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農村開発?

部屋にて

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案内板に従って階段を上ると、受付があってその奥に簡易個室がならんでいた。

「すいません今日からしばらくお世話になるジークですが」と言ってギルドカードを提示すると、
「いらっしゃいませ、お連れ様はもういらしていますよ。今日は、2~3パーティ宿泊することになっていまずが、それぞれパーティ毎に別れていますので、ご注意下さい」と言われて、ぼくはなんの事だろうを思いながら指定された簡易個室に行くとそこにはなぜかエドとエルンスト兄さんが来ていた。
「遅かったな。何かあったのか?」と兄さんが聞いてきた。
「指名依頼が入っていたんだよ。ていうかなんで二人ともここにいるの?お城は?仕事は?」と畳み掛けるように聞くと
「おまえを追い出した家名なんていらないと言って家を出た。ついでに仕事を辞めてきた」と兄が
「エルンストが辞めるのなら私の護衛はいなくなる。といって王籍を離脱する事を父上に話して、転移でここに来た」とエドまで言い出した。そんなことで王籍離脱なんて出来るのか?と心配していると
「大丈夫!弟が生まれたから、私が居なくても機能するよ。しかし、なんで家を出されたんだ?」
「なんか必須のステータスがあって、HPとMPがそれぞれ1500ないとだめなんだ」と兄さんが答えると
「ヘンだよね。とうの昔に1500は超えているのにわからないなんて」とエドが言うので
「やっぱり、魔眼を持っているエドにはわかっていたんだ。ギルドカードに記載されていた値と、現実に自分で確認した値とではかなりのギャップがあって不思議だったんだけど、どうやら【隠蔽】が効いていたらしいんだ」
「【隠蔽】ね…それを見破れないという事はたかが知れているよね。と言うわけで、これから宜しく」と言われた。

3人で和気藹々と今後の話をしている時に突然ノックされて
「ジークいいか?」とガイアスの声がした
「ちょっと待って、ぼく以外にも2人居るんだけれどそれでもいい?」と聞くと
「お前の仲間だろ?だいたい想像できる。」そういって扉をあけて入ってきた。
「しかし、ほんとうにエドワード殿下が居るんだな。さっき受付に聞いたら、仲間がきているって言うからだいたい想像していたけれど、なんでエルンスト!殿下を止めなかった?今頃王城では臣籍降下だ、廃籍だって大騒ぎだぞ」
「え?私は廃籍でもいいんだが。どうせ冒険者登録してあるし、この後は研究者として農村にいてもいいかなと思ったんだけど」とエドが答えると
「しかしですね、簡単に言いますが、何も問題が無い者を臣籍降下させるわけにも行かないのです」とやはり城を出たとはいえ王族に対する態度はたぶんガイアスが正しいのだろうが、か、かたぐるしい…
「とにかく、私は戻りませんよ。このままでは国を分断しかねないのですから」といった。たしかにミムルを騎竜として王様に報告したところ、現王太子である、ルードリッヒ殿下を支持する貴族と、第二王子であるエドを王太子にしようとする貴族の間でつばぜり合いが起きているという。
「兎に角、裁定が下るまでは居場所をハッキリとさせて下さいね」と言われてしまった。
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