俺の知らなかった世界

暁エネル

文字の大きさ
77 / 112

俺と龍②

しおりを挟む
授業が終わり俺はいつもの様に龍の教室へ



(スゲー気になってた 何度も休み時間に龍の教室へ行こうとした でも龍が放課後にって言ったから俺は・・・ でもあんな慌てた龍を見たのは久しぶりだったなぁ~)



俺は龍の慌てた姿を思い出し


ちょっと嬉しくなっていた



(ヤベ~もう放課後になった真彦に何て言おう・・・ もうホントにあの2人のセイじゃんか・・・ いやあくまでもそれは要因だよなぁ~ 目覚まし時計を止めたのは俺だ・・・)



俺はそう思いながら廊下へ


俺が階段を下りて龍の教室の廊下を歩いていると


龍はすでに廊下で俺を待っていた



(マジか・・・)



俺は嬉しくなって龍へと駆け出していた


「龍・・・」


「真彦」


俺は真彦と向き合っていた


「真彦 大丈夫だったか?遅刻になったりは・・・」


「あぁ~大丈夫だったよ 先生まだ教室に来てなかったし 龍は?」


「俺も大丈夫だった・・・」



(良かった・・・ もしかしたらって少し思っていたから もし真彦が遅刻になってたら俺のセイだからなぁ~)




俺と龍は学校を出た


「真彦」


「ううん?」


「今朝は悪かった」


「ホントびっくりしたよ なかなか龍は来ねぇ~しさぁ~ 俺龍の家に向かうところだったんだ・・・」


「ホントに悪い・・・」


「何かあった?」


「目覚まし時計止めてまた寝ちまったみてぇ~だ」


「龍もそんな事あるの?」


「初めてだ だから焦った・・・」


「朝ご飯は?」


「食べてねぇ~」


「えっマジで じゃ~本当に起きてそのまま来たの?」


「あぁ~」



(でも待って 龍の家は大人がたくさん居るはず 世話係さんは?)



「龍世話係さんは?」


「俺の具合が悪いと思っていたらしい・・・」


「そうなんだぁ~ 世話係さんもまさか龍が寝坊してるなんて思わなかったんだろうなぁ~」


「俺が一番驚いてんだよ」


「そうだよなぁ~」


真彦は声を出して笑っていた



(真彦にウソは付いてねぇ~ 真彦が笑ってる・・・ 良かった・・・)





あと1ヶ月で今年も終わる


龍は前よりも何かに悩んでいる様に見えた



(龍はちょっと前からおかしい・・・ 龍が寝坊した いやもっと前からだ・・・)



俺は龍が何も言ってくれない事に


いら立ちと情けなさを感じていた



(俺がもっと龍に信頼してもらえれば・・・ 俺がもっと龍の全部を理解する事出来たら 龍のこんな顔は見ないですんでいたかもしれない・・・)



俺と龍はいつもの様にテスト勉強をし


俺が帰る時間になり立ち上がった


俺は龍が立ち上がるのを待っていた


「龍」


「真彦 気を付けて帰れよ・・・」


そう言いながら龍は俺へと近づいた


俺は思わず龍をふわりと抱きしめていた


「真彦 何のまねだよ・・・」


「龍 龍は何か悩みでもあるの? それは俺には言えない事? 俺でよければ話聞くよ・・・」


「いったい何の事なんだよ・・・」


龍はそう言って俺を払いのけた



(何を考えてるんだ真彦は・・・)



「龍は何かおかしいよ 何かを隠してるのかもしれないけど バレバレだからなぁ~ 俺は龍の力になりたいんだ」



(言った・・・ 言ってしまった・・・)



だけど俺は恥ずかしくなり


龍の部屋のフスマを開けて龍の部屋を出てしまった



(ヤベ~思わず龍をこの手で抱きしめてた・・・ ヤベ~それに言ってしまった・・・ 明日どういう顔で朝龍に会えばいいんだよ・・・)




(バレバレかぁ~ 力になりたいかぁ~ 真彦に俺は心配かけていたんだなぁ~ だけど俺は真彦をこの家の事には巻き込みたくはねぇ~んだよ 高校はもうしょうがねぇ~としてその先は・・・)



俺は決意を固めていた





次の日


俺はドキドキしながら龍との待ち合わせ場所へ


俺が目にしたのは龍の姿だった


俺は龍の姿を見て駆け出していた


「龍 おはよう」


「来たな・・・」


龍はそう言って歩き出した



(あれ? いつもの龍だ・・・ どうする? 昨日の話をするか? いや龍が話をふって来たら俺も話そう俺があえてする事はねぇ~)



「あぁ~真彦」


「ううん?」


「忍が真彦と遊びたいってよ 良かったなぁ~ 忘れられてなくてなぁ~」


龍は笑いながらそう言った


俺はそんな龍の笑顔にホッとしていた


「それホント? だとしたらめちゃめちゃ嬉しいんだけど・・・」


俺はそう言って笑った



(龍は昨日の事は? このまま俺が抱きしめた事はなかったものになるのか? 龍はどう思ったんだろう 聞きたいけど怖いなぁ~)





その日の放課後


俺はいつもの様に龍の教室へ


「真彦 今日は忍と遊ぶぞ・・・」


そう言いながら俺の方へと龍はやって来た


「えっホント・・・」


「忍には言ってねぇ~からびっくりするぞ・・・」


龍はそう言って俺の前を歩いていた



(どうしたんだろう 忍と遊びたいのは本当だけど 龍に何かあったのか? それとも俺の為?)



