気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ

コリモ

文字の大きさ
14 / 29
農村開発?

農村復興計画

しおりを挟む
翌朝下の食堂に3人で顔をだすと
「おう起きたか?実はさっきお城から連絡がきてな。今回の企画書を提出するようにとの事だ。それまでに必要な物や、支援などもきちんとあげるようにとの事だ」とギルマスに言われて、ぼくはふたりを見ると、視線を外した。なるほど、ただの漱石や貴族席を排斥してもうまくいく訳が無いということで、この間話していた農村改革を進めようとどうやら先行して王領の南側を一部開拓する事を申請してきたらしい。そういえば、今日の指名依頼も名前を伏せていたけどどう見ても兄上の仕業としか思えない。たぶん兄が父親である子爵から家をだされることを聞いたのはぼくより先だったにちがいない。
「ではこれから打合せをするのでしばらく出ますね」そういうとぼくらは先ほどの個室に戻って3人でイコロの森に転移した。




「さてと、兄さんどこまでも計画のうちに入っているのかな?」とすごんで見ると?
「うん全て。王都の南30ノエルより先はただの草原でしかなくて、山一つ越えた辺りにクルド辺境伯領があるくらいなのを知ってたから、そこには前から計画していた食糧庫としての農村地帯を作ろうかと思っていたんだ。そこでは、あの一体を改革するのには肥料なんかがいるだろう?」
「うんうん」
「ビッグホーンのフンってすごく良い肥料になるんだって知っていた?」
「まさか牛乳の依頼って?」
「ああ。彼等の増え過ぎた群の分割と農村環境の改善をいっぺんに済まそうと言うんだ。これなら、暫くは食糧としての牛乳の確保、雑草の除去、そして肥料を撒くと言う3つの利点がある」
「でも運搬はどうするの?」
「大丈夫だ、ミムルが運んでくれる。それに、このあたりに町を作れば王都までの途中で野営しなくても良い事になるし、その分安全に生活できるという訳で、この森を少し移動させようと思てる」とエドが答える。
「ちょっと待て、途中に町を何箇所か作るとして、水源は?この森の一部を移すとしても何年かかるんだ?」とぼくが聞くと
「もちろん僕とジークで水源を確保、森の一部を移動するのはジハードさん達が最近やってくれているんだ。この辺も凄く光が入りやすくなっただろ?」
そういえば、かなり森の様子が変わって来て、それまでの森とは一変していた。
「まさか倒木や大木を根付きのまま運んだの?」と聞くと
「もちろん。あの倒木も栄養が少ない土地には欠かせない肥料となるからね」と言って、このスッキリとして下草が生えている森の状態を説明してくれた。
「じゃあ、新しい森の辺りまでシルクたちに連れていってもらおう」そう言って、状況確認にシルクにたのんで移動すると、一面草原だった所に林のような一帯が現われた。
「後2~3日でもうすこし幅が出来ると思うんだ。水源はその小高くなった辺りのところに作らないか?」兄さんはそう言って少し小高くなっているところを指した。
「もう少し高低差をつけて、川を通さないか?」と提案すると、
「たしかにココ一箇所だと他の場所に行き渡らないかもしれないな。ここよりすこし離れているが、もうすこし高いところに水源を設けて、なだらかでも川を作ってこの辺りに溜池みたいなものを作るか」そう言うと、ぼく等は川になりそうな部分を考えながら水源を作る場所を探してマッピングしていった。

大体目処が付いたので、王都の冒険者ギルドにもどると
「おいおまえらなにやらかした」とギルマスが僕らを部屋に連れて行って怒鳴った。
「もうばれちゃった?」「まだ途中なのに」「計画を提出する前から行動するからだよ」と三者三様の反応をすると
「まさかばれないとでも思っていたのか?さっきイコロの森あたりから早馬がきて森が綺麗になっているって大騒ぎだ。その上、クルド領からの行商人が突然森が出現したと騒いでいた。どう考えてもお前らの仕業だろ」と言われて、
「森の移殖は、計画を実行にうつす前からはじめないと時間が掛かるので先にはじめたんです。ジハードさん達がやってくれているので、後2~3日で完了します。他にも新たに増やす計画なので、ちょっと待って下さいね」そういって僕らはギルマスの部屋で羊皮紙を拡げながら、必要な事柄を書きだした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

底辺デザイナー、異世界では魔法陣クリエイターとして最強でした

新川キナ
ファンタジー
現代日本で底辺デザイナーとして働いていたリサは、事故死して異世界転生。 与えられたのは「脳内に描いた絵を具現化出来る」という、遊び半分の余り物スキルだった。 だが、その力は魔法陣やスクロール作製において驚異的な才能を発揮する。 孤児として育ちながら、老職人に拾われて魔法陣の奥義を学ぶリサ。 凡人だった彼女はいつしか「魔法陣デザイナー」として異世界に名を刻んでいく──

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...