あやかし診療所〜明日は所により唐傘お化けが必要でしょう

夏が来れば思い出す

夏だ！

台風がさって暑い日がまた始まり、イズモはひとまず子供用プールで水になれることから始めている。

「お兄ちゃんせっかくの夏なんだから海いこ、 うみ・・」と今年もサヨリが騒ぎ出す。
「今年は人間様は大変だから海にはあまりこないか」
「そうそう。それに、もうそろそろ海の妖達の健康診断にいかないと予定を立ててよね」と言われてしまった。
「イズモも行ってみるか？」と今日も子供用プールで遊んでいるイズモに声をかけてみる。
「海って？」
「大きな水たまり。水はしょっぱくていろんな生き物達が住んでいるの」なんと大雑把な説明…妹よそれでいいのか？
「いい、うちでお留守番している」やっぱり拒否されてしまった。まあ河童は川に住む妖だから仕方がないか
「海に行くのか？」と普段達也と一緒にお店の2階で生活しているハヤテが母屋に顔を出して来た。
「ああ。今度の連休に健康診断を兼ねてな」そう答えると
「おにいちゃん決めるの遅すぎ！！！案内が送れないでしょ」と怒られてしまった。
「大丈夫。今年は海坊主が連絡を遣してくれていて今度の連休にお願いしたいって大天狗様のところに連絡が来ていた」と答えると
「はやく教えてよね。水着の用意をしないといけないんだから」と怒りながら買い物の予定を立てていた。
《待て去年の水着でもいいのではないのか？》と心に思いながら
「予算は１着だけだからな」と返しながら店舗のお休みについての掲示を作り始めた。