気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ

農村開発？

エルマ村村長side

ここ2～3日前から村の畑の周りで川を作ったといってそこから水を引く灌漑用水路を手伝って欲しいと大体においてこのへんに川はないし、作るなんて簡単なことではないのにも関わらずだ。ただでさえ、若い者は王都や領都など大きな街に出て行きたがる。今いるのは我々年寄りと女子供というかなり過疎化が進んだ村でしかない。

昨日あたりから畑の作物が生き生きしてきたら。まさか本当に川を作って灌漑用水路を引いてくれたのだろうか。
「村長！近くの街道に森が出現したと冒険者たちが騒いでいます。その奥に泉が出現したというのです」と村にある冒険者ギルドのマスターが駆け込んで来た。
「慌てるな。確か王都から通達が来ているはずだ」そう言って書類の束を漁ってみたらあった。私たちの村を含むこの辺り全域の生活改善及び農地改革だと！！！
「あった。あれはどうやらこの辺り一帯の再開発を考えたお坊ちゃんがやらかしたみたいだ。そのうち諦めて元の草原に戻るよ」そう言った翌日、そのお坊ちゃんの典型であるエド様がきて
「ビッグホーンをこの辺りで飼いたいのですが、よろしいでしょうか？」と聞いてきた。
「私たちの生活に関わらないのなら別にいいいですよ」そういうと
「それはもったいない！彼らはきっと役に立ちますよ」そう言って簡単だが利点とに問題点を話してくれた。
「では西側のあなた達が引いた川の下流を試験的に利用してください。こちらも、水を汚さないようにします。あと、灌漑用という事で引いてもらった水は利用しても？」
「はい大丈夫です。力仕事が必要な時は声をかけていただければ、いつでも手伝いに来ますので」
そうエド様は行ってくれた。きっと収穫が上がることにより、人手が足りなくなると踏んでいるのだろう。しかし、魔獣である彼らを村に引き入れるわけにはいかない。悪いと思ったが、本当に必要な時にお願いしよう。そう思い、エド様の話を村のみんなに話そうとした時、たくさんのビッグホーンを連れて一人の少年がエド様と一緒にやってきた。
彼はテイマーだというが、どこまで信用できるかわからない。結局エド様との話し合いで決まったことを彼に伝えて帰ってもらった。さて、これからどうなるのだろう全くわからない…