俺の知らなかった世界

暁エネル

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卒業式

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俺はみんなが就職活動をしている時に


車の免許を俺は取っていた


大学に近く数分の所に教習所があり道幅も広く


初心者にはとても優しい道路で


俺はスムーズに免許を取る事が出来た



(これで龍にもう不十分はさせねぇ~ あの時はムリをさせて龍に運転させたからなぁ~)



俺は家庭教師のバイトも順調に進み


子供の成績も上がりご両親共に喜び


夕食をごちそうになったりする事もしばしば


俺の大学生活は順調で


俺は龍の所へ永久就職する


それにあたって友達も教授も


俺が就職活動しない事にえらく心配していた



(みんな大変だなぁ~ 何社も面接に行って緊張して疲れて帰って来て また違う会社への面接って俺には出来ねぇ~ でも俺には龍が待っている龍に会いたい龍に会いに行くか? でも今会いに行ったら俺龍と離れたくなくなる あともう少しで龍とず~っと一緒に居られるんだ あともう少しで・・・)



俺はここまで来たら卒業までと


龍に会う日を伸ばしに伸ばしていた





俺の家が慌ただしく誰もが駆けずり回っていた


「いったい何の騒ぎなんだよ」


俺は慌てていた若い衆に聞いた


「若 大変です カシラが倒れました 今救急車を呼んだところです」


「オヤジが倒れた でお前はオヤジが倒れてるところを見たのか?」


「いえ 見てません」


「そうか・・・」


「若 気を確かに・・・」


「俺は大丈夫だ」



(これはひょっとすると・・・ いやひょっとしなくてもチャンスだよなぁ~ しばらく入院って事にはなるよなぁ~)



俺は様子を伺う事にした


やがて幹部が集まり話し合った


「命に別条はない ただしばらく入院だ」



(何だ まだ生きてるのか・・・)



「若 もうしばらくの辛抱です」


「いや俺は大丈夫だ それよりもどのくらいかかるんだ」


「いろいろ検査するみたいですね でもそんなにかからないと思いやす」



(俺が仕切るのはまだ早いって事か・・・)



俺はあまり出しゃばらず幹部の話を聞いていた





俺は時間が出来た事でみんなより一足早く


卒業論文に取り掛かっていた


教授と仲良くなっていた俺は


教授にテーマを相談し俺なりに


おもしろい論文が書けそうでワクワクしていた


そんな中俺は龍に電話をかけた


「真彦 どうした?」



(あぁ~龍の声だ・・・)



俺は龍が近くに居る様でドキドキしていた


「龍 元気?」



(真彦が電話をかけてくるなんて 何かあったのか?)



「あぁ~俺は元気だ 真彦何かあったのか?」


「えっあっ別に何もないよ ただ龍が元気かなぁ~と思って 龍の声が聞きたかっただけ・・・」


「そうなのか?」


「うん ホントにそれだけ・・・」



(かえって龍に心配かける事になったのか? でも龍の声は聞きたかったし・・・)



「龍・・・」


「ううん?」


「卒業するまで龍の所へは帰らない」


「そうか・・・」



(こっちもその方が都合がいい まだ真彦にオヤジの事を話したくないしなぁ~)



「ホントは今すぐ龍を抱きしめたいでも我慢するよ 楽しみが少し伸びるだけだ それに龍はどこにも逃げない だから龍待ってて俺が行くまで・・・」


「真彦 本当に俺と一緒に暮らすのか?」


「今さらダメとかは無しだぜ 俺はずっと龍と一緒に暮らす事を目標に勉強してきたんだ・・・」


「そうだなぁ~ そうだよなぁ~」


「えっ何?何かあるの?」



(龍の家の事情とか? もしかして俺は龍の家に住めないのか?)



