3 / 7
ーーーある教師の災難
しおりを挟むその高校の裏にパトカーが停まっていた。
朝から警察官が出入りしている。
その校舎内、職員室に警察官が立っていた。
彼は制服の帽子を取り頭を下げた。
「昨日の夜遅く、通報がありました。この学校の生徒の一人、喜多川優豪君が帰って来ないと。なので色々と聞きたいのですがよろしいですか。」
室内にざわめきが起こる。
「喜多川くんのクラスの担任の先生は・・・」
見回されて一人の青年にみんなの視線が集まる。
三十前に見える若い教師は口元を歪めた。
「はい。俺です。ニ年一組の担任の高西です。」
めんどくさい。
はっきり顔に現れていた。
それはそこにいる全員の内心だったかもしれない。
何か問題が起こったとかめんどくさい。
何か事件に巻き込まれたとかめんどくさい。
クラス担任なんて教室外ではほぼ関係ない他人だめんどくさい。
人となりとか何考えてるかなんてわからないめんどくさい。
下校した後何してるかとか知るわけがないめんどくさい。
俺に面倒かけるなよホント下校時刻までに仕事が終わらなくて毎日残業に仕事持ち帰りで休みだって1週間分の授業のまとめとか色々あってうちのクラスだけじゃなくて教科の仕事もあるしむしろ授業の準備とか予習とか採点とかもうマジで一日二十四時間じゃ足りないんだから担任なんてホント貧乏くじだし勘弁してほしいんだけどもうマジで迷惑かけんなよクソ。
優豪の教室での様子とか、いつもと変わった様子がなかったかとか、いじめはないかとか、そんなことは知ったこっちゃないという態度で『わからない』と返事をする。
「では仲が良かった生徒とかはどうですか?友達とか。」
自然と警察官の口から出た言葉に、当たり前の言葉にもかかわらず、一瞬ポカンとした。
友達?喜多川の友達?
彼の陰気な顔を思い出す。
いつも俯いているような、オドオドしたような態度はいつも高西を苛つかせた。
ああいう陰キャは学生時代から嫌いだった。
俺だって色々ムカつく事とかあってそれを我慢してみんなに合わさて生きてんのに、その辛気臭い顔はなんだよ。
だから小学校でも中学でも高校でもそういう奴はひたすらいびり倒してやった。自分ばっかりかわいそうですっていう顔が更に苛つかせた。媚びるようなヘラヘラ笑いもムカついた。
やっぱりまた奴らは俺の邪魔をする。俺が気持ちよく楽しく生きる目の前にあの根暗な顔を晒す。
喜多川が見つかったら見つかったでまた色々めんどくさいんだろうな。
俺に迷惑をかけるな。
もう二度と目の前に顔を出すな。そのまま行方不明の方が清々する。
そんなことを心の中で考えながら『知らないですね。』と頭を掻いた。
0
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる