145 / 148
教員②
男子生徒は僕をからかっている様には見えず
むしろ悩みを抱えている様に僕には見えた
対照的に女子生徒2人はニコニコと僕の顔を見ていた
(どうしよう・・・ ごまかしてしまおうか でも男子生徒の様子が気になるし・・・)
僕はゆっくりと立ち上がり 美術室のドアを閉めた
僕はまた椅子に座り 生徒達の目をジッと見ていた
「誰に言わないと約束出来ますか?」
「うん 出来る出来る」
女子生徒は笑顔でそう言った
男子生徒は小さくうなづいていた
僕は生徒達に椅子に座る様にうながした
「それじゃ~話すよ」
(どうしよう・・・ どこまで話をすればいいの こんな経験した事ないよ・・・)
僕はドキドキしながら生徒達を見ていた
「先生早く・・・」
「わかった・・・ 僕がその人に出会ったのは中学校2年生の時だったんだ 僕はある事がきっかけで その人の事ばかり考える様になってしまって 目が離せなくなっていたんだ」
「先生ある事って何?」
(どうしよう・・・ 教室でキスされたとか言えないよ・・・)
「それは・・・」
「先生が話してんだろう ちゃんと聞けよ」
「そんなに怒らなくてもいいじゃん 気になっただけじゃん」
男子生徒に僕は助けられたけど 雰囲気が悪くなった
「いいのかなぁ~話て・・・」
「先生ごめん続けて」
男子生徒は女子生徒に構わずそう言った
「僕はその人の事ばかり気になり始めた 僕が誰かの事を気になるそんな気持ちは初めてで その人を見るだけでドキドキしたんだ 僕は自分のこの気持ちが何なのか 全くわからなかった そしてだんだんと辛くなって来て その人に自分の気持ちを全部ぶつけたんだ」
「先生って勇気あるね」
「そんなんじゃ~ないんだよ 僕はただ自分の気持ちにケリを付けたかったんだよ もう耐えられないところまできていたから・・・」
「先生それで・・・」
「その人は僕の事が好きだって言ってくれた」
女子生徒2人は大きな声を出した
僕は口元に人差し指を立てた
「僕はそう言われて初めて自分の気持ちを知ったんだ でもその人は僕が知るずっと前から僕の事を見てくれていたんだよ 僕はそんな事少しも気付いていなかったんだ」
「え~先生ぜんぜん気が付かなかった訳~」
「そうなんだ・・・ だって2年生になってクラス替えで 初めてその人と同じクラスになったんだよ」
「先生にぜんぜん気付いてもらってなかったその人かわいそう・・・」
「先生ってドンカン?」
「そうだね」
僕はそう言って笑ってみせた
「え~でも素敵ねぇ~ それから先生とその人どうなったの」
「今はちょっと離れているけど 連絡は取り合ってるよ」
「じゃ~先生その人と今もうまくいってるんだね」
「うん そうだね」
男子生徒は僕の話を黙って聞いていた
「さぁ~僕の話はこれでおしまい 気を付けて帰って下さい」
僕はそう言って立ち上がり窓を閉めた
「先生さよなら」
生徒達3人は美術室を出て行った
僕は少し美術室に残っていた
(あぁ~びっくりした・・・ まさか僕の初恋話を話すとか大丈夫だったかなぁ~ 榎本の名前は出してないし 変な所はなかったよね まだ少しドキドキしてるよ・・・)
僕は美術室に誰も居ない事を確認してドアの鍵を閉めた
僕が廊下に出ると さっきの男子生徒が壁に寄りかかって居た
「どうしたの?」
僕はそう言って男子生徒に近づいてた
「先生」
一度僕を見てまたうつむいてしまった
僕は男子生徒の隣で同じ様に壁に寄りかかった
「先生 俺も目が離せない人が居るんだ 気が付くといつも目で追ってる」
「そうだったんですか」
「先生俺 変なのかなぁ~」
「僕も自分の気持ちに気付いた時は 凄く悩みましたよ」
「先生でも違うんだ だったアイツは・・・」
男子生徒は顔を上げて 僕に訴えかける様な目をしていた
「明日 僕に時間を作ってもらえますか? また放課後美術室に来て下さい」
