俺の知らなかった世界

暁エネル

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球技大会①

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龍は2階俺は3階と龍と教室が離れてしまった


休み時間になっても今までみたいに


龍と顔を合わせる事はなくなってしまった



(マジで学校の行き帰りにしか龍の顔を見れねぇ~のかよ・・・ 教室移動ですれ違う事もねぇ~とか あんなに毎日龍と一緒だったのになぁ~)



俺はクラスにも馴染み龍の顔を見られない事以外は


それなりに楽しく毎日を過ごしていた


それでもどこかで早く授業が終わり 龍との時間を早く過ごしたいと思っていた




中間テストが1週間前と近づいた


俺のクラスの担任の先生は生徒達からも人気がある先生だった


「今日から中間テスト1週間前だぞ 従って職員室の出入りは禁止だ なぜなら中間テストの問題を先生達が作るからだ 何か質問があれば授業中に聞く様に・・・ それとみんなも知っていると思うのだが 中間テストが終わったら球技大会がある 強制ではなくやりたいと思う人だけだ 出なかったからと言って欠席者扱いにはならない まぁ~その日休めば欠席者扱いになるんだけどなぁ~ だからなるべくならみんな参加して欲しい その日1日身体をおもいきり動かすのもいいと思う 男女わかれてバスケットボール バレーボール サッカーとそれぞれやりたいと思うものを選んでやってほしい」


「先生」


俺は手を上げた


「何だ宮野」


「全部に出るのはアリですか?」


俺の言葉に教室中がざわついた



(龍がどれに出るのかわからねぇ~からなぁ~ 龍は何でも出来るしだから困るし絞れねぇ~ それにどうせやるなら俺も出来るなら全部に出たい・・・)



「どうかなぁ~ 試合が重ならなければ大丈夫かもしれないなぁ~ 宮野は全部に出たいのか?」


「はい 出来ればなんですが もし定員オーバーなら俺は補欠でもいいんで 出たい気持ちだけはあります」


「宮野君はスポーツ得意だから 6組の戦力になるんじゃない?」


前の方に座っている女子がそう言った


「俺はバスケ苦手だ」


「私も・・・」


みんなが声を出しはじめた


「わかったわかった それぞれ得意不得意はある 先生はみんなで勝ち進んでほしい 受験生の君たちがこのクラスで良かったと思う そんな1日になってくれれば職員は万々歳だ 何に出るかはみんなで決めてくれ・・・」


先生はそう言って教室を出て行った


「ねぇ~どうする?」


「男女にわかれて話し合いだなぁ~」


俺達6組は男女にわかれて話し合った


バスケ部のヤツ バレーボール部のヤツ サッカー部のヤツが


それぞれ話し合いの中心になり話を進めていた


バスケットボールは交代選手として俺は入る事になり


バレーボールとサッカーは両方出る事になった



(龍ってバスケットボール得意だったか? いや龍はスポーツ何でも得意だ でもこれで龍が何に出ても俺と戦える)



俺はいつもの様に龍の教室へ龍を迎えに行った


すると教室のドアがしめられていて


誰も出て来る様子がなかった



(龍のクラスも球技大会の選手を決めてるのか? これは俺がここに居ちゃダメなやつかもしれねぇ~)



俺は階段の所まで戻り龍のクラスが出て来るのを待っていた





俺はみんなの後ろから話を聞いていた


「バスケ部ってうちのクラス少なくんだよなぁ~ それに俺レギュラーになった事ねぇ~し・・・」


「運動部かき集めればどうにかなんじゃねぇ~」


「でもバスケって何か特殊だよなぁ~ 走りながらシュートなんて俺出来ねぇ~もん」


「あっ それわかる・・・」


「でっ どうするんだよ・・・」


「藤堂君は?」


突然俺の名前が出てみんなが俺を見ていた


「藤堂君 スポーツ得意だったよね走るの速いし何でも出来そう・・・」


みんなが俺の言葉を待っていた


「俺は何でもいい・・・」


「ホント? じゃ~バスケにしてもらってもいいかなぁ~」


「あぁ~わかった」


「よしバスケットボールはこれで決まりだなぁ~」


俺のクラスはそれぞれ選手が決まり解散した





龍のクラスのドアが開き生徒達が出て来た


俺はそんな生徒達に逆らって龍のクラスへと向かった


「龍 帰ろう・・・」


龍はカバンを持ち俺の方へと向かって歩いて来た


「龍のクラスも球技大会の選手を決めてたの?」


「あぁ~そうだ 真彦は何に出るんだ?」


「俺は一応全部・・・」


「全部?」


龍は驚いた顔を俺に見せていた



(真彦は何を考えてるんだ? 球技大会に全部出る事なんか可能なのか?)



