと 嬉しそうに言ってくれた
「悠君 おもての看板しまって来て」
「はい」
僕はいつもの様に看板をしまった
「悠君 着替えて来て」
「はい」
(そっか ズボンと蝶ネクタイとベストは返すんだ)
僕は着替えを済ませ 出来るだけキレイに一式をたたんだ
僕は帰る支度をしてカウンターへ
「お~い幸子さん下りて来て下さ~い」
マスターは2階に向かって幸子さんを呼んでいた
「は~い」
幸子さんは階段を下りて来た
「幸子さん お借りしていた物をお返しします」
僕はそう言って一式を渡した
「はい確かに・・・ 悠君 私達からも悠君へ渡したい物があってね」
そう言って幸子さんは小さな手提げ袋を僕へ
「ありがとうございます 開けてもいいですか?」
「もちろん」
僕は紙袋から細い箱を取り出して 包み紙を開いた
「ありがとうございます 似合いますか?」
僕はキレイな青色のネクタイを首元へと当てた
「うん やっぱり悠君は青色が似合うわ ねぇ~マスター」
「そうだねいろいろ迷ったんだけど 幸子さんが決めたので正解だったね」
2人は嬉しそうに笑い合っていた
「悠君が居なくなるとさみしくなるわ・・・」
「幸子さん 悠君は社会に出るのだから 祝ってあげなくちゃ」
「そうですね」
「マスター幸子さん 長い間本当にお世話になりました カウンターに飾られた榎本のパネルが増えるたびに 僕も負けてられないと言う気分になりました 今度は榎本と一緒に来ます」
僕は榎本の新聞記事や写真を見ながらそう言った
「そうだね 榎本君と悠君の活躍を祈ってるよ 最後に今日までのバイト代です」
そう言ってマスターが僕に渡してくれた
「本当に今までありがとうございました」
僕は深々と頭を下げた
「悠君 いつでも待ってからね」
「はい」
僕は元気良く返事をしてサボテンを出た
カランカランとドアの音が鳴っていた
(つづく)
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