気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ

コリモ

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魔の森へ

さてフェンリル様と対面です

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エムラ村の移住がすみ、拠点ができた5日後ようやく叔父上から許可が下りたと連絡が入ったので、移住する他の群れを送るために前にいた水場に行くと、のんびり草を食んでいた。
「お待たせいたしました。魔の森の主様とその土地の領主様から許可が下りましたので、魔の森へ移住していただける方達を連れて行きたいのですが大丈夫でしょうか?」
《これまで群れのサブリーダーをやっていた、よろしく頼む》
「わかりました。では今連れて行くのは【新しい土地で生活したい者】35頭です。イコロの森より北に位置しておりますのでここより涼しいかと思います。冬は雪が降らないので、それほど寒いわけではありません。如何でしょうか?」
《俺たちが行こう》まだ年若く見えるオスが声を上げた。
「よろしいのですか?他の方々とはかなり離れるのでもう会えないかもしれませんよ」
《ここにいても群と別れて生活するにも新しい土地に行かなければ生きて行くには難しいほど群は大きくなってしまった。人間も間引きしてくれるが2~3年するとすぐに元に戻る。それなら群を4つに分けて、新たに生きていける場を求めてもいいだろう》そういうとそれまでいた中から35頭が僕の方に向かってきて、魔法陣の中に入ってくれたので、森の近くの平原に移動した。


平原へ着くと、叔父であるエステラント男爵と大きな白い狼がいた。
「よく来てくださいました。私がこの土地を預かるカインという者です。これからは隣人としてよろしくお願いします」そう叔父上は言ってくださった。
《私はこの森を管理している者だ。君達を歓迎する危険な魔獣は彼らが定期的に狩ってくれるが、用心に越したことはない。気をつけるがいい》そう言って森の方に向かって帰っていった。
すごい威圧感だったやはり魔の森の主だけはある。しかし、このまま放置するわけにはいかない。
「叔父上、ご無沙汰しておりあます。彼らをこの平原に住まわせて大丈夫でしょうか?」と尋ねると、
「できればトロンの村の近くに来てもらって、畑作業などを手伝ってもらいたいのだが…」と聞いてきた。
《水場があれば我々はどこでもいいが?》と答えてくれたが確かこの辺りはかなり深く掘らないと水がなかったような…
「大丈夫です。現在森にグレイブどのの許しを得て水源を確保し、畑に水を引けるようにしてあります」さすが兄さん。たった5日でそこまでやっておいたんだ。
「グレイブ様って?」
「先ほど挨拶されたフェンリルの名前だよ」と教えてくれた。通りで狼にしては大きいと思った。そうこうしているうちに魔の森から兄が道を切り開いてきたので、
「兄さん。そんなことしていいの?」と聞くと
「大丈夫よく見て、私は一つも切っていないよ。グレイブさまにお願いして行き来できるように通路を作らせてもらっただけだから。」そういって笑った。実はこの魔の森、いがいと広くて迂回すると丸3日かかってしまうのだ。そのため、採取目的以外では滅多にこの平原に来ることはないと叔父上が後で教えてくれた。
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