「真彦マジか・・・」


「うん あぁ~でもバスケは補欠扱いだから出られるかわかんねぇ~だけどなぁ~」



(だって龍が何に出るのかわからなかったし 俺が全部に出れば必ず龍と対戦出来る・・・)



「バスケは補欠?」


「あぁ~ バスケ部のヤツが出るんだ 俺は交代選手的な・・・」


「そうかぁ~ それは残念だ」


「龍 もしかして・・・」


俺は立ち止まり龍を見ていた


「俺はバスケに出る」



(マジか・・・ そんなのってアリかよ・・・)



「真彦 残念だったなぁ~」


「まだ俺が出られないって決まってねぇ~」


「それはそうだなぁ~」


龍は少し笑って俺達は学校を出た





中間テストは範囲が狭く


俺と龍は一通り範囲をおさらいしていた


「龍 龍と勉強していれば龍と同じくらい点数が取れてもいいのに 何でいつも俺の方が点数が悪い訳?」


「そんなの俺に聞かれてもなぁ~」


「龍 俺と勉強した以外どこも覚えるなよなぁ~」


「中間テスト範囲が狭いからこれ以上覚える所はねぇ~と思うぞ」


「そうなんだけど」



(どうも納得がいかねぇ~んだよ毎回 毎回龍の方が俺よりもいい点数だ 何が違うんだよ・・・)



2日間の中間テストが終わりテストが返された


今回のテストは龍とあまり点数の差はなく


俺は密かにガッツポーズをしていた





今日は球技大会3年生はジャージ登校


俺はいつもの様に待ち合わせ場所で龍を待っていた


「龍 おはよう」


「真彦 勝っても負けても恨みっこなしだからなぁ~」


「龍を恨むなんて事はねぇ~よ それよりも龍と当たらない方が悔しいよ」


「俺もおもいっきり真彦と戦ってみたい・・・」


「お~う 何か燃えて来た・・・」


俺の言葉に龍は笑っていた



(相変わらず真彦はおもしろい 出来ればホントに真彦のチームと戦ってみたい・・・)



(龍はバスケだろう・・・ 俺は交代選手で出られるのか?)



学校に着いた俺達はそれぞれ 


体育館と校庭に分かれて試合が行われた


体育館ではバレーボール 


校庭では女子がサッカーの試合を始めていた



(龍はまだ待機で教室に居るのかぁ~? それともどこかで俺の事を見ているのか?)



俺は体育館で今まさに3組との試合が始まろうとしていた


体育館は同時に2組と5組の試合が始まろうとしていた


俺は真彦の後ろ側から真彦を見ている事にした



(真彦は身体が大きいからそれだけで存在感がある でも真彦その身体で動き回る・・・)



俺の身体は良く動き次々とボールを相手コートに落としていた



(真彦はどんなボールでも力で押し込んでいる 真彦の身体が大きな分ボールも強そうだ あれじゃ~相手チームはたまったもんじゃねぇ~よなぁ~)



(スゲー気持ちいい・・・ こんなに決まるとは 龍はどこかで見てるといいなぁ~俺の事を・・・)



俺達6組と3組の試合が終わり


龍のクラス1組と4組の試合が始まった


俺は辺りを見渡して龍を探したけれど


龍の姿を確認する事は出来なかった



(龍は見てくれてなかったのかぁ~?)



俺は試合には勝ったけれど俺の心は晴れなかった





俺は校庭に出て水で顔を洗いタオルでふいていた


校庭では女子がサッカーの試合をしていた


俺はすぐに体育館に戻り龍を探した



(今1組は試合をしてる 龍は試合を見てるはずだ・・・)



俺はゆっくりと生徒達を縫う様に移動し龍を探した



(どこだ? 応援している生徒が多過ぎて見つけられねぇ~よ)



そう思っていたその時


「真彦」


龍の声がして俺は振り返った


「龍」



(龍が居たやっと見つけた・・・)



俺は龍の隣へ


「えっ龍もしかしてずっとここに居たの?」


「あぁ~真彦の試合見てたぞ」



(ヤベ~嬉しい・・・)



「声かけてくれたら良かったのに・・・」


「バカそんな事出来るかよ・・・」


龍は試合を見ながらそう言った



(そっかそっか 龍は俺の試合見ててくれてたんだ・・・ どう思った? 龍に聞きてぇ~ 龍には俺がどう見えたのか聞きてぇ~)



俺はとたんに嬉しくなっていた


「真彦 次は三つ巴だろう・・・」


「龍 次も見ててくれ俺勝つから・・・」


「1組が真彦のチームと戦う事になったら 真彦の応援は出来ねぇ~けどなぁ~」


「そうなったら全力で1組と戦うだけだ」


「真彦 サッカーの試合も出るんだろう・・・」


「大丈夫だ俺体力には自信あるから・・・」


俺は笑って龍にそう言った


(つづく)


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