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紅梅みたいに色付いて
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遣る瀬無さが無気力を招き、何もしないまま夕方になってしまった。
痛む体をベッドに転がし、呆然と考える。
結局、葉月の言葉は日を跨いでもなお、心に突き刺さって抜けることはなかった。
純粋な優しさや愛情は、時に凶器となる。
だからこそ、今は椿という存在が必要だった。全てを肯定し、捻じ曲がった愛を表明してくれる椿の存在が。
彼の顔を脳裏に浮かべて直ぐに、考えていても会いに来るわけではないことに気が付いた。
孤独を噛み締めていると、だんだんと薬が飲みたくなってくる。だが手の届く範囲に薬を置いていなかった為、それもすぐに諦めた。
虚無的な時間は絶望を募らせてゆく。
穂希は漠然とした苛立ちから、置きっ放しのカッターナイフに手を伸ばした。
その時、仕組まれたようなタイミングでベルが鳴った。
「椿?」
無意識に名前を呼ぶと、相手も同様に穂希の名前を口にした。――――間違いなく、椿の声だ。
「……鍵空いてるから入ってきて」
ベッドに横になった状態で椿を招く。数秒後、遅々と居間の扉が開かれた。椿は穂希の姿を捉えるなり、その元に駆け寄った。
「穂希君! ……大丈夫!?」
「……大丈夫」
ゆっくりと上体を起こし、椿の方を向き直る。
洗練された制服姿は、いつだってこの薄汚れた部屋に似合わない。
「毎日来てくれるね」
「……会いたくて」
「俺なんかにそう思ってくれるんだ」
「もちろんだよ。……好き、だから」
椿が顔を覆い隠す。
不慣れな言葉を懸命に口にする様は、学習時や学校で円転自在に話す姿とはまるで違った。
穂希は微笑み、彼を自身の左側に促した。
痛む体をベッドに転がし、呆然と考える。
結局、葉月の言葉は日を跨いでもなお、心に突き刺さって抜けることはなかった。
純粋な優しさや愛情は、時に凶器となる。
だからこそ、今は椿という存在が必要だった。全てを肯定し、捻じ曲がった愛を表明してくれる椿の存在が。
彼の顔を脳裏に浮かべて直ぐに、考えていても会いに来るわけではないことに気が付いた。
孤独を噛み締めていると、だんだんと薬が飲みたくなってくる。だが手の届く範囲に薬を置いていなかった為、それもすぐに諦めた。
虚無的な時間は絶望を募らせてゆく。
穂希は漠然とした苛立ちから、置きっ放しのカッターナイフに手を伸ばした。
その時、仕組まれたようなタイミングでベルが鳴った。
「椿?」
無意識に名前を呼ぶと、相手も同様に穂希の名前を口にした。――――間違いなく、椿の声だ。
「……鍵空いてるから入ってきて」
ベッドに横になった状態で椿を招く。数秒後、遅々と居間の扉が開かれた。椿は穂希の姿を捉えるなり、その元に駆け寄った。
「穂希君! ……大丈夫!?」
「……大丈夫」
ゆっくりと上体を起こし、椿の方を向き直る。
洗練された制服姿は、いつだってこの薄汚れた部屋に似合わない。
「毎日来てくれるね」
「……会いたくて」
「俺なんかにそう思ってくれるんだ」
「もちろんだよ。……好き、だから」
椿が顔を覆い隠す。
不慣れな言葉を懸命に口にする様は、学習時や学校で円転自在に話す姿とはまるで違った。
穂希は微笑み、彼を自身の左側に促した。
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