「えっ先生明日部活ないよ」
「岸田先生に美術室の鍵を借りおきます 君に渡した物があるんです」
「えっ先生何?」
「それは明日のお楽しみです」
「わかった明日来ればいいんだね 先生ありがとう じゃ~明日楽しみにしてるね」
そう言って男子生徒は笑顔で手を振り 階段を下りて行った
(榎本・・・ 僕ちゃんと先生してるよ 榎本の事を話したら榎本に会いたくなっちゃったよ ねぇ~榎本はいつ僕の所へ帰って来てくれるの・・・)
僕は校舎へと夕焼けが差し込み とてもキレイな景色に榎本を思い浮かべていた
僕は家へ帰り本棚から 白い背表紙の本を手に取った
これは僕が榎本から借りている本で 何度も読み返した本
なぜかこの本を 男子生徒に渡したいと思ってしまった
【君への想い】 その本は病弱な少年の話で友達との友情や家族の絆
とても心があたたかくなるお話で 僕はこの本を男子生徒に渡す事にした
(少しでも役に立つといいなぁ~ 解決する事は出来ないかもしれないけど 背中を少しでも押す事が出来ればそれでいい・・・ この男の子みたいに笑って過ごせる日が来るといいなぁ~)
僕は榎本にラインを送り眠りについた
僕は岸田先生に許可をいただき 鍵を借り放課後の美術室で男子生徒を待っていた
足音が聞こえて僕はドアの方へと視線を向けていた
「先生」
男子生徒は僕の方へと真っ直ぐに向かって来た
「先生 先生が昨日話をしてくれた様に 俺の話も先生に聞いてもらいたいんだ」
男子生徒は僕の目を真っ直ぐ見てそう言った
僕は立ち上がり美術室のドアを閉めた
「僕がアドレス出来るかはわからないんだけど・・・」
「俺が先生に話たいんだよ 先生は聞いてくれるだけでいいよ」
「わかりました」
僕はそう言って男子生徒と向き合った
「俺も今凄く気になっている人が居るんだ そいつとは前まで普通話が出来ていたのに この頃凄くそいつの行動だったり誰かと話をしてたりするとスゲー嫌なんだ 俺こんな気持ち初めてで 昨日先生が話してくれたのと似てると思って・・・ でも先生と俺とは絶対に違うんだ」
男子生徒は下を向き黙ってしまった
「僕はいろいろな恋の形があると思うんです 人の数だけいろいろあって違っていいと僕は思います その人を思う気持ちはとても大切で素晴らしい その気持ちにウソは無いと僕は思います お互いの気持ちが大事なのですよ それを確かめる事は凄く大変でとても勇気がいる事なんですが」
「でも先生は確かめたんでしょう」
「僕の場合は・・・ 半分やけくそで昨日も言いましたが 自分の気持ちにケリを付けたかったんです もう本当に辛かったので・・・ 相手の気持ちとかを考える余裕は全くなかったんです」
「でも先生うまくいったんだよね」
「そうですね」
「俺 先生がやっぱうらやましいよ その人は初めから先生の事が好きだったんでしょう 先生は幸せ者だよ」
僕は手に持っていた本を男子生徒に渡した
「これは昨日僕が言っていた 君に渡したい物です」
「えっ俺に・・・」
「はい この本は先生が中学校2年生の時に出会った本です」
「君への想い」
「はい 僕が何度も読み返した本です 君がどう解釈するかは君の自由です こんな話もあるのかぐらいに思ってくれてもいいです」
「先生 ありがとう」
「あっそれは返さなくてもいいです」
「えっ先生くれんの」
「はい もう何度も読み返しので 君に貰っていただけると嬉しいです」
「ありがとう先生」
そう言って男子生徒は立ち上がりった
「気を付けて帰って下さい」
「先生また俺の相談にのってくれる?」
「はい 僕で良ければ・・・」
「先生ありがとう」
そう言って男子生徒は笑顔で美術室を出て行った
(榎本は何て言ってくれるかなぁ~ 榎本だったらもう少し上手に言えたのかなぁ~ 僕はこれで良かったのかなぁ~)
僕はそう思いながら美術室の鍵を閉めた
(つづく)
むしろ悩みを抱えている様に僕には見えた