龍の家に着き 龍は自分の部屋へは向かわず


俺と龍はカバンを持ったまま


忍の部屋へと向かっていた


龍が忍の部屋の前で俺に人差し指を立てた


俺はそんな龍にうなづいていた


龍は勢い良く忍の部屋を開けていた


忍はびっくりして持っていたおもちゃを落としてしまっていた


「忍 遊びに来てぞ・・・」


龍の声に忍は笑顔になった


その日は勉強もせず 


俺が帰るまで忍と一緒に楽しく遊んでいた



(今日は楽しかったなぁ~ 龍の楽しそうな笑顔も見られた 相変わらず忍はカワイイなぁ~ 初めは寄って来てはくれなかったけど 龍が俺にいろんなおもちゃを傍に置いてくれて 正直忍はホントに俺の事を忘れてしまったのかと思うくらい遠かった 忍は恥ずかしかったのかなぁ~ 久しぶりだったもんなぁ~)



俺はちょっと寒い空気も心地良く感じていた





俺は龍の家で若い衆が話ををしているのを聞いてしまった


「相沢さんの息子さんは本当なんだよなぁ~」


「あぁ~確からしい・・・」


「それじゃ~ 若も・・・」


俺の後ろから世話係さんの声が聞こえて来た


「真彦さん いらっしゃいやし・・・」


その声でみんなは驚き逃げる様に居なくなった


「まったく困ったもんです 相沢氏の家の問題は若に関係ないっすよねぇ~」


俺にそう言った世話係さんは


俺が知っていると確信してそう言ったのか


俺は何も答える事が出来ず


龍の部屋へと急いだ





「龍・・・ 今・・・」


俺はそう言いながら龍の部屋へ


龍は本を読んでいた


「真彦どうした?」


龍は本を置き俺へと視線を向けた


「龍・・・ 相沢さん大丈夫なの? 今若い衆が相沢さんの話をしてて 世話係さんが来たらみんな去って行ったんだけど 世話係さんに俺・・・」


「真彦 若い衆は相沢の何を話てた?」


「途中からしか聞こえなかったけど 相沢さんが本当なのかとか 龍ももししてとか・・・」


「で 世話係はなんて?」


「相沢さんの問題は龍には関係ないっすよねって 俺に聞く様に言ってきた・・・」


「真彦は何て答えたんだ?」


「俺は何も言えなかったよ 言えられる訳がねぇ~」


「世話係はオヤジの味方だからなぁ~ 真彦も気を付けろよ・・・」



(だいぶ知れ渡ってる どっから漏れた? 渚は相沢の事なんかしゃべらねぇ~ オヤジが臭いなぁ~ 酔った勢いでってありうる話だ 俺にまで世話係も疑いはじめてる これは何とか悟られない様に誤魔化さねぇ~と 特に世話係は勘がいいい 世話係には油断は禁物だなぁ~ 今まではどうだったか? 最近世話係と話してねぇ~よなぁ~)




「龍・・・ 相沢さん大丈夫なの?」


「相沢はうまくやるさぁ~ 心配はねぇ~よ・・・ 俺にまで飛び火するとは・・・」



(待てよ・・・ この間のオヤジの呼び出しって それを確かめる為だったのか・・・ いや前にも聞かれたよなぁ~)



「龍・・・」



(龍がまた俺の知らない龍になっている・・・ 世話係さんにも気を付けろって この家の龍の味方は? 世話係さんは龍の父親の味方で龍は世話係さんに監視されてるって事なのか?)




(つづく)


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

煌めくルビーに魅せられて

相沢蒼依
BL
バイト帰りにすれ違った人物に、いきなり襲われて―― バイトを掛け持ちして大学に通う片桐瑞稀。夜遅くの帰宅途中に、意外な人物に出会ったのがはじまりだった。

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく

七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。 忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。 学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。 しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー… 認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。 全17話 2/28 番外編を更新しました

俺の居場所を探して

夜野
BL
 小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。 そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。 そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、 このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。 シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。 遅筆なので不定期に投稿します。 初投稿です。

ショコラとレモネード

鈴川真白
BL
幼なじみの拗らせラブ クールな幼なじみ × 不器用な鈍感男子

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

金の野獣と薔薇の番

むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎ 止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。 彼は事故により7歳より以前の記憶がない。 高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。 オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。 ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。 彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。 その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。 来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。 皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……? 4/20 本編開始。 『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。 (『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。) ※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。 【至高のオメガとガラスの靴】  ↓ 【金の野獣と薔薇の番】←今ココ  ↓ 【魔法使いと眠れるオメガ】

処理中です...