俺の知らなかった世界

暁エネル

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俺達の話

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休み時間になり 俺は廊下に出て渚を待っている事にした



(父親と話をするだけなのに どうして学校を休まないといけないんだ・・・)



俺は龍の居ない学校がつまらなくて 当たり所を探していた


渚は廊下を走って俺の前へとやって来た


「えっ教室で待ってて良かったのに・・・」


「ここの方が話やすいと思って・・・」


「そう・・・ そう言えば龍朝ちょっと変だったよ」


「えっ何が?」


「お父さんに呼び出されて ちょっと不機嫌だったのもあるんだけど・・・ 学校に来れないからって真彦の事を呼び出すかなぁ~?」


「何か話があったんじゃない?」


「だとしても 明日で良くない?」



(渚は勘がいい? どこまでごまかせる?)



「ねぇ~ 話って何の話よ?」


「さぁ~? でも俺も今日勉強した事 龍に教えてあげたかったし 龍に言われなくてもどっちみち 龍の家へ俺は行くつもりだったから・・・」


「そう・・・」



(何とかごまかせたのか?)



「ところで忍の所へ龍と行って来たんだろう・・・」


「あっそうだ 何で忍の事知ってるの? 渚だって聞いたばっかだったのに・・・」


「昨日龍から聞いた」


「えっ昨日?」


「だから龍の世話係が居なかったんだ・・・」


「うん 俺を送ってくれたんだ・・・」



(何とか忍の話に持っていけたぞ・・・)



「何かさぁ~ 龍もどうやらって言ってたし 知らなかったぽかったんだよねぇ~」


「そうなのうちはさぁ~ お父さんとお母さんがいつも傍に居てくれる訳じゃ~ないから・・・」


「えっそうなの?」


「めったにお父さんとお母さんの顔見ないから・・・」


「別々に居るって事?」


「傍に居るのは世話係 渚がもっと小さい時は龍が渚の傍に居てくれたけど」


「じゃ~龍もお父さんとお母さんには・・・」


「うん めったに会わない 話がある時は世話係を通してって感じ でも今日は突然朝 お父さんに龍が呼び出された まぁ~龍はあの家の長男だからね 渚にはわからない話だと思う・・・」


「そう・・・」



(俺初めて聞いた 龍はそう言う話しないからなぁ~ 龍の家の事を少し知れて良かった・・・)



「龍とも話てたんだけど お母さん忍を抱っこしてて凄く優しい顔してたんだ 龍もだと思うんだけど 渚あんな優しい顔したお母さん初めて見た 話方も優しかった・・・」


「龍と渚を産んだ時もきっと優しい顔してたんだろうね」


「そうだといいなぁ~ 忍ね龍に似てるよ」


「そうなんだ 早く俺も会ってみたいよ」


「そのうちにね 真彦に忍が付きまとうかもよ」


「その前に顔を覚えてもらわなくちゃ・・・」


「真彦 毎日うちに来そう・・・」


「行くよ 俺1人っ子だから凄くうらやましいもん それ龍にも同じ事言われた」


俺と渚はそう言って笑っていた





俺はランドセルを部屋に置き


母さんに今日龍が学校を休んだ事を言って


俺は龍の家へと向かっていた



(あぁ~やっぱちょっとドキドキする 初めて龍の家へ行くみたいだ・・・)



俺は龍の家の塀ずたいに進み角を曲がると


門の前でスマートフォンを見ながら 龍の世話係が立っていた


俺は走って龍の世話係のもとへ


すぐにスマートフォンから目を離し俺に視線を向けた


「真彦さん お帰りなさいやし・・・」


「えっどうして? 待っていてくれたの?」


「はい あっしも一緒に話を聞きやす その方が若が冷静になれると言ってくれやして・・・」



(冷静になれるって?)



「えっ 龍は怒ってるの?」


「いえ 別にそういう訳ではないと思いやす」



(どっちなんだよ・・・ でも俺も龍と2人で話をするよは 世話係さんが居てくれた方がありがたい・・・)



俺と世話係さんは玄関へと向かい 龍の部屋の前へとやって来た


「若 真彦さんがいらっしゃいました」


「入っていいぞ」


「真彦さん どうぞ」


そう言って世話係さんはフスマを開けてくれた



(俺はいつも龍に何も言わずにフスマを開けてた たまに龍の部屋が開いている時もあって 俺は龍に失礼な事を今までして来てんじゃないか?)