対照的に女子生徒2人はニコニコと僕の顔を見ていた
(どうしよう・・・ ごまかしてしまおうか でも男子生徒の様子が気になるし・・・)
僕はゆっくりと立ち上がり 美術室のドアを閉めた
僕はまた椅子に座り 生徒達の目をジッと見ていた
「誰に言わないと約束出来ますか?」
「うん 出来る出来る」
女子生徒は笑顔でそう言った
男子生徒は小さくうなづいていた
僕は生徒達に椅子に座る様にうながした
「それじゃ~話すよ」
(どうしよう・・・ どこまで話をすればいいの こんな経験した事ないよ・・・)
僕はドキドキしながら生徒達を見ていた
「先生早く・・・」
「わかった・・・ 僕がその人に出会ったのは中学校2年生の時だったんだ 僕はある事がきっかけで その人の事ばかり考える様になってしまって 目が離せなくなっていたんだ」
「先生ある事って何?」
(どうしよう・・・ 教室でキスされたとか言えないよ・・・)
「それは・・・」
「先生が話してんだろう ちゃんと聞けよ」
「そんなに怒らなくてもいいじゃん 気になっただけじゃん」
男子生徒に僕は助けられたけど 雰囲気が悪くなった
「いいのかなぁ~話て・・・」
「先生ごめん続けて」
男子生徒は女子生徒に構わずそう言った
「僕はその人の事ばかり気になり始めた 僕が誰かの事を気になるそんな気持ちは初めてで その人を見るだけでドキドキしたんだ 僕は自分のこの気持ちが何なのか 全くわからなかった そしてだんだんと辛くなって来て その人に自分の気持ちを全部ぶつけたんだ」
「先生って勇気あるね」
「そんなんじゃ~ないんだよ 僕はただ自分の気持ちにケリを付けたかったんだよ もう耐えられないところまできていたから・・・」
「先生それで・・・」
「その人は僕の事が好きだって言ってくれた」
女子生徒2人は大きな声を出した
僕は口元に人差し指を立てた
「僕はそう言われて初めて自分の気持ちを知ったんだ でもその人は僕が知るずっと前から僕の事を見てくれていたんだよ 僕はそんな事少しも気付いていなかったんだ」
「え~先生ぜんぜん気が付かなかった訳~」
「そうなんだ・・・ だって2年生になってクラス替えで 初めてその人と同じクラスになったんだよ」
「先生にぜんぜん気付いてもらってなかったその人かわいそう・・・」
「先生ってドンカン?」
「そうだね」
僕はそう言って笑ってみせた
「え~でも素敵ねぇ~ それから先生とその人どうなったの」
「今はちょっと離れているけど 連絡は取り合ってるよ」
「じゃ~先生その人と今もうまくいってるんだね」
「うん そうだね」
男子生徒は僕の話を黙って聞いていた
「さぁ~僕の話はこれでおしまい 気を付けて帰って下さい」
僕はそう言って立ち上がり窓を閉めた
「先生さよなら」
生徒達3人は美術室を出て行った
僕は少し美術室に残っていた
(あぁ~びっくりした・・・ まさか僕の初恋話を話すとか大丈夫だったかなぁ~ 榎本の名前は出してないし 変な所はなかったよね まだ少しドキドキしてるよ・・・)
僕は美術室に誰も居ない事を確認してドアの鍵を閉めた
僕が廊下に出ると さっきの男子生徒が壁に寄りかかって居た
「どうしたの?」
僕はそう言って男子生徒に近づいてた
「先生」
一度僕を見てまたうつむいてしまった
僕は男子生徒の隣で同じ様に壁に寄りかかった
「先生 俺も目が離せない人が居るんだ 気が付くといつも目で追ってる」
「そうだったんですか」
「先生俺 変なのかなぁ~」
「僕も自分の気持ちに気付いた時は 凄く悩みましたよ」
「先生でも違うんだ だったアイツは・・・」
男子生徒は顔を上げて 僕に訴えかける様な目をしていた
「明日 僕に時間を作ってもらえますか? また放課後美術室に来て下さい」
「えっ先生明日部活ないよ」
「岸田先生に美術室の鍵を借りおきます 君に渡した物があるんです」
「えっ先生何?」