(真彦が帰って来たら一度真彦の両親に俺から説明する必要があるよなぁ~)



「真彦 真彦が帰って来たら俺真彦の両親に挨拶しねぇ~となぁ~」


「えっ何で?」



(まさかの俺を下さい的な?・・・)



「真彦の両親だって不安だろう・・・ まだ俺はオヤジとケンカをはじめてる訳じゃねぇ~し まだ何も変わってねぇ~からなぁ~」



(そっちか・・・ 俺はてっきり龍がカッコ良く 俺を貰うって言ってくれるのかと・・・ 龍はそんな事言わねぇ~か・・・)



「真彦聞いているのか?」


「あぁ~聞いているよ」


「俺も・・・」


「龍 何?」


「いや~ 初めは真彦を説得しようとしてたんだ」


「えっ? 説得って・・・」


「いくら何でもヤクザの家に 大事な息子を行かせるとかはねぇ~ってなぁ~ でも真彦は本気だし俺も真彦が居てくれた方が心強いしなぁ~ 俺もだんだんとなぁ~ 俺がむしろ真彦を迎えたいって思ったんだ・・・」



(あぁ~龍が近くに居ないのが悔しいなぁ~ 今絶対にいい感じで龍を押し倒せるだろう・・・)



「龍・・・ 俺が手が届かないからそんな嬉しい事を言ってくれるの?」


「違う・・・ そうじゃねぇ~」


「じゃ~俺が帰っても同じ事を言ってくれる?」


「何をだよ・・・」


「俺を迎えたいって事は 俺とず~っと一緒に居るって事だ 龍の口から聞きたい俺が帰ったら約束だ龍・・・」



(真彦が帰って来たらそんな約束忘れてる 真彦が帰って来るまでずいぶんと時間がある 真彦だって忙しいんだそんな約束・・・)



「あぁ~わかってた」


「龍・・・ 約束だからなぁ~」



(これで俺は頑張れる龍に会うまで俺は・・・)



俺は龍との電話を切った



(それにしても真彦が良く我慢出来ている 俺と会うまでって・・・ 真彦に会ったらそれこそ俺はとんでもねぇ~事になるんじゃ~ねぇ~のか? 今までの比じゃねぇ~くらい・・・)



俺は怖くて自分の身体を抱きしめていた





俺はサークル活動も頑張り


後輩達とも仲良くなり


引退式では後輩達みんなから


色紙や手紙花束を貰った


論文も書き終え教授とも別れをおしんだ


家庭教師のバイトは卒業する最後まで行った


成績が上がり勉強する楽しさを教えられ


俺自信も勉強になったしご両親にもとても感謝をされた



(あとは卒業するだけだ・・・ 早く龍に会いたい・・・)



俺は卒業式が終わったら速攻で電車に乗り龍の所へ行くはずだった


けれどもそうは行かず足止めをくらっていた



(待て待てウソだろう・・・ 二次会三次会まであるとか聞いてねぇ~ マジで今日中に龍に会えねぇ~って事だこれ・・・)



俺達男性はスーツ女性は袴姿で卒業式に参加していた


俺達の卒業式は入学式と同じく


学部ごとに並んでいた



(龍に連絡をしねぇ~と きっと俺が帰って来るのを待ってる 式が終わったら連絡しよう・・・)



俺は静かに卒業式が終わるのを待っていた


卒業式が終わり写真を撮り


女性達は着替えの為


男性人は待たされていた



(今しかねぇ~よなぁ~ 龍に連絡しよう・・・)



俺は1人になれる所を見つけ龍に連絡を取った


「龍・・・」


「真彦 今日卒業式だろう・・・」


「その事なんだけど 二次会三次会とあるらしくて 今日中にそっちへ帰れそうになくて・・・」


「わかった こっちは気にするな楽しんで来い・・・」


「俺はさぁ~ 龍に会いたい」


「こんだけ会わなかったんだ たった1日伸びるくらいなんだよ」


「こんだけ会わなかったからこそだよ 俺は楽しみにしてたんだ 卒業式が終ったら電車に飛び乗って龍の所へ行く そう思ってたんだなのに・・・」


「真彦 こっちもいろいろあってなぁ~ 詳しくは明日話するから気を付けて行って来いじゃ~な」


龍との電話は切れた



(いろいろって何だ? まぁ~明日帰ればわかる・・・)



俺はみんなと合流して二次会の会場へと向かった


(つづく)


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