死神と呼ばれた男

白い犬

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第二話

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「・・・いたっ!!」

草原上でわずかに丘のようになっている場所を超えたその先に、四人の人影が戦っている。戦っている相手は・・・、ん、あれは、魔獣、か?

なぜここに魔獣が・・・?いや、そもそもあれは魔獣か?

D級のグレートウルフに似ているような気もするが・・・?いや、それにしては動きが遅い。まるでG級の魔獣みたいな動きだ。

だけど、G級の魔獣にあんな見た目の魔獣はいなかったような・・・。

いや、今はそんなこと考えてる場合でもない。とにかく彼らを助けよう。

近づくほどに彼らの状況の悪さがわかる。四人のうち、二人がすでに動けないほどに傷を負っている。残り二人も徐々に近づいている自分たちの死の原因におびえて、震え、動けないでいる。

先ほど助けて、といったのは傷を負ったあの少年か。まだ彼は叫び続けている。

「やめろっ!お前らの相手は俺だ、やめろぉっ!」

どうやら、あの魔獣らしき生物の注意を引こうとしているようだが・・・。だめだな。あの生物はすでに彼を脅威とみなしていない。

「グルル・・・。」

あの生物は、あの動けない二人・・・、を狙ってるのか。

このままなら彼らは死ぬ。だけど、なんとか、間に合った!

あと数メートルの距離を、地面を踏み抜いて、一瞬で詰め切るっ!

「グギャア!?」

生物の胴を殴り、はじけ飛ばす。

当然生き物が胴をなくせば生きていられるはずもなく、一瞬でその生物は絶命した。

・・・やっぱり弱い、弱すぎる。素手で一撃なんて普通ならあり得ない。

それに冷静になって考えてみれば、この状況って少しおかしくないだろうか。なんで死後の世界で、殺されかけている人がいるんだ。死者をもう一回殺す意味があるとは到底思えないし・・・。

「・・・あ、え?」

じゃあ、ここは死後の世界ではないのだろうか。だけどそうするとあの時、魔獣たちに押しつぶされたとき僕が生き残ったということになる。それこそ、どうやってという話だ。

「た、助かったの・・・?」

「み、みたいだな。」

・・・あくまで仮定の話になるけれど、これはいわゆる異世界という場所ではないのだろうか。噂程度には聞いたことがある。そもそも、僕のいた世界の魔獣たちも異世界から来た、みたいな話だしな。

「・・・あ、あの、あなたは?」

・・・わからない、というか証明ができない。ここがどこかという予想はどれだけでもできるが、そのすべてはあくまで可能性であり、どれもこれも証明のしようがない。困ったな。

「あ、あのう・・・。」

「・・・ねえ、ちょっと。助けてもらえたのはうれしいけど、無視はしなくてもいいじゃない。」

あ、しまった。つい考え事をしてしまった。

「ああ、ごめんごめん。そんなつもりはなかったんだ。えっと、僕の名前は凱だ。助けを呼ぶ声が聞こえたから、急いできたんだけど、間に合ってよかった。」

「本当に助かりました、まさかこんなところでBクラスの魔物に会うなんて思ってなくて。」

・・・Bクラスの魔物、ね。少なくともこれで僕の世界とは別ってことはわかった。クラスなんて言い方も、魔物なんて呼び方も、僕の知る常識からは外れている。

ところで、僕が助けた彼らなのだけど。若い。見た感じ十代な気がする。で、少年と少女が二人ずつ。

それと、遠目から見たらものすごいボロボロな気もしてたけど、どうやら、装備がボロボロになっていただけで、実際に大けがを負っているわけではないようだ。それでも、それなりの傷は負っているようだし、すぐに対処するべきだろう。

と、いうことで。

「君たちも結構疲弊しているようだし、近くの安全な場所にとりあえず移動したほうがいいと思う。そこまで僕が護衛するよ。そのあと、君たちのことも聞かせてほしい。」

「あ、は、はい!お願いします!」

まずは、安全の確保から始めよう。
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