「それは明日のお楽しみです」
「わかった明日来ればいいんだね 先生ありがとう じゃ~明日楽しみにしてるね」
そう言って男子生徒は笑顔で手を振り 階段を下りて行った
(榎本・・・ 僕ちゃんと先生してるよ 榎本の事を話したら榎本に会いたくなっちゃったよ ねぇ~榎本はいつ僕の所へ帰って来てくれるの・・・)
僕は校舎へと夕焼けが差し込み とてもキレイな景色に榎本を思い浮かべていた
僕は家へ帰り本棚から 白い背表紙の本を手に取った
これは僕が榎本から借りている本で 何度も読み返した本
なぜかこの本を 男子生徒に渡したいと思ってしまった
【君への想い】 その本は病弱な少年の話で友達との友情や家族の絆
とても心があたたかくなるお話で 僕はこの本を男子生徒に渡す事にした
(少しでも役に立つといいなぁ~ 解決する事は出来ないかもしれないけど 背中を少しでも押す事が出来ればそれでいい・・・ この男の子みたいに笑って過ごせる日が来るといいなぁ~)
僕は榎本にラインを送り眠りについた
僕は岸田先生に許可をいただき 鍵を借り放課後の美術室で男子生徒を待っていた
足音が聞こえて僕はドアの方へと視線を向けていた
「先生」
男子生徒は僕の方へと真っ直ぐに向かって来た
「先生 先生が昨日話をしてくれた様に 俺の話も先生に聞いてもらいたいんだ」
男子生徒は僕の目を真っ直ぐ見てそう言った
僕は立ち上がり美術室のドアを閉めた
「僕がアドレス出来るかはわからないんだけど・・・」
「俺が先生に話たいんだよ 先生は聞いてくれるだけでいいよ」
「わかりました」
僕はそう言って男子生徒と向き合った
「俺も今凄く気になっている人が居るんだ そいつとは前まで普通話が出来ていたのに この頃凄くそいつの行動だったり誰かと話をしてたりするとスゲー嫌なんだ 俺こんな気持ち初めてで 昨日先生が話してくれたのと似てると思って・・・ でも先生と俺とは絶対に違うんだ」
男子生徒は下を向き黙ってしまった
「僕はいろいろな恋の形があると思うんです 人の数だけいろいろあって違っていいと僕は思います その人を思う気持ちはとても大切で素晴らしい その気持ちにウソは無いと僕は思います お互いの気持ちが大事なのですよ それを確かめる事は凄く大変でとても勇気がいる事なんですが」
「でも先生は確かめたんでしょう」
「僕の場合は・・・ 半分やけくそで昨日も言いましたが 自分の気持ちにケリを付けたかったんです もう本当に辛かったので・・・ 相手の気持ちとかを考える余裕は全くなかったんです」
「でも先生うまくいったんだよね」
「そうですね」
「俺 先生がやっぱうらやましいよ その人は初めから先生の事が好きだったんでしょう 先生は幸せ者だよ」
僕は手に持っていた本を男子生徒に渡した
「これは昨日僕が言っていた 君に渡したい物です」
「えっ俺に・・・」
「はい この本は先生が中学校2年生の時に出会った本です」
「君への想い」
「はい 僕が何度も読み返した本です 君がどう解釈するかは君の自由です こんな話もあるのかぐらいに思ってくれてもいいです」
「先生 ありがとう」
「あっそれは返さなくてもいいです」
「えっ先生くれんの」
「はい もう何度も読み返しので 君に貰っていただけると嬉しいです」
「ありがとう先生」
そう言って男子生徒は立ち上がりった
「気を付けて帰って下さい」
「先生また俺の相談にのってくれる?」
「はい 僕で良ければ・・・」
「先生ありがとう」
そう言って男子生徒は笑顔で美術室を出て行った
(榎本は何て言ってくれるかなぁ~ 榎本だったらもう少し上手に言えたのかなぁ~ 僕はこれで良かったのかなぁ~)
僕はそう思いながら美術室の鍵を閉めた
(つづく)
あなたにおすすめの小説
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。