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第一話
しおりを挟む「・・・僕は、死んだのか。」
僕はあの後、四方八方から迫る魔獣たちと死に物狂いで戦い、そして当然のことながら死んだ、と思う。ただ、それでも僕は数分は稼いだはずだ。その間に久我が逃げれていれば、僕はそれでいい。
「はは、死後の世界のほうがいい景色じゃないか。」
僕が立っているこの場所は、空が青く、清涼な風がほおをなでる草原。あの荒廃した世界には、なかった景色だ。
「・・・。」
だけど、死んだ割には何もないな。もっと死後の世界を案内してくれる存在とかいないのか?
サービス精神が足りてないぞ。
それとも、今後はこの場所で穏やかに生きろということなのだろうか。
「しかし、本格的に何もないところだな。あの殺伐とした場所に比べれば、何十倍もましだけれど。」
ぽつりと、そう一人つぶやく。
そのあと数分ほどだけ、その場でたたずんでいたけれど。来たときはいい景色だと思っていたこの草原も、さすがに少し感動が薄れてきた。くすんだ空と違う、青空にはいまだに少し目じりを抑えたくなるような感動はあるが、それも最初ほどじゃない。
「・・・誰か、ほかに人とかいないのかな。」
永遠にここに一人とか、そういう話じゃないよな。
それは少し勘弁してほしい。
さみしくて死んでしまうじゃないか。
・・・誰もいないと、こう、むなしくなってくる。
「誰か探してみるか・・・。」
むなしい気持ちの中、草原を歩くことにした。
#####
「・・・まさか、本当に?」
いないのか、だれも?
歩き回ってはいるが、一向に誰とも会わない。
これはまさかとは思うが先ほどの僕の予想がぴたりと当たっているのか?そんなぴたり賞はほしくないぞ。
と、僕が正直この状況下でもっとも認めたくない可能性の一つに考えを寄せていたその時。
「だ、だれかっ!助けてくれ、助けてくれえっ!」
助けを求める、悲痛な声。今まで何度も聞いた、その言葉。
今まで、何度も見捨てさせられた、その願い。
本来であれば、死んだ後の世界で助けを求める声なんておかしいとこのとき思うものなのかもしれないが、この時の僕はそんなこと考えていられなかった。
助けを求められたら、僕は助ける。
それが間違いであるかもしれなくても、助けられるなら助けてやる。
あの世界のように、誰かを切り捨てていく人生は、もう嫌なのだから。
「待ってろっ!今、助けに行くっ!」
今がどこかなんて知ったことか。
僕が何でここにいるかなんて知ったことか。
悪いけど、僕は、もう後悔だけはしたくないっ!!
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