俺が部屋へと入ると龍は姿勢を正し座っていた



(ちょっと・・・ これいつもの龍とぜんぜん違うんですけど・・・)



俺は勇気を出して龍の前に座り 世話係さんは俺と龍を見える位置に座った


「真彦」


「はい」



(思わずはいって言っちゃったよ・・・)



「話は聞いた」


「うん」


「真彦 本気なのか?」


龍は真っ直ぐ俺を見てそう言った


「今日も龍の居ない教室はつまらなかった・・・ 俺はこれからもずっと龍と一緒じゃないとつまらないと思う それは1年前から思ってた 龍が1ヶ月学校を休んでさぁ~ 俺はもうつまらないの嫌なんだよ 龍がこの家の息子である以上俺が龍に合わせるしかなくない? 俺は龍の足手まといとかごめんだね・・・ まだ龍は俺のずっと先に居るんだけど俺が龍と一緒に居るには やっぱ龍と肩を並べるくらいに俺が強くならないとダメだと思うんだ だから昨日世話係さんに話を聞いてもらった・・・」



(話た龍に俺の気持ちを・・・)



龍は俺の目を見ながら黙っていた



(何これ・・・ 今龍から目をそらしたらダメな気がする・・・)



「若・・・」


「あぁ~ 俺は真彦の口から聞きたかっただけだ・・・」


「若もお人が悪い・・・」


「だってわかんねぇ~だろう・・・ 本当のところは・・・」



(えっ? 何これ? 俺は龍に試されたのか?)



(真彦は本気だ・・・)



「真彦さんすいやせん 若が意地悪をしまして・・・」


「えっいいえ」


「真彦」


「ううん?」


「いつでも嫌になったら俺から離れていいからなぁ~」


「何それ・・・ 言っただろう 龍と一緒に居るとおもしろいって・・・ 龍の為なんかじゃ~ねぇ~よ」


「そうか・・・」


そう言って龍は笑った


「龍は怒ってないの?」


「何にだ?」


「だって龍ダメだって言った家の問題だって だから俺龍が怒ってるんじゃないかって・・・」


「そうだなぁ~ 確かに言った・・・ あれは真彦が無茶しそうだったから それに・・・」


「それに?」


「俺の家の問題に真彦を巻き込みたくはなかった・・・ でも世話係に言われたよ 俺が真彦をこの家に呼んだ時点で真彦はもうこの家の事に巻き込んでいるってなぁ~ 悪かった真彦 俺が招き入れておいて 今さら何言ってんだって話だよなぁ~」


「龍・・・」


「若・・・ 若は真彦さんを守らないとなりませんよ」


「あぁ~わかってる」


「えっちょっと待ってよ 何でそうなるのさぁ~」


「いえ もちろんあっしがお2人を守りやす ですがあっしの目の届かないところは・・・」


「だからこれから世話係さんにお願いするんでしょう」



(何?言ってんの?)



「まぁ~いい 真彦のしたい様にさせてやれよ」


龍はそう言って寝っ転がった



「あっそうだ忍は? 忍に会いに行ったんでしょう?」


「あぁ~会って来た」


龍は身体をおこしまた座った


「今日渚から聞いたよ 龍に似てるって・・・」


「そうみたいだなぁ~ 俺はあんまり良くはわかないけどなぁ~」


「俺も早く忍に会ってみたいなぁ~」


「まだ病院だからなぁ~ しばらくは会えないだろうなぁ~」


「えっそうなの?」


「まだ赤ちゃんだし うちはよそとは違うんだ」


「そうですね 若やお嬢のお会いになるのは しばらく先になりそうですね」


「えっ 龍や渚にも会えないなら俺はもっと先じゃん」


「そのうち嫌だと言うくらい 忍が真彦に付きまとうかもしれないぞ・・・」


「いい それいいよ 俺スゲーかわいがるよ」


俺は笑顔でそう言った


「目に浮かぶ様ですね若・・・」


「ホントだなぁ~」


龍と世話係は俺を見ながらそう言った


「あっ龍教科書見せて・・・ 今日授業でやったとこ教えてやるよ」


「あっしも一緒に見てもいいですか?」


龍は教科書を出して来た


みんなが教科書を覗き込んでいた




それから俺は龍の家で 龍と世話係さんと2人がかりで


俺が人をかわせるワザを身につける特訓が始まった



(つづく)


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