気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ

農村開発？

閑話〜王城では

エドワード殿下が王籍を離脱すると父親であるイオシス王に言いおいて出奔した日の夜、執務室にて宰相とイオシス王が困った顔をしながらルードリッヒ王太子の話を聞いていた。
「この度、ジークフリート・ミ・アストロの貴族籍はく奪によるエルンスト・ミ・アストロの宮廷魔術師団からの脱退及び貴族籍からの離籍、そしてこれに伴い護衛するものがいないと言ってエドワードが出奔した事ですが、現在では冒険者ギルドにて保護されていおります。ただ、これからなにやら3人で農村改革なるものを考えているようで、出奔する際に王都より南３０ノエルより先を開拓したいと申し出ております」
「たしか、このあたりは王領の一部であったな。そこを開拓してなにを考えているのだ？もう既に有る程度の町も存在している以上開拓する場所はないと思うが？」と宰相が言うと
「３０ノエルより先はしばらくは大きな町もなく、草原のみとなっていおります。街道より少し離れた地点になりますが、エルマ村があるだけなので、そのあたりを農業などの場にするのではと思われます」と王太子が答えると
「あのあたりはあまり土地が豊かでは無いので、エルマ村もいつかは廃村になるのではと噂されている。何か他のツテがあるのであろうか」とイオシス王が聞くので
「しばらくの様子見だと思われますが、多分王都にあるスラム街の者や、冒険者ギルド内での募集などで人を集めるのではないかと思われます」と答えた。
「では、冒険者ギルドに連絡を入れて計画書を提出させ、軌道に乗るまでそこをエどワード達３人に任せる。うまく軌道に乗った時点で3人のうちから誰かをそこの領主にしてもよいという条件ではどうだ？」とイオシス王がいうと
「彼等がきちんとした計画書提出と領地経営が出来るのなら、税金を5年間免除などで、私たちからの支援としてはいかがでしょう」と宰相が言うと
「それで良いだろう。あの者たちの手腕が楽しみだ」そう言って王は執務室を出て行った。
「しかし、村を一つ復興させて仕事にあぶれた者達を仕事に就かせるというのは難しいことだ。どうやってあの辺りを活気のある街道にするのやら」と宰相がルードリッヒに話すので
「多分、あのふたりのテイマーの力がカギとなるのでしょう。そういえば、何やら商業ギルドから書面が来ていたみたいなので、冒険者ギルドに連絡を入れる時にこれも持っていこうと思います」そう言って、ふたりも部屋を出